ノーマン・ベイツ(サイコシリーズ)

登録日:2018/08/19(日曜日) 17:07:56
更新日:2024/03/31 Sun 13:14:22
所要時間:約 26 分で読めます




私はノーマ・ベイツだ!

ノーマン・ベイツとは、映画「サイコ」シリーズの主人公である架空の人物である。
そして、音声付きの実写映画における元祖スラッシャー(殺人鬼)キャラクターである。

スラッシャーキャラクターの典型的な特徴をいくつか併せ持っており、
13日の金曜日ジェイソンの様なママっ子で、パメラの様な二重人格で、レザーフェイスの様なヒルビリー(田舎者)でもある。

キャラクター設定のモデルは実在した殺人犯エド・ゲイン。

◆登場作

小説(著:ロバート・ブロック)

  • サイコ
  • サイコⅡ
  • サイコⅢ
  • サイコハウス

映画

  • サイコ
  • サイコ2
  • サイコ3/怨霊の囁き
  • サイコⅣ(テレビ映画)
  • ベイツモテル(テレビ映画)
  • サイコ(リメイク版)

ドラマ

  • ベイツ・モーテル

◆演者

  • アンソニー・パーキンス(「サイコ」~「サイコⅣ」)
  • オズ・パーキンス(「サイコ2」に登場する少年時代のノーマン)
  • ヘンリー・トーマス(「サイコⅣ」に登場するティーン時代のノーマン)
  • ヴィンス・ヴォーン(リメイク)
  • カート・ポール(「ベイツモテル」)
  • フレディ・ハイモア(「ベイツ・モーテル」)

本項では映画版でのノーマンを中心に記述する。


◆人物像

アメリカ国籍の白人男性。髪の色は黒。整った顔立ちで長身かつ痩身の、所謂ハンサムな青年。
しかし、リメイク版ではゴツい体格の大男
爽やかな雰囲気で、基本的に穏やかな物腰。
趣味は鳥の剥製の製作。
マザーコンプレックスであるのだが、それと同時に口うるさい母親を疎ましくも思っており、激しい口論を交わしたり罵り合うこともある。
しかし、そんな母親を施設に預けるつもりは毛頭なく、それを他人から薦められるとあからさまに不機嫌となり、時には激昂する。
また、神経質で思っていることが表に出やすい上、隠し事は苦手であり、詰問されると吃る。

カリフォルニア州フェアヴェイル(架空の町)の旧道沿いにあるモーテル「ベイツ・モーテル」を一人で経営している。
客は少ないため他者との交流は少なく、地元住民からは「世捨て人」と呼ばれている。

惚れた女性客は管理室の隣室に泊め、絵画の裏に隠された覗き穴から着替えを覗く癖がある(因みに、この覗き穴は亡き父が空けたもの)。
しかし、映画第一作では覗いたあとに良心が咎めたのかすぐに止めた。

でもリメイク版では体格がゴツくなったためか覗きながらオナニズムに耽る本格的な変態と化した。















実は解離性同一性障害を患った二重人格者であり、普段は本来の人格と母親の人格が同時に存在している状態だが、時折、母親の人格が完全に支配した状態になる。
しかし、一方でノーマンの人格のみになることはない
普段の人格のときはノーマンと母親の両者になりきり一人二役で会話までするが、本人にその自覚はない。
母親のみの人格になっている時の記憶は、普段の人格に戻ると消えてしまう。

また、実はノーマは10年も前に死んでいるのだが、本人は精神病を患った母親と二人きりで暮らしているという幻想を信じ込んでおり、他者を決して母親と会わせようとはしない。

ノーマのミイラ化した死体をモーテルの裏にある屋敷に大切に保管しており、服を着せ、髪型も整えている。
普段はノーマの寝室にある窓際の椅子に座らせている。

◆殺人

殺人に至るまでのプロセスは他の有名なスラッシャーキャラクターと比べて複雑であり、復讐や快楽を動機として殺人を実行する訳ではない。

普段の人格のノーマンの部分が誰かに惚れると、その度に母親の部分は激しく嫉妬し母親のみの人格となる。
そして息子の心を奪った憎き女を殺すと、長い眠りから醒めたかの様に普段の人格に戻り、孝行息子として母親を庇う為に証拠隠滅を図る。
また、「母親が生きている」という幻想を脅かす人物が現れた時も、母親の人格がノーマンを支配し殺人を犯す。

