ローグライクゲーム

登録日:2018/09/06 Thu 07:41:34
更新日:2024/02/06 Tue 00:47:58
所要時間:約 33 分で読めます




ローグライクゲームとは、ざっくり言うと「ローグっぽいゲーム」のこと。
カテゴリとしてはRPGの一ジャンルに含まれることが多いが、非常に特殊な仕様が多く一概に普通のRPGと比べるのは難しい。
「ローグライクはローグライクというカテゴリ」と捉えるのが一番かもしれない。

概要

詳細は後述するが「Rogue」というPCゲームがその元祖。
作品ごとに仕様にはだいぶ幅があるが、概ね以下の要素が共通する。

  • ランダム生成ダンジョン
ダンジョンが自動生成される。アイテムやモンスターの配置、さらにはに至るまで毎回違った感覚で挑戦できる。
  • 戦闘、アイテム、食料のリソース管理
ダンジョンでは多数の敵が出現する。だが多くの場合彼らとの戦いは必須ではなく、あくまでダンジョンの制覇が目的なのだ。その冒険を助けるアイテムもダンジョン内には落ちているが、プレイヤーが持ち運べる数を優に超えるほど手に入る。
加えてターン経過によって満腹度・空腹度が減少していくため、食料がないまま同じフロアで時間を浪費しているといずれ餓死してしまう。
つまり戦闘をするべきか、どのアイテムを優先するか、探索時間と満腹度の兼ね合いをどうするか…といったリソースを常に計算しながらゲームを進めるシステムとなっている。
  • 戦闘シーンと移動シーンが区別されない
モンスターと遭遇したらその場がそのまま戦場になる。そのため、戦闘システムは全体的にごくシンプルにまとめられている傾向にある。
  • セミリアルタイム制
大元のRogueはシンプルに敵も味方も1ターンに1回だけ動けるターン制。他作品だとターン制を踏襲しているか、又は速度などで細かく行動タイミングを分けているケースが多い(こちらが早ければ二回行動ができたりする)。基本的に敵味方共にほとんど同時に動いているような感覚になる。
画面の印象から誤解されることもあるが、ゼルダの伝説的なアクション要素は伝統的なローグライクには存在しない。
  • クリアしてもゲームオーバーになってもリセット
プレイヤーの強さや所持アイテムはダンジョンをクリアしてもゲームオーバーになっても同様にリセットされる。「それしんどくね?」と思われるかもしれないが、プレイを繰り返すうちに徐々にコツが身に付いていくはず。そのため、キャラクターが強くなるのではなくプレイヤー自身が強くなるゲームであると言える。
もっとも、セメントなローグライクでは一般的なコンシューマユーザー受けは難しいとの判断か、「不思議のダンジョン」系列ではアイテムを持ち帰って倉庫にしまって持ち出せるシステムも一般的になっている。(そしてその一方でアイテム持ち込みができない「もっと不思議」が搭載されるのも毎度恒例)

上記の仕様を見れば大体わかるかもしれないが、ローグライクゲームは難易度が全般的に高く設定される傾向にある
普通のRPGと違ってキャラクターのレベルを上げてごり押しが通用しないため、プレイヤーが知識を得て的確に動くことが求められるのである。

ワンプレイが長くて気軽に遊べない他、死んだら全て失うという性質上、ブラウザゲーム、ソーシャルゲームと相性が悪いとされる。
(例を挙げると『クリミナルガールズブーセ』は半年も持たずにサービス終了となった)
後述する『世紀末デイズ』の製作スタッフもその点がネックだったと語っており、「課金要素との相性がメチャクチャ悪い」「ローグライクは“生きるか死ぬか”みたいなところでドキドキするのが楽しいので、課金で“強さ”が買えちゃうと急にそこからつまらなくなってしまう」とコメントしている。

いつでも手を止めることができるターン制という仕様から実況プレイ動画配信に適しているという特徴もある。
初代シレンは公式で動画配信を許諾している他、近年の作品では動画配信向けの特殊な表示UIを公式で用意されているほど。
一方でプレイヤーの判断ミスが視聴者に伝わりやすく、指示コメントが大量に発生して空気が荒れがちというデメリットもある。


ローグライクゲーム用語集

  • アイテム鑑定
ローグライクの基本要素の一つ。
ローグライクでは難易度の低いダンジョン以外では、大抵アイテムは未鑑定状態で落ちている。
そのため、不用意に未鑑定アイテムを使うと非常に危険。マイナスアイテムであったら大惨事だし、逆に使用タイミングを選ぶ激レアアイテムだったらもったいない。
よって、以下の様に慎重にアイテムを鑑定する必要がある。
識別アイテムを使う
一番確実。「鑑定の巻物」等の識別用アイテムを使うことで確実にアイテムの正体が判明する。
ただし使用回数には限度があることが殆どなので、ある程度対象は見極めたい。
店で売値を見る
Rogue直系のゲームや、不思議のダンジョンシリーズでは可能な手段。
アイテムの持つ属性――例えば店での買値や売値など――は全てのプレイでほぼ一定であるため、それを利用して識別する。
知識量は必要だが、一番低コストかつ安全。実際に取引せずにキャンセルすればアイテムも戻って来る。
とはいえ、作品にもよるが意図的に売値が同じ罠アイテムも存在しているため過信は禁物。
店主に識別の巻物を渡すと商品を全部鑑定してくれる作品もある。
古いローグライクだと色んな要素で価格が変動するので難易度は上がる。
実際に使う
どうしても判らなければこれしかない。リスクがあるので使う場所は慎重に選ぶこと。モンスターの群れの中で使うなどもってのほか
基本的には探索を終えた後に階段の上で使うのが望ましいとされる(マイナス効果には「その階層のみ」というものがいくつかあるのですぐに階段を降りることでリスクは減らせる)。
1枠で何度も使える物なら、距離を取って敵に使うのもいいだろう。

ローグライク最大のドキドキにしてお楽しみ要素。(或いは鬱要素)
モンスターにフルボッコされたらお気の毒。
うまく切り抜けられれば経験値とアイテムたっぷりでウハウハである。
パワーワイアームの巣? **破壊**するか急いで離れようか。

不思議のダンジョンシリーズなど、店があるゲームでは可能な手段。
ダンジョン内にある店からアイテムを奪い取る。
が、ローグライクのお約束として、店を管理する店員が鬼のように強い。
盗んだ瞬間、すぐ傍にいる店員が即死級の敵に変貌する事になるので、これをやる時は絶対に逃げ切るか、返り討ちにするかの計画を立てておく事が重要である。
上手くいけば有用なアイテムが無料で大量に手に入るので、リスクを飲んで挑戦するプレイヤーも多い。
なお泥棒状態で力尽きるとペナルティが重くなるケースもある*1。ハイリスクハイリターンの行為である。
むしろ慣れたプレイヤーだと、買うお金があっても盗むこともザラ。まず盗みを前提に手持ちのアイテムと相談して、成功する見込みが薄いから仕方なく金を払って買うというスタンスが大半のプレイヤーである。

