バフ/デバフ

登録日:2018/09/05 Wed 14:46:20
更新日:2024/03/30 Sat 16:55:40
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バフ/デバフとは、主にRPGを始めとしたゲームで使われる用語。英語で書くと「buff」「debuff」。
一時的に対象を強化する行為がバフ、反対に弱体化する行為がデバフ。

なお、バージョンアップや続編発売時に既存の要素に修正が入る場合、上方修正は「ビーフアップ*1」、下方修正は「ナーフ*2」と呼ばれている。

概要

初期のRPGにおけるHPを上げる補助魔法のことを「緩衝材」を指す英単語である「buffer」と呼んだのが始めとされる。その後HP上昇以外の補助魔法も「buffer」と呼ばれるようになり、略して「buff」となったのが始まり。
そして、マイナス側は否定を表す接頭辞である「de-」を着けて「debuff」となった。

この用語が用いられるようになった当初は、バフ/デバフは「攻撃力や素早さなどのステータスを変動させる」ことのみを指し、有益/不利益な効果を与える「状態異常」は含まれていなかった。しかし、後年においては状態異常もまたバフ/デバフの中に含められている。

基本的に、直接相手にダメージを与えたり味方のHPを回復したりといった効果に比べると目に見えた効果がないため、特に初心者からは軽視されがち。
また、「1ターンでケリがつく」ような雑魚戦では手数の無駄になるだけということがあり、手持無沙汰になることが多いのも難点。ポケモン初心者がフルアタ構成にしがちなのもこれが原因である。
しかしその一方で、作品にもよるが使いこなすと非常に強力。ボス戦ではバフ/デバフなしでは壊滅的な打撃を受けたり長期戦になることも多く、バフ/デバフによるサポートは必須となる。
実質的に味方の攻撃要素のバフ≒敵の防御要素のデバフのような場合もあるが、バフよりはデバフの方が成功率や解除において不利になりやすいため、大抵はバフを優先した方が有利。
同じ効果のバフ/デバフを掛けた際の判定も重要で、付与ターンの再判定、効果が増加するなど作品、要素それぞれによって異なり、効果の増加ができる場合は極端な状態になりやすい。

前述したとおり、バフ/デバフによる変化はあくまでも一時的なものなので戦闘終了や時間・ターンの経過、「いてつくはどう」「ディスペル」「くろいきり」などの技で解除されると元のステータスに戻る。
ちなみに永続的に続く強化は「パッシブ」と呼ばれ、こちらは装備品やスキルで発動することが多い。



主な効果

状態異常についてはそちらの項目を参照の事。

ステータス変動

「力」や「器用さ」といった基本ステータスを上昇/下降させる。
バフデバフといえばコレ、というぐらいにはメジャーなもの。しかしその変動が有用かどうかはそのゲームの計算式などによる。
例えば「器用さのステータスが命中率とクリティカルヒット発動率に影響を与える」作品では、器用さを上昇させるバフは1回で2つの能力を上昇させる一石二鳥のバフとなる。こうしたタイプは総じて強力。
大半のゲームではステータスを乗算するタイプのバフが登場するが、中には加算上昇タイプを搭載している作品も。終盤になるにつれて相対的な上昇値がどんどん下がっていくため、乗算タイプに比べて使いどころが難しい傾向にある。
「素早さ」変動に関しては行動順、行動判定、命中・回避など作品によって扱いが大きく異なるため後述。

攻撃力変動

味方の攻撃力を上げてダメージ効率を上昇させたり、敵の攻撃力を下げて被ダメージを減らす。
シンプルイズザベストなバフ/デバフの最大手であり、非常に多くの作品で採用されている。
サポーターは半端な攻撃力で攻撃するよりは、アタッカーに攻撃力アップをかけて強化した方が総ダメージが上回ることも多い。
アタッカーが複数人いて、かつボス戦など敵の数が1体しかいない状況では、(同等の変化量なら)防御力減少効果を敵にかけた方が味方全員の攻撃力を上げるよりも費用対効果は良い。もちろん、両方使う戦法が有用ということも珍しくない。
また、ボス敵の中には「一定のHPを下回ると発狂して凶悪な攻撃を繰り出してくる」者に対し、ギリギリまで削った後に攻撃力アップをかけて総攻撃、速攻して被害を最小限に抑えるのが有効となるといった使い方もある。

敵の攻撃力を下げて被ダメージを減らすこともまた重要である。
特にこれがないとどの攻撃も即死級のダメージが飛んでくるような敵が相手だとほぼ必須になる。

防御力変動

味方の防御力を上げて被ダメージを減らしたり、敵の防御力を下げて与ダメージを増やす。
攻撃力変動とは逆の行為だが、目的は同じである。
防御力強化はメジャーなバフだが、これがないと無いと即死するようなゲームは評価が上がる一方で、(死なない限りは)相手を倒す時間は変わらないため、極端に火力が重視される作品においては評価が下がることもあると攻撃力強化に比べると作品ごとに評価の差が出やすい。
敵の防御力を割合で下げるタイプのデバフは、もともとの防御力が高い敵ほど減少値が大きくなるため、自分の攻撃力を高めるよりも有効。

命中変動

味方の命中に関わる数値を上げて攻撃等の命中率を上昇させたり、敵の命中に関わる数値を下げて攻撃等の回避率を上昇させ、ダメージ期待値等を上昇させる。
素早さ変動に含まれる作品もあるが、別種の場合もあるため別記。
上記の攻撃力変動と目的はほぼ同様だが、ダメージだけでなく「デバフや状態異常、もしくはそちらが含まれる攻撃」など命中させることに意義がある行動に効果がある点が異なる。
「当たらなければどうということはない」ため、変動幅が極端な場合や、必中攻撃が限られる場合は非常に強力。
逆に必中攻撃が豊富な作品では、戦法を切り替えることで簡単に対処できる。

回避変動

味方の回避に関わる数値を上げて攻撃等の回避率を上昇させたり、敵の回避に関わる数値を下げて攻撃等の命中率を上昇させ、ダメージ期待値等を上昇させる。
命中値変動とは逆の行為だが、目的は同じである点は、上記の攻撃力変動に対する防御力変動とほぼ同様。

最大HP変動

最大HPを上昇/下降させる。防御力を上げてもなおダメージ量が凄まじい場合は、最大HPを上げることでも対処できる。
作品によっては「最大HPが増えるだけで現HPは変わらない」こともあり、その場合は改めて回復魔法でHPを補う必要がある。

なお、数こそ少ないが敵が最大HP減少効果を使ってくる場合もある。
回復不能のダメージを負うのと同義であるとともに、最大HP減少効果を治療しても現在HPはそのままのため再度回復させる必要が生じる…と厄介なケースが多い。

耐性変動

作品によっては「防御力/魔法防御力とは別に耐性が設定されていて、それによっても被ダメージ、状態異常・デバフ命中率が増減する」仕様となっているものがある。
そうした作品には大抵の場合耐性を変動させる技もセットで用意されており、「敵の火属性耐性を低下させ、より多くのダメージを与えられるようになる」「火属性耐性を獲得し、敵の火属性攻撃による被ダメージを減少させる」といったことをできるようにすることで戦略性を増している。

状態異常やデバフの成功率を上昇/下降させたりすることが可能な作品もわずかながら存在する。

素早さ変動

素早さ系のステータスを変動させる。
性質上作品のゲームシステムを大きく受けるが、行動順の要素があれば「増加させれば相手より先の手番で動ける、低下はその逆」、そうでなければ「キャラクター自体の移動速度や攻撃速度が変わる」という点は概ね共通している。

行動順要素変動

ターン制作品において、味方の素早さ等を上げて行動順を早くしたり、敵の素早さを下げて行動順を遅くさせる。
相手の行動前に速攻する、対処行動を先行させる…といった効果が見込めるため非常に有用。

ファストトリック・ディレイアクション

ファストトリックは「ターン内最速行動を付与する」効果、反対にディレイアクションは「ターン内最遅行動を付与する」効果。作品によっては特定の行動にセットやパッシブスキルで付与されていることもある。
これらもまた敵を完封したり対処行動を先行させることが可能となるため非常に有用。しかも先駆けと異なりリソースの続く限り何度でも付与できる。最もその分コストがかなり重い傾向にあるが。

