ベビケラサウルス(遊戯王OCG)

登録日:2018/07/13 (Fri) 11:46:02
更新日:2024/04/03 Wed 11:53:14
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「ベビケラサウルス」とは遊戯王OCGに存在するモンスターカード。


概要


恐らくトリケラトプスがモチーフであろう恐竜の赤ちゃんのモンスター。
卵の殻がおむつになってて、目がくりくりしてて「かわいい」要素がてんこ盛り。
しかしそんな愛らしい見た目に反して、正体は恐竜族デッキの中核を担うカリスマ的存在である。




効果モンスター
レベル2/地属性/恐竜族/攻500/守500
(1):このカードが効果で破壊され墓地へ送られた場合に発動する。
デッキからレベル4以下の恐竜族モンスター1体を特殊召喚する。

テキストが短いカードは強い、という最近枯れてきている法則に則ったカード。
タイミングは逃さないし回数制限も無い、おまけに破壊場所を問わないので手札やデッキで破壊しても良し、トリガーは効果破壊と緩く、効果対象のモンスターも優秀で特殊召喚の対象はステータスではなくレベル
これでもかと「強い」要素がてんこ盛り、可愛い見た目だけど もの凄くえげつない

そもそもがステータスとレベルが低いのでサポートカードも非常に多い。
一度破壊してもデブリ・ドラゴンジャンク・シンクロンにすら対応するので再利用方法も多い。

2017年の初から夏にかけての環境デッキで大活躍し、同年10月に制限指定を受けたことからいかに強力だったかがわかるだろう。

チェーン妨害とかの効果は持っていないので主要な手札誘発は刺さってしまうのが欠点だが。
あと張り切りすぎるとデッキの恐竜族があっさり空になってしまうことも


セイバー・ザウルス等相性のいいモンスターはかなり多いが以下、特に相性が良かったカードを列挙する。


  • 魂喰いオヴィラプター,幻創のミセラサウルス
魂喰いオヴィラプター
効果モンスター
星4/闇属性/恐竜族/攻1800/守500
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから恐竜族モンスター1体を選び、手札に加えるか墓地へ送る。
(2):このカード以外のフィールドのレベル4以下の恐竜族モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを破壊する。
その後、自分の墓地から恐竜族モンスター1体を選んで守備表示で特殊召喚する。

幻創のミセラサウルス
効果モンスター
星4/炎属性/恐竜族/攻1800/守1000
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分・相手のメインフェイズに、このカードを手札から墓地へ送って発動できる。
そのメインフェイズの間、自分フィールドの恐竜族モンスターは相手が発動した効果を受けない。
(2):自分の墓地からこのカードを含む恐竜族モンスターを任意の数だけ除外して発動できる。
除外したモンスターの数と同じレベルの恐竜族モンスター1体をデッキから特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズに破壊される。

???「全てのベビケラは我が輩の食糧であり我が輩の所有物(オモチャ)だ 我が輩だけがいじくる権利を持っている」
???「違うね すべてのベビケラは私の敵であり私の所有物だ 私だけが壊す権利を持っている」

同じく恐竜族デッキの重要カードであり、ベビケラサウルスとのシナジーも大きい。
オヴィラプターはこれ一枚で後記のボウテンコウをシンクロ召喚できるパワーカードであり、
そんなオヴィラプターを簡単にリクルートできるベビケラサウルスが重宝されるのは言うまでもない。

破壊場所を問わないので後記のように手札やデッキから破壊されることが多いが、勿論オーソドックスにフィールド上で破壊しても良い。
そしてベビケラサウルスをデッキから呼ぶのも破壊するのもこれらのカードで容易にできる。
「サーチできるカードをサーチできるカード」を超えた存在になっている、いつぞやかのEM

その一方でミセラサウルスは競合相手と呼ぶべき存在。
レベル4以下という数字のため、元よりベビケラで呼べるカードはミセラサウルスでも容易に特殊召喚できる。
特にディノインフィニティはミセラサウルスで呼ぶべきカードである。
リクルート効果しか持たないベビケラと異なり、効果耐性を与える有力な効果を有しており、カードパワーには一見大きな差がある。
それでもベビケラが強いのは、それだけ効果破壊というトリガーが緩々だということを意味してる。

2017年10月の制限改訂ではベビケラと共にオヴィラプターも制限指定を受けた。今後は競合相手ではなく共に戦うカードになるだろう。

  • ジュラック・アウロ
ジュラック・アウロ
チューナー・効果モンスター
星1/炎属性/恐竜族/攻200/守200
(1):このカードをリリースし、「ジュラック・アウロ」以外の
自分の墓地のレベル4以下の「ジュラック」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。