  • 呪い
ローグライクゲームでは、装備品は全て呪われている可能性がある。
呪いアイテムはスペックが通常の装備品より低い上に一度着けると外せない。
何かしらの解呪方法を使うか、装備外しの罠などで無理矢理外す必要がある。
武器防具ならまだいいのだが、マイナス効果の指輪などが呪われていると悲惨。
上記の「アイテム鑑定」が重要になる理由の1つ。
作品によっては対となる「祝福」があったり、装備品以外も呪われていることがある。

  • 罠(ワナ)
床に一定確率で設置されるトラップ。大ダメージを受ける地雷、手持ちのアイテムをばら撒く転び石、ランダムに移動させられるワープの罠など多種多様な種類がある。
モンスター以上に厄介な存在だが、一方でワープの罠を使って敵から逃げるなど逆利用することも可能であり、プレイヤーの判断力が問われるギミックでもある。
古い作品では部屋の入口に設置されて回避不可能となっていることもあるが、最近の作品では入口には設置されないケースもある。

チュンソフト製のシリーズ作品に大抵用意されている要素。
クリア後にしか行けないことが多いいわゆる「裏ダンジョン」。
基本的に、持ち込み不可・仲間なし・アイテム全て未鑑定という、要するにクラシックなローグライク・ダンジョン。
非常に難易度の高い要素がてんこ盛りとなっており、プレイヤーの実力と運が問われる。
逆にこれさえ突破できれば、そのゲームは極めたと言っても過言ではないだろう。


色々なローグライクゲーム

Rogue

元祖となるPCゲーム。プレイヤーは@←コレ。
グラフィックという概念が無い大昔の産物ゆえ、ダンジョンも敵も全てアスキー文字で表現されているのが特徴。今風に言えばAAだけで表現されたゲームみたいなものである。
そのため非常に省データとなっており、低スペックのパソコンでも無理なく動く。それもそのはずで初版リリースはなんと1980年。
TRPGのダンジョンズ&ドラゴンズから影響を受けており、アイテムのほぼ全てがダンジョンズ&ドラゴンズと同じパラメータを持っていたりする。
初期の作品なので、食料供給がシビアだったりダメージ表示がなかったりと今の視点から見るとなかなかキツイものもある。
一応、ダンジョンのどこかにある「イェンダーの魔除け」を持ち帰るという目的が存在するが、普通に地面に落ちているだけなので特に展開の山場とかはない。

ちなみにオリジナルのソースは未公開*2
その後の「Rogue」の名を冠する直系作品群は、オリジナル版の動作を解析して製作された「Rogue Clone」というデッドコピーを祖としている。
しかもその誕生は後述するNetHackと同じ1987年。始祖であると同時に兄弟分でもあるのだ。


NetHack

Rogueの直系の子孫に位置づけられるフリーゲーム。

前身であるRogueから基本的なシステムや設定を引き継ぎつつ、ダンジョン・アイテムなど特にゲームのボリュームが大幅に増強されている。
ショップやモンスターハウス、ペットなどのギミック、「ポーションは敵に投げれば異常付与に使える」のようなアイテム活用法など、今では当たり前となったアイデアの多くはこの時代に確立されたものであり、後の作品に与えた影響は計り知れない。地面に敷いて使う聖域の巻物が初めて登場したのもこれ。
加えて特徴的な要素が「神への祈り」である。プレイヤーは神のパシリ使徒であるので、自身がピンチになった時に神へと祈ることで、神が奇跡の力で窮地から救ってくださるのだ。
HPが尽きそうだ・餓死するほどお腹が空いた・食中毒で余命が数ターン・石化しそう・獣化しそう・やっかいなアイテムの呪いを解きたい・特にピンチじゃないけど最大HP増やしてほしい、と一通りの状況で有用な万能コマンドである。
神への感謝を供物と言う形で捧げ続けないと逆に殺しにかかってくるけど。
他のシリーズと比べると、「モンスターの死体」がやたら強調されているのも特徴かもしれない。
プレイヤーの基本食糧はパンじゃなくて死体だし、特殊な死体は食べることで状態異常への耐性やナイスな体質が身につくし、死体を祭壇で捧げることで神のご機嫌を取り強力なアーティファクトを貰う必要もある。
なんせこのゲーム異常に難易度が高く、1000回やって1000回ゲームオーバーなんてこともあり得るのだ。プレイする際は攻略サイトをお供にしよう。

当初はHackという名前で、1982年に開発された。しかしこの時点ではRogueのバッタモン止まりで完成度は低かったという。
1984年になると別作者による改良バージョン(通称AB Hack)が登場、これを以て作品としての礎が築かれたとされる。
その後、1987年にUsenet(インターネットの前身)上で多くの人の手により改良されたことからNetHackと名を改めた。
以降、30年以上経った今でもアップデートが続いている化物フリーゲームでもある。
と同時に、フリーソフトウェアの中でも古参。


Moria/Angband(*band)シリーズ

「The Pits of Angband」を祖とするシリーズ。NetHackとはほぼ同期の作品であり、あちらをRogueの直系とするなら、こちらは傍系とでも言うべき血脈を築き上げた。
○○bandという名前の派生作品が多数出ているため、ひっくるめて「*band」と呼称することも。
Rogueを前身としながらも探索や謎解きより戦闘に重点を置いた味付けが行われ、存在意義のわかりにくいアイテムなどが省かれる一方、モンスターの行動パターンや武器の種類が大幅に多様化した。
またゲームの最終目的も「ラスボスの冥王モルゴスを倒す」という直感的なものになっている(舞台は指輪物語世界がモチーフ。アングバンドとは冥王モルゴスの居城)。
こうした特徴により、「地形やアイテムをうまく使って強敵を倒す」というプレイテクニック重視の遊び心地を実現している。

日本では派生作品のひとつ「変愚蛮怒」が特に人気。初版リリースは2000年で、以後20年以上に渡って開発が続けられている。
変愚蛮怒とはAngbandの改造版「ZAngband」をさらに改造した日本製作品で、キャラメイク用の職業・性格・種族からどこかで見た名前のモンスターまで、あらゆる要素が大量に追加されている。おかげで指輪物語が元ネタとは思えない世界観に変貌しているが。
ガチャピンが眷族を召喚しつつ放射能ブレスを吐いたり、超人ロックがテレポートして光の剣を放ってきたりと色々カオスな展開が魅力。しかしそのはちゃめちゃな第一印象に似合わず徹底的なゲームバランス調整が施されていることも大きな特徴で、他の派生作で通用するセコい安全パターンはほぼ全部つぶされているため、スコアアタックの競技性は非常に高い。

