超獣(ウルトラ怪獣)

登録日:2018/09/18 Tue 20:04:12
更新日:2024/04/23 Tue 20:58:41
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邪魔はさせんぞ!


画像出典:ウルトラファイトビクトリー(2015年3月31日~6月23日)より
©円谷プロ


行くぞ、超獣共ォ!!



超獣とは、『ウルトラマンA』を始めとするウルトラシリーズに登場する生物。



概要

地球侵略を企む異次元人ヤプールが異次元から送り込む生物兵器で、超兵器としての怪獣。
初登場作である『ウルトラマンA』ではヤプール同様、ウルトラシリーズ初の番組を通してのレギュラーの敵役。

それまでのウルトラシリーズの主な敵は、凶暴な怪獣や侵略宇宙人などであったが、超獣はその怪獣以上の脅威として設定された敵である。
「超獣」という名は、「Terrible-monster(テリブル・モンスター)」即ち「怪獣を超えるもの」を意味し、
実際『A』本編では、超獣が怪獣より強力である事を示す為の演出が何度かなされている。
後発の作品であっても『大怪獣バトル』で超獣使いが「生半可な怪獣で勝てると思うな」と発言していたり
ウルトラマンギンガS』でチブル星人エクセラーが「基礎スペックは怪獣の比ではない」とワンゼロに説明したりしている。


『ウルトラマンA』の放送が開始された当初は、ヤプールの操る合成生物兵器という位置付けだったが、
『A』第23話で全ヤプール人が合体した巨大ヤプールがエースに倒された為、
以降は自然発生した超獣や、ヤプールとは関係のない宇宙人の操る超獣が出現したりと、ヤプールとの関係が不明瞭な個体が多く登場するようになり、
超獣の定義も変わり始めて行った。
尤も、ヤプールの存在が人間側に周知されていなかったA第一話の時点の劇中で人間側は超獣を『地球侵略を目的とした宇宙人が文明破壊を目的として製造した異次元の兵器生物』と定義しており、
慣れない土地で敵と遭遇してパニックを起こしているだけの怪獣を利用している』、
ペットや番犬用に家畜化されたり、若干それを強化したりした程度の怪獣』や
既存の怪獣を養殖した*1
ものとは明確に区別されている。
異次元人、特にヤプール由来の技術で製造された戦闘用兵器生物全般が超獣の基本的な定義と言える。*2
劇中描写でもヤプールの技術が完璧と言う訳ではなく、痛みに弱いベースとなった動物の意識を残してしまった等の製造者も想定していなかったバグが生じた失敗作も存在しており、
実戦投入前にヤプールがバグに気付いて捨てたり、
円谷プロ監修の『僕らのウルトラマンA』で指摘されたように製造したものの作戦発動前に作り主が倒されたり、超獣の改良に(興味本意で)試行錯誤をしていたマニアックなヤプールに作られたりしたものが野良超獣になった例も十分に考えられる。


だが、ヤプールは完全に滅んだわけではなく、ちゃんとヤプールに由縁する個体も存在しており、ウルトラマンエースに挑み続けていた。
『A』最終回で最強超獣ジャンボキングが敗れたことで、ようやく超獣の頻出は止んだかに見えたものの、
ウルトラマンタロウ』や『ウルトラマンメビウス』等の後年の作品でも、ヤプールの復活と共に再び地球上に姿を現している。
ヤプールが復活する限り、超獣も永久に不滅の存在なのだろう。
ただ、『タロウ』では怪獣を超えた超獣をも超える力を持つアストロモンスなどの「大怪獣」がメインの敵怪獣となるため、劇中での扱いは『A』における怪獣のポジションに近く、
ベムスター復活!タロウ絶対絶命!/逆襲!怪獣軍団』当時の学年誌では、ヤプールたちは怪獣軍団から派遣されていたという設定となっていたが、
作戦の失敗について怪獣軍団から「だいたい超獣などという古臭いものに頼るのが良くない」などと言われてしまっている。

平成末期の作品である『ウルトラマンオーブ』や『ウルトラマンR/B』では、主人公と敵対する人物が、怪獣等の力を封印したアイテムから超獣*3を召喚・使役することがあり、
その出現に際して「怪獣!?」と反応する主人公やその味方の人物を遠目で見て、「怪獣じゃない、超獣だ」と密かに突っ込むのがお約束の流れになりつつある。


特徴

上記にもあるとおり、超獣はヤプールが地球侵略のために生み出した改造生物であり、超獣を作り出す際は「超獣製造機」と呼ばれるマシンを用いる。
このマシンはヤプールの悪魔の科学力で開発された代物で、これで素材となる地球の生物と宇宙怪獣を融合させることで超獣を作り出す。
ベロクロンやバキシム等、ミサイルや弾丸や火炎放射など、全身に様々な武装を仕込んだその姿はまさに「怪獣兵器」「生きた兵器」と呼ぶに相応しい。
また、特徴として超獣は怪獣にくらべて派手な配色や造形をしたものが多い。

