ゾウ(ONE PIECE)

登録日:2018/08/09 Thu 15:06:37
更新日:2024/02/02 Fri 11:12:22
所要時間:約 18 分で読めます




ゾウとは、漫画ONE PIECE』に登場する地名である。
初登場は単行本80巻・第802話・『ゾウ』より





【概要】

この異様にシンプルな土地の名は、麦わらの一味がパンクハザードを出港した後、ローの口から「カイドウを倒す作戦におけるドレスローザの次の目的地」として語られたのが最初である。
何故か錦えもんモモの助ら、侍達もこの島を目的地としており、ドレスローザを離れた後も同乗することとなった。



「いや ココ(●●)でいいんだ」

「トラ男お前 コレ……!!!」









「"象"じゃねェか~~~!!!」


その正体は天を突くほど巨大な生きた「象」及びその背中の上に栄えた土地の名
先住民として"戦獣民族"ミンク族が暮らしており、その歴史は1000年にも及ぶという。
つまりこの象も1000年以上は生きているという事。
町や森がある背の上に移動するのも容易ではなく、ルフィ達が登る回・下りる回のサブタイトルはそれぞれ「登象」に「下象」、もはや高山扱いである。
ついでに陸地ではないため、記録指針(ログポース)でも辿り着けない、よって到達にはビブルカードが用いられるようだ。
ゾウの歩行によって場所が定まらないことに加え、周囲の深い霧と海流によって自然と侵入が阻まれるようになっている。

ミンク族達の国の名は「モコモ公国」と言い、「昼の王」イヌアラシ公爵と「夜の王」ネコマムシの旦那の二人によって統治されている(事情は後述)。

ミンク族についてはONE PIECEに登場する人種参照。



●目次


象主(ズニーシャ)

この「島」を成しているゾウは、住人たちからは象主(ズニーシャ)と呼ばれ、空島にとっての「ヴァース」のように敬われている。
象なのでたまに「パオオオン」と鳴くこともある。
学名は「ナイタミエ・ノリダ象*1」、学名の体を成してないとか言わない。

特殊なのはその巨体だけではなく、足の関節が通常のゾウより一つ多く、それに伴い足自体も長い。
海底に足をつけて歩行している。
そのためプロポーション的には普通のゾウが海面を歩いているように見える。

土地としての表面は当然ながら土ではなくゾウの皮膚のため、ブヨブヨしていて少し歩き辛い。
またゾウなので、一日に二度、海水で水浴びを行う…が、背にいる人々にとってはその規模はもはや洪水、「噴火雨」と呼ばれている。
噴火雨直前には地響きという確実な予兆があり、ゾウの鼻先が遠目には火山の噴火口のように見える。
ただし町や森はこの水量に適応しており、自然と排水が行われるばかりか、首都中央の濾過装置を通じて水源となり、降ってくる魚も資源として重宝されている。

登象時はカン十郎能力で作ったに乗る&シーザーのガスによる浮上が、下象時はルフィが仲間を抱えてそのまま飛び降りるという方法がとられた。
正規ルートは不明。



【モコモ公国】

「ゾウ」の上に築かれた国家の名前。
正式なは公爵であるイヌアラシだが、「くじらの森」の守護任務を持つネコマムシにも同等の権利がある。
イヌアラシとネコマムシはかつて共に海へ出るほどの仲だったが、ある航海から帰ってきたときには既に険悪になっていた。

今では出会えば大喧嘩、互いの名前すら呼ばなくなった。
以降「昼(6:00~18:00)」と「夜(18:00~6:00)」で完全に分けた統治がされるようになり、「王の鳥」と呼ばれる王同士の伝達役以外は好きな時間に起きることもできなくなっている。

  • イヌアラシは自衛軍「犬嵐銃士隊」
  • ネコマムシは「くじらの森」を守る「侠客団(ガーディアンズ)
を組織している。
新世界の国家だけにその戦力は尋常ではなく、王ともなれば、二人とも四皇最高幹部に対し一切引き下がらないほどの高い戦闘力を持つ。


【地理】

象主の背の上は環状の防壁で囲まれており、その中に塔のような石造りの構造物と森がある。

ゾウの後ろ側から入った時に最初に目に入る建物。
普段は門番がおり、見張り台からはバリエテが監視している。
バリエテは客や敵襲が来た時には鐘を鳴らしてそれを伝達する役目も負っている。