母親の人格のみとなった時は、母親の服(主に紺のドレス)を着てカツラを被るという女装をし、牛刀(シェフナイフ)を手に標的を襲う。
大抵は憎しみを込めて何度も刺すため、遺体は凄惨な姿となる。

腕力等は痩せている見た目通り大したことはないが、母親を守ろうとしているとき、もしくは母親を侮辱されたときは普段の人格でも暴力行為に及び、その際は凄まじい怪力を発揮し、体格的に勝る屈強な相手さえ押さえ込む








リメイク版では見た目もゴツくなり、身体能力もパワーアップした。
しかも、そのくせ妙に女装が似合ってたりする。

◆経歴

6歳(もしくは5歳)の時に父親を亡くし、情緒不安定かつヒステリックで性に対して異常な価値観を持つ母親ノーマと二人きりで長年生活し、彼女の洗脳じみた教育を受けたことが原因で精神に異常をきたし始めると同時に、マザーコンプレックスとなってしまう。

そのため、端から見れば明らかに横暴な独裁者でしかない母親を強く愛し、自らも依存していた。
15才の頃からモーテルを切り盛りし始めるが、翌年に母親にチェット・ルドルフという愛人ができたため、母親を奪われることを恐れたノーマンは第一作から10年前(1949年)に衝動的に母親とチェットを毒殺する(警察はノーマによる無理心中として処理した)。
母親を殺害後、やがて激しく後悔したノーマンは母親の死を認められず、死体を掘り返して盗みだした。
死体は剥製にして防腐処理を施し、服を着せ髪を整えてその保存に細心の注意を払った。
さらに、自らが母親として振る舞い、母親の声音で話すことで現実逃避を図った。

やがて解離性同一性障害を患い二重人格者となったノーマンは、直視し難い現実(母親の死と自身の罪)が迫ると母親の格好をし、母親の人格が完全に支配する様になる。

そして更に、本来の人格の「母親への執着心」が母親のみの人格にも反映され、息子の人格が誰かに惚れると、嫉妬した「母親」が息子が惚れた女性を殺す様になってしまった。

セルフ三角関係、いや、セルフNice boat.か………。

第一作より以前
ガールフレンドのホーリーとグロリアを「母親」の人格に支配され殺してしまう。

1960年12月(第一作「サイコ」)
モーテルに泊まりに来た4万ドルの横領犯マリオン・クレーンと、私立探偵のミルトン・アーボガストを発現した「母親」に支配されて殺害してしまう。
元の人格に戻り証拠隠滅を図るも、マリオンの恋人サム・リーミスとマリオンの姉(妹?)ライラに怪しまれて追い詰められた末、再度「母親」となってライラを殺そうとするがサムに捕まり、警察に逮捕された。なお、ライラに襲いかかった際は
アアアアイアム、ノーマ・ベイツ!!
と母親として名乗りながら叫んでいた。
その後、本来の人格は完全に消滅し、母親の人格に乗っ取られてしまった。

1982年(第一作から22年後「サイコ2」)
精神病院での治療で更正し、釈放されて社会復帰する。そして主治医ビル・レイモンドに紹介されベイツ邸とベイツ・モーテルの近くのレストランで働き始める。
しかし、その後、同僚のウェイトレスであると同時に実の母親を名乗るエマ・スプールが度々電話で会話してきたことと、ライラの娘である同僚のメアリー・サミュエルズ(本名はメアリー・リーミス)が、ノーマンを陥れるためにライラと共にノーマに変装して連続殺人事件を引き起こしたことが原因となり精神的に追い詰められ、正気を失ってしまう。そして訪ねてきたエマをノーマを殺した時と同じ方法で殺してしまう。
それからまもなく、エマの遺体をノーマの寝室にある椅子に座らせ、完全に二重人格のサイコキラーへと戻ってしまう。

