ピスト・シャーズ11世(FF:U)

登録日:2018/07/22(日) 00:52:20
更新日:2024/01/14 Sun 12:35:59
所要時間:約 15 分で読めます





「『出来るのか?』とはお言葉……ガウディウム四凱将の一人、海を束ねるこの魔人ピストに、不可能はありません」


TVアニメ『FF:U ~ファイナルファンタジー:アンリミテッド~』の登場人物。
異界の支配者・タイラント伯爵のしもべである。




◆:概要


ガウディウム四凱将の一人で、異界の海を支配していると自負する。
一応は人型のシルエットを保っている他の四凱将と異なり、明確に異形をしている水色の魔人。
サメの背ビレを思わせる頭頂部とやはりヒレを象った肩のパーツ、胸部に付いた両目に頭頂部の後ろに付いた口と、文章では説明しづらいものの一度見れば忘れられないインパクトを持った造形である。
笑い声は「シャーシャッシャッシャ!」

初登場が第8話と他の四凱将よりもかなり遅いが、これは後述の「海パズル」の調整に時間がかかっていたためである。
魔剣士・白い雲に倒されたはずの黒き風が生存していた事態を承け、『風』の抹殺を買って出た。


水でできた身体を持ち、普段は特製のピストカーに乗っていることが多い。
これはシートがプールに浸かってるという思い切った発想の車で、ガウディウムに居る時にはこのプールに入っていることが多い。
逆にこの車で移動する描写はあまりなく、フングスヘルバのように飛空艇を使う場面もないため、双子や『風』の前に姿を現す時は大体ニュッと湧いて出る。


本編後半は彼が作り上げた海パズルが物語の舞台となり、長期にわたって主人公たちやコモディーンを苦しめたという点で伯爵サイド最大の功労者と言っても過言ではない。


◆:性格


プライドが非常に高く、傲慢。自身を頭脳派・策士であると自負している。
他の四凱将を見下すような発言が多く、フングスやヘルバとはしょっちゅう軋轢を起こしている。

『雲』のことは初登場時から特にライバル視しており、「黒き風の討伐に魔剣士殿など必要ございません」と言い放った挙句、伯爵の前で『雲』相手に勝負を持ちかけるほどである。
向こうはあんまり気にして無さそうとか言ってはいけない。


役者ぶった大仰な物言いと立ち居振る舞いも目に付く。
コモディーンの潜航艇ジェーンが海パズルに囚われた際には自ら案内人を名乗り、頭頂部に蝶ネクタイを着けマイクを握りながら登場するなど、このアニメの敵としては貴重な別衣装(?)を披露した。


前述の性格と言動から典型的な高慢系悪役になりそうなところだが、何しろ中の人がテラ子安なため、それだけでは終わらないのがコイツの最大の特徴。

煽る時は視聴者が吹き出すほどに憎たらしく、昂ぶる時は視聴者がニヤつくほどに朗々と言い放たれるその発言は、独特なフォルムと子安氏の怪演が相まってこちらの腹筋を潰しにくること請け合いである。



◆:戦闘力


フングス同様、不死の身体を持つ存在だが、こちらは再生に時間経過は必要なく、その気になれば一瞬で元の姿に復活することができる。

シドのアルティメットハンマー(雷属性持ち)に潰されても、『雲』の魔剣に両断されても即座に再生でき、召喚獣や一刀獣の攻撃余波を受けても同様。

そのため、直接敵の前に姿を現して戦う場面が割と多い。


また、傲慢な言動とテラ子安感故にか小物・面白キャラじみた印象を受けるが、策略家としての資質は極めて高い難敵。

「敵を知り、策を練れば、どんな攻撃とて恐れる必要はありません」というモットーは伊達ではなく、前述の御前試合では『雲』の切り札である“ミスト”の詰まった瓶を使用される前に早打ちで特殊な水に封じ込め、不意を突いて見せた。
直後に銃を斬られてたのは内緒。


クルクスの収集したデータを基に『風』の魔銃と“ソイル”を解析し、何と『風』から魔銃を奪い取るという快挙を成し遂げたこともある。
地下鉄エリザベートを始めとする数多の異界機構を発明した天才科学者・シドですら十分に解析できなかった魔銃を、自ら掌握できるレベルにまで研究し尽くしたのははっきり偉業と言える。
その後挑発に乗って自滅したのは秘密。