  • クラウ都
ゾウ中央にあるモコモ公国の首都。
中央には巨大な濾過装置があり、ここから生活用水を得ている。

  • 右尻(ウシリー)の森
砦のある「右腹の森」へ続く森。

  • 右腹(ウバラ)の砦
昔居住区として使われていたエリア。
パイナップル型の建物が木の幹の通路によって三次元的に繋がれている。

  • くじらの森
ゾウの聖地。
中心には巨大なクジラの形をした樹がある。
手前に侠客団(ガーディアンズ)が居住区を構え、侵入者は何人たりとも許さない。
ベポ達ハートの海賊団クルーはこの森の中で預かりの身となり、行動が制限されている。


【文化】

外界と意図的に距離を取っているわけではないが、隔絶された環境であり、外部との連絡手段すら限られているため、独自の文化が形成されている。
「ガルチュー」という言葉と共に行われる、気軽に頬ずりしたり相手の顔を舐めたり噛んだりするミンクシップと呼ばれる友好の挨拶が象徴的。
サンジはこれで女性のミンク族に頬ずりしまくっていた。
なにか勘違いしていないか…。

特にのミンクは「骨好き」という性質とミンクシップが合わさり、ブルックは服がボロボロになるまで噛まれてしまった。

加えて、方言ののようなものか、特殊な二人称・三人称が常用される。
  • 「あなた」→「ゆガラ」(男言葉)・「ゆティア」(女言葉)
  • 「やつ」→「やガラ」(〃)・「やティア」(〃)
  • 「そいつ」→「そガラ」(〃)・「そティア」(〃)
  • 「あいつ」→「あガラ」(〃)・「あティア」(〃)
因みに一人称はほかと変わらない(おれ、私など)。

またミンク族達は自身の純毛(ミンク)に誇りを持っている。
他人種のことを「少ない毛(レッサーミンク)」と総称、人間のことも「毛の少ない猿のミンク」と捉えているが、別に卑下しているわけではなくそれに憧れる者もいる。
異邦人との友好の証に衣服を交換する風習があり、ワンダはナミのブラジャーを着用、ナミやチョッパーは「国宝」と呼ばれるビーズ状の装飾品を身につけている。

上記の通り彼らは基本は友好的なのだが、その戦闘力所以か外では「凶暴」「排他的」といった噂が立ってしまっている。
「ゾウ」以外にミンク族の国家があるかどうかは不明。
住民自体はビッグ・マムの治める万国(トットランド)に確認される。


【出来事】

1000年来の歴史を持ち、その環境のおかげで平和な生活を享受していたが、ある時四皇百獣のカイドウの部下・旱害のジャック忍者の「雷ぞう」を捕らえに襲来。

ミンク族達は知らないと反論するがジャックに話は一切通じず戦闘となる。
昼はイヌアラシの銃士隊、夜はネコマムシの侠客団と12時間おきに交替しながら、海から次々と侵入してくる戦闘員相手に5日5晩もの長期戦を余儀なくされる。
互いに確実な決定打を与えられないことにしびれを切らしたジャックは、シーザーが開発した毒ガス兵器を使用。
クラウ都と森の大部分を覆いつくし、ミンク族達は戦闘不能に。
ジャック達はそこへ拷問を加え続けるも、当然ながら雷ぞうの居場所が吐かれることなどなかった。

ところが翌日、百獣海賊団とビジネスを行っているドンキホーテ・ドフラミンゴが討たれたという報が入ったことで、ジャックは部下を一部残しドフラミンゴ奪還のためにゾウを離れる。
その更に翌日、サンジ一行(ぐるわらの一味)がゾウに到着。
連れていたシーザーの能力によるガスの中和と無事だった住民の協力も得て、二人の王含め多くのミンク族が救われた。



【住人のミンク族】

昼と夜の住人同士は仲が悪いわけではなく、イヌアラシとネコマムシの対立に気を病んでいた。

◆銃士隊と「昼」の住人


  • イヌアラシ
「ゆガラ… 麦わら帽子がよく似合うな」
「大丈夫 道は間違えてはいない  このまま進め!!!」
身長:511cm
好物:骨、手羽肉(おでんの具)
CV:土師孝也
のミンク(ビーグル辺りに見える)。モコモ公国公爵であり「昼の王」。「赤鞘九人男」の一人。
旱害のジャックの獣形態での鼻の攻撃を片手で止める実力者。
忠犬というイメージからか礼儀正しいが、おいしそうな骨の前には人前でも涎が溢れてしまう程の骨好き。
一度武器を手放してジャックに交渉を求めるなど、できる限り争いと被害を減らそうと尽力している。
ジャックの拷問で左足を失ったが、ワノ国では剣を義足代わりにして戦闘に用いている。
同盟結成後はモモの助や部下と共にゾウに残ったが、ルフィに先んじてワノ国に到着。
錦えもんと共に酒天丸(アシュラ童子)を取り込むために奔走した。