その1ヶ月後(サイコ3/怨霊の囁き)
ベイツ・モーテルで起きた第二の連続殺人事件はライラとメアリー母子の犯行として処理され、自らは(二重人格のサイコキラーに逆戻りしているにも関わらず)ベイツ・モーテルの営業を再開する。
新たな従業員としてミュージシャンを夢見る若い男デゥウェイン・デュークを雇い、製氷器も仕入れ、営業は順調にスタートしたが、エマのミイラ化した死体をノーマの死体の代わりに家に置いたことで、再び母親の幻聴に苦しめられる。
さらに、今度は第一作で殺してしまったマリオンに名前と雰囲気が似た、修道女のモーリーン・コイルがモーテルに泊まりに来たことで、またしても「母親」が発現(ママ、もう勘弁してやれよ……)し、バスルームを襲撃する。
しかし、モーリーンはバスルームで自殺を図っており、その光景を見て正気に戻ると慌てて通報する。
命を救われたモーリーンはノーマンに感謝し、保安官からも誉められる。
しかしその夜、デュークがナンパした女レッドを「母親」と化して殺害してしまう。
そんなことを知らないモーリーンはベイツ・モーテルで同窓会を開き、ノーマンをパーティーに誘う。モーリーンは優しいノーマンに恋をし、またノーマンもモーリーンに惹かれて行くが、そのせいでまたしても嫉妬した「母親」が発現し、トイレにいた若い女性パッツィ・ボイルを八つ当たりとして殺してしまう。更に、ノーマンの犯行を目撃しエマのミイラを人質にとって強請ってきたデュークやノーマンを求めて修道院から抜け出して戻ってきたモーリーンをノーマンの人格のまま誤って殺してしまう。
そのショックから第一作と同様に完全に「母親」となりかけ、駆けつけたジャーナリストのトレイシー・ヴェナブルまで殺そうとしたが、強靭な精神力で抵抗し、エマのミイラを破壊した。翌日、トレイシーに通報されて逮捕され、その際ノーマンの更正を信じて見守っていたジョン・ハント保安官から「二度と出てこれまい」と言われ、シリーズは完結すると思われたが…………。


















1986年(前作から4年半後「サイコⅣ」)
特に説明もなく出所後
二度目の社会復帰をし、施設で知り合った心理学者の女性コニーと結婚する。
そしてラジオ番組にて「母親殺し」の真相を告白し、精神異常者ばかりのベイツ家の血を絶えさせるため妊娠したコニーの殺害予告をした。
しかし、妻の殺害を彼女自身による必死の説得で断念し、忌まわしきベイツ邸を燃やし過去と訣別することを決意する。そして母親やホーリー、グロリアといった自身が殺した人物の幻影に妨害され、片足を骨折しながらも、ベイツ邸を燃やすことに成功する。

珍しく、何度も死んだり生き返ったりしないスラッシャーである。
某ホッケーマスク野郎や某全身ケロイド野郎、某グッドガイ人形は見習うべきである。

◆「ベイツ・モーテル」では………

パラレル展開のドラマ「ベイツ・モーテル」では、時代設定が1960年から現代(201X年代)に変更されている。
また、アリゾナ州からオレゴン州の田舎町に越してきたという設定であり、そもそもモーテルがある場所が違う。

ベイツ親子だけでなく、町全体がドラッグと人身売買と暴力と殺人に満ちた世紀末な世界観となっており、ノーマンの二重人格も、息子を溺愛する、ヒステリックで依存的で幼稚で支配的な性格の母親との生活によってかなり早期から発現しているなど、大分成り立ちが違う。
そして第一話からいきなり母親人格が発現し、父親を殺している(最初は真相が伏せられている)。

母親ノーマが尻軽な上に色々な男(実の兄とか)にレイプされまくるため、親戚や母親の愛人は多く人物相関図は非常に複雑。

常に憂いを帯びた表情をしながらも、純情かつ純真で、真面目で誠実な性格が母性本能をくすぐるのか学校ではモテまくり、クラス一の美少女ブラッドリー・マーティンとセックスしたが、後に当然の如く嫉妬した「母親」が現れ、自ら殺すハメになる。
また、親しくなった女性である、ブレア・ハドソンや親友エマ・ディコーディの母オードリーも「母親」に操られて殺してしまう。