魔銃そのものの奪取に失敗した後はさらに研究を進めて新兵器ブルーエレニウムを開発し、『風』に召喚獣を出させた上で召喚獣自体を『風』の制御から奪うという手に出ており、敗北からきちんと次なる対策を練りあげている。

過去のデータから、リサをソイル*1の砂嵐に閉じ込めて氣現術を封じる、一度不意打ちを決められたルーを警戒し2回目からは即座に変身トリガーである鏡を奪い取る等、この手の策士系キャラとしてはかなり優秀。


第24話で自身の居城にて『雲』と対峙した際には、彼の裏切りを見抜いて事前にオメガクリスタルをガウディウムに転送済みであると優位性をアピールし、空瓶を向けてくる『雲』を盛大に煽った。
このシーンの煽りっぷりは彼の全発言の中でもトップクラスにイラっとくること必至。

だが、ピスト自身が空瓶に閉じ込められ青い“ミスト”に変質させられてしまったことで脱出不可能となり、またミスト化によって性質そのものが使い切りの魔粒子となってしまったためか、そのまま一刀獣『潔白のラプソディ』として召喚された後、完全消滅。

最後の最後で居城もろとも海パズルをぶっ壊されるという大失態をやらかし退場した。



◆海パズルについて


本編開始前からピストが製作し、第15話でついに始動した多次元立体パズル。
異界の各地を直接切り取ってつなぎ合わせ、キューブ状に積み上げている。

内部に閉じ込められた主人公勢が各ゾーンでお題に挑み、それをクリアすれば別のゾーンへ移動、徐々にパズルの最上部である脱出口に近づいていく。
逆にお題に応えられないとどんどん下層へ追いやられていき、最終的には“混沌”の渦へと放り出される。



以下、海パズル内の番人や住人について簡潔に紹介していく。

最初のゾーンに出現した巨大な人魚。
屁理屈ばかりで正答の無いなぞなぞをしかけ、誤答者を液体に変えながら潜航艇を沈めていった。
CVゆかなの腹黒系巨大モンスター娘とかニッチ過ぎる。

リサの「答えは無い」という解答により、ゾーンもろとも消滅して全てを巻き添えにしようとするも、
氣現獣の覚醒によって潜航艇の脱出を許してしまう。


  • カエル仙人(CV:田の中勇)
髭を生やした皺だらけの赤茶色カエル。
杖を振りかざして『トード』の魔法を唱え、シドをカエルにした。
技術者を失った潜航艇は泥の海に沈み、全滅の危機に陥る。

最終的にシドが元の姿に戻った時にはその努力を労いつつも時既に遅しと言い残して消滅。
その後、怒り狂ったシドの神業的な操縦によって、潜航艇はなんとかゾーン移動に成功する。


  • 魔道士 赤い霧(CV:田中秀幸)
魔剣士こと白い雲の実兄。
『風』の故郷ウィンダリアとの戦争で死んだはずが、妄念をオスカーに利用され傀儡として蘇る。

『風』の召喚獣シヴァを打ち破り、戸惑う『雲』と死闘を繰り広げるも、最期は弟の剣によって貫かれ消滅した。
なお、彼の存在は「外界の章」でも『雲』の支えとなっている様子が窺える。


破壊者オメガのパーツの一部で、「心」に該当する存在。
飛び水の衣で力を抑えながら兄弟(他のパーツ)を探していた、心優しい美少年。
アイと束の間の友愛を育んだ。

伯爵に囚われクリスタルに変質させられた後、「外界の章」にてクルクスに回収され『雲』の手へ。
その後は『雲』からアイへと託される。


FFシリーズでお馴染のサボテン型モンスター。
老弱男女さまざな個体が砂漠で生息しており、 「さまよえる海」に苦しめられていた。

リサやコモディーン、『風』の協力を得て「さまよえる海」に立ち向かい、見事打ち破る。


  • さまよえる海
異界の海で散っていった者たちの怨念や呪詛が連なって生まれた大津波。
生者を憎み、生命を飲み込みながら勢力を強めていく完全な魔の存在。

シドの発明品群や召喚獣ビスマルクすらも凌駕したが、サボテンダー一族決死の覚悟と生命力の輝きにより巻き起こされた光の渦によって消し飛ばされた。


  • モーグリ(CV:半場友恵)
FFシリーズでお馴染の白いフカフカ生物。
『風』のかつての相棒で“ソイル”の伝導師でもある。
認識名は「クポ」。

魔銃を強化し、召喚獣をグレードアップさせる能力を持つ。
最終話で自らを“ソイル”に変え、砲撃獣召喚の一助となった。


  • ヤルキエル
大魔道士ノスタルダムスによって「思い出(ノスタル)横町」に封じられた邪神。
歪な電波塔の形をしており、聴く者を過去の幸福な思い出に浸らせ退行させる強力な毒電波を発していた。

