タイラント(FF:U)

登録日:2018/07/17(火) 00:36:42
更新日:2024/03/12 Tue 16:49:25
所要時間:約 6 分で読めます





「ボクの名はタイラント――『伯爵』って呼ばれてるけどね」


「タイラント」とは、TVアニメ『FF:U ~ファイナルファンタジー:アンリミテッド~』の登場人物。
通称『伯爵』。
本作のラスボスとも言える存在である。

名前の「タイラント」とは英語で「僭主、暴君」を意味する単語。




◆:概要


異界に君臨する支配者。

見た目は幼い少年で、紫色で前髪ぱっつんな髪の毛と他者を蔑んだような目つきが特徴的。
服装も紫を基調とした王侯貴族のようなもので、冠を戴き、手には大きなスプーンのようにも見える錫杖を握っている。

居城である巨大空中要塞ガウディウムにて、浮遊する玉座に座りながら異界の様子を見下ろしており、外に出ることはおろか玉座から降りることすらほとんどない。

そのため、ガウディウムの外に住む異界の民たちは噂程度でしか伯爵の存在を聞き及んでいないにもかかわらず、その恐ろしさは異界中に轟いていた。


その正体は“混沌”の思念が具現化し、人の姿を取った化身とも言える存在。
伯爵の空腹と混沌の成長は連動しており、彼の飢餓感が満たされることは即ち混沌が満たされていることを意味する。
“混沌”として完全に孵化する前の状態であるため、見た目上は幼い子どもの姿であるが、精神性は成熟しており老獪。


自らの支配こそ「調和」「秩序」であると確信しており、それを乱す黒き風のことを忌み嫌っている。
彼を亡き者にすべく、配下のガウディウム四凱将や魔剣士『雲』などの刺客を度々差し向けた。

同時に破壊の化身オメガを非常に欲しており、バラバラに散らばったオメガの部位やクリスタルを回収させて自身と融合し、更なる力を得ようと企んでいた。


最終的にはオメガのみならず、アイ・ユウとも融合し、究極の“混沌”として進化した上で、すべての外界を自らの異界に取り込むことを目論む。


◆:性格


我儘な発言やキャンディを舐める仕草など、言動も見た目相応で子どものように思えるが、実際には非常に残酷。
混沌を成長させるために外界を襲い、自らの支配する異界へと取り込みつつ、その後も異界の住人や迷い人たちを恐怖や焦
燥で苛んで混沌を助長させている。

その非道さは当然部下たちにも及び、不死の力を持つフングスピストですら常に伯爵の一挙手一投足に恐れ戦いていた。

感情の起伏が激しく、愉快そうに笑っていたかと思いきや少しでも自分の思い通りにならない事が起こると即座に機嫌が悪くなって周りに当たり散らす。


その一方で機嫌が良い時にはそれなりに度量が広いこともあるのか、反乱組織コモディーンを撃退した『雲』に自分のペロペロキャンディを「舐める?」と言って差し出したり、
配下のソルジャッシーに餞別としてボールペン(キャップがペロペロキャンディを模しているという子どもじみたデザインだが)を与えたこともあったという。


美食家な一面もあり、彼の登場シーンでは大体何かを食べている。
第2話の初登場時からして「ステーキの付け合わせにはシルキスがベストであって、これがギザールだったら台無しだ」と語っていた。*1
もっとも「モルボルのブリ虫オイルかけ」という非常にアレな見た目とネーミングの料理も食べていたが…*2

ただし、彼の食す料理やお菓子に使われる味付けは人々の負の感情を使用しており、
悲しみ妬み焦りをエッセンスとして加えた、見た目には美味しそうなパンケーキ」や、
ひた隠された寂寥嘆悼を加えて凍てつく孤独で味を調えた肉料理」など、どんなものなのか常人には見当もつかない料理が登場した。