シーズン4終盤に母親と無理心中を図り自分だけが生き残ってしまってからは現実も認識できないほどに狂い始め、本格的にサイコキラーと化して行く。
そしてそのまま一人でベイツ・モーテルを運営する。
ノーマの愛人アレックス・ロメロやノーマの実兄ケイレブ・カルフーンからはノーマの仇として命を狙われ始めるが、ロメロが派遣した手下のジム・ブラックウェルを「ノーマ」に操られて返り討ちにし、更にケイレブも「ノーマ」として監禁した後、結果的に命を奪ってしまう。
さらに「ノーマ」に促され本来の人格のまま、サム・リーミス(映画では生き延びた)とアレックス・ロメロを殺すが、これが原因で「母親が生きている」という幻想が崩壊し、破滅を迎える。
最後は種違いの兄ディラン(厳密には、ノーマの兄がノーマをレイプした結果孕んだ子供)に正気なまま自殺のために襲いかかり射殺されたため、映画には繋がらない。
ある意味、唯一ノーマンが生き地獄から救われた作品といえる。

◆関連人物

肉親

ノーマ・ベイツ

ノーマンの母親。旧姓はスプール。全ての元凶である毒親。
精神に異常があった妹エマに嫉妬心から息子を誘拐されたりしたが、彼女自身も言うまでもなく精神に異常がある。
息子を溺愛しながらも情緒不安定かつヒステリックで、性に対して異常な価値観を持っている。そのため、思春期になった息子が性欲を示すと酷く罵倒したり、クローゼットに閉じ込めたりと虐待も行う。
ノーマンに対し独裁的な家庭環境を築き、自身の異常な価値観を植え付ける。
さらに癇癪持ちであり、しばしば誰もいない部屋で激しく暴れたり、息子に理不尽な八つ当たりをした他、息子を召し使いの如く扱ったり、彼が15歳になった途端にモーテルの営業を丸投げしたりと、非道の限りを尽くした。
一方で自分には甘く、ノーマンが16歳の時、妻子を持つチェットと不倫する。
しかし、今までの異常な教育が仇となる形で嫉妬し、捨てられるのを恐れたノーマンにアイスティーに毒を盛られる。
苦しみながらもなかなか死なず、毒を盛った息子に逆上して執拗に迫るが、地下室で力尽き絶命した。
葬式後に埋葬されたが、ノーマンに掘り返されて盗まれ、剥製にされ、大切に保管される。
服を着せられ、髪も整えられてノーマの寝室にある窓辺の椅子に座らせられる。
第一作でノーマンに地下室に隠されたが、ノーマンが逮捕された後に再び埋葬された。

ノーマンの別人格の「ノーマ」も、性格は本人と大差無い精巧な複製となっているが、ノーマンに対し苛烈なまでに嫉妬深い点や若々しい甘い声である点が異なる。

「ベイツ・モーテル」でのフルネームはノーマ・ルイーズ・ベイツ。自分をレイプした男や、自分や息子に都合の悪い者を躊躇なく殺す。おまけに依存的な部分が更に強くなり、息子はもちろん、頼れそうな男を片っ端から誘惑する尻軽。
保安官アレックス・ロメロと偽装結婚したことでノーマンに嫉妬され、練炭を使った無理心中に巻き込まれて自分だけが一酸化炭素中毒で死ぬ。
その後、死体は例のごとくノーマンに持ち去られ地下室に保管される。
死体が発見されそうになった際は林に隠された。
後にロメロに脅されたノーマンによって再び掘り返されるが、そこでノーマンがロメロを殺害したことを機にノーマンの中の「ノーマ」は消えてしまい、彼の幻想は破滅を迎える。

ジョン・ベイツ

ノーマの夫。ノーマンの実父。エマに片想いされていた。
新聞記事ではエマに殺害されたとされているが、ノーマンの独白では蜂の大群に刺され死んだことになっており、矛盾している。いずれにせよ、ノーマンが6歳(もしくは5歳)の時に若くして亡くなった。

「ベイツ・モーテル」では暴力的な性格で、フルネームはサム・ベイツ。夫婦喧嘩でノーマに暴力を振るっている最中、母親の人格に支配された17歳のノーマンに第一話の直前にミキサーで撲殺された。

ディラン・マセット

「ベイツ・モーテル」に登場。実質的には「ベイツ・モーテル」の真の主人公と言える存在で、性格もサイコな弟や母親とは対照的にヒロイックである。ノーマンの種違いの兄。ノーマの兄ケイレブにレイプされてノーマが孕み、産んだ子。
弟と違い逞しい体格のタフガイ。
エマと恋仲になる。
終始ノーマンを匿っていたが、最後はノーマンの生き地獄に終止符を打つため、ノーマンをシリーズ中で初めて殺した

