GOD機関(仮面ライダーX)

登録日:2018/09/07 Fri 22:11:10
更新日:2024/04/08 Mon 02:24:16
所要時間:約 12 分で読めます






G D
O



ゴッドは悪の帝国だ。我らに刃向かう者は皆殺し、皆殺し!


GOD機関とは、特撮テレビドラマ『仮面ライダーX』に登場する悪の組織。通称「GOD」。
正式名称は「Government Of Darkness(ガバメント・オブ・ダークネス)」
日本語に訳すと「闇の政府」「暗黒政府」を意味する。



概要

デストロン壊滅後、新たに出現した第4の組織。
表向きは対立関係にある東西の某国が、高度経済成長によって急成長にある日本を牽制すべく、水面下で手を握って組織した秘密結社。
以前の組織(ショッカー~デストロン)が世界征服を目的としていたのに対し、GODは改造人間を使っての「日本全滅」を目論む。しねしね団は関係ない。
組織のシンボルマークは「G・O・Dのイニシャルを両目と口に見立てたドクロ」。

初期の組織図は警備課や技術課、人事課、車両課、作戦課、医務局、科学開発局、GOD秘密警察など複数の部署に分かれており、
ドーム型のアポロン宮殿、アポロン第2宮殿といった大規模な施設や基地、更にはGOD通信衛星や専用のテレビチャンネルも保有している。

組織のトップに立つのは「GOD総司令」と呼ばれる謎の人物。これまでのショッカー~デストロン首領同様、姿を見せることはなく声のみで指令を伝える。

これらの組織の概要は番組前半のものであり、番組前半の主力は「神話怪人」を中心とした軍事的な作戦や破壊工作による日本征服を展開していたが、アポロガイスト戦死とアポロン第2宮殿の爆発により神話怪人軍団が壊滅すると、総司令が姿を消す等組織を再編成し、新たにキングダークが指揮する「悪人軍団」を主力とした作戦を展開した。
このGOD機関の再編ぶりはあたかも別組織のようにも見え、神敬介も悪人軍団と初めて対決した際には戸惑う様子も見せた。
作戦も、従来通りの日本征服からRS装置の設計図を巡る攻防戦に移行して行く。

初期のGODは軍事基地のようなアジトを建設していたのに対して、後期のGODは地下洞窟をそのまま使用している描写が多い。
兵器や装備も他の組織よりも充実しており、日本全国に弾薬を持ち込んでゲリラ戦を誘発する作戦や、洗脳した村人を武装させる等、戦力に余裕があった。
その後敗北が続く中で消耗して行ったと思われるが、悪人軍団編でもヒトデヒットラーが潜水艦を持ち出したり、サソリジェロニモがインディアン戦闘員を率いる等、独自の戦力を保有していた。
終盤では悪人軍団も消耗して行き、RS装置を欠いたままのキングダークを起動させて戦わざるを得ない状況であった。
最終的に呪博士はキングダーク諸共自爆し、地面に落ちたキングダークの頭部が目を閉じてついにGOD機関も滅んだ。

目的が目的のためか、日本での活動を主としているようでデストロン壊滅後海外へ旅立った風見志郎はGODの存在を知らなかった。

その後、『仮面ライダーストロンガー』にて岩石大首領(もといJUDO)が裏から操っていたに過ぎなかった事が判明した。


構成員

首領

  • GOD総司令(声:阪脩)
GOD機関の支配者。だが、その正体は一切不明。
ショッカーの首領のように姿を見せず、様々な物*1に仕込んだテープレコーダーを介して怪人達に命令を出す。
テープレコーダーは機密保持のため、指令を伝え終えると爆発する。
CVを務めた阪氏は、次作『仮面ライダーアマゾン』でもガランダー帝国の支配者の声を務めることとなる。

アポロガイスト戦死後に姿を消し、物語に最後まで登場しなかったため、様々な憶測がある。
後述の呪博士正体説、後にガランダー帝国を率いた説(上記のガランダーの支配者と声が同じため)もしくはアポロン第2宮殿に滞在しており、爆発に巻き込まれて死亡等。