???「今度はキミのカラダであそばせてよ! ヴェローちゃんより、ぐあいがよさそう!」

現時点で唯一の恐竜族・レベル1・チューナーモンスター。
他のジュラックチューナーもリクルートできるが、レベル4のミセラサウルスやオヴィラプターが主要カードなので、レベル5をシンクロ召喚するにはこれが一番都合が良い。
というころで、恐竜族デッキでレベル5のボウテンコウをシンクロ召喚するには事実上必須カード扱いを受けている。
ベビケラサウルスで呼ぶことも多いが、前記のミセラサウルスで呼ぶことの方がもっと多い。

つまりジュラック真炎ステータスを生かさずに単なる「簡単に現れるチューナー」という立場。
効果もステータスもかなり強いのに...こと置いてきぼりの他のジュラックの心境はいかに


  • 究極伝導恐獣,オーバーテクス・ゴアトルス
究極伝導恐獣
特殊召喚・効果モンスター
星10/光属性/恐竜族/攻3500/守3200
このカードは通常召喚できない。
自分の墓地の恐竜族モンスター2体を除外した場合に特殊召喚できる。
(1):1ターンに1度、自分・相手のメインフェイズに発動できる。
自分の手札・フィールドのモンスター1体を選んで破壊し、 相手フィールドの表側表示モンスターを全て裏側守備表示にする。
(2):このカードは相手モンスター全てに1回ずつ攻撃できる。
(3):このカードが守備表示モンスターを攻撃したダメージステップ開始時に発動できる。相手に1000ダメージを与え、その守備表示モンスターを墓地へ送る。

オーバーテクス・ゴアトルス
特殊召喚・効果モンスター
星7/闇属性/恐竜族/攻2700/守2100
このカードは通常召喚できない。
除外されている自分の恐竜族モンスター5体をデッキに戻した場合のみ特殊召喚できる。
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):1ターンに1度、相手が魔法・罠カードを発動した時に発動できる。 自分の手札・フィールドの恐竜族モンスター1体を選んで破壊し 、その発動を無効にし破壊する。
(2):このカードが効果で墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから「進化薬」魔法カード1枚を手札に加える。

???「墓地のオーディエンス目掛けてダイブかい?どこまでもロックな奴だぜ!」

相手の妨害と手札のベビケラサウルス破壊を同時に行える恐竜族モンスターの切り札。
召喚権を消費しなくて済む、特殊召喚の手間を省けるため手札で破壊できると、手札破壊は良いことづくめ。
その上で後続の大型を「ついで」感覚で呼び出せるので総攻撃を仕掛けることができる。


  • 生存境界
生存境界
通常罠
(1):フィールドの通常モンスターを全て破壊し、破壊した数までデッキからレベル4以下の恐竜族モンスターを自分フィールドに特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズに破壊される。
(2):墓地のこのカードを除外し、自分フィールドの恐竜族モンスター1体と相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。

???「オレが消えるならァ!! お前も道連れだァァァァ!!!」

通常モンスターを破壊する機会はさして多くないので、メインとなりえるのは(2)の効果。
単純な除去カードとしても勿論使えるが、フィールドに出したベビケラサウルスを巻き込むことでリクルート効果が発動。
アドバンテージ差を広げることができる。


  • ロストワールド
ロストワールド
フィールド魔法
(1):恐竜族以外のフィールドのモンスターの攻撃力・守備力は500ダウンする。
(2):1ターンに1度、恐竜族モンスターが召喚・特殊召喚された場合に発動できる。
相手フィールドに「ジュラエッグトークン」(恐竜族・地・星1・攻/守0)1体を守備表示で特殊召喚する。
(3):相手フィールドにトークンがある限り、相手はトークン以外のフィールドのモンスターを効果の対象にできない。
(4):1ターンに1度、フィールドの通常モンスターが戦闘・効果で破壊される場合、
代わりにその数だけ自分の手札・デッキの恐竜族モンスターを破壊できる。

???「デッキ構築で、"ベビケラサウルス"の馥郁たる香気を長々と楽しんだのち…手に握りもせず、木っ端ミジンに砕く無礼 …どうかお許し願いたい」

この頃流行りの、やたらと効果を詰め込んだフィールド魔法。

ベビケラとの相性で注目すべきは4番目の効果で、サーチもリクルートも必要なくデッキの中に眠るベビケラを破壊することができる。
相手のジュラエッグトークンを攻撃してももちろんいいのだが、生存境界やオヴィラプターで破壊するのも手。