パッシブなのでこの項目の対象外だが、戦闘開始時に即時行動できる「先駆け」もこちらに近く、『FF5』の正宗に付与されていることで有名。効果があるのは「初手」のみだが、その「初手」の有無でその後の戦況が一変する、という場合も少なくない。

キャラクター速度変動

行動順の要素のないアクション、RTS、MOBA、タワーディフェンスなどでメジャーな素早さ系バフ/デバフ。
移動速度と攻撃速度の2つが定番であり、特に攻撃速度に関しては火力と直結するため重要となることが多い。

待機時間変動

詠唱やチャージなどの準備時間、リキャストやクールタイムなどの「再使用可能になるまでの待機時間」を変動させる。
攻撃速度増加と同じく手数を増やすことで火力増強に直結することが多く、大抵の場合において非常に強力であるため、サポーターが真っ先にかけるべきバフ/デバフとなっていることが多い。

アクティブタイム制を採用した(半)リアルタイム制作品においては味方の「行動するための数値」を上げて行動までの時間を短くしたり、敵の数値を下げて行動までの時間を長くすることも含まれる。
アクティブタイムバーにおけるゲージ増加速度上昇など、基本上昇量の変動が主だが、基本上昇量だけではなくゲージ側の数値そのものの変動させるパターンもある。
作品によっては「有益/有害な状態異常」に分類されることもある。
ターン制作品においても、行動回数そのものの増減ということでこちらに当てはまるバフ/デバフも存在する。

HP型バリア付与・オーバーヒール

前者は一時的に現在HPとは別のHPを持つバリアを付与、後者は最大HPを超えてHPが回復する。若干性質は違うが「後付けのHP」という要素は共通している。
こちらもより強烈な攻撃に耐えられるようになることはもちろん、HP減少は最大HP超過分から始まる事を活かし、次のターンや戦闘に余計なダメージを残さない、一手先を見据えた戦闘が行えるようになる。

自動回復付与

HPやMPといったリソースが時間やターン経過で徐々に回復していくもの。FFの「リジェネ」が非常に有名なため、この手のバフはリジェネといえば大体通じる。
「1回毎の回復量は小さいが、トータル回復量から見た燃費が良い」「回復行動で使うターンを節約できる」「1回毎の回復量が小さいがゆえに、敵からのヘイトを稼ぎにくく攻撃目標になりにくい」といった長所があり、短期決戦よりも長期戦に向いている。

スリップダメージ

自動回復とは逆に、HPやMPといったリソースが時間やターン経過で徐々に減少していくもの。作品によっては「有益/有害な状態異常」に分類・同梱されることもある。最たる例が
こちらもまた「1回毎のダメージは小さいが、トータルダメージ量から見た燃費が良い」「1回毎のダメージが小さいがゆえに、敵からのヘイトを稼ぎにくく攻撃目標になりにくい」といった長所があり、短期決戦よりも長期戦に向いている。なお、敵がこの手の攻撃を仕掛けてくる場合はダメージ量が凄まじいことになっている場合が多く、早急に治療しないとあっという間に戦闘不能に陥ることも。

日本においては『FF5』の特殊攻撃「スリップ」にちなみ、同様の効果を持つデバフは一般的に「スリップダメージ」と呼ばれている。
また、海外製RPGやMMORPGでは、「Damage On(Over) Time」の略称である「DoT」と呼ばれている。

復活予約・HP0化防止

戦闘不能を予防する。
前者は「戦闘不能になった際、蘇生する」ことでの予防。『ファイナルファンタジー』シリーズの同名の魔法にちなみ、同様の効果を持つバフをまとめて「リレイズ」と呼ぶ人もいる。
後者は「戦闘不能になるダメージを受けた時にHP1になるまでのダメージに抑える」もしくは「どんな攻撃を受けてもHPが1未満にならない」ことでの予防。
パッシブであることが多く、効果そのものをアトラス製RPGのパッシブスキル「食いしばり」の名で呼ぶことも多いが、戦闘中に付与できる作品もある。後者の効果の場合、ダメージ反射と合わせると悪用できるパターンもある。
あらかじめかけておくことで不測の事態を回避したり、(作品にもよるが)HP0化防止は戦闘不能にならないため事前にかけておいたバフが消えずに済む、逆に復活予約は戦闘不能を挟んでデバフを全解除できるといった利点がある。

無敵化・特殊バリア付与

完全な無敵や、特定の状態異常や特殊攻撃に対する強力な、もしくは完全耐性や反射状態を一時的に獲得する。広義では耐性変動に含まれるが、バフのみ存在するため別記。一部は状態異常にも含まれる。
『ドラゴンクエスト』シリーズの行動不能の代わりに無敵状態となる「アストロン」、魔法反射状態となる「マホカンタ」の他、『女神転生』シリーズのエナジードレイン・破魔・呪殺属性無効バリアを張る「テトラジャ」など、「既定のターンに強力な攻撃を放つ」「行動が特定の行動に偏っている」といった特定の戦法を使う相手に有利に立ち回れる。

効果深度変動

「効果深度」とは状態異常やデバフの効力の強さを表す時に使われる用語で、「『10秒かけて500ダメージを与える毒』と『10秒かけて1000ダメージを与える毒』では、後者の方が効果深度が上」という風に使われる。
そしてタイトルによっては、「既にかかっている状態異常の効果深度を操作して、戦闘をより有利に運べるようにする」ためのバフ/デバフが存在している。
  • 『Diablo2』の「クレンジング」…パラディンのオーラの一つ。展開している間、自身と周囲のメンバーにかかった呪いと毒の効果時間を減少させる。特に毒は高難易度だと体力がゴリゴリ削られるうえ、ラスボス前のボスラッシュにて毒使いが必ず出現する。そこで戦闘終了後にさっとこのオーラに切り替えて素早く解毒すれば、次のボス戦に備える時間的余裕を確保できる。
  • FF11』の「クイックドロー」…コルセアのアビリティで、「属性を帯びたカードごと早撃ちを行うことで、ダメージを与えるとともに当該属性の状態異常の効果深度を高める」効果がある。
    特に有用なのは光属性の「ライトショット」で、ディアIII(光属性の状態異常。対象の防御値-20%)のかかった相手にライトショットを撃ち込むことで、防御値ダウンの効果量を20%から23%に上げられる。たった3%の効果量であっても目に見えて物理ダメージ量が変わるため、敵の追い込みや速攻の際には必須と言えるレベルで重要になっている。

属性・特性付与

物理攻撃に非物理属性を乗せる「魔法剣」や、ドレイン能力、種族特攻等を乗せたりするもの。
種族特攻付与については後述。

種族変更・付与

例えば「ゾンビ化」や「アンデッド化」。作品によっては「有害な状態異常」に分類されたり、「転生」扱いになってステータスやら何から何まで別物になったりすることもあるが、内部特性が変わるだけに留まる場合もあるため別記する。
大抵の場合は前述した通り有害なのだが、『FF5』の調合「竜の口づけ(竜種族に変更、ボス耐性付与)」のように敵にも味方にも使えるものや、『真・女神転生』の魔法「ネクロマ(死亡した仲魔をゾンビ化して前線に召喚する)」のように、メリットとデメリットが極端なレベルで釣り合っているレアなケースも存在する。
下記の種族特攻/耐性付与と同時運用できると強力なことが多い。

種族特攻/耐性付与

特定の種族への攻撃時にダメージボーナスを得たり、特定の種族から攻撃を受けた際の被ダメージを減少させる…といったもの。
「僧侶やパラディンといった聖職者が、メンバーにアンデッド特攻を付与させる」といった感じ。
対象外の敵には全く効果が無い代わりに、刺さる敵にはそれこそ「天敵」と呼べるレベルで刺さる。

確率操作

クリティカルの確率を変動させたり、次の一撃だけ攻撃を必中化したり、パッシブスキルの発動率を短時間だけ大きく引き上げる…といったもの。
効果が強力な分、コストが重かったりクールタイムが長めに設定されていることが多い。

AI操作

ボスを「挑発」しておびき寄せたり、雑魚敵を「恐怖」させて逃走を促したり…といったもの。
作品によっては「有害な状態異常」に分類されることもある。
ヘイトコントロールやクラウドコントロールが重要となる作品においては、必ずと言っていいほどこの手の特殊技や状態異常が登場する。