  • 呪博士(声:和田文夫)
最終回に登場したGOD機関の支配者。
「悪魔の天才」と呼ばれた程の科学者で、神敬介/仮面ライダーXの父である神啓太郎とはかつて親友だったという。一応日本人で、「呪」もれっきとした本名。
キングダークの内部に潜んでおり、自身の脳とキングダーク内部のコンピュータをコードで繋ぐ形で一体化していた。
おそらくコードを埋め込むための改造手術を受けたと思われるが、そのせいか頭部が異常に大きく、
肌が真っ白になっており、一見すれば人間には到底見えない。
GODのシンボルであるドクロのようにも見える。
声はそのままキングダークの声として部下に指示を出しており、実質キングダーク=呪博士と言う状況であった。

書籍やDVDのデータファイルによっては彼がGOD総司令の正体とされているが、ファンの間では呪博士とは別に黒幕が存在するのではと考察されている。
ただし、科学者を使い捨ての駒のように扱い、用が済んだら粗雑に扱い始末していたGOD機関の中で、科学者でありながら実質後半はキングダークの姿を借りて実権を握っていた彼は、少なくとも後期のGODにおいては稀有の存在であり、指導的な役割であったのだろう。

仮面ライダーSPIRITS』では、肉体を持たない情報体として復活。
キングダーク2号機内部に囚われた滝和也の体を乗っ取り、Xライダーと再び対峙する。


大幹部

第8話から登場。正式な肩書は「GOD秘密警察第一室長」。
Xライダーのライバルとして立ち塞がる強敵。
詳細は該当項目を参照。

アポロガイストの死後、第22話からGODの大幹部に着任した鋼の大巨人。
「GOD悪人軍団」を率いてRS装置の設計図を狙う。
正体は呪博士の操る巨大ロボット
詳細は該当項目を参照。


怪人

GODの怪人は大きく分けて2種類存在する。

神話怪人

番組前半に登場する改造人間。
ギリシャ神話やローマ神話に登場する神、妖精、英雄、怪物などをモチーフとしている。
造形は彫刻を思わせる、神々しくも不気味さも感じさせるものとなっている。
中にはキャッティウスやオカルトスのような特定のモチーフがいない怪人も存在。
仮面ライダーシリーズ初の幼稚園バスジャック実行犯であるキプロクスが所属していることで知られている。


GOD悪人軍団

番組後半に登場する改造人間。
歴史上に存在した「悪人」とされる独裁者や凶悪犯罪者の死体を盗掘し(各資料で諸説あり)、それに動物や昆虫などの能力を移植して作り出した怪人達。
中にはファントマやアルセーヌ・ルパンといった架空の人物の他、アドルフ・ヒトラーのように今放送すれば確実に問題視されそうな人選も含まれる。
ジェロニモなど史実的には悪人とは言い難い人物も混じっているが、「子供にとって分かりやすい悪役モチーフ」としての事情と割り切ろう。

キングダークに率いられ、主にRS装置の設計図を巡ってXライダーと争奪戦を繰り広げる。
戦闘能力は神話怪人よりも高いが、やや詰めの甘い部分もある。

2種類のモチーフが存在するところは、ゲルショッカーの合成怪人やデストロンの機械合成怪人を思わせる。
また、歴史上の実在人物がモチーフという要素は、後年の『仮面ライダーゴースト』の英雄ゴースト眼魂でも採用されており、一部モチーフ元の人物が被っている。



戦闘員

  • GOD戦闘工作員
GOD機関の戦闘員。黒づくめの覆面とコスチューム、赤いマント、ゴーグルとベレー帽を身に着けている。敬礼は何故か合掌。
戦闘以外にも、暗殺スパイ活動を遂行しており、拳銃短機関銃、アサルトライフル、弓矢、接近戦では先端にGOD機関のエンブレムがついたステッキなどを扱う。マッハアキレス配下の戦闘員はローラースケートを履いて攻撃した。その他にアポロン宮殿の警備担当の、黒いヘルメットを被り緑の腕章をつけたGPも登場。
悪人軍団の配下は上司である怪人に合わせたコスチュームを着ており、またコスチュームに合わせた武器で武装している。