シリーズの草分けとなったのはMoriaという作品で、初版リリースは1983年。
そして1991年、Moriaの派生作品としてThe Pits of Angbandが誕生した。
ちなみに変愚蛮怒も2000年にリリースと、ギリギリ前世紀生まれの古参だったりする。


Omega

知る人ぞ知る隠れた名作にして、Rogueを前身とする最初期のローグライクゲームのひとつ。初版リリースはNethackと同年の1987年。
その特徴はなんと言っても複数の*勝利*条件があることで、とにかく幅広い選択肢を提示してくる自由度の高さがウリ。

残念ながら作り込みが粗く*3他の兄弟たちほどの人気は得られなかったが、少数のコアなファンを獲得することには成功。
2022年現在も細々とではあるが開発は続けられている。
少なくともその自由度の高さは発表当時においては極めて革新的と評して間違いなく、後の作品に与えただろう影響は意外と軽視できない。


ドラゴンクリスタル ツラニの迷宮

セガがゲームギアで発売したローグライクゲーム。
知名度はそこまでではないが、家庭用ゲーム機のソフトとしてなら下記の「トルネコの大冒険」よりも先に発売されている。


トルネコの大冒険シリーズ

日本に置いてローグライクゲームを一般に普及させたチュンソフトの作品。
DQ4のトルネコを主人公とし、ドラクエでお馴染みのモンスターたちを登場させることで、ローグライクのシステムを分かりやすく感じられるようになっている。
冒険の難易度もチュートリアル→本編→上級者向けと段階を踏んでいるのが特徴。
詳細は当該項目にて。


少年ヤンガスと不思議のダンジョン

上記のトルネコの大冒険シリーズとは別に、DQ8のヤンガスの幼少期を描く。開発元がチュンソフトでないのも特徴であり、トルネコシリーズと比べると相違点も多く、本家ドラクエシリーズのシステムが色濃く反映されている。
また、本作はモンスター勧誘システムに加えて、モンスターズシリーズの配合システムを導入しているのが最大のポイント。その仲間モンスターの個性(特にセリフ面)もかなり強かったり。


風来のシレンシリーズ

トルネコの大冒険とは違い、オリジナルの世界観で展開されるチュンソフトの作品第2弾。
「店」「壺」「合成」「モンスターの肉」などの独自要素を多く盛り込み、これらはトルネコの大冒険にも逆輸入された。


チョコボの不思議なダンジョンシリーズ

FFのスピンオフ作品。間違えやすいが「の」ではなく「な」である。
最大の特徴にして賛否両論点はレベルの引継ぎ(レベルの引継ぎシステムはオフにもできる)で、ダンジョンから帰ってもレベルが元に戻らないのである。
このため、じっくり進めていけば確実にクリアできるのだが、歯ごたえのあるゲームを求めるプレイヤーからの評価はどうしても辛口になりがち。
独特の世界観もあって、慣れたプレイヤーからの評価は悪くなく「の」と「な」は別物、と考えれば十分遊べる作品。
初期の作品ではTATBシステムという、ATB風のシステムが導入されていた。大技ほどATBバーの長さも長いので、この長さを見ることで敵の行動をある程度予測可能だった。敵の大技の発動前にはこちらは連続で行動できることが多いため対策も行いやすい。
1作目では戦闘時のみATB形式のリアルタイム戦闘になるのだが、移動はATBバーに関係なく可能であり敵から距離をとると多くの場合敵のATBバーは初期化される仕様のため、ヒット&アウェイで一方的な攻撃が可能な敵も多い。
2作目ではシステムが整理されTATB2となり、ゲージの表示こそされているがほぼ従来のターン制のようなシステムになっている。


ポケモン不思議のダンジョンシリーズ

ポケモンのキャラクターたちが登場する作品で、こちらもレベル引き継ぎのシステムになっている(クリア後の一部ダンジョンのみ一時的にレベルがリセットされる)。
最大の特徴は尋常ではないプレイヤーキャラの多さだろう。
一番少なく全てを網羅していない『マグナゲートと∞迷宮』でも150、それ以外の作品は発売時点に公式に存在するポケモンの(ほぼ)全てで、『青の救助隊・赤の救助隊』で380、『空の探検隊』で490、『ポケモン超不思議のダンジョン』で720にもなる。
それぞれにタイプ、使える技、成長タイプなどが異なるので毎回新鮮な気持ちでプレイできる。
(一部を除き)「自分に合ったポケモンを主人公に選んでくれる」性格診断もシリーズ名物の一つ。思わぬポケモンが出てきて驚くかも?
モルフォンやパラセクト、フワライドなど本編ではあんまり強くないポケモンが異様に強いことでもおなじみ。
主な独自要素である「わざ」「とくせい」が大暴れしてハチャメチャな事態に見舞われることも珍しくない。
逆に言うと、それらを使いこなせてしまえば愉快痛快な快進撃が可能となる。わりかしぶっ飛んだ内容を楽しむ側面も大きい。
対象年齢の問題もあってか、アイテムの識別システムが存在しないなど難易度は控えめ設計だが、『空の探検隊』の「ゼロのしま なんぶ」などは手慣れた風来人でもてこずる難易度。プレイの幅は広い。
ローグライクゲームとしてみると、リソース管理のシステムもやや変則的。
満腹度の概念はマグナゲートと∞迷宮のシナリオダンジョン等例外を除き従来通り存在しているのだが、操作キャラクター以外はターン経過で満腹度が減らない仕様であり、リーダー(=操作キャラクター)変更が可能な状態で他に仲間がいるならば操作キャラクターを変更することである程度食料をケチることが可能になっている(ただし満腹度が0の状態で交代すると、その仲間は行動不能になるため1以上は残しておく必要がある)。
ならリソース管理の必要性は低いのかというとそうではない。
ポケモンは所謂アクティブスキルである「わざ」を同時に4つまで習得可能で、それを繰り出して戦闘するシステムである。
「わざ」には「PP」と呼ばれる、使用回数の概念が存在し、PPが無くなると使用できなくなる。
そしてこのPPはポケモンにおいては最初期からあり、それがそっくりそのまま落とし込まれた格好である。
そのため、ポケダンシリーズには武器の概念がない。
空の探検隊までは高難度のダンジョンでなければ通常攻撃だけでもそこそこ戦えていたが、マグナゲートと∞迷宮と超不思議のダンジョンでは通常攻撃がたった5ダメージ固定の産廃化、救助隊DXに至っては操作キャラクターにはそもそも通常攻撃を使用する方法がない(おびき寄せや罠の発見用の空振りはR+Aで可能、非操作キャラクターは使用することがある)ため、PPを消費する「わざ」か消耗品のアイテムを使って戦うしかない。
すべてのわざが使用不能の場合にのみ「わるあがき」という唯一PPを消費しないわざが使えるようになるが、これは使用するたびに自身にも大きな反動ダメージが跳ね返ってくるため連戦は厳しい。
主力技のPPがあっという間に底をつき、サブウェポンで場を切り抜けるしかなくなるのはよくあること。別の相性不利なわざや、補助用でダメージを与えられないわざのPPが残っていたがためにわるあがきの発動もできず、かえってピンチを招いてしまうケースもある。
仲間も戦いの中でどんどんPPを消費していく。満腹度と違い仲間についてもPP管理が必要である。