特にオヴィラプターの墓地送り効果とこのカードの(2)の効果、
その後にオヴィラプターの(2)の効果を使ってデッキのベビケラを破壊すれば、実質恐竜族2体をリクルートしたことになる。

実際のトップ争いをしていた恐竜族デッキでは、これではなくドラゴニックDを使っていたのは内緒


真竜皇リトスアジムD
効果モンスター
星9/地属性/幻竜族/攻2500/守2300
「真竜皇リトスアジムD」の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。
このカード以外の手札及び自分フィールドの表側表示モンスターの中から、 地属性モンスターを含むモンスター2体を破壊し
このカードを手札から特殊召喚し、地属性モンスター2体を破壊した場合、
相手のエクストラデッキを確認してその中からモンスターを3種類まで選んで除外できる。
(2):このカードが効果で破壊された場合に発動できる。自分の墓地から地属性以外の幻竜族モンスター1体を選んで特殊召喚する。

ドラゴニックD
フィールド魔法
(1):フィールドの「真竜」モンスターの攻撃力・守備力は300アップする。
(2):このカードがフィールドゾーンに存在する限り、アドバンス召喚した「真竜」モンスターはそれぞれ1ターンに1度だけ戦闘では破壊されない。
(3):1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。
このカード以外の 自分の手札・フィールドのカード1枚を選んで破壊し 、デッキから「真竜」カード1枚を手札に加える。

源竜星-ボウテンコウ
シンクロ・チューナー・効果モンスター
星5/光属性/幻竜族/攻0/守2800
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
自分は「源竜星-ボウテンコウ」を1ターンに1度しか特殊召喚できない。
(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「竜星」カード1枚を手札に加える。
(2):1ターンに1度、デッキから幻竜族モンスター1体を墓地へ送って発動できる。このカードのレベルは、墓地へ送ったモンスターと同じになる。
(3):表側表示のこのカードがフィールドから離れた場合に発動できる。デッキから「竜星」モンスター1体を特殊召喚する。

???「ようこそ…劇団【恐竜竜星真竜皇】へ…!!ここが俺の…ブロードウェイッ!!」

同時期に注目されていた「真竜」と「竜星」との混合デッキ。三つも混ぜてデッキが回るのかと聞かれそうだが
恐竜族はエクストラデッキに頼らず展開でき、メインデッキ15枚~20枚でギミックを完成できるスロットの安さが、これを実現させた。
ドラゴニックDやリトスアジムDの手札破壊ギミックを共有して手札からベビケラを破壊できるので、加速度的に展開できる。
息を吐くついでにアドを吐くボウテンコウの召喚にも、ベビケラサウルス(でリクルートできるオヴィラプター)が大きく貢献している。

こうしたシナジーの大きさから、2017年夏はこのごちゃ混ぜデッキがトップ争いの一角になっていた。
そのためドラゴニックDは禁止、ボウテンコウが制限と手厳しく規制されることになり、真竜と混ぜるデッキは構築できなくなった。




前記のように制限となったことで1枚までしかデッキに入れられなくなったベビケラサウルスだが、今後も恐竜族デッキを支えることは疑いようもない。

追記修正、お願いします。
























































…さて


「ここまで」の説明を読むと、ベビケラサウルスは「インフレが加速した9期に活躍したカードで、その時に意図して作られたパワーカード」と考えるかもしれない。


…実はこれは大間違い。
何がって、ベビケラサウルスが登場したのは「2006年」なのだ。


書き間違いではない。
初登場は「2006年」である。 9期どころか「5期」のカード。 アニメGXにも登場した。


こんなパワーカードがなぜ「さも最近活躍した」様に書かれているのか?
その理由は単純。

今日のベビケラサウルスの強みは当時では全然生かすことができず、有体に言えば誰もが持っていながら誰も使わない雑魚カードの烙印を押されていたから。
その理由を「ここから」解説していく。


恐竜族デッキの層の薄さ

そもそも上記したような、オヴィラプターをはじめとする強力なリクルート先が「全然無かった*1」ことが大きな理由。
実際「増援」を筆頭に汎用サーチカードの多くが☆4以下の制約があるのに対して、「化石調査」は一切のデメリット効果がないにもかかわらず例外的に☆6以下。
それでいてベビケラ筆頭に恐竜族が本格的に進出するまで長い間規制のきの字もなかったのがその名残。つまりまともな下級の恐竜族モンスターが居なかった。