  • シシリアン
「優しさ・愛・恋・赤子・砂糖・ハチミツ!! わしの前で塩気のない話を二度とするな!!!」
CV:ジレン花輪英司
ライオンのミンク。犬嵐銃士隊隊長。銃士隊最強の3人、イヌアラシ三銃士の一人。
通称「全力のシシリアン」。何事にも全力で、無駄に暑苦しい
部下達への指導も「獅子は我が子を千尋の谷に落とす」が如く厳しく、甘いこと・甘いものが大嫌いだが、恩を受けた場合は全力で土下座し感謝する他、自分にも厳しく、部下達からの信頼や憧れは厚い。

ちなみに三銃士の残り二人はシマウマのミンクジョバンニ(CV:千葉俊哉)と狐のミンクコンスロット(CV:奥畑幸典)。

  • ワンダ
「今日は奇跡の日だな…!!」
CV:折笠富美子
犬のミンク。銃士隊隊員で「王の鳥」。
ぐるわらの一味が来訪した時には敵だと思い込み瀕死ながらも自爆を仕掛けたが、その後助けられてからは常に一味と一緒に行動している。
特にナミと仲が良く、衣服の交換やミンクシップを頻繁に行っている。ナミの衣装は恥ずかしくなかったのだろうか
犬ミンクなので骨に目がなく、彼女ら犬のミンクはブルックのことを「死体男爵」と呼んで気に入っている。


「海って……!!! ワンダーランド!!!」
CV:伊藤かな恵
ウサギのミンク。銃士隊隊員で『王の鳥』。名誉麦わらの一味。
詳細は項目にて。


  • ミヤギ
CV:西村知道
ヤギのミンクで医者。
ドラム王国(現サクラ王国)とトリノ王国由来の高い医学の知識を持つチョッパーを尊敬し、島では彼の治療活動に協力している。

  • トリスタン
CV:佐々木愛
リスのミンク。ぐるわらの一味が上陸後初めて出会ったミンク族で、シープスヘッドに追われていた所を救われる。
ミヤギの助手を務める。

  • バリエテ
CV:粗忽屋東品川店
猿のミンク。小柄。
正門で見張りを務める。ルフィ達が登象中、何故か上から降ってきて、錦えもんとカン十郎にぶつかりゾウの足元へ落ちてしまった。

  • モンジイ
CV:稲葉実
猿のミンク。名前の通り(O:名前って普通生まれた時につけるよね?)老人。
島の木の実から「猿酒」と呼ばれる酒を製造しており、ゾロからも評価された。

  • ヨモ
CV:田中一成
羊のミンク。牧師。
ナミを腹の上で寝かせられるほどの巨体の持ち主。


◆侠客団と「夜」の住人


  • ネコマムシ
「月が出たならわしの国じゃき!!! 侵入者は逃がさんぜよォ!!!」
「ラザニャ~~~~ン♪ うまいニャ~~~ン♪ぜよ」
身長:522cm
好物:ラザニア、かまぼこ(おでんの具)
CV:池田勝
のミンクで、「くじらの森」の守護神。通称「ネコマムシの旦那」で「夜の王」。「赤鞘九人男」の一人。
本人曰く「世界の夜明けを待つ男」だそうだが詳細は不明。
おっちゃんみたいなちゃらけた外見に反してその性格は豪胆で、ジャック戦でも町への被害は全く気にしない、医者の言うことも聞かない。
それでいて痛いのは大嫌いで注射を打つ時すらねこじゃらしで気を逸らさせ、傷口が開くとしぶしぶベッドに戻るのだから憎めない。部下達からも怒った顔は怖いが、笑顔はかわいいと評されている。
猫とあってマタタビは勿論、ラザニアが好物で、入浴しながら食すほど。
同盟結成後は、旧知の仲である「不死鳥のマルコ」に協力を求めるために部下を連れて「スフィンクス」へと旅立ち、イゾウを連れてワノ国で合流した。

武器として三叉矛を使用する。マンモスに変身したジャックを出会い頭に投げ飛ばすほどの実力者。
ジャックによる拷問で左腕を失っているが、残った部分の包帯でスプーンを持つぐらいには気にかけていない模様。ワノ国では左腕に銃を付けて戦闘に用いている。