ザ・ナイトメア・オブ・ドルアーガ 不思議のダンジョン

アーケードRPGの傑作「ドルアーガの塔」の関連作品としてプレイステーション2で発売されたゲーム。

  • レベル引継ぎ&ダンジョン構造固定
ダンジョン固定の時点で「なんで不思議のダンジョン名乗るんだよ」と誰もが思うことだろう。一応隠し要素の「アナザーダンジョン」は構造が変化するが……
  • アナザーダンジョンの敵は主人公のレベルに応じて成長
レベル引継ぎ式の成長システムとの相性が最悪である。アナザーダンジョンのクリアを目指すなら、「極力敵を倒さないようにして強力な装備品を集める」ことが求められる。
  • クリア後のもっと不思議はアナザーコンプしてもなおキツイ
ゲーム開始直後からの慎重な育成計画が必須。もう不思議のダンジョンではないだろ、コレ……

一応「高低差と速度差が重要になる独特な戦闘システム」「高品質な音楽」など評価されている点もなくはないが、訓練されたマゾプレイヤーでも投げ出すような代物である。
不思議のダンジョン要素抜いて「ドルアーガの塔新作」で売り出した方がマシだったんじゃないだろうか……


ドラえもん3 魔界のダンジョン

「え?」と思われる方も多いかもしれない。マジでドラえもんで不思議のダンジョンである(チュンソフトは開発に関わっていないので不思議のダンジョンは名乗っていない)。
これほどミスマッチな組み合わせもそうそうないのではないだろうか。

内容としては、地雷っぽい組み合わせに反して手堅い作り。ドラえもんの独特のひみつ道具をうまくローグライクのアイテムに落とし込んでおり、他のゲームでは見られないユニークなアイテムが盛りだくさん。
例:
  • はんぶんこ刀……攻撃すると敵が増える
  • あいこグローブ……高い攻撃力を持つが、相手の反撃が自分と同じ攻撃力になる
  • 無人境ドリンク……飲むと次のフロアにモンスターも店も何もなくなってしまう

ダンジョン数も7+1とキャラゲーとしては十分な数。
ただし、ジャイアンの鍛冶屋がバランスブレイカーであり、いくらでも強化が可能になっている他、「もっと不思議」では脱出アイテムの「どこでもドア」が未鑑定であるため、不用意に使うと脱出して実質ゲームオーバーになるという罠がある。


わくわくぷよぷよダンジョン

タイトル通りぷよ・魔導系キャラでのローグライク。セガサターンと、後にプレイステーションで発売。
アルル&カーバンクル、ルルー&ミノタウロス、シェゾの三組が数種類の不思議のダンジョンをアトラクションにした遊園地に挑む。
レベルの他、各スキルや、アイテム使用で習得した魔法・特技引き継ぎ型。

魔導ファンにはおなじみのキャラ達による、豊富な会話や台詞パターンが楽しいが、
空腹になっても餓死しない仕様、アイテム鑑定、合成、ワナ解除・回避をレベル制のスキル化、ショップを利用しての持ち帰ったアイテムの共有などで難易度は低いと思いきや、
もっと不思議にあたるアルティメットタワー解放には3組全てで延べ7つのダンジョンをクリアせねばならず、そのアルティメットタワーは100Fまであるという長丁場。
3組全てで真エンドを見るのは余程の魔導ファンであろう。


SIMPLE1500シリーズ Vol.28 THE ダンジョンRPG

ご存じ安価かつシンプルな内容で知られるSIMPLEシリーズの一作。
内容的には元祖であるRogueにかなり近いプレイ感覚となっており、倉庫や合成と言った要素はなくその意味でもシンプル。
例えるなら、初代トルネコの「もっと不思議のダンジョン」を単体でゲーム化した程度のボリュームと難易度。
特筆するほどの魅力があるわけではないが、作りそのものは手堅くまとめられており、プレイヤーからの評価は悪くない。
PSstoreでの配信版は300円と安価なこともあり、意外とプレイヤーは多いようである。
余談だが、本作には操作キャラが復活しない(次回プレイで操作するのは前回操作したキャラの子供という設定)というローグライク物としてはわりと珍しい特徴がある。


ドラマチックダンジョン サクラ大戦〜君あるがため〜

サクラ大戦シリーズの外伝作品でニンテンドーDSから発売された。
詳細は当該項目にて。


オメガラビリンス

D3パブリッシャーの完全新規作品で、開発会社は『トルネコの大冒険』シリーズに携わっていたのでシステムも類似している。
胸を大きくしたい主人公が、願いを叶えるために学園のダンジョンを仲間4人と探索するというストーリーで、胸の大きさが変わる事をシステムにまで盛り込んだバカゲーに近い作品。
さらにはトリップ中の女の子にタッチすることで基礎ステータスがアップするなど、とにかくギリギリまで攻めている。

特定の罠やイベントで女の子たちのCGが表示されるほか、胸が大きくなればステータスが上がり、「つるぺたの罠」という胸が小さくなる(ゲーム的には大幅に弱体化する)罠が存在するなど、独自性は強い。
その最たる例はアイテムの鑑定で、その方法はというと…

ちなみに胸が大きくなるというゲームシステムの割に、5人中4人は最初から巨乳、爆乳である。
CERO:D(17歳以上対象)ということもあって冒険中に表示されるCGは過激なものばかりで、お色気要素満載となっている。
基礎ステータスを強化できる、というローグライクでは珍しい要素もあって比較的低難度で、初心者でもそれなりに楽しめる。

続編の『オメガラビリンスZ』も発売されており、こちらはかなり難度が上がっている。ついでに胸もタイトル通りZカップまで膨らむように。
バター犬ならぬ蜂蜜犬が追加されお色気描写もさらに強化されたが、そのせいでイギリスでは発売禁止ゲームに指定されてしまった
更にその後、オーストラリア、ドイツでも販売が中止となり、ソニーの意向によって北米、欧州での販売も見送られることに。