行動阻害

確率発動や時間制限付きの全行動阻害から、特定の行動のみの封印まで様々。
作品によっては「有害な状態異常」に分類されることもある。

範囲操作

単体魔法を範囲化したり、キャラの移動範囲や攻撃射程等を変動させる。行動阻害も含まれるがバフもあるため別記。
一マス・一歩の差が明暗を分けるゲームでは「移動・射程を1増やすor1減らす」だけで結果が大きく変わることもある。

装備解除・制限

特定の部位の装備を解除する、またその後一時的にその部位の装備ができなくなる効果。
特に後者は大幅な戦力ダウンとなりやすいため、解除まで逃げ回る・撤退も考慮に当たる。

「装備はしているが効果が発動しなくなる」というデバフも作品によっては登場する。

また戦闘後も影響があるためこちらの項目では対象外だが、上位互換としてアイテム破壊・アイテム盗み系をしてくる作品もある。

レベル変動

その戦闘中のみレベルを上昇/下降させる。レベルがダメージ補正や確率判定に関与しているとかなり響いてくる。
この手のバフで最も有名なのが『FF5』。「調合や英雄の歌で内部レベルを引き上げ、見た目はレベル1なのに数千ダメージを叩き出す」「敵のレベルを5の倍数になるように調整した後、レベル5デスで確殺」といったインチキくさい戦法が存在する。

バフ/デバフの定義がこの項目では「戦闘中のみ」の関係上、戦闘後も戻ることのない味方が受けるレベル低下要素はドレイン技として扱われている。



代表的なサポーター系職業

パーティーにおいてバフ/デバフを専門に扱うクラスは「サポーター」と呼ばれており、さらにバフ主体の者を「バッファー」、デバフ主体の者を「デバッファー」と呼んで細分化されることが多い。
裏方メインなので影は薄いが、パーティー内での貢献度はアタッカーヒーラーに負けず劣らず高い。特に「バフ/デバフなしでは即死するレベルの高難易度な戦闘」においては、効果時間をキッチリ把握し無駄なくバフ/デバフをかけ直すことが求められ、前線で殴り合ったり回復するだけの職業とはまた別の繊細さが要求される。

なお、「とにかく自己バフをかけまくって自分の力で殴り倒す」ことを主体にしたクラスもいることはいるが、この場合は味方への援護が主な仕事ではないのでサポーターとは呼ばれない。

魔法使い/僧侶

メインは攻撃or回復であったとしても、覚える魔法の一環に支援魔法が含まれることが多い。
職業が少ないゲームでは下記の専門職が無い場合も有り、こちらが必然的にサポーターも兼ねることになる。

吟遊詩人

特殊な歌で仲間を援護する代表的なサポーター。
自身の戦闘力は低いことが多い。
また近未来の世界が舞台のRPGの場合、ロックギタリストだったり、MAP開始前のイベントで全員の気力を上げたりすることもある。

踊り子

踊りで仲間を補助したり、敵の阻害をするサポーター。
バフとデバフの両方を使えることが多い。
ステータスアップのバフと行動阻害のデバフをよく覚える傾向にある。

錬金術師

魔法使い系職業の中では、比較的サポートに寄ったタイプとして出てくることが多い。
どちらかというと、自身の発明した特殊なアイテムによるサポートを得意とする。

エンチャンター

付与術師。アイテムに魔法をかけることを専門とする魔法使い。
直接攻撃に魔法の効果を付与して、炎の剣などにしたりできる。基本的にはバフ専門。

呪術師

デバフ特化職。大抵のゲームでは、デバフ専門のキャラには呪術的要素が付けられる。
ステータスの低下から状態異常の付与まで、徹底的に敵の妨害を行う。その反面、それ以外のことはほとんどできないことが多い。

科学者

SF要素が混じった作品での便利屋。強力な発明品によるアタッカーの場合もあるが、
怪しい機械や薬品、謎のコンソールの操作でバフ/デバフはお手の物である場合も多い。

マジシャン

マジックユーザーとしての意味で使われることもあるが、ここでは奇術師系職として扱う。
大抵は「トリッキー」な技・魔法を持たされており、特殊なバフ/デバフ、状態異常に長けることが多い。



色々な作品のバフ/デバフ

ウィザードリィシリーズ

コンピューターRPGの先駆けと言えるシナリオ#1の時点で「ポーフィック」「マツ」「モーリス」などのAC(アーマークラス。回避値)を変動させるバフ/デバフが多数登場。
その後シリーズの進展に従い、呪文無効化率や物理攻撃力・防御力など多方面においてバフ/デバフが登場していった。

ドラゴンクエストシリーズ

ダメージ倍率(8まで)/攻撃力(9以降)強化の「バイキルト」、守備力強化の「スカラ/スクルト」、守備力弱体化の「ルカニ/ルカナン」、すばやさを上げる「ピオリム」、すばやさを下げる「ボミオス」など。
初期(DQ2)のスクルトやルカナンは非常に効果値が低かったが、ラスボスのシドー 守備力255 とはぐれメタル並みの堅さを持っていたのでルカナンが必須魔法だった。
また、ブレスを軽減する「フバーハ」は割合軽減ということもあり、ブレス主体の相手には非常に強力。
DQ6からは、それぞれの魔法と同じ効果を持つとくぎも登場している。

いずれにしても「いてつくはどう」で全てリセットされてしまうため、強力なボス戦でリセットされた場合、すぐにかけ直すのをお忘れなく。
ちなみに攻撃力強化のバイキルトに対して攻撃力弱体化デバフ魔法はなかなか登場していなかったが、「ヘナトス」がDQ9から登場した。
DQ10では独自ステータスとして「おもさ」があり、これに対するバフ魔法の「ズッシード」が実装されているほか、デバフを与える特技も存在している(おもさのデバフを与える魔法は無い)。
さらには状態異常耐性や属性耐性など様々な耐性に対するバフ/デバフも存在している。

スカラ/スクルト、ルカニ/ルカナンなどは前者が「効果の度合いは強いが単体対象」、後者が「効果の度合いは低いが全体対象」という調整になっていることが多い。
プレイヤーからの評価はスクルト>スカラ*3、ルカニ>ルカナン*4となりがち*5

FINAL FANTASYシリーズ

初代の時点で様々なバフ・デバフが用意されてはいたが、本格的に認知・活用されていったのは『FF4』辺りからだろう。
+ というのもそれまでの作品では…
  • FC版『FF1』では「ストライ(物理攻撃力アップ)」「シェイプ(敵の回避値ダウン)」「セーバー(自分の攻撃力と命中率アップ)」といったいくつかの魔法が、不具合で効果を発揮しなかったり効果が逆転しているという憂き目にあっている。
    白魔法で最高ランクの「デスペル(敵の属性防御を解除)」も効果がない。なのに敵が使う場合は効果が出ている。
    ただし「ヘイスト(物理攻撃のヒット数を上げる)」は正常だったため、「ボス戦ではいの一番に物理アタッカーにヘイストをかけろ」はプレイヤー間の共通認識であった。
    他にも、回避率を上昇させる「インビジ」「ブリンク」や防御力を上げる「プロテス」が実は重ねがけ有効だったり、敵の攻撃回数を1にする「スロウ」がボスにも効いてしまったりと、解析出来なければ効くのかどうかよくわからない魔法も多かった。
    さらに変わり種として、敵の逃走を促す「フィアー」も存在していた。もちろん役に立たない
    リメイク・移植版では上記の魔法の不具合が修正されたが、そのせいでヌルゲーと化しているバージョンも…

  • FF2』では雑誌や攻略本に記載されていた「パーティーアタックで体力と火力を上げてゴリ押し」という間違った戦法が推奨されてしまっていたため、各種バフの有用性に気付いたプレイヤーが少なかった。
    ただしバフ自体はシリーズを通してみても強力で、中でも「ヘイスト(物理攻撃のヒット数を上げる)」「バーサク(物理攻撃力アップ)」「ブリンク(物理回避率アップ)」の3種は、「どれか一つでも使用解禁したら確実にヌルゲー化する」程の超強力バフ。
    一方で「シェル(魔法防御力アップ)」「バリア(属性攻撃を防ぐ)」「ウォール(黒魔法の攻撃魔法を無効化する)」「オーラ(物理攻撃に属性・種族特攻を追加)」「デスペル(敵のバリアを消す)」は効果がどう違っていて、使ってみて効いているのかよくわからない微妙な存在だった。