ケイレブ・カルフーン

「ベイツ・モーテル」に登場するノーマンの叔父で、ノーマの兄。実の妹をレイプする精神に異常があるクソ野郎。
だが、ノーマやディランに対する愛情は本物。
ノーマに謝るために町へやって来る。息子ディランと再会し、彼の協力でノーマと再会し、謝罪したあと、裏社会の人間とのトラブルから姿を消す。
後に再びベイツ邸を訪れるが、ノーマの遺体を見てしまい「ノーマ」が発現したノーマンに監禁される。その後、「ノーマ」に促された本来の人格のノーマンによって解放されるが、間もなく「ノーマのみの人格」が発現したノーマンに銃撃され、逃げた末に車を運転しながらよそ見していたチックに轢かれ死亡。

ノーマの親

性に対して異常な価値観を持っていたことが示唆されている。

「ベイツ・モーテル」に登場した精神に異常がある、ノーマとケイレブの親。もちろん子供を虐待していたが、ノーマに殺された。

模倣犯

映画第二作「サイコ2」ではノーマンの母親が概念化しており、複数の「ノーマンの母親」が登場する。

元は個人であるジェイソンが概念化している「新・13日の金曜日」と似ている。

エマ・スプール

ノーマンの叔母でノーマの妹。夫人を名乗っているが実は未婚者。精神に異常があり、ベイツ氏(ノーマンの父)を愛していたため、姉と結婚した彼を殺害し、さらにノーマンを「自分が授かるはずだった子供」として誘拐した結果、逮捕されて精神病院に収容されていた。
出所後はベイツ・モーテル近くのステイラーズ・カフェに勤める。勤務態度はその本性とは裏腹に非常に良かったらしく、皆勤賞であった。
ノーマンに執着しており、その性質はノーマンの中の「母親」に似ている
釈放されたノーマンをカフェの店主ラルフ・ステイラーに紹介して雇うよう進言した他、ノーマンに対して実の母親と名乗り度々電話越しに話しかけたり、彼に宛てた数々のメモをあちこちに張り付けていた。
そしてノーマンを陥れようと企んでいたライラをベイツ邸の地下で殺し、更に電話でノーマンにライラの娘メアリーを殺すよう命じる(しかしノーマンはメアリーに好意を抱いていたため拒否された)。
メアリーが警察に射殺されノーマンが釈放されると、改めてベイツ邸を訪れ息子に会いに行き真相を得意気に語るが、茶に毒を盛られた上、スコップで撲殺され、ノーマの寝室の椅子に座らせられて第二の「母親」となった。

彼女の過剰にもほどがあるお節介はノーマンの精神異常に拍車をかけたため、自業自得と言える。
因みに殺人の際はかつてのノーマンと同様にノーマの格好をし、牛刀を凶器とする。

また、作中で明言されていないものの、ウォーレン・トゥーミーとジョッシュの殺害も、後述のライラではなく、エマによる犯行である可能性もある。

ライラ・リーミス

第一作の後半のヒロインで、第二作の黒幕。美人の白人女性。旧姓はクレーン。第一作で姉の手がかりを探すためサムと共にベイツ・モーテルを訪れ、そこで「母親」化したノーマンに襲われるもサムに救われた。
後にサムと結婚したが、死別する。
22年後、ノーマンが社会復帰すると妹(もしくは姉)マリオンを殺された復讐のため、娘メアリーと協力してベイツモーテルで連続殺人事件を引き起こしてノーマンを陥れようとしたり、様々な工作でノーマンを精神的に追い詰めたが、ベイツ邸の地下でノーマンの叔母エマに殺された。
殺人の際はかつてのノーマンと同様にノーマの格好をし、牛刀を凶器とする。
復讐のために無関係な人間を計二人も殺しているため、ノーマンと目くそ鼻くその精神異常者と言える。
因みに、彼女もノーマンの真似をして沼に遺体を沈めた