更なる続編となる『オメガラビリンス ライフ』が2019年に発売。
こちらは一人を除いた全ての登場キャラからイラストレーターまで全て一新。
前作の不満点を大幅に解消しただけでなく、学園内を散策して他のキャラと交友したりなど、新たな要素も盛り込まれている。
ハードが任天堂*4のSwitchとなったが、お色気は全く自重していない。流石に犬は消えたけど。
なおPS4にはお色気要素をカットした「オメガ」の付かない『ラビリンス ライフ』が発売、というわけのわからない事態になってしまった。


降魔霊符伝イヅナシリーズ

サクセスから発売のゲーム。
最大の特徴は「霊符」であり、SPを消費して使う(シレンでいう巻物みたいなもの)、投擲して使う、武器を強化するなどの使い方がある。
当該項目でも語られているように、おっぱいが素晴らしい。


Elona

フリーのローグライクゲーム。ただし、いわゆる「不思議のダンジョン」系の作品とは一味も二味も違う。
このゲーム最大の売りはその異様なまでの自由度の高さ。ぶっちゃけダンジョン攻略はサブの要素に過ぎない。
戦闘システムは一応ローグライクベースであるが、もはや完全に別物の作品と言っても過言ではない。詳細は個別項目参照。


絶対ヒーロー改造計画

日本一ソフトウェアから発売の作品。
基本的なシステムは不思議のダンジョンシステムを踏襲しており、そこに加えて日本一ではおなじみ「投げシステム」や「人体改造」、
5つの部位からなる「着せ替え」など独自の要素が存在する。
それらによって一風変わった戦術が可能になるなど意欲作である。電撃文庫とのコラボアイテムも登場する。
ただしいくつか見逃せないバグが存在することで評価は難しいものとなっている


世紀末デイズ

スパイク・チュンソフトの「不思議のダンジョン」スタッフとDeNAの共同開発によるスマートフォン用ソーシャルゲーム。
荒廃した東京を舞台に、最大4体のキャラクターでランダム生成ダンジョンを探索する。
レベルは強制引き継ぎ。装備アイテムと最大8つまで消費アイテムを持ち込むことができ、何度全滅しても装備アイテムが失われることはない。

オート機能が優秀であり、3段階ある難易度の「ノーマル」「ハード」までは完全にオート任せでも攻略できる。
ただし「超ハード」からはオートに頼った攻略は難しくなる。
特典によりシレンが星5キャラクターとして配布されていた。
サービス終了してしまったため、今は遊べない。


エアガイツ(ブランニュークエスト)

エアガイツとは、3D格闘ゲームにアクションゲームの要素(ステージの高低差、アイテムの使用)を取り入れたドリームファクトリー*5製ゲームである。
発売元はスクウェア(AC版はナムコ)で、FF7のキャラが出演した事でも一部で話題になったゲームだが、その中に収録されている「ブランニュークエスト」モードがローグライクに該当する。

FF7体験版のおまけトバル」シリーズのクエストモードをさらに発展させたモードで、最大の特徴は本編同様、ローグライクに格闘アクションゲームの要素を取り入れた事。
ターン制ではなく、プレイヤーもモンスターもリアルタイムで動く。
その他にも

  • 男女二人の主人公を入れ替えながら探索する
  • 満腹度を消費して発動する魔法
  • 装備品に設定された耐久度(限界を超えると壊れる)
  • 何を食べたかによってレベルアップ時にパラメーターの上昇が変化(肉を食べると攻撃が、野菜や果物を食べると魔法が上昇しやすい)

など、様々な独自の要素が取り入れられており、なおかつゲームとして破綻する事無く仕上がっている名作である。
ただし、セーブに金がかかる、4種類のエンディングがどれもバッドエンドにしか見えないなどの問題点もある。


BAROQUE

コアなRPG系ゲームを作り続けるスティングが1998年に送り出したローグライク。
システムは上記エアガイツBNQと共通する3D空間でのリアルタイムアクションタイプだが、
視点が一人称(2007年発売のPS2版では三人称視点になり、翌年のWii版以降は両者が選択可能となった)のため操作感は時期的に言うとフロム・ソフトウェアの「キングスフィールド」シリーズに近い。
ちなみにエアガイツBNQより半年早く発売されており、どちらがパクリという話ではない。
ダンジョンが毎回ランダム生成されること、主人公が死んでは黄泉返り再挑戦することが背景世界で理由づけられストーリー上重要な意味を持つ、物語化されたローグライクという稀有な一品。


ドラゴンファングZ

基本無料、課金要素有りの「ドラゴンファング」から買い切りとなり、システムを洗練させた2作目にして「勇気」をテーマにした新しい切り口のローグライク。

基本的には不思議のダンジョンシリーズに準ずるが、武器防具の他に モンスター毎の固有のドロップアイテム「ファング」を装備、使用できることが特徴の一つ。
そして8方向に壁が存在しない場合には「ブレイブ状態」となり ファングを最大限活用できるなど、囲まれるリスクに、明確なリターンが付いてくるのが大きな特徴。
モンスターハウスにもその傾向があり、敵やアイテム以外に、消滅するターン制限があるが破壊することで大きなメリットをもたらすオブジェクトも出現する。

ファングはレベル、スキル(装備後必要ターン数分、ブレイブ状態で攻撃を行うことで使用可能)、ソウル(装備時のパッシブ効果)、サクリ(ささげて消滅する際の効果)が設定されており、
攻撃、防御、回復、移動、補助など効果は多岐にわたり、同種モンスターならレベルが上がるごとに各種効果が高くなるため、敵レベルをこちらから上げる意味が経験値以外にも大きい。
そこに敵を「ファングドロップ確定状態」にするアイテムの存在や、敵のレベル以上のファングをぶつけると敵がレベルアップする仕様も絡むことで、
ランダムドロップだけに頼ることなく、上位のファングを手に入れる計画を立てることも可能。店にもファングはランダムで売っており、とんでもなく強力なものが出ることも。

独自システム以外にも、基本的にプレイヤーの行動は失敗しない、矢は道具欄とは別枠だが敵等から生成できず最大保有数がレベル依存、
自由な道具欄を増やすアイテムが無くアイテムの保持と稼ぎが難しい、どう頑張っても後半は盾ゲーにできないダメージ計算式など、
既存のローグライクにおけるプレイ感覚に対しても個性的なアプローチがされている。