横暴で癇癪持ちなお子様のように振る舞ってはいるが、深謀遠慮に長けた面も持ち合わせている。
魔剣士の目論見を見抜いた上で傍に置き、混沌を成長させる手駒として躍らせていたり、ユウをわざとガウディウムに誘い込んで操られた両親の姿を見せ、動揺する心を愉しみつつ混沌を育む等、悪意を自らの策謀に活かす老獪さが描かれていた。

目の上の瘤であった『風』に対してこそ抹殺命令を下すものの、コモディーンやアイ・ユウ・リサたちへは恐怖と絶望を与えることを主目的とし、本気で命までは取ろうとしないなど、感情的に見えて効率的に混沌の成長を目論んでいる。*3


◆:戦闘力


最終回の1話前にあたる第24話にて遂にガウディウムから姿を現し、浮遊椅子に乗ってコモディーン達の潜航艇ジェーンの前に登場。
椅子もろとも身体が変容し、不気味で巨大なモンスターへと真の姿を明らかにした。

この形態はカオス・タイラントと呼ばれるもので、見た目はどす黒い紫色の巨大クリオネ。
頭部と思われる部位には窪みがいくつかあり、落ち窪んだ人間の顔にも見える。
破れて網目のようになった翼は悪魔を彷彿とさせ、リサが戦慄するほどの悍ましい氣を纏った、ラスボスと呼ぶに相応しい異形。

この形態では生物から直接生命力を吸い取ることができ、リサやコモディーンはおろか魔剣士までもまともに立っていることすら難しい状態に陥る。
翼から無数の触手を放って対象を貫くことも可能で、その巨体と攻撃範囲故に直接的な攻撃だけでも他を圧倒できる力を持つ。

また、子どもの姿の時でも玉座から触手を生やして操ることができ、『雲』の不意打ちを容易く受け止めていた。


最終的には『雲』が自らをミストに変えて放った『白雲のシンフォニー』をその身に取り込み、一刀獣じみた姿に変わるも、決死の覚悟で抗う『雲』の魂にわすかながら動きを封じられる。

そしてその隙を突いて召喚された『風』の砲撃獣と相打ちとなり、消滅した。



しかしながら、“混沌”そのものが完全に消え失せた訳ではないことが、本編終了後の物語を部分的に記した『外界の章』にて示されている。


◆:その他


◇第1話冒頭で砲撃獣と融合していた存在もまた“混沌”であり、オスカーはそちらを「先代の“混沌”」と呼んでいた。
 その際は本編最終回とは逆に砲撃獣を取り込んだ“混沌”を一刀獣が討つというシチュエーションであったようだが、この「先代の“混沌”」というのが伯爵と同一の人格を持った存在だったのかは不明。
 ただし、『風』の故郷であるウィンダリアと『雲』の故郷であるミステリアを罠に嵌めて同士討ちさせる等、先代も相当の謀略家であったことが窺える。

◇四凱将の中ではヘルバと一緒にくつろいでる場面が多いものの、恐らくもっとも近しい存在だったのはオスカーであったと思われる。
 この二人については単なる支配者としもべには留まらない関係性であったことが匂わされている。

◇諸般の事情で打ち切りにならなければ、20話あたりでユウと歪な友情を結び、2クールラストで討たれた後にユウが伯爵の意思を継いで新たな混沌の支配者になるという展開が想定されていたという。

◇言動も思想も徹頭徹尾悪辣なのだが、矢島氏の演技と一見ちんまりしたデザインの為か、ごく稀になんか可愛らしく見えてくる時があるという人も居るそうな…(キャンディ勧めてくる所とか)
 ちなみに矢島氏は本作でチョコボのチョビも演じているが、演じ分けが凄すぎて全然分からない。
 「『風』/ポシェポケ」といい「ファーブラ/クルクス」といい……




ボク、キミといると追記・修正でいい気分だよ。

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最終更新:2024年03月12日 16:49

*1 シルキスもギザールもFF7に登場する野菜アイテム。ちなみに前者の方が高価で効能も良い。

*2 この時のモルボルは皿に収まるミニサイズだったが、普通に動いてた。

*3 もっとも、死んだら死んだで別に気にも止めないであろうことは海パズルのシステム等からも察せられるが。