ただし、上記の通り殺人に関しては全てエマによる犯行の可能性もある。実際、英語版Wikipediaではそう解釈されているが、真相は不明確である。

メアリー・リーミス

ライラとサムの娘。サムの名が元になっている偽の姓「サミュエルズ」を名乗るが、この偽名は亡き叔母マリオンも使っていた。
社会復帰したノーマンが勤め始めたレストランの従業員。
彼氏に捨てられ、寝る場所が無いとノーマンを頼りベイツ邸で彼と二人で暮らし始める。
実は母親と共謀しており、遺体を片付け沼に沈めたり、ノーマの格好をしてノーマンに姿を見せつけたり、家具を片付けられていたノーマの部屋を元通りにしたりと数々の裏工作でノーマンを精神的に追い詰め、「母親はまだ生きている」という妄想を抱かせた。
しかし、ノーマンの親切で誠実な性格を知り、そんな彼が精神的に追い詰められ居もしない母親に怯える様子に同情し、ライラから離反する。
母性本能からか、20歳以上も年上の怯えるノーマンを我が子の様に抱き締めるなど、彼に入れ込んでゆく。
やがて警察が沼から車を引き上げると、ノーマンに濡れ衣を着せられると思い彼を逃そうとノーマに変装し(なぜか牛刀も持って)、既に正気を失っていたノーマンに説得を試みるが、ライラを尾行しベイツ邸に潜んでいたレイモンド医師をノーマンの目の前で過失により(そして牛刀なんか持っていたばっかりに)刺し殺してしまう。その光景を目の当たりにしてしまったノーマンはメアリーを母親と信じ込んで逆に警察から守ろうと迫るが、当のメアリーは明らかに正気を失っているその姿に恐怖し牛刀を振り回しノーマンを何度も切りつけて抵抗する。やがて地下室に追い詰められるが、そこでライラの遺体を発見してしまい逆上し、ノーマンを刺し殺そうとしたが、そこでタイミング悪く突入してきた警察官に射殺された

牛刀さえ持っていなければ彼女の末路は違っていたかもしれない。

因みに、「13日の金曜日 PART2」にもヒロイン・ジニーが殺人鬼ジェイソンの母親パメラの格好をしてジェイソンを惑わせ命令する場面がある。

配偶者

コニー・ベイツ

精神病施設に勤める心理学者の女性。患者のノーマンに一目惚れして交際し、ノーマンが仮出所中に結婚した。
前の結婚で得た家でノーマンと二人で暮らしている。
ノーマンとは子供を作らない約束をしていたが、セックスの際に嘘をつきピルを飲まなかったため妊娠した。
ノーマンの誕生日にベイツ邸に連れられ、「ベイツの血を根絶やしにして負の連鎖を止める」という妄執にとりつかれた当のノーマンに命を狙われるが、必死の説得で事なきを得る。そして彼に因縁との決着を決意させる。

被害者

ノーマンの性質上、女性が多い。
しかも、ホラー映画での死亡フラグである「男女の情事」をスラッシャーであるノーマン自らが乱立するためたちが悪い。

チェット・ルドルフ

ノーマの愛人の男。バーテン。妻子がいた。ノーマ共々、嫉妬したノーマンに毒入りのアイスティーを飲まされる。
しかし体格が良いためかなかなか死なず、同じく毒入りアイスティーを飲まされたノーマとともにノーマンを執拗に殺そうと迫る。やがて地下室に追い詰めたが、力尽きて絶命した。
その後、警察には「妻子がいたことがバレてしまい(実際には知られた上で交際していた)、逆上したノーマの無理心中に巻き込まれ死亡した」として処理され、葬式後に埋葬された。

ホーリー

若い頃のノーマンを誘惑し、セックスしようとしたが、「母親」が発現したノーマンに牛刀で刺殺された。遺体は沼に沈められた

グロリア

年上の女性。ノーマンとカーセックスをしようとしたが、「母親」になったノーマンに縄で首を締められ失神する。その後、車ごと沼に沈められたが、その最中に覚醒し、もがきながら溺死した

マリオン・クレーン

第一作の前半のヒロイン。美人な白人女性。銀行に勤めるOL。四万ドル横領犯で、恋人サムと結婚するために犯行に及んだ。道中のベイツ・モーテルに泊まりに来るが、親切で誠実なノーマンとのやり取りを経て改心する。
しかし、ノーマンが彼女に心を惹かれたため、「母親」に支配されたノーマンにシャワーを浴びている最中に何度も牛刀で刺され死亡し、遺体は車と四万ドルと共に沼に沈められた。この沼超助かる!