魔物娘と不思議な冒険〜力の宝珠と帰還の塔〜

サークルねことかげによるインディーゲームでDLsite、Steam、Nintendo Switchで配信中。

ニンゲンである主人公を除く全てのキャラクターが魔物娘というそれなんてエロゲ?なゲームだが
その実態はけものフレンズに匹敵する健全で優しい世界観のゲームである。
フィールドで戦う魔物娘は特定の行動で勧誘し一緒に戦ったり、有効な敵を会話で退けたりすることも可能。
上限99は装備の基本強化上限のみでレベルは普通に3桁いくし、強化上限が引き上げられた装備も+100を超えた強化が可能。
その雰囲気や充実したチュートリアルに反し難易度は意外と高く、超長丁場のダンジョンはパワープレイによるゴリ押しはできないし、もっと不思議のダンジョンに相当するダンジョンも仲魔との連携が不可欠。


ダンジョンオブウインダリア

藤川桂介氏が脚本、いのまたむつみ氏が作画監督を務めた80年代の劇場アニメ「ウインダリア」を原作として、アイデアファクトリーがDSで出したローグライクゲーム。

だがDSで出したにしては昔にタイムスリップしたかのようにかなり不親切。
まず最初のダンジョンで拾うアイテムからして矢と弾以外の全てのアイテムが未識別で、消費アイテムと装飾品のみならず武器や防具の種類まで未識別になっている。
更に最初から所持アイテムが食料の一つすらないのに満腹度が0になると即死したり、罠が手抜き全て同じ表示で何の罠か乗ってみないとわからない。
DSの時代に足元のアイテムが使えないとか、使い方や操作についてのチュートリアルがないとか、アイテムの正式名称や大雑把な効果について説明書に載ってないとか説明が足りていない部分が多い。
おまけにダンジョン攻略及び失敗後のアイテム引き継ぎがなく、攻略後に貰える数十枚ほど貰えるメダルを百枚単位で使うことでアイテムを持ち込むことができるがクリアすれば当然消えてしまう。

と、こうしたプレイヤーに不利な要素が多いにもかかわらず、一晩とかからずクリアできてしまうローグライクゲームとしては驚きの歯応えのなさ。いわゆるもっと不思議に代表されるような裏ダンジョンもない。
原作である「ウインダリア」のストーリーは殆ど反映されておらず、いのまた氏の絵はパッケージだけでゲーム中のイラストは全て社員とかなりの問題作だが、定価4800円と非常に強気。
しかもプレミアまでついているので現在はより高額となっている。


Cataclysm:Dark Days Ahead

2023年2月現在も有志によって開発が続けられているフリーのローグライクゲーム。
元々はCataclysmという単品のゲームの派生バリアントだったのだが、いつの間にか半公式的な立ち位置になった。

ゾンビで溢れかえったポストアポカリプスな近未来のニューイングランドでサバイバルするという内容で、圧倒的な自由度が特徴。
というか生き延びる以外は明確な目的自体が存在せず、所謂*勝利*も安定版0.F現在存在しない。
ゾンビに立ち向かって安全な拠点を作るも、逃げ回って生き延びるも、最強の車両を作って全部轢き殺すも全て自由であり、何をするかはプレイヤーに委ねられている。

ゲーム中での明確なストーリーは無いが、スタート地点のシェルターの端末を調べると避難センターへのルートが提示されるので、まずはここへの到達が目標になりやすい。避難センターまで行けば様々な連続クエストが受けられる。
各地で生き延びているNPCを見つければ彼らからクエスト受けることも出来る。NPCは一部を除き仲間に迎え入れることも可能。
また、ある建物では断片的にだがゾンビアポカリプスが起きた原因の資料が閲覧できる。

ゲームとしてはリアルさを追求しており、空腹・睡眠・疲労・健康度・身体の部位ごとの怪我など様々なことがシミュレートされている。そのリアルさは食事において腹持ち的な意味の満腹度と身体が得られるカロリーが別計算されている程。
というか細部にまで拘りすぎたせいでシステムとしては煩雑かつ難解で、初見バイバイ度はElonaと同等かそれ以上。
また製作できるアイテムの数が非常に多く、ちょっとしたサバイバル用品や料理は勿論、武器や即席の銃器、様々な防具や衣服、薬品、家電製品、車両部品などありとあらゆるものが製作できる。

MODもサポートしており、公式非公式問わずMOD制作はとても盛ん。公式MODですらファンタジーなモンスターや魔法が追加される、異星が舞台になる*6といったぶっとんだものも多い。

0.F以降は現行版の煩雑さを嫌った面々により、安定版0.Eにまで版を戻した上で独自の開発を加えたCataclysm:Bright Nights(通称BN)が立ち上げられている。
DDAで賛否が分かれた要素がオミットされたほか、*勝利*の実装や、建物に電力を供給できる新要素等がウリ。
他にも本家DDAスタッフと対立・離反した人々によってCataclysm: Era Of Decay(通称EOD)、Cataclysm: There Is Still Hope(通称TISH)などのバリアントが作成されている。揉め事多くない?


不思議の幻想郷シリーズ

東方projectシリーズ二次創作作品の一つであり、AQUASTYLEの代表作であるローグライクゲーム。
東方二次創作の中でも最初期に商業化を達成したタイトルでもある(発売されたのは「不思議の幻想郷3(TOD)」)。

「不思議のダンジョン」系タイトルだが、プレイヤー側がかなり強めの性能をしているのが大きな特徴。
遠距離攻撃は(弾数制限はあるが)全キャラ標準装備キャラによっては常時飛行状態、アイテムロストも一部のダンジョンのみ…ローグライクとしての難易度はやや緩め。
しかし、それを見越してか敵側もレベルが上がってくるとかなりきつい攻撃を行ってくる奴らが多く、ボスも力押しでは攻略がキツい難敵が揃っている。ダンジョン自体も内容によってはかなりエグいレベルの高難易度ダンジョンも多い。
その性質上東方シリーズの知識をある程度は知っておいた方が良いものの、ローグライク入門にも適したタイトル。
元が同人ゲーム故にややネタが多めなのがネックではあるが

なお、コンシューマでは現在「不思議の幻想郷TODr」と「ロータスラビリンスR」が販売されている。


Pathos

フリーウェアのスマホ向け正統派ローグライクゲーム(一応PC版もアリ)。今時のスマホゲーとしては珍しいことに、広告を含む課金要素は一切なし。
リリースは2017年とかなり新しめながら、Nethackの魂を受け継ぐゲームを公称しており、プレイ感覚はまさしくNethackのそれ。
2023年7月には日本語への完全対応も完了し、歴戦の@さんが続々と参入してきている。