  • FC版『FF3』では「ウィンドウイレース」という不具合があるせいで、バフを活用するのが非常に難しくなっている。
    これは「アイテム欄を開くと、ある法則に従って各種バフが強制解除されてしまう」というもの。
    せっかくヘイストやプロテスをかけても、アイテムを使おうとすると効果がいつの間にか切れてしまう。一応法則を理解していれば一人旅といった特殊な状況ではバフを維持することは可能ではあるが…。
    その名前の由来となった「イレース(敵の属性耐性を消し去る)」も、微妙な効果だった。
このような難点が存在していたため。

契機となったFF4ではATBシステムが実装されたのだが、これと「ヘイスト」「スロウ」の相性が抜群に良かった。
ATB導入の際、ヘイスト&スロウは「ATBゲージの増加量を増減し、時間当たりの行動回数を変動させる」効果に変更。味方の行動回数をヘイストで増やし、さらにスロウで敵の行動回数を減らすことで大幅に有利となる。スロウがラスボス含む多くの敵に通用し効果が永続、さらに解除する敵も少なかったことも大きい。
その代わり、「バーサク」が攻撃力を上げるだけでなく狂戦士の状態異常になる効果もつくようになった。
ちなみにFF4ではスロウとヘイストは重ね掛けができ、アイテム1回or魔法2回で最大効果を発揮する。
また、プロテスとシェルは一応重ね掛けが効く。
ただし、魔法のダメージ計算式の関係上 数十回単位で重ねなければ効果を実感できない 産廃である。
おまけに魔法攻撃が苛烈な敵に限って補助効果を引っぺがして来たり、こちらに全体リフレクを掛けて来る始末。
物理攻撃を防ぐ場合は「ブリンク」一択。

FF5』からは1ターンに2回行動可能になる「クイック」が登場している。
これ以降ヘイストやプロテス、シェルといった各種バフとデバフの魔法は「有利なステータス異常」「状態変化」の枠として扱われていくようになり、基本的に「1回かければ効果が切れる、消されるまでor戦闘が終わるまで」一定の効果が常に持続するタイプになる。
それとは別にFF5には調合や歌による戦闘中ドーピングがある。これらは重ね掛け可能。

FF7では一部のリミット技の付属効果と「英雄の薬」「ドラゴンフォース」がこの枠。
通常のステータスは255でカンストするが、内部データ上は510まで上がるようになっており、英雄の薬やドラゴンフォースを使用すると上限を突破して強化できる。
ちなみにダメージの軽減率も512を基準値にした割合なので、体力精神カンストの防御255、は実のところ言うほど固くない。

FF8では敵の防御力を問答無用でゼロにする「メルトン」と、特殊技が出やすい状態でゴリ押しできる「オーラ」が特に強力。
他にも、「ST攻撃」を覚えればお手軽にデバフ戦法ができる。

FF9では「フェイス」が唯一のドーピング魔法。
物理攻撃力を増加させるという魔法だが、登場が遅く、解禁が終盤なのが難点。
ボスからの盗みで時間をかけている間に手空きのエーコが味方の前衛に適当に使いまくっておく、と言った活用がメイン。
デバフとしては青魔法の「レベル3デフレス」とスタイナーの各種剣技が存在する。
……が、レベル魔法はその仕様上オズマ以外にはあまり活用できず、スタイナーの剣技は命中率に問題あり。
デバフの中身は力、魔力、物理防御、魔法防御のすべてに対応しており、当てられれば効果は大きいのだが。

敵が使ってくるものでは序盤の雑魚敵「ラミア」が 攻撃力を大幅に上げる特別仕様の フェイスを、最終盤のティアマットが こっちの力や魔力を戦闘中永続的に下げてくる特殊攻撃 をそれぞれ使用してくる。

また、『FF11』以降の作品では「食事を摂ることで短時間の間バフ効果を得られる」システムも登場。
レパートリーも豊富で、中でも「寿司」は物理攻撃の命中率を上げられるため飛ぶように売れた。

FFT』では行動するための数値であるチャージタイムやステータスそのものに関するバフ/デバフが登場。
そして状態異常によるバフ/デバフ共に持続時間がシリーズの中では短めとなっている。
また魔法系のバフ/デバフの命中判定には使用者の魔力、相手の魔法回避率に加え、お互いのfaith(信仰)が高いほど命中率が上がる、といった要素も登場した。

サガシリーズ

GBのサガシリーズにはまだバフ/デバフの要素が少なかったが、ロマサガ1から本格的に登場する。
しかし、計80の術法のうち約1/3が補助系を占めていて余りにも多い上に効果も微妙なのが殆ど。バグでまともに機能しないのも多かった。
唯一有用だったのは剣技の「ハヤブサ斬り」や「不動剣」くらいだろう。こちらもバグにより、キャンセルしても速攻効果がかかったままになる。

ロマサガ2では陣形システムが登場し、種類によっては行動終了までバフがかかるものもある。ゲームバランスのせいで有用なのがどれか分かり辛いが
術法でも有用なバフ/デバフの術が幾つか登場。目に見えて効果が出ているのがようやく分かるようになった。
その中でも、水の術法「クイックタイム」は消費JPが多いものの、毎ターン使用すれば敵に攻撃の機会を与えないというチートじみた効果があり、これさえあれば七英雄も完封とも言われていた。

ロマサガ3でも有効的なバフ/デバフの術法が存在しているが、全体的に「ターン経過で効果が減衰する」ようになり、前作よりやや弱体化している。
能力値関係以外だと、地相に応じたバリア付与や消費コスト踏み倒しなど、長期戦に向いた術のバリエーションは増している。

サガフロンティアでは時術が非常に強力で、購入できる術ですらボスにも効く行動阻害「タイムリープ」、限定的なものでは一時的に最大8回行動できる「オーヴァドライブ」が登場。
変わったところでは戦闘後の能力アップの際、その能力が低ければ能力が上がりやすいのだが、「戦闘終了時のバフ/デバフ込みの能力を参照する」仕様があるため、バフが成長阻害になり、逆にデバフが成長促進となる。
そのため、敵味方問わず作用するデバフ技「サッドソング」が育成でも実戦でも役に立つよう。デバフを避けたい時は音波耐性をつければいいという、コントロールのしやすさも特色。

なお「クイックタイム」「タイムリープ」「オーヴァドライブ」に関しては、リマスター版でもあえて既存の敵には対策や耐性をつけず、追加版ボスにのみ対策や耐性を付ける形で、原作のバランスを優先させつつそれらだけで終わらないように工夫がされている。

ポケットモンスターシリーズ

こうげき、ぼうぎょ、とくこう、とくぼう、すばやさ、めいちゅう、かいひの7種類がバフ/デバフで6段階ごとに割合で上下する。
変動割合は1段階上昇で1.5倍、2段階上昇で2倍、3段階上昇で2.5倍、4段階上昇で3倍、5段階上昇で3.5倍、6段階上昇で4倍。下降方面では1段階減少で2/3、2段階減少で1/2、3段階減少で2/5、4段階減少で1/3、5段階減少で2/7、6段階減少で1/4となる。
数あるRPGの中でも変動割合はかなり高く、持続時間も交代と一部の技以外では効果が切れないため、使いこなせば強力。

このシリーズでのバフ技は俗に「積み技」と呼ばれる。ストーリー上では「プラスパワー」を始めとしたドーピングアイテムも使用可能で、連戦となるトレーナー戦では積み技も含めて序盤に積めるだけ積むと楽になる。
基本的に対戦で使われるのは「つるぎのまい」「わるだくみ」を始めとした「ぐーんと上がった」と表示される2段階強化技、もしくは「ビルドアップ」や「めいそう」などの2種のパラメーターを1段階上げるタイプの技。
3段階以上上下させる技は非常に希少。なんらかのデメリットがあることが多いが、第5世代以降は主に弱めのポケモン用にノーリスクで3段階能力上昇できる技が増加し、デメリット付きで合計6段階上昇の「からをやぶる」も登場。また「自分の能力が上昇分、威力が上がる」というバフ前提技の「アシストパワー」「つけあがる」も現れた。以降もゼルネアス専用技の「ジオコントロール」、変化技をZワザの対象にした際の能力上昇、イーブイZなど、様々なバフ技が増えている。