「ベイツ・モーテル」ではサムの浮気相手として登場し、あろうことか生き延びる

ミルトン・アーボガスト

元刑事の私立探偵。優れた洞察力でノーマンの母親を疑い、屋敷に不法侵入したのが運のつき。突然襲ってきた「母親」化していたノーマンに牛刀で切りつけられて階段から転落し、さらに何度も刺され死亡。そして沼に沈められた。

サム・リーミス

映画第一作で「母親」となってライラを襲ったノーマンを捕らえ生き延びた男。
シリーズ最初の犠牲者マリオンの恋人だったが、後にマリオンの妹(もしくは姉)ライラと結婚し、娘メアリーをもうけるが、若くして病死する。
メアリーという名は、マリオンの名が原型と思われる。
彼が生きていればライラが第二のサイコキラーになることはなかったかもしれない

しかし、パラレル展開の「ベイツ・モーテル」ではノーマンの犠牲者になる。バスルームでシャワーを浴びている最中、映画でのマリオンに代わって「ノーマ」にそそのかされた本来の人格のノーマンに牛刀で何度も刺され殺された。もちろん、沼に沈められた。

ウォーレン・トゥーミー

ノーマンが精神病院で治療を受けていた22年間、ベイツ・モーテルの支配人代理を勤めていた男。
モーテルをラブホテルにしてしまったことがノーマンの逆鱗に触れ、解雇させられた。
その晩、ノーマに変装したライラ(もしくはエマ)に牛刀で刺殺され、車ごと沼に沈められた

ジョッシュ

10代後半の若い男。ベイツ邸を未だに無人だと勘違いして地下室に不法侵入し、恋人とセックスしようとする……というあからさまな死亡フラグを建て、直後に案の定ノーマに変装したライラ(もしくはエマ)に牛刀で刺殺された。遺体はメアリーによって片付けられ、沼に沈められた。一方で着用していた衣服はエマによってトイレに詰められた。
なぜ詰めたし。

ビル・レイモンド

ノーマンの主治医。ノーマンが出所後も彼の様子をしばしば見守っていた。
リーミス母子の企みを知り、ライラを尾行し、ベイツ邸に不法侵入して二階に身を潜めていた。
やがてノーマの格好をしたメアリーが現れ母親と偽って一階にいるノーマンに電話をかけたため、現行犯で捕らえようとしたところ、驚いたメアリーになぜか持っていた牛刀で刺され、二階から一階に転落し、その衝撃で牛刀が深々と突き刺さり絶命した。
シリーズ中の過失致死第1号である。

レッド

デュークとセックスして死亡フラグを立たせ、事後に部屋から閉め出される。
公衆電話で服が裏返しなことに気づき、着直そうとしたところを「母親」になっていたノーマンに牛刀で刺殺された。
後にパッツィ、デュークと共に車ごと沼に沈められた。

パッツィ・ボイル

ベイツ・モーテルへ同窓会に集まった。夜に「母親」が発現したノーマンに牛刀で首を切断され、正気に戻ったノーマンに製氷機に放り込まれた。
その後、デューク、レッドの遺体と共に沼に沈められた

デゥウェイン・デューク

ベイツ・モーテルの新しい従業員。名前の発音は「デュエイン」の方が近い。売れっ子ミュージシャンを夢見る若い男性。
ノーマンの殺人を目撃し、エマのミイラを人質にノーマンを強請るが、逆上したノーマンに本来の人格のままギターで殴り倒される。
その後、車の中で覚醒し、沼に車ごと沈めようとしていたノーマンに逆襲するが、返り討ちにされ溺死して沼に沈んだ。

モーリーン・コイル

修道女……になり損ねた若い女性。老修道女を事故死させてしまい、傷心のあまりベイツ・モーテルで自殺を図るが、ノーマンに救われる。
その後、優しい性格のノーマンに惹かれていき、修道女の道を諦めて彼を誘惑しセックスに及ぼうとするが、それが「母親」の暴走を促した。
翌日に別の修道院へと引き取られるが、最後はノーマンを求めて教会を抜け出しベイツ邸へと再訪する。しかし「母親」の声の幻聴を聞いて咄嗟に飛び退いたノーマンに突き飛ばされて事故死してしまった。
過失致死第2号