本作最大の特徴は、あらゆるマスクデータが全て最初から開示されている、という点に尽きるだろう。
能力値や経験値のみならず、空腹度やカルマの数値も全て詳細な数値として確認可能で、ダンジョン内の設備を利用した時に起きるイベントの一覧、モンスターのステータス・特殊能力・死体の食事効果等々、ありとあらゆるデータを参照しながらプレイすることができるのだ。
とはいえ、やっぱりアイテムは鑑定しなければ正体不明で祝福/呪いの判別もつかないし、仕掛けられたトラップもちゃんと探査しないと見えないままだし、なんだかんだ事故要素は盛りだくさん。
ヌルゲーだと思って舐めてかかればあっさり頓死するバランスに仕上がっている。
本家Nethackのプレイ経験のない初心者ともなれば、詳細過ぎるヘルプ・データの意味をどこまで把握・理解できるかが最初の関門となるだろう。

他にも細かい変更点が色々あり、アーティファクトのラインナップと仕様が大きく様変わりした(祭壇での捧げものによる下賜がなくなった)ほか、新要素としてクラフトシステムが実装されたりしている。





ローグライト・ローグライクライク・PDL(Procedural-Death-Labyrinth)

字面から察せるように、「ローグライクの要素をある程度持っているけど、典型的なローグライクからは少し外れるゲーム」を指す言葉。
具体的に言うとランダム要素は踏襲しているが、

「ターン制ではない」
「識別要素がない」
「移動がマス単位ではない」
「探索に制限がない」
「そもそもRPGではない」

といった具合である。モノによっては一部ランダム要素を廃しているのもある。
こう書くとまるでローグライクの紛い物のようなイメージになってしまうが、成功例を見る限りは

「枠から外れることで、新しいテイストのゲームに仕上がる。」
「RPG以外のジャンルとの相性を高める。」

という様に肯定的に受け入れる事が出来そうだ。
ただ歴史が浅い言葉故か、ローグライクとの境界線は未だひじょ~~に曖昧である。
ある作品を指して「これはローグライクだ」「いやローグライトだ」という様な議論は不毛な争いになりがちなので気を付けよう。


Slay the Spire

ローグライクカードゲームという組み合わせの名作。
カードを手に入れ、デッキを構成しながら塔を進んでいくゲーム。
「ランダムなダンジョンを攻略するアドリブ性」「アイテムの取捨選択」「1ターンで変化する情勢」「強力なコンボを決めたときの爽快感」など、ローグライクの面白いところを抽出している快作である。


Nuclear Throne, The Binding of Isaac, Enter the Gungeon

ローグライク見下ろし型2Dシューティングという組み合わせの成功例。
「シューティングとなんて合うの?」と思われるかもしれないが、これが中々どうして相性バッチリなのである。
「ノウハウの蓄積と、戦略の構築の重要性」という共通点と、
「運の部分は操作技術でカバーできる」という点が恐らく両者を強烈に結合させるのだろう。
三作品とも一度ハマれば、何百時間でも遊んでいられる程の中毒性をもつ。
……ただ、勘の良い方はお気づきだろう。どちらも難易度が高めなジャンルである為、その配合で産まれたコイツらは
とりあえず百遍くらいは死んでみてね。
と言わんばかりの難しさもウリにしている。決して万人向けではない事にだけは留意しよう。


20XX, Dead Cells, Dungreed

此方はローグライク横向き2Dアクションの組み合わせ。
特に前者二作は開発者自ら「ローグライト」を謳っているので、ローグライトアクションの典型例と言えるだろう。
シューティングにも一部当てはまることだが、このジャンルは
「リアルタイムのプレイである」
「操作にキーを沢山使う(ダッシュ、ジャンプ、防御等々)」
ので、事あるごとにいちいちメニュー開いて…アイテム選んで…とかしていられない事情があり、ローグライクと比べ所持アイテムが絞られがちになる。
よって自機の性能差やパワーアップの方向性、アイテムの取捨選択(何が来るか以上にどれを選ぶか)等の要素でプレイ毎の差を表現する傾向があるようだ。

例えば20XXは
エックスとゼロ遠距離型と近距離型の主人公」
「ボス撃破の報酬が、ボスの能力獲得か、パワーアップか、ネジ(お金みたいなもの)かを選べる。やっぱりロックマンXじゃないか

Dead Cellsは
「近接・爆弾メインの能力」
「遠距離・トラップメインの能力」
「盾・HPメインの能力」
の三属性の成長具合をプレイ毎にプレイヤーに選ばせる。

Dungreedは
「レベルアップ(プレイを跨いで引き継がれる)毎に獲得するポイントを割り振って、特殊な能力を獲得する。(ダッシュが無敵になる、探索終了時にアイテムを"一つだけ"持ち帰る事が出来る等)」
「出発前の衣装選択で様々なメリット、デメリットが付与される。(ぶっちゃけ衣装替えという名の自機選択)」
といった特徴をそれぞれ持っている。


Crypt of the NecroDancer

ローグライクリズムゲームという異色作。
「プレイヤーが動かなければターンが経過しない」という前提をひっくり返し、
「曲の1ビート毎に強制的に1ターン経過」というルールで進行するのが最大の特徴。
故に本作は「ローグライム」と呼ばれているそうな。
敵キャラは一定のルーチンで行動するので、ノウハウの蓄積の重要性は従来のローグライクと同様。
だが上記のルールにより、二手三手先を読む「思考の深さ」よりも、
素早く状況を把握する「思考の瞬発力」
手と頭を同時に働かせる「脳の並列処理能力」
突然の変調や、不測の事態でもパニックにならない「鉄の意志」
が試される。
最初のうちは相当戸惑うだろうが、操作は極限まで簡略化されており、BGM自体の出来も良いので、慣れてしまえば非常に楽しくプレイ出来るだろう。


Death Skid Marks

こちらはローグライク縦スクロールシューティングを組み合わせてマッドマックス風のカーチェイス風に仕上げたゲーム。
プレイヤー側は最初に選んだ乗り物を操作し、パーキングエリアでヒッチハイカーを空いた席の乗せて近接武器や銃器を装備させたり、
ガレージで車を修理や強化したりドラッグでハイカーを強化したり、道路で遭遇するドライバーたちを抹殺し生き残りながら、666km先なる場所で行われるライブ会場を目指す。
ちなみに収入はフィクサーから仕事を請け負いそれに沿った行動をすることで(乗員を殺す、車を破壊する、ロボを破壊するなどなど)得てそれで車の管理を行う。
主人公はマーク・スキッドという車の持ち主と決まっているが、彼が死んでも全滅しないかぎりはゲームが続行されエンディングも変わる。
ゲームはさることながらBGMの様々なロック曲がプレイヤーのアドレナリンをたぎらせるためなかなか高評価なゲーム