「対象に強いカードのないリクルーター」と、この時点で戦力外もの。
とはいえ当時の時点でクリッターや遺言状を筆頭に、ひと手間がかかるとしてもリターンの大きい、広範囲のリクルートが強いこと自体は認知されていた。
たとえ誕生直後はリクルート先に恵まれていなくとも、カードプールが広がった結果環境に多大な影響を与えるようになったピラミッドタートル等の前例がこの時点であった。
そのためリクルート先が弱いだけならば、いつの日か環境を破壊する存在として恐怖の対象になるか「今は弱いが将来大きく化けるカード」として期待はされるため、この理由だけで「弱い」とされることはまずない。


展開力の限界

先ず言うと、今日ではベビケラサウルスは当たり前のように手札及びデッキから破壊されている。
しかし5期当時(というか9期に入るまで)では手札及びデッキのカードを「破壊」するのは全然一般的ではなかった*2

そのため「破壊」するには事実上、最初に「フィールド」に置かなければならない。
と言っても当時は「ペンデュラム召喚」もリンクモンスター筆頭に多様なサーチ手段もリクルート手段も無いので、素直にデッキから引くか、数少ない限られた有能カードでサーチして、なおかつ馬鹿正直にベビケラサウルスを通常召喚するか、大幅なアド損覚悟で無理矢理にでも特殊召喚するのが「普通」だった。

しかし上でも述べたように大して目ぼしい恐竜族も無かったので「貴重な召喚権やら特殊召喚手段を使ってまでやることかよ」と罵られた。
もしベビケラサウルスを「通常召喚しない」なら「じゃあ巨大ネズミを出しましょう」と言うのが精一杯だった。
他の手段と言っても、当時ギリギリ生きていた遺言状は「たかがベビケラに使うだなんて」状態だし
奇跡のジュラシック・エッグ*3を使うとなると「別途恐竜族を墓地に送らないといけないんだろ?どんだけ手間かける気だよ!」と「実用的でない」扱いだった。

蘇生カードに至っては登場当時は 生還の宝札が無制限カードでいられるほど 種類に乏しく、
さらに数少ない蘇生手段の「早すぎた埋葬」や「リビングデッドの呼び声」は制限無く大型モンスターを蘇生できたため、
当時不遇だった恐竜族でも大型モンスターは充実していたのも相まって下級モンスターをわざわざはさむ必要も理由もなかった。


そもそもこれらのカードで通常召喚してまでレベル4以下の恐竜族を呼ぶのなら、
「化石調査でサーチして通常召喚すればいいじゃん、『破壊』だなんて面倒な手間もいらないんだし」と見なされていた。


「見返りも少ないのに手間暇かけるとか馬鹿かよ」という意見はいつの時代にもどんな物事にも当てはまることだが…


破壊手段が少ない


更に言えば「やっとの思いで」フィールドに出したベビケラサウルスをどうやって破壊するかも問題になっていた。

当時は全体破壊効果を持つカードはおろか、自分のカードを破壊しつつアドを稼ぐような2:2交換効果やメリット効果もかなり少なく、あくまで1:1交換が重要視されていた時代だった。
そんな当時でベビケラを破壊するとなれば「せっかく他のカードを破壊できるのに、ベビケラなんかにカードを使うのか」ということに。
トリガーが「効果破壊」に限定されていて「戦闘破壊(自爆特攻)」に対応していないことが「大きなマイナス点」と認知されていたことも
当時いかに「自分のカードを破壊する」手段・概念が乏しかったかを物語っている。

近年のOCGでは戦闘破壊をトリガーとする誘発効果など全く当てにならないが、
当時はむしろ、戦闘破壊で誘発するキラー・トマトのようなリクルーターが特殊召喚効果の代表格だった。
その結果、「戦闘破壊されたときにATK1500以下の恐竜族をデッキから特殊召喚」ならまだ扱いやすかったのに、といった現代の決闘者からは信じられない評価すらなされていた。

どうしてもベビケラを破壊したいとなった場合、相手のカードを巻き込めるつり天井や激流葬(当時は制限カード)はいいとして
「相手の破壊効果に対してシフトチェンジで」「本陣強襲で*4」が大真面目に言われていた。
当然益々「召喚権使ってまでやることかよ」「この程度の見返りで」という文句に説得力が増す。
ブラック・ホール?このカード登場する直前の制限改定禁止カードに指定されて以降4年半もそのままでしたが?