更に生物兵器ということもあり、怪獣や宇宙人とは異なり痛覚や恐怖心というものを持ち合わせていない。
人間の操作者と同調するように作り出したガランのような特殊な調整を施した例外や改造前の意識が残ってしまったブラックピジョンのような失敗作のみが痛みで怯んだり感情を現したりする。
そのため、どれだけ痛め付けようが意に介さず身が滅びるまで襲って来るため、一度対峙すれば完全に生命活動が停止するまでひたすら攻撃を加えなければいけないという恐ろしい存在である。
『A』にて、時にエースがオーバーキルめいた倒し方をしていたのも、そうする必要性があってのことだったのだ。

漫画『ウルトラマン超闘士激伝』においては、超重力・超高圧・超高熱のヤプール次元の環境に耐えうるようにヤプールたちが改造を施したという設定。
本作は(少なくとも)エースが地球に飛来する以前で歴史が正史から分岐しており、30世紀末~31世紀前半ごろにヤプールが地球に侵攻している。
この時に作られた超獣たちはウルトラマンたちのいる宇宙で作られたため、ヤプール次元の環境には耐えられず、故にヤプール次元で作られた超獣より劣るらしい。
ヤプールが敗北したことにより、超獣たちは支配を解かれ、他の怪獣や宇宙人たちと平和的に共存していた。
その後、ここでエースが撃退したヤプールは組織全体の末端のパシリに過ぎなかったことが判明し、本隊がヤプール次元からの移住を目論み侵攻。
結果的にその作戦は失敗に終わり、首領ヤプールの支配から逃れた超獣たちはピッコラ星に移住した。

M78シリーズ以外のウルトラシリーズや、
同じく円谷プロ製作の『電光超人グリッドマン』にも超獣と呼ばれる怪獣が登場する。
一部にはヤプールの干渉を受けている次元もあるが、大多数はもちろんヤプールとは無関係である。


超獣一覧

名前の後ろに「★」マークが付いた者は、『メビウス』以降に撮影用スーツが新造され、映像作品に再登場したことのある超獣を指す。

ヤプール配下

『ウルトラマンA』本編に登場

『ウルトラマンタロウ』本編に登場
  • さぼてん超獣 改造サボテンダー
  • ミサイル超獣 改造ベロクロン二世


その他、漫画・雑誌媒体に登場
  • 残酷超獣 チルドレス
  • 双竜超獣 アドルフキング
  • 究極超獣 ゼロキラーザウルス

ヤプール以外の超獣

『ウルトラマンA』本編に登場

『ウルトラマンタロウ』本編に登場
  • オイル超獣 オイルドリンカー

M78シリーズ以外の超獣

ウルトラマンダイナ』本編に登場
  • 宇宙超獣 トロンガー

  • 骨翼超獣 バジリス


ウルトラマンブレーザー』本編に登場
  • 宇宙汚染超獣 ブルードゲバルガ


ウルトラシリーズ以外の超獣

『電光超人グリッドマン』本編に登場
  • 魔力超獣 ジュバゴン
  • 暴君超獣 デビルフェイザー
  • 毒蜘蛛超獣 カーンジョルジョ


余談

エースキラーはヤプールが作り出した存在ではあるが、純正のサイボーグ超人であるため、時に勘違いされることもあるが超獣に分類されない。

『オーブ』以降の映像作品でベロクロン達を差し置いて超獣枠でアリブンタのみが登場するのは、
撮影に使用できる超獣の着ぐるみが『ファイトビクトリー』で新規造型されたアリブンタしかもう残っていないという大人の事情。

ベロクロン、バキシム、ドラゴリーは酷使によって経年劣化が酷くなり、撮影には耐えられなくなったためにバキシム、ドラゴリーはアトラクション用に回され、
ベロクロンに至っては長らく消息不明で最近になってやっとイベントで展示されて生存が確認された程。
ルナチクスはモットクレロンに改造されて『オーブ』に登場予定だったが中止になったのでそのまま廃棄となった。

超獣の着ぐるみは絶滅の一途を辿っていたが、『ウルトラマンZ』にてバラバの着ぐるみが新造されたため、なんとか危機は回避されたようだ。正に「ヤプール死すとも超獣死なず」である。



追記・修正は超獣製造機で超獣を作り出してからお願いします。


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最終更新:2024年04月23日 20:58
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*1 実は養殖=人工繁殖と家畜化は品種改良しているかしていないかで大きな違いが有る。象やチーターは組織的に飼育されていた歴史が有り、ライオンも幼い頃から大切に飼えば人間に非常に懐いて一緒に育てた動物も仲間認定する事は紀元前から知られていたが、『品種改良が難しい』『元々知能と社会性が高く品種改良しなくとも人間の指示を聞かせられる』『育成、飼育コストが高く、余程資金力のある人間しか飼育出来ない』ので品種改良はコストパフォーマンスが悪い、と単なる飼育下での繁殖以上の措置は取られなかった。

*2 だから、ヤプールから流出した技術を使った宇宙人や地底人が製造していても、A劇中の定義からは逸脱していない

*3 主にアリブンタ

*4 ルナチクスは、エース本編ではヤプールとの関連は触れられなかったが、メビウス登場時はヤプールの手下として登場している。