片道勇者

ターン制、マップが自動生成の辺りは間違いなくローグの系譜。
しかし常に右向きの一方通行、そして画面端に飲み込まれるとそのまま死亡という「ターン数制限」を「強制的に移動させるギミック」に置き換えたのがポイント。


アークナイツ

本来は純然たるタワーディフェンスゲーム
イベント「ケオベの茸狩迷宮」にて、ローグライクタワーディフェンスという全く新しいスタイルのゲームが行われた。
道中獲得できるアイテムを駆使しつつ、最深部を目指すという、ローグライクの基本的な部分をしっかり踏襲している。

アークナイツは基本的に敵のパターンは決まっており、たとえ高難易度イベント「危機契約」であっても、ある程度の攻略チャートは存在する。実際、このイベントでも、ステージの内容と敵の種類や出現タイミングは固定となっている。
だが、冒険中のマップは自動生成されるため、手持ちオペレーターの内容、アイテムの獲得状況、さらに遭遇するステージといったランダム要素が多い。そのためこれらに対応するアドリブ力が必要となる。というか、「遠距離キャラが一人もいないのにドローンが登場するステージに遭遇する」、「回復出来る味方がいないのに常時スリップダメージを受けるステージに遭遇する」「分岐で相性の悪いステージを避けたら避けた先にそのステージがあった」といった理不尽な状況になることもありうる。
しかし、プレイヤーのテクニックと幸運が問われるためやり応えは抜群。こうして多くのドクターたちがいつものように試行錯誤を繰り返すのであった。
また、攻略中に使用するオペレーターの獲得コストは(当然ながら)低レアキャラクターのほうが低い。アークナイツの「低レアでも役割をしっかり把握してうまく扱えば、高レアに勝るとも及ばない活躍をする」という特徴が色濃く出ている。
難易度の高いイベントではあったが、理性(スタミナ)の消費がなく、周回していれば報酬の素材やアイテムはもらえるため、かなり良心的であった。
リアル理性は猛烈な勢いで溶けていくがな!

後に細かい調整がされて大幅にボリュームアップした「ファントムと緋き貴石」、更に「ミヅキと紺碧の樹」が常設された。


HADES

ギリシャ神話の冥界を舞台にしたローグライククォータービューアクションゲーム。
地上を目指す冥界の王子が主人公なだけあって、死んでも自宅に強制帰宅させられるだけでゲーム上の死がそのままストーリーの中に組み込まれており、ローグライトのシステムをシナリオに反映している。
ゲーム本編もきびきび動き、瞬間の判断力が求められるアクション性の高さが追及されており、一回のプレイタイムも長くても60分、短ければ20分程度とまとまっている。


いにしえの洞窟(エストポリス伝記2)

1995年にタイトーから発売された2DRPG「エストポリス伝記2」のゲーム内ゲーム
ローグライクコマンド選択型RPGというこれまた変わり種。
全ての持ち物を預かり所に預け回復アイテム10個のみを持ってランダム生成のダンジョンに入り、
宝箱から出てきたアイテム(装備品・消費アイテム・魔法習得まで含めてランダム)を駆使して地下へ地下へと潜っていく。
満腹度の概念は無いかわりにHP・MPは自動回復しない。戦闘自体は普通の2DRPG同様戦闘画面切り替わり・コマンド選択式なためノーダメージで戦闘に勝つのは難しく、そこをどうやりくりしながらLvを上げていくかが焦点になる。
ダンジョン内は敵シンボルとの接触エンカウント制かつターン制ムーブなので、避けられる戦闘はどうにか避けたりできるのもローグ的。
地下100Fまであり、後半層は本編よりはるかに強い敵が続々出現する修羅場。ここばかり遊び続ける中毒者も少なくなかった。
後にこのいにしえの洞窟が単体で遊べるスマホアプリまで配信されたほど。


Bloodborne

寄り道要素の一つである聖杯ダンジョンがローグライク3DアクションRPGという組み合わせ。
いわゆる固定聖杯と呼ばれるダンジョンは文字通り構造が固定でありローグライクにあたらないのだが、その後生成できるようになる汎聖杯がローグライク形式のダンジョンとなっている。
強力な血晶石を報酬として手に入れられることから多くの「地底人」を生み出したことでファンの間では知られるコンテンツだが、実のところ初見攻略の緊張感が肝のソウルシリーズとランダム生成ダンジョンは意外と相性が良く、報酬目当てではなく単純に新しいダンジョンを攻略したいという動機から生成と攻略を繰り返すユーザーも生まれた。

3Dゲームで完全なランダム生成ダンジョンを実現するというのはやはり技術的に難しい部分があったのか、実のところ「汎聖杯でも生成されるダンジョンは固定パターンの中から選ばれているだけだが、そのパターンを膨大な数用意することで疑似的にランダム生成ダンジョンを表現している」という仕様になっている。
そのため、ダンジョンの生成を繰り返していると、以前生成したことのあるダンジョンと寸分違わない構造が再度生成されることもある。




ローグより前に登場したローグライクゲーム

いきなり「なんのこっちゃ?」と思われるかもしれないが、タイトル通り「Rogue」より前に登場したローグライクゲームのことである。
作品名は「Beneath Apple Manor(ビニース・アップル・マナー)」で、1980年に登場した「Rogue」の2年前である1978年にApple IIのゲームソフトで発売されている。
システムも似通っており、当然ランダムで生成されたダンジョンを探検していくので、これも立派なローグライクゲームと言えよう。
「じゃあなんでローグライクって言われてるんだ?そこはビニースライクとかアップルマナーライクとかじゃないのか?」と疑問に思う人もいるかもしれないが、そこはこまけぇこたぁいいんだよ!!の精神でお願いします。





その他、商業だけでなく同人やインディーズなどでもローグライクやローグライトは多種多様に作られており、多種多様なプレイヤーが多種多様なローグライフを送っているのである。

追記・修正は自動生成されたダンジョンの中で食料を手に入れてからお願いします。


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最終更新:2024年02月06日 00:47

*1 本来ならばアイテムと所持金半減に対して、何も残らずに全てロストする上にゲームスコアがゼロになる等

*2 一説には紛失したとも。

*3 バグが多い上にソースコードがやたら汚いとか。

*4 勘違いされがちだが、CEROさえ通過していれば任天堂は割とエロに寛容である。『killer7』などが良い例。

*5 一時期クソゲーメーカーとして名を馳せた企業だが、本作の発売は、主軸スタッフが抜ける前のちゃんとした企業であった頃の物である。

*6 正確には追加要素があまりに現実離れしていたので、「もう地球じゃないってことにしちゃおうぜ!」という建前でゴリ押すことにした、というのが実情。