「積み技」の欠点としては、 自分に有利な相手が交代で出てくる可能性がある 点が大きい。いくら攻撃能力を高めても、タイプ相性で攻撃が通らなかったり、素早い一撃で攻撃する間もなく倒されることもあるため、目の前の相手だけでなく、控えのポケモンを意識することが大切となる。
その関係で元から素早いポケモンで積む、素早さと火力を同時に上昇させる「りゅうのまい」「ちょうのまい」「からをやぶる」「ギアチェンジ」を使用する、マリルリハッサムなどの強力な先制技持ちなど、相手より早く攻撃できる攻撃要員で積むなどで、行動順有利を確保する戦法が有利と見られている。
また攻撃側の攻撃、特攻下降段階、及び受ける側の防御、特防上昇段階は急所に当たると無視されるため、「防御、特防を上げて鉄壁化」という戦法は急所一つで破綻してしまう。
他の欠点としては、強制交代技、「くろいきり」「クリアスモッグ」などで能力変化そのものをリセットされたり、特性「てんねん」で能力変化が反映されなくなる*6点。相手の積み技が厄介なら、これらで対抗したい。

デバフ技の方はストーリーでは基本ステータスへの影響がゲーム内では分かりにくい中、命中を下げる「フラッシュ」「すなかけ」の便利さ、厄介さは一度受けたり掛けたりすればすぐにわかるため、持久戦で活用する発想に初心者も至りやすく実際に便利。CPUが交代しにくいのも要因の一つ。ヒトカゲを選んだ場合やピカチュウ版でのタケシイワーク戦やUSUM版のウルトラネクロズマ相手にデバフしまくって突破した人もある程度いるはず。
反面、交代が一般的な対戦での採用率はあまり高くない。交代でリセットされる性質上、交代させるためにデバフをする手もあるにはある。
一応、ダブルバトルでは素早さ操作のために「こごえるかぜ」、場持ちを良くするために「バークアウト」が採用されることも多い。

ポケモンの対戦はタイマンが前提なので、味方バフ技はほとんどなかった。キーのみを持たせた仲間に無理矢理「いばる」をしてこうげきを引き上げる「いばキー」なんて戦法もあるぐらいである。
強いて言えば、自分で積んだパラメーターアップを味方に引き継ぐ「バトンタッチ」や「なげつける」で能力上昇の実を味方に投げる、能力上昇要素に限らなければ「てだすけ」や使い方次第で悪夢の戦法と化す「ガードシェア」などが味方バフ技となる。ただし下記のように特性と合わせると結構抜け道がある。
この他、相手にかかっているバフ・デバフをコピーする「じこあんじ」や相手が使おうとしていたバフ技を自分が奪って使用できる「よこどり」といった技もある。
第八世代からは一部のダイマックス技で攻撃しながら自分と味方の能力を上げられるようになった他、「とおぼえ」の範囲が味方全体に変化、相手にのみ作用しまもる系統を貫通する「デコレーション」「コーチング」といった強力な補助技も増加した。

持ち物にもバフ効果のある物が多くある。第3世代ではHP1/4で発動するきのみ系統くらいだったが、「特定のタイプの攻撃を受けたときに能力上昇」「弱点タイプのダメージを押さえ、同時に能力上昇」「特定のフィールドが張られている時に能力上昇」「わざが外れた時に能力上昇」といった特殊な物も増えた。

特性の中にもバフ、デバフに関する物は多い。
例えば相手の攻撃を登場するだけで下げる「いかく」は持っているだけで、ダブル、トリプルではかなりのアドバンテージとなる。
技と合わせて「せいぎのこころ」持ち相手に「ふくろだたき」で攻撃力大幅アップ、「いかりのつぼ」相手に「こおりのいぶき」などの確定急所技を入れパワー爆発、
「じょうききかん」のポケモンにかるいみず技を入れて素早さ全開、「あまのじゃく」でデメリットをメリットに変換して大技を連発、などのコンボも豊富。
その場に出るだけで攻撃が一段階上がるザシアンの「ふとうのけん」や敵を倒すたびにバフが発動する「ビーストブースト」など、目玉となっているものも多い。
第9世代で登場したパラドックスポケモン達の持つ「こだいかっせい」「クォークチャージ」は場に出た際にそれぞれ天候が晴れ、フィールドがエレキフィールドの時か持ち物「ブーストエナジー」を消費して自分の最も高い能力を 能力ランクとは別扱いで上げる *7という、異色の効果を持つ。

派生作品では同じ技でも効果が永続でなかったり、効果が低いことも多いが、ポケモン不思議のダンジョンシリーズでは素早さを上下させる効果が 「いどうそくど」(行動回数、最大4倍速)を上下させる効果 に置き換えられており、本編以上の効果となっている。

女神転生シリーズ

アトラスを代表する人気RPGシリーズ。
なおここでは派生作品であり、システムや名称に共通点が多いデビルサマナーシリーズやペルソナシリーズも含めるものとする。
基本的にバフスキルは「タルカジャ」の様に名前が「~カジャ」で終わる事からカジャ系、デバフスキルは「タルンダ」の様に名前が「~ンダ」で終わる事からンダ系と呼ばれる。
その他にも次のターンの物理攻撃力を倍増させる「気合い」「チャージ」、魔法攻撃力を倍増させる「コンセントレイト」等、作品によって独自のスキルが存在する場合も。

作品によっては防御力が存在せず、レベル補正・HP・装備や悪魔ごとの耐性が耐久の要ということがあったり、被ダメージが難易度によって上がったりするので、熟練者ほど「ラクカジャ」「牙折り」「雄叫び」は大事にしている。
他にもバフデバフ合戦への対策スキルとして上昇解除の「デカジャ」、下降解除の「デクンダ」、それらを一括で行う「静寂の祈り」といったものも存在。
どちらかというと敵に使われるのが面倒なため、使用されづらい段階まで補助をとどめておいて戦うというやり方もある。

難易度が高いRPGの例にもれずバフスキルが非常に重要な作品だが、特にその重要性が増したのはFC版『女神転生II』からだろう。
前述のカジャ系魔法が初登場した作品で、ボス戦の基本セオリーは「主人公に複数回攻撃可能な武器を装備させ、タルカジャ(物理攻撃力アップ)を重ね掛けした後殴り殺す」というもの。
タルカジャ使いの有無でボス戦の難易度が激変し、さらにパートナーの魔女がタルカジャを習得しないため、周りよりもレベルが多少低くてもタルカジャが使える仲魔はキープ推奨であった。
更に攻略情報が浸透してからはタルンダ(物理・魔法攻撃力ダウン)の効能も難易度を激変させることが知られ、RTAなどで猛威を振るった。
以後のシリーズでもその傾向は変わらず、悪魔合体でのバフ/デバフスキルの継承は戦術の要となっていた。
近年では最上位種として、全能力値を上昇させる「ヒートライザ」「ラスタキャンディ」やその逆の「ランダマイザ」も登場。登場はランダマイザのほうが先。

真・女神転生Ⅲ-NOCTURNE-』では敵専用の行動回数増加バフである眼光系が強烈なものとして語り継がれている。詳しくは2回行動を参照。

世界樹の迷宮シリーズ

こちらもアトラス製のRPGらしくバフ/デバフが非常に重要な作品。そして下記に挙げるように独特の仕様となっている。
  • 「強化/弱体枠」「状態異常枠」「封じ枠」の3枠が存在する。枠が別ならば共存させられるが、同枠の場合は後述するルールに則って適用される。
  • 強化/弱体枠は敵味方共に3個までしかかけられず、4つ目をかけると古い順に押し出されて消えてしまう。そのためなんでもかんでもバフを積む、ということは不可能。
  • 状態異常は優先順位が設定されていて、最も優先順位が高い物1つしかかからない。例えば毒状態の敵に睡眠(毒よりも優先)がかかると、即座に解毒されるうえに睡眠状態の間は毒が一切効かなくなる。
  • 封じ枠は「頭」「腕」「脚」の3種が存在し、対応する部位によって能力値ダウンや特定の行動を封じる…といった効果がもたらされる。また、封じは同時にかけられる制限がないので、3部位全てを封じることもできる。