その他の構成員

  • 水城涼子
1話から8話に登場。神敬介のフィアンセで、水城霧子の双子の姉。神親子を裏切ってGODの一員となっていた。
しかし、彼女の正体はインターポールの秘密調査員。表向きは神親子を裏切ったふりをしてGODの動きを調べていた。
妹の霧子に、自分の代わりに敬介の手助けをするように頼んでいた。

小説『仮面ライダー1971-1973』に登場する人物で、改造人間を遥かに上回る数々の超能力の持ち主。
詳細は該当項目を参照。


その他派生作品のGOD機関

すがやみつるの漫画版

『テレビマガジン』『冒険王』連載版共に概ねTVシリーズと同じだが、
別冊長編として展開されたイカロスのエピソードなど、原作以上に話を膨らませて展開されたすがや版ならではの話も多い。
また、『テレビマガジン』版では、GOD機関に所属する一般の訓練生(勿論歴史上の人物とは何の接点もない)がジンギスカンコンドル並びにサソリジェロニモの素体となる描写が存在しており、
この漫画版に限ればGOD悪人軍団は別に歴史上の人物を素材にした怪人という訳ではない模様。

山田ゴロの漫画版

スカイ』並びに『スーパー1』の時期に描かれたコミカライズという事もあってか、
初代~ストロンガーまでのエピソードは『V3』を除いてほぼダイジェスト化されており、『X』編におけるGOD機関との戦いも僅かエピソード2話分に絞られている。

ハヌマーンと5人の仮面ライダー

キングダークとコウモリフランケン、その他GOD機関の再生怪人たちが登場。
……が、描写があまりにも『仮面ライダーX』のキングダークとかけ離れており、彼らがGOD機関であるかは果てしなく疑わしい。

仮面ライダーディケイド

アポロガイストが大ショッカーの大幹部として登場。同時にGOD機関そのものも大ショッカーと結託した状態となっている。
オリジナルの強化形態「スーパーアポロガイスト」も登場する。

劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー

キングダークが大ショッカーの大幹部として登場。

オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー

アポロガイストとキングダークがGOD代表として、ショッカーと同盟を築いている。

S.I.C HERO SAGA

『仮面ライダーX』の後日談エピソード「MASKED RIDER X EDITION -ゼウスの息子-」にてアポロガイストと呪博士が登場。
また『レッツゴー仮面ライダー』の後日談「KAMEN RIDER OOO EDITION -OOZ-」では、GODそのものをモチーフにした怪人であるゴッドグリードが登場する。

仮面ライダー1971-1973

ショッカーの上位組織として登場。作中で存在が判明する構成員はアポロのみ。
実際には、ショッカーやGODを含んだ複数の組織を統括する巨大組織が存在する模様。

仮面ライダーSPIRITS

バダン配下の再生組織として復活。中国地方を制圧している。
本作オリジナルの設定として、呪博士が密かに開発していた「キングダーク2号機」が登場。
敬介の証言によると、「GODは日本を全滅させた後、そこを拠点に世界征服を企んでいた」らしい。


余談

『仮面ライダーX』と同時期に放送されていたアニメ『グレートマジンガー』は、当初は「ゴッドマジンガー」という名前になる予定だったが
本作のGOD機関と名前が被ってしまい、悪役と同名の主人公機という事態を回避するために現在のタイトルになったという逸話がある。





―――追記・修正を怠る者には死、あるのみ。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • GOD機関
  • 悪の組織
  • 仮面ライダー
  • 仮面ライダーX
  • キングダーク
  • アポロガイスト
  • 神話怪人
  • GOD悪人軍団
  • 神の名を騙る組織
  • ライダー系悪の組織リンク
  • GOD総司令
  • 呪博士
  • GOD戦闘工作員
  • 秘密結社
  • 日本全滅
  • しねしね団
  • しねしね団←ではない
  • Government Of Darkness
  • 闇の政府
  • RS装置
  • 水城涼子
  • 暗黒政府
  • ドクロ
  • 髑髏
  • ギリシャ神話
  • ローマ神話
  • 大ショッカー
  • テープレコーダー
  • 歴史上の人物
  • GOD
  • ゴッド
  • ゴッドグリード
  • 日本全滅→世界征服
  • 仮面ライダーディケイド
  • 冷戦

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年04月08日 02:24

*1 石像、地蔵、人形、ニワトリ型のロボット、工事現場のコーンなど。