ブルックが作った「ねこまむしの旦那」の歌があるが、歌詞はあくまでイメージで実情とは程遠い。
因みにこれはブルックの中の人であるチョー氏夫妻の楽曲を、尾田っちが許可を得て劇中に登場させたもの。
チョー夫妻はこのことがかなり嬉しかったらしく、この歌が登場した週刊少年ジャンプや単行本を複数買ったという。

愛嬌ある姿や歌などもあってか、第6回人気投票では31位と健闘した。


「備えろ!!人には必ず『出番』がある‼」
CV:三木眞一郎
ジャガーのミンク。侠客団(ガーディアンズ)団長。万国編で麦わらの一味に同行し、
一味を逃がす為に、自爆して命を落とすことになる。享年32歳。
詳細は項目にて。

  • ロディ
CV:川原慶久
牛のミンク。侠客団団員。
「くじらの森」に侵入したルフィと交戦、エレクトロを纏いながら放つ頭突き「モー(ガラヴァ)」を使う。
牛ミンクなのでヒラヒラしたものがあるとそちらに突進してしまう。

  • BB(ブラックバック)
CV:田中一成→荒井聡太
ゴリラのミンク。侠客団団員。
怪我をしていながらハートの海賊団のジャンバール(巨漢)を片手で投げ飛ばせるほどの怪力。
普段は強面だが、猿ミンクなので大好物のバナナがあると表情が砕ける。

  • ミルキー
CV:斉藤佑圭
トナカイのミンク。ネコマムシの看病をしている侠客団のアイドル。
チョッパーが彼女に惚れ込んでしまうほどの美人で、ミンク族の中にも隠れファンがいる。


◆過去の人物


  • ひつギスカン
CV:白熊寛嗣
20数年前のゾウの公爵。羊のミンク。
イヌアラシとネコマムシの手紙を受け取り、ロジャー海賊団一行にロード歴史の本文を見せた。


◆その他ゾウ出身者


CV:飛田展男
ビッグ・マム海賊団の戦闘員であり、ライオンのミンク。
ゾウにいた頃は悪童として有名だった。
詳しくは項目参照。

CV:高戸靖広
ハートの海賊団の航海士で、ホッキョクグマのミンク。
兄のゼポを探して海へ出るも、間違えて北の海(ノースブルー)行きの船に乗ってしまった。そんな訳でホッキョクグマにも関わらず北極との関連性は無いに等しい。
船長のトラファルガー・ローとは10年以上の付き合い。

因みに彼は他のミンク族に見られる髪の毛がなく、外見上は服を着た熊そのもの。
海軍にもその辺りを誤認されているのか、懸賞金は500ベリーとチョッパーと同様の扱いを受けてしまっている。
髪がないのは人間では坊主頭に相当すると思われる。

  • ゼポ
CV:高戸靖広
熊のミンク(アニメだとベポ同様白熊っぽい)で、ベポの兄。故人。
ペドロらと共にノックス海賊団として海へ出たが、ビッグ・マム海賊団のナワバリに迷い込み、「ルーレット」によって残り30年分の寿命を奪われ死亡した。

  • リンドバーグ
CV:菅沼久義
革命軍「南軍」軍隊長で、猫のミンク。
発明家で、様々な新兵器を開発している。
詳しくは項目参照。

【生息している動物】

  • ワーニー
ワニのように見えるが、体は丸みを帯びており足も長い動物。
ワニと違ってガニ股じゃないので足がとても速い。
ミンク族は「同族」を家畜化しないということか、ゾウではこのワーニーが馬のように移動手段として用いられている。
水陸両用で、「噴火雨」による洪水の中でもスイスイ移動できる。
ミンク族はワニも食用とするとの言及があるが、ワーニーもその対象になるのかは不明。
因みにワーニー初登場シーンではシープスヘッド達を乗せてトリスタンを襲撃していた。アニメ版では噴火雨の際にシープスヘッドらギフターズが洪水をしのぐべくワーニーを奪おうとするシーンが描かれている。

ゾウには電伝虫を用いる文化はないが、森には野生のものが生息している。

アニメオリジナル。多数森に生息している上に人並みの巨大さで、象主の血も吸おうとするため駆除対象。移動途中の麦わらの一味を襲ったため多数倒された。
アニメオリジナルの引き伸ばし用戦闘に用いられた。


その他、食用にする以上はカバやトカゲも生息していると思われる。




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  • 初登場がゾウ編~万国編終了まで

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最終更新:2024年02月02日 11:12

*1 恐らく由来は「ダリの絵みたいな象」。ダリの絵に登場する「宇宙象」と呼ばれる足関節の多い象から取られたと思われる。