『風』すらも一度は思い出の餌食にしたが、故郷崩壊の凄惨な思い出に至ったことで正気を取り戻した『風』と、彼を案じるモーグリの連携プレーにより、召喚獣イクシオン零式を受けてゾーンごと崩壊した。


  • ボルボル(CV:山崎たくみ)
白菜みたいな髪型で糸目、無精髭を生やしオネエ口調を操る飛び水衣装の仕立て屋。
ゲストキャラの癖にインパクト強すぎだろ。
飛び水の産地テロスにて法外な額*2で飛び水衣装を売り捌くボッたくり店主だが気に入った男の子にはタダで譲るという。
値段を聞いて「高い!」と叫んだシドに対し放った「だからアタシはボルボルさん」という発言は謎の鮮烈さを視聴者の記憶に刻んだ。

召喚獣ブルーフェニックスの暴走でテロスが破壊寸前となり、飛び水衣装の力で飛翔しながら逃走した純粋な被害者。


この他、チョコババ姉妹やルーなど、過去に登場したキャラクターたちも一部ゾーンにて再会することがある。


◆:配下のモンスター等


  • サンドガム
第8話で魔銃奪取に利用した無機質モンスター。
自在に形状を変えられるため、ピストの計算通りの性質を持った“ソイル”を生み出すことができる。

  • スカイフィッシュ
第15話で潜航艇の前に現れた、海パズル初のモンスター。
巨大なアノマロカリスみたいな見た目をしており、体当たりで潜航艇にダメージを与えたが、コモディーン奥の手の吹き矢キャノンであっさり撃沈した。

  • イソギンジャ、カブトガニラ、ナマコーマ
オメガ探索部隊「海の幸軍団」を構成するモンスターたち。
それぞれ触手、硬殻と尾棘、溶解液で相手を追い詰めるなかなか強力な連中である。
まずそう。

クリア捕獲作戦の際に飛び水製の手袋が外れたクリアの暴走により、一瞬で消し飛ばされた。



◆:その他


◇正面からは口が見えないため、口パクに台詞を合わせなくてよい場面が多く、子安氏はノリノリでアドリブ混じりに演じられたという。

◇本編終了後の物語を部分的に描いた「外界の章」では、新凱将ソルジャッシーによってモニュメントを作られ、伯爵、フングスと共に哀悼されている。
 また、オスカーがピスト型のじょうろなる代物でヘルバの庭園に水やりをしている描写がある。

◇奪取した魔銃を放つシーンの怪演は演出も合わせて必見。
 以下、憎たらしくもユーモラスな迷言・珍言のごく一部を紹介して本項目を終了する。

  • 「両手を突いて謝るならッ、お・は・かぐらいは作ってあげますよぉ?(↑)」
  • 「こwまwっwたwフングスちゃんwwww」
  • 「やれるもんならやったんさい♪ やったんさい♪」(腰を振りながら)
  • 「ささ、撃ったんさい撃ったんさい」(誘いながら)
  • 「何ですかそれはぁ? 空瓶じゃあないですかぁww
  とうとうwお・つ・むに来ちゃったよwうwでwすwねぇ~え~(↑)wwww」

  • 「貴様に相応しい、ソイルは決まった!

  冴え渡る知性の煌めき、マーベラスオレンジ!
  限りなき探究への欲望、マニアックパープル!
  そして…、完全勝利の誓い、ウルトラショッキングピンク!

  唸れ魔銃、ソイルの導くままに!!」


いやはや、こんなことでは、追記修正はいつになることやら。まったく、口ばかりで役に立たない奴ほど始末におえない輩はおりませんなぁ。あーはっはっはっはっ!

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最終更新:2024年01月14日 12:35

*1 『風』の使う銃弾ではなく、精製前の砂状の物質。

*2 1着が10億5000万ギル。ちなみにナーブの葉巻が1本約3ギルである。