デバフが強力かつ物によってはボスにも通るようになっているため、強敵相手にはバフ/デバフをしっかり行うことが前提のバランス調整が行われている。
ただし、敵も味方も能力が多彩であるためバランス調整はたいそう難しいらしく、「初代の『医術防御I(味方全体の全属性ダメージを半減する)』」や「世界樹の迷宮Ⅲではバフ/デバフがすべて減衰なしで乗算されるため、ぶっ飛んだダメージが拝める」といったバランスブレイカースレスレの仕様もちらほら散見され、今でも語り草となっている。
近年の作品では、バフ/デバフが累積すると減衰したりそもそも加算式であったりでぶっ飛ぶことは少なくなった。

スーパーロボット大戦シリーズ

非対称SLGの味方側の有利要素として、「精神コマンド」という要素が初期から登場している。
精神コマンドは回復・バフ・デバフと効果が多岐に渡っており、バフだけ見ても下記の様に多彩である。
  • 次の攻撃のダメージを増加させる「熱血」「魂」
  • 気力(戦闘のダメージや武装使用解禁など多方面に影響を与える重要ステータス)を増加させる「気合」「気迫」「激励」
  • 使用したターンの間、被ダメージを大きく低下させる「鉄壁」「不屈」
  • 使用したターンの間、自身の攻撃の命中率が100%になる「必中」
  • 一度だけ攻撃を完全回避する「ひらめき」
  • 一度だけ、SRPGでは重要な移動力を増す「加速」「迅速」
  • 使用したターンの間、SRPGでは重要な射程を伸ばす「狙撃」
  • 行動回数が増加する「覚醒」「再動」

そしてこれらの精神コマンドを駆使することで、本来ならば手も足も出ない相手であったとしても一転してカモにできる。
原作では主人公の陰に隠れて地味だったパイロットがエース級の活躍を見せたり、習得する精神コマンドによる(ネタ的な面も含めての)個性化の促進など、「スパロボ」というゲームが愛され長く続いてきた理由の一つとも言える。

なお、敵パイロットにも精神コマンドが設定されており、「敵がバフ/デバフ系精神コマンドを使う」かは作品次第。『新』での「獣士が精神コマンドを使った!?」というメタ発言は語り草
一定時期以降「体力を減らすと覚醒を使うようになる」というラスボスも増加した。
特に通常バフ+回復などを後半のボスが頻繁に使用するα外伝では、「ひらめきをかけて攻撃して、熱血、ひらめきなどを剥がす」という対処が重要となる。

それ以外のバフ/デバフの代表格は「歌」で、通常の能力強化は カンストまで重ね掛け可能 だったり、精神コマンド回復効果のあるものは、作品によっては 無限行動を可能にしてしまう
そこまでではないが、「戦術指揮」や「Exオーダー」も強力な効果を持っている。またパッシブスキルと近しいが、近くに味方の命中回避を強化する「指揮官」「EWAC」も地味ながら強力。

敵の使用してくるデバフとしては、下記の武器以外にも作品の大ボスキャラクターは(これもパッシブスキルに近いが) こちらに不利な効果をマップ上に居るだけで及ぼしてくる。 高難易度だとエースボーナスカスタムボーナスでそのような能力が追加されていることも。
第3次Zの「スフィア・アクト」に苦しめられたプレイヤーは数多い。

後に武器の追加効果としてのデバフが追加。おかげで、MS全般の「バルカン」やマジンガーZの「ルストハリケーン」等弱めの武器に存在意義が見出された。味方で使う場合は装甲(防御)ダウンが特に重要視され、「サン・アタック」OGの「アーマーブレイカー」はよく利用される。
敵のデバフは弱い攻撃のみに搭載されていた時期もあったが、近年ではボスクラスの相手が通常攻撃どころか MAP兵器(範囲攻撃)でデバフを撒いてくる ということもある。いずれも「気力低下」「パイロット全能力値低下」「数ターン行動不能」と、耐性がなければ食らっただけでピンチに陥るものばかりである。

ファイアーエムブレムシリーズ

同じSRPGでもスパロボシリーズとは対照的にシリーズを通して
  • 数ターンの間味方一人の魔法防御力を上昇させる「M(マジック)シールド」
  • 道具になったマジックシールドもとい「聖水」
  • 踊り子/バードの能力で、味方一人を再行動可能にする「踊る」や、特殊なアイテムを使う
くらいしかなく、バフ/デバフの手段が少なかった。
マジックシールドor聖水を使うと瞬間的に魔防が7上がり、その後はターン経過とともに1ずつ下がっていく。
FEの前衛は基本的に魔防が低めの味方が多いため、当たると痛い遠距離魔法対策に聖水を持ち込むのはよくあることだった。
後はトラキアの「Mアップ」くらいか。

転機が訪れたのは覚醒からで「叫び」(コマンドは「応援」)という周囲の味方を1ターンの間強化するバフスキルが本格的に採用。
他の応援と重複し、かつ複数の応援を装備しているキャラが居ればその応援が一括で発動するという仕様により、味方1人で「 特定範囲の味方の攻撃、魔力、速さ+10、技幸運守備魔防+6 」みたいなバフを瞬間的にかけられるキャラが登場することに。
応援の専門家は自分が戦う際のスキルを全て捨てて「叫び」スキルに回している都合本人を戦力として活用することは難しいものの、状況や難易度によっては大活躍することに。

ifからは「デバフ」が登場。作中表記は「封じ」スキル。
当たると一気に能力値が下がり、しかも 回復させるまでにかなりの時間がかかる 厄介すぎる仕様。
今作には「レスト」が無いこと含めあからさまに味方よりも敵用に調整された能力で、高難易度の暗夜編で猛威を振るうことに。

スマホゲーのヒーローズには「応援」「封じ」両方があるものの……プレイヤー同士の対戦ではほぼ 1バトル1殺の世紀末バランス なので『そもそも相手の攻撃範囲に入らないようにする』移動スキルによって応援は追いやられがち。
そもそも応援を入れると「安全圏に逃がすための移動」が出来なくなるため、基本的にノーデスを強要されがちなプレイヤー側からするとどうしても使い勝手が悪い。
封じも「そもそも1回の戦闘で倒しきるので発動の機会が怪しい」というケースがあまりに多く、特定のバトルや特殊な戦況でなければあまり役に立たなかった。

一方で「鼓舞」「指揮」「解放」等のCスキルバフや「封印」という「敵軍で最も能力の高いキャラに必ずターン開始時に飛ぶデバフ」は聖印としても存在するため活用頻度が高い。

タクティクスオウガ

SRPGの名作だが、戦闘バランスが非常に悪いことでも有名な一作。
その中でもバフ/デバフ関連のバランスはかなりすごいことになっている。
本来この手の魔法の代表であるはずの攻撃力バフ/デバフの「ヒートウェポン」「メルトウェポン」の 異常なまでの役立たずっぷり もすごいが、何よりも素早さ変動の「クイックムーブ」「スロウムーブ」の バランスブレイカーっぷり が印象的。
特にスロウムーブは状態異常無効の敵リーダーにも通用するのが強力で重ねがけすると完封も可能。
本作では一部の敵ユニットがレアな装備品を持っていることが多いのだが、敵リーダーを倒すと戦闘が終わってしまうため、不用意に突っ込んでこられるのを防ぐ意味でも有用。

サモンナイトシリーズ

召喚魔法が主体ということで『2』より「憑依召喚」という要素が登場した。
こちらは状態異常とは別枠で召喚獣を対象に憑依させてバフ/デバフを行うもの。
憑依はターン経過以外では専用行動でないと解除することができないが、自分の側が行った憑依召喚の持続中はその召喚獣は使用できないという制限も存在する。
攻撃・防御の変動の他、移動力の変動、1度のみの対召喚魔法バリア、果てはターンでの解除=死亡という強烈なものもある。

モンスターハンターシリーズ

「狩りゲーの元祖」といえるシリーズだが、初代の時点で「鬼人薬や狂走薬といった自己バフ」「毒や麻痺といった状態異常とそれらに対する累積耐性システム」といった基本的要素は完成されており、バフ/デバフの重要性は高い。そして作品を重ねるごとにスタンや疲労といった様々な状態異常が追加されていった。

また、『モンスターハンター2(dos)』において狩猟笛が登場。自身の火力こそ他の武器種に比べて一回り落ちるが、演奏をすることで自身と周囲のメンバーを大きく強化できる。ただし基本的にバフ系のみでデバフはできない*8