トレイシー・ヴェナブル

エマ・スプールの行方を独自に調査する女性ジャーナリスト。
モーリーンを事故死させてしまったショックで完全に「もう一人の母親」になりかけていたノーマンに襲われるが、ノーマンが自分に打ち勝ちエマのミイラを破壊したため助かる

キース・サマーズ

「ベイツ・モーテル」に登場する、モーテルの元の持ち主。ノーマをレイプするが、帰って来たノーマンに殴り倒され、ノーマに刺殺された。
遺体は沼に沈められた。

ブレア・ワトソン

「ベイツ・モーテル」に登場するノーマンと親しくなった女教師。パーティーでブラッドリーに好意をもつ男に殴られ、意気消沈していたノーマンを自宅に招き、治療する。しかし、ノーマンを誘惑し、セックスに及んだため、「ノーマ」が発現したノーマンに殺された。

ブラッドリー・マーティン

「ベイツ・モーテル」に登場する、ノーマンのクラスメイト。クラスの人気者な美少女で、ノーマンの初めてのセックスの相手
ノーマンの協力で父親を殺した犯人を殺し、自分を死んだことにして町から逃げるが、後にやつれきった姿で戻ってくる。
母親が新たに恋人を作っていたことに失望し、ノーマに施設に容れられそうになっていたノーマンを誘って共に再び町から出ようとするが、突然、嫉妬した「ノーマ」が発現したノーマンに訳もわからない内に殺された。
そして、もちろん沼に沈められた。

オードリー・ディコーディ

「ベイツ・モーテル」に登場する、ノーマンの親友エマの母親。突然「ノーマ」が発現したノーマンに殺された。 後に沼に沈められた。

エマ・ディコーディ

「ベイツ・モーテル」に登場したノーマンの親友。オードリーの娘で病弱。不治の病を患っていたが、ドナーのお陰で助かる。ノーマンを誘惑したこともあったが、「ノーマ」の助言を受けたノーマンにセックスを拒まれ恥をかかせられた。
最終的にはディランと恋仲となり生き延びるが、両親をベイツ親子に殺された上、自身もノーマンに命を狙われたため被害者といえる。

ジム・ブラックウェル

「ベイツ・モーテル」に登場したノーマの愛人ロメロの手下。ロメロに命令されノーマンを殺そうとしたが、「ノーマ」が発現していたノーマンに返り討ちにされ殺された。そして沼に沈められた

アレックス・ロメロ

「ベイツ・モーテル」に登場する保安官。ノーマと偽装結婚した。ノーマを心底愛している。ノーマを殺したノーマンへの復讐に燃える。ノーマンを脅してノーマの遺体の元まで案内させ、ノーマンをボコるが、ノーマの遺体をみて泣き崩れたところを背後から石で何度も殴られ、更に銃弾を二発も撃ち込まれて殺された。しかし、彼の最後の言葉で幻想を脅かされたノーマンは間もなく破滅を迎える。

◆フィギュア化

マクファーレン社から「アンソニーが演じるノーマン」がフィギュア化している。
7インチ程度の大きさだが、再現度合いは高い。
カツラ、牛刀、台座が付属する。

◆余談

「息子と母親の二重人格でナイフを持った殺人鬼」というキャラクター造形は、13日の金曜日の主人公兼スラッシャーであるパメラと似ており、人を襲う際に特定のBGMが流れる点まで共通している。

また、マザーコンプレックスである点や、母親の格好をした女性の命令に従ってしまう点はジェイソンと似ている。

母親の遺体を大切に保管している点や古めかしい館に住んでいる田舎者(ヒルビリー)という点は「悪魔のいけにえ」のレザーフェイスと似ている。

恐らく、様々なスラッシャーキャラクターに影響を与えていると思われる。

また、パメラ・ボーヒーズは息子を過剰に溺愛している点がノーマと共通しており、パメラは「ノーマンを失ったノーマの姿」とも言えるかもしれない。




追記・修正は死んだ母親に変装し牛刀を振り回して沼に沈めてから追記修正をお願いします。

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最終更新:2024年03月31日 13:14