少し後に「シンクロ召喚」が登場し、展開力及びカードパワーが飛躍的に上昇する。
その影響でリミット・リバース等の低ステータス専門の蘇生・展開カードが多数登場し、さらにブラック・ローズ・ドラゴンなど「アド損にならない」破壊手段も増えるが、
炎族ほどではないにしても恐竜族及びそれをサポードするカードの層の薄さ、また事実上一度フィールドに出さないと破壊できない制約は「特に解消されなかった」ままなので、依然として厳しいどころではない視線を浴びていた。

今でこそ手札から「ついで」感覚で楽に破壊できるが……



…以上のように、産まれたばかりのころは「発動回数と条件の制約ほぼ無し」「広範囲リクルート」という遊戯王2大ぶっ壊れ要素を秘めていながら強みを生かせず(というか「強み」を認識すらできなかった) 11年もの間 冷遇された孤独の身、
11年の時を経て やっと強みを「強み」と認識してもらえたカードだったのだ。
彼がずっと思っていた「恐竜族の皆。お願い、聞いて……。僕の命をあげるよ……。だから悪い決闘者をやっつけて……」という願いが11年後叶うことになるとはだれが想像できただろうか。
「どんなカードでも存在する以上、必要とされる力がある」という伝説のデュエリストの言葉を見事に証明したといえよう。

冒頭でこのカードを
タイミングは逃さないし回数制限も無い、おまけに破壊場所を問わないので手札やデッキで破壊しても良し、トリガーは効果破壊と緩く、効果対象のモンスターも優秀 で「強い要素がてんこ盛り」と紹介したが、この当時の環境にしてみれば
タイミングは逃さないし回数制限も無い(だから何だよ)、破壊場所を問わないので手札やデッキで破壊しても良し(ほぼ不可能)、トリガーは効果破壊とキツく、効果対象のモンスターも良いトコ無し という「雑魚」の要素がてんこ盛りのカードだった。
せいぜいが相手の《魔のデッキ破壊ウイルス》で落ちたらラッキー、といったところか。

ちなみに弱いと認識されていた時期であるアニメGXでの出番は放送3年目の「剣山VSジム」戦。
通常召喚された後に全体除去効果を持つ罠カード大噴火に巻き込んでセイバーザウルスを特殊召喚、次のターンで蘇生カードで場に出されて大進化薬のコストとして生け贄となった。
手間暇かけたリターンとしては些か微妙だが、全体除去後に自分だけ後続のモンスターを残すこのコンボを対戦相手のジムが称賛する場面もあった。
デュエルの結果はともかくこのカードの性能は充分発揮できており、この辺りはさすが剣山、といったところか。
むしろ、いくらでも都合のいいようにカードを使えるアニメでも既存のカードではこの程度の活躍しか描けなかった事が当時の事情をよく表してるかもしれない。

恐竜族モンスターに使う例えかはさておき、ベビケラサウルスが大活躍する環境が整ったことは
インターネットや携帯電話と同じくらいの衝撃になるだろう。赤ん坊のくせに「時代を先取りしすぎた」存在ともいえる。

そんなベビケラの規制は「環境で戦い抜いた事への栄誉ある称号」ととらえるか、
「今まで散々馬鹿にされたくせに急に手のひら返しで顎で使われた挙句の哀れな結末、悲劇要素てんこ盛り」ととらえるかは人次第。



しかし同改訂ではドラゴニックD禁止、オヴィラプター&ボウテンコウ制限と大幅な規制を受けているため、
これに加えてベビケラまでは過剰規制では?という意見も挙がっている。

しかしリトスアジムDでベビケラサウルスを複数破壊する方法は残っているし、
これでボウテンコウやトリシューラを呼び、ランク9のVFDによる制圧とか、
エンタープラズニルによるハンデスのルートも一応残ってしまう。

規制後も恐竜族が偶に上位争いをしている姿を見せてることを考えると、やりすぎとは言えないだろう。



その後、恐竜族が環境から激減した事で、2020年4月に制限解除となった。

追記修正は強みを持ちながらも11年後の未来のために今を耐えられる人がお願いします。

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最終更新:2024年04月03日 11:53

*1 どれぐらい無いかというと登場当時で攻撃力1900バニラのセイバーザウルスとか超脳筋アタッカーのディノインフィニティとか...ぐらいしかなかったマジで

*2 数少ない該当カードと言えば「連鎖破壊」「魔のデッキ破壊ウィルス」等の本来相手に使うメタカードくらい

*3 恐竜族が墓地にいくたびにカウンターが乗り、カウンターの数に応じてデッキの恐竜族を特殊召喚するカード

*4 自分の場のカード一枚を破壊して、相手のデッキのカードを上から二枚墓地に送る罠カード