MHXではアイルーを操作できる「ニャンターモード」が登場。基本的に素の状態は弱いため、専用ゲージ消費による自己バフ後に本領を発揮となる。他にも味方ごと強化するスキルを搭載できる。

MHXXでは「SP狩技」という狩技の発動条件を重くして、代わりに発動時に味方全体にバフをかける(効果は狩猟スタイル別に様々)という要素もあった。
ただデメリットに対して効果がそこまで大きくないため、こちらに特化していて効果を更に強化できるレンキンスタイルでたまに使われる程度のものとなっている。

GOD EATERシリーズ

「自キャラがアタッカー兼バッファー」という珍しい例。これには本作を象徴するシステムである「捕喰」と「バースト」が大きく関与している。
順を追って説明すると…

  1. 敵に対して「捕喰攻撃」を当てると手にした武器「神機」が活性化モーションに入る。これを中断されずに完遂することで自キャラが「バーストモード」に突入。「攻撃モーションの高速化」「各種行動のスタミナ消費量軽減」「オラクルポイント(銃撃の際必要となるリソース)の自動回復」といった様々なバフを得られる。
  2. また、捕喰攻撃の際に「アラガミバレット」と呼ばれる特殊弾丸を数発獲得できる。これは敵に直接撃ってもいいのだが、味方に受け渡すこともできる。そしてアラガミバレットを受け渡されたキャラもまたバーストモードに突入する(システム的には「リンクバースト」と呼ばれて区別されている)。
  3. バースト・リンクバーストはレベル制(最大Lv3)となっており、バーストLvが高ければ高いほど前述の効果が増す。
    ただし捕喰攻撃では基本的にバーストLv1にしかなれないので、バーストLvを上げたい場合はリンクバーストを受ける必要がある。

バーストモードの維持が攻略において重要となっているので、バーストモードが切れそうになったり未発見の敵を見つけたら捕喰攻撃を当て、同行メンバーへのリンクバーストも積極的に行うのが基本となる。

その一方でバースト以外のバフや敵へのデバフはさほど重要視されていない。効果時間があまりにも短すぎたり、後作になるほど進んだ火力インフレのせいで速攻した方が楽になってしまったのが理由。
ただしマルチプレイ時においては、相手をホールド(行動不能)させられる獣剣系統の武器は重宝される。たった1回でもホールドさせられれば瞬殺の大きな助けとなるうえ、ショートブレードの手数の多さとホールド蓄積値の大きさが上手く噛み合って、敵を素早くホールド状態にできるためだ。

地球防衛軍シリーズ

『地球防衛軍4』より空爆誘導兵エアレイダーが登場。
本来の空爆要請の他、攻撃バフ、ダメージ低下バフの支援兵器も使用可能で、変わったものではロックオン式武器の場所指定&ロックオン速度高速化のレーザー誘導装置、ロックオン速度高速化の効果は低いが多重ロックオンが可能になる誘導ビーコンガンといったものもある。

『デジボク』では一部のスペシャル技によりバフを行うことも可能。

ソーシャルゲームにおいて

普通のRPGに比べると、圧倒的にバフ/デバフの種類が多くなる傾向にある。
理由としては、そもそもソシャゲーでは「以前のキャラと能力が被る」ようではガチャの目玉キャラにならないことが挙げられるだろう。
「既存のキャラと差別化しつつ、インフレについていけるようなバフ/デバフ能力」を持つキャラクターでなければ見向きもされないのだ。
また期間限定イベントなどでは特定のキャラクター(主に「イベント用キャラ」としてガチャで配信されるキャラ)はイベント中に強力なバフを受けられる(またはイベント敵に特効デバフ)事が多い。

艦隊これくしょん -艦これ-

オートバトルであるため戦闘に干渉できる要素は少ないが、この作品にもバフ/デバフは存在する。
能動的な行動によってバフ/デバフが行われるわけではなく、特定の装備によって自動的に実行される形となる。
例えばレーダーは命中率を、タービンやボイラーは回避率を上昇させてくれる。
「探照灯」と「照明弾」は味方のカットイン攻撃の確率を上げ、敵のそれを下げる効果を持つ。
「艦上偵察機」は適用に条件があるものの、航空戦における攻撃力を上げることが可能。
「夜間偵察機」は味方の夜戦における攻撃力と命中率を上げる。
いずれも与ダメージの期待値を上げることが可能であり、敵の装甲が驚異的な数値となるイベントではよく使用されている。
逆に軽巡や戦艦には、船体に比べて大き過ぎる主砲*9を積むと命中率に大幅なデバフが発生するため、ただ強力な装備を積めば強いという訳ではなく、適正な武装に変更するか他の装備によって補うかする事が求められる。
また短いサイクルで出撃を繰り返す事で発生する「疲労状態」では命中・回避率に悪影響を及ぼすため、連続出撃の際は複数の艦娘をローテーションさせるか、15~20分ほどのインターバルを置く事が推奨される。

また特定のアイテムの使用や敵艦を連続で撃破し続ける事で編成画面の艦娘のバナーが輝く「戦意高揚状態(通称"キラキラ")」とする事が可能で、この状態では回避・命中率にボーナスが入る他、編成全艦がキラキラ状態の艦隊は遠征によって獲得できる資源を1.5倍とする事ができる。
戦闘シーンでプレイヤーにできる事が少なく、また何をするにも資源が必要となる本作に於いてキラキラは非常に重要な要素となる。

クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ

とにかくやたらと多彩なバフスキルの数々と、それに対して異様に貧相なデバフスキルが特徴的。
バフスキルは初期は攻撃力アップか防御力アップぐらいしかなかったのだが、時間が経つにつれて非常に幅広くなり、
  • 純粋にステータスを向上させるステータスアップ
  • HPか攻撃力のどちらかを下げてもう片方を上げるタイプのステータスアップ
  • 通常の攻撃アップより倍率が高いが、自傷ダメージアリのブースト
  • 自分だけを対象にするが倍率の高い自己ステアップハズレスキルと認識されている
  • 自分が行動不能になる代わりに他の精霊を強化する「精霊強化」
  • デッキ内の属性を統一することで高い倍率を発揮する「純属性強化」「統一強化」
  • 純属性強化とは逆にデッキ内の属性数が多いほど倍率が上がる「複属性強化」
  • アンサースキルの倍率を高める「AS強化」
  • 通常よりも素早く解答することで高い効果を発揮する「AS特殊効果付与」
  • アンサースキルの発動回数を増やす「ダブルAS付与」
  • 無属性になりアンサースキルを強化する「反転強化」
  • 属性反転と共に強化する「無属性変化」
……など、とにかくバリエーション豊富。
逆にデバフ系スキルは相手の防御力を下げるタイプぐらいしかなかったりする。

グランブルーファンタジー

RPGとしては極めて複雑かつ多彩なバフ/デバフアビリティが存在しており、それらが複合していることも多々。
主に片面・両面・属性・奥義・累積・召喚・特殊強化といった枠が存在し、別枠なら共存可、同枠なら最も効果量の高いものが優先される仕様になっている。
防御デバフは一部の例外を除いて全て合算して-50%まで、クリティカルはクリティカル確率が違うものであれば重複せずに効果を発揮する。
それ以外にも敵のチャージタイムを減らすスロウ、DA・TAの確率を上昇させる連続攻撃率アップ、ダメージを一定割合カットするダメージカット。
さらには状態異常を一度のみ防御するディスペルマウント、奥義のダメージや上限をアップさせる奥義ダメージ強化など説明しきれないほど多岐に渡る。
またデバフアビリティは命中率が設定されており、麻痺や石化といった強力なものはまず弱体耐性ダウンのデバフを付与しなければ当てられない。

キャラクターはそれぞれのプレイヤーで所持状況が全く異なるため、戦略を組み立てる上では主人公のアビリティが重視される。
被りづらい両面枠で攻撃・防御を25%下げる「ミゼラブルミスト」、槍がメイン武器であれば連続攻撃バフを配れる「デュアルインパルスⅢ」は人気が高い。
また敵のバフを打ち消せる「ディスペル」、敵の命中率を大幅に下げる「ブラインド」もセットされていることが多い。
特定ジョブの専用アビリティだがディスペルマウントを付与できる「ベール」、ダメージカット効果を配布する「ファランクス」も重要。

また、召喚石の使用によるバフ・デバフの付与も戦闘には欠かせない。
その石を所持していなくても野良枠から拾って使用できることもあり、利用のハードルが比較的マシなことも特徴。
攻撃面では1回限りだがとてつもない攻撃力強化を行う「シヴァ」や攻撃力強化と回復の「ルシフェル」、奥義ゲージを最大にする「カツウォヌス」が有名。
防御面では全属性を30%カットする「アテナ」、対応する属性を50%カットする「カーバンクル」やその上位種をアビリティと併用して防御を行う。
補助面でもブレイク状態を維持できる「マキュラ・マリウス」「メドゥーサ」、テンションという特別バフを付与する「ティクニウトリ・ショロトル」。
敵のチャージターンをリセットする「テュポーン」や敵のバフを消せる「トール」など、超強力なボスと戦う時に極めて重要になるものも多い。

Fate/Grand Order

本作もまたバフの重要性が非常に高いゲームである。
味方のHPは最大でも2万程度であるのに対し、ボス級ともなれば敵のHPは数十万。
しかも放置しておけば3~5ターンに1回は味方1体、場合によっては味方全体を即死させる威力の攻撃が飛んでくる。
控えに出せるメンバーも多くなく、回復能力もさほどの効果は期待できない。
財布を度外視して最もレアな☆5を揃えてMAXまで育てたとしても単純な力勝負で勝つのは難しい。

そんな状態でゲームバランスが成り立っているのはとにかくバフが豊富なこと。重ねがけ出来るため強力でもある。
サーヴァントはもちろん、プレイヤー自身まで含めて使用可能なバフがあり、それを使いこなすことが前提になっているからである。
その種類も単純な攻防バフからクリティカル威力アップ、スター獲得(=クリティカル発生率アップ)、NP(宝具、所謂必殺技発動に必要なゲージ)獲得量アップ、回避や無敵(どちらも相手の攻撃から身を守る)等多岐に渡り、サーヴァント達を特徴づけるのに貢献している。
逆に、敵からこちらのバフを封じられたり無効化されたりするとそれだけで難易度が爆上がりしてしまう場合もある。
特に高難易度クエストでは敵対時専用の物や解除不能のバフ/デバフを使ってくることが多く、これの対処がクリアの第一歩となる場合が多い。

エピックセブン

対人戦にも重きを置かれた、キャラごとのカスタマイズ要素が強い、グランディアのような半リアルタイム行動順のアクションゲージ制のソーシャルゲーム。
短いスパンで(基本は同種重ね掛け無効の)1-3ターンと持続は短いが強力なバフ/デバフを付与・解除しあうゲームデザインとなっている。
例えば一般的なデバフの一つ「防御力DOWN」は効果量が70%低下と凄まじいが、解除手段も豊富。むしろ食らっても長くて2ターンくらいなのでその間にこちらもデバフを掛けたり攻撃系バフをしてアタッカーを狙うのも有効といった具合。
半リアルタイム性ながら「スピード強化・弱体化」が絶対的ではなく、「攻撃力強化」の効果も控えめ。

他にも
  • デバフの命中、回避のみに作用する専用ステータスの「効果命中率」「効果抵抗率」が全キャラに設定されている
  • ほぼ全ての「たたかう」的なスキルにもデバフが設定されており、攻撃+デバフの方がデバフのみのスキルより圧倒的に多く、強いスキルほど効果発動率や持続ターン、範囲が優秀
  • 味方のデバフ解除、敵のバフ解除はスキルごとに解除数が決まっている
  • アクションゲージへのバフ/デバフ効果も多い
  • 効果が低い、または制限が大きいバフ技などは再行動効果も付くことがある
  • 対象のバフを奪う、自分のデバフを転移させる攻撃もある
…など、バフ/デバフに関連した要素が多くあり、様々な戦法や組み合わせができる。

デバフの成功率(%)そのものは、100+効果命中率-効果抵抗率(86以上でも最大85%)で計算される。
そして実質的なステータスの割り振り限界があるため、スピード・効果命中率に特化した「デバフ役」や、それの対抗として、そちらより一手遅い程度のスピードで効果抵抗率に特化した「デバフ解除役」といったセッティングも一般的。
どうがんばってもデバフが15%で外れる仕様は厄介だが、一部スキルは魂力(行動ごとにたまるポイント)消費や特定の状況で「効果抵抗無視」となり、攻撃そのものが当たればデバフが確実に入るため、活用できる場面では頼りになる。

そして デバフに対しての完全耐性となる「免疫」というバフがある 点も重要な点の一つ。
この免疫を味方全体にかけられるキャラもいるため、デバフ対策はこれ一つで完了…というわけではなく免疫は 強化解除・強化ターン短縮(これらも効果命中判定有り)までは無効にできない ため、「強化解除orターン減少後にデバフ」ができるキャラが高い評価を受けている。

実際「敵全体のすべてのバフ解除&強化不可(バフがかからなくなるデバフ)付与&アクションゲージダウン、魂力消費で効果抵抗無視」というスキルを持つキャラが初期からぶっこまれていたため、対人環境が一時はどうなることかと心配されたが、
そちらをナーフせず「全体攻撃に対するカウンタースキル」や「味方全体のデバフ解除後、免疫付与」ができるキャラの実装などによりメタられる形となった。

ボスにも行動不能、行動制限系以外のデバフは基本的に効き、特に2倍以上ダメージの変わることのある「防御力DOWN」か、最大HP参照継続ダメージである「毒」(このゲームではデバフ扱いで重複可)を入れ続ける「毒要員」はほぼ必須。
ただし毒が無効、デバフ解除行動をすることもあり、デバフが一定数以上になると強制的にデバフ全解除→代わりにバフを得るor強力な反撃を放つボスもいるため注意が必要。
そういったボス相手は「たたかう」的なスキルにデバフが無い、もしくはボスには無効のデバフ付与のキャラが適性を持っている。
逆に一部のコンテンツのボスは「特定のデバフを受けているとダメージが増大する」という形で、(本来ダメージが増えるデバフでないものも)弱点として設定される場合もある。

アナザーエデン 時空を超える猫

一応ソシャゲの定義内ではあるが、家庭用ゲームのようにフィールドを歩き回るタイプの前時代的なRPG。
バフとデバフ(を始めとした状態効果)が非常に豊富。
どれくらい豊富かというと、ゲーム内に存在する説明書において「状態効果の紹介」だけで1カテゴリに隔離されているほど。
無論そんなバフ/デバフを使いこなすことはこのゲームの基本戦術となるレベルで重要。
特に強力なシンボルエネミー「FEAR」やボス戦においては、短期決戦狙いにしても耐久するにしてもバフとデバフを駆使することは必須事項となる。
「特定の技を使う」だけでなく「特定武器を装備して攻撃すると付与」「後衛から前衛に上げた時に発生する『ヴァリアブルチャント』で付与」と言ったパターンもある。
特に攻撃面に関するパラメータである腕力/知性へのバフ/デバフは敵側と味方側で計算式が異なり、敵の方が圧倒的に受ける影響が大きい。
中盤以降のコンテンツになると敵側もバフ/デバフを積極的に活用するようになり、「敵のバフを解除するスキル」「味方のデバフを解除するスキル」「特定種のデバフ付与を無効化する装備」などを利用した対策を講じる必要が生じる。



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最終更新:2024年03月30日 16:55

*1 「Beef Up。「強くする」という意味の慣用句。

*2 Nerf。同名のおもちゃの銃にちなんだネットスラング。FPSにて、「愛用していた銃がおもちゃのようなポンコツ性能にされてしまった」という意味合いで用いられ、やがて他のジャンルにも飛び火して使われていった。

*3 パーティ全体の防御を上げないと全体攻撃対策になりづらいため

*4 わざわざ防御を下げたいのは雑魚の群れよりも強力なボス単体が多いため

*5 ただ、極端に防御の弱いキャラを集中的にフォローする必要があったり、ボス戦でも複数に分かれているケースもあるが

*6 アシストパワーやつけあがるの威力上昇は反映される

*7 素早さのみ1.5倍、他は1.3倍

*8 外伝作品のMHF-Zのみ、「極ノ型」という上位の戦闘スタイルを選択するとモンスターにデバフをかける技が使用可能になる。

*9 金剛級に戦艦大和の46cm三連装砲を積むなど。金剛の排水量は大和の半分程しかなく、感覚的には小学生に重機関銃を持たせているのと同じである。