エックス(ポケットモンスターSPECIAL)

登録日:2018/07/06 Thu 00:46:25
更新日:2024/03/21 Thu 20:56:42
所要時間:約 7 分で読めます




もう、いいんだよ。ポケモントレーナーとか…は…。





エックスとは、「ポケットモンスターSPECIAL」の登場人物。


デザインモチーフはポケットモンスター X・Y男主人公(黒髪)
目つきは公式イラストより鋭いが、無気力な性分ゆえかジト目になっていることも多い。
また、パジャマ姿でいるシーンも多い。




○プロフィール

メイン担当:第12章
  誕生日:11月6日
   年齢:12才(第12章時)
  血液型:AB


○人物

幼少期、カロス地方のアサメタウンに引っ越して以来そこに住む少年。

引っ越した翌年にはジュニアバトル大会で優勝し、エックスは大好きなポケモンバトルで頂点を極め、末はジムリーダーか四天王か!?と周囲に騒がれたのであった。
ところが月日が過ぎ、マスコミからの注目に疲弊し重度の人間不信に陥っていたエックスは、部屋から出られない状態が数年も続いていた。

単刀直入に言って重度の「鬱病」「引きこもり」の状態である。

しかも両親は仕事で遠い地方におり、世話をするのは隣人のワイと、その母サキ(例の悪党とは別人)という状況。
毎日ワイは呼びかけを続けていたが、他の幼馴染三人(トロバティエルノサナ)はとうに根負けし呼びかけをやめ(それでも毎日家には来ていた)、
ワイ自身も最後はひねくれたエックスの受け答えにキレて家の外壁を蹴ってしまう、という流れが繰り返されていた。

結果として性格はとてもひねくれており、どんな相手であろうと簡単に心を開くことはない。
たとえ世話を焼いてくれるワイ相手であっても、厚意に素直に応えず皮肉を返してトラブルを生むのは日常茶飯事。

『大人』を徹底して忌み嫌っており、劇中ではチャンピオンだろうとジムリーダーだろうと、ポケモン博士だろうと決して心を開くことは無かった。
特にマスコミ関係者を異常なまでに嫌っており、家の外で二大伝説ポケモンが激突するという明らかな危機に晒されても、「マスコミがいる」というだけで脱出を拒否するほど。

だが、決して薄情なわけではない。仲間が危機に陥れば即座に救おうとするし、人並みの正義感も持っている。
ただ素直に行動しないというだけなのである。
シリーズ前章の主人公が、本作後に「先天的にそうした感覚を持たない」ゆえに行動的かつ傍若無人だったと判明したのとは対照的と言える…って振り幅が極端過ぎるわ!

ひねくれた性格も、自己嫌悪の意識が強いことに起因している。
自分と関わることでポケモンは不幸になる、と当初は強く思っており、手持ちを増やすことにも否定的であった。
ポケモントレーナーとしての再起を決意した後でも、フレア団相手に惨敗を喫した際は自己嫌悪のあまり嘔吐してしまった。

…自己嫌悪で嘔吐したポケモンの登場人物は各メディア作品含めても初めてではないだろうか…。

しかし、そんなエックスも旅を通じて、徐々に周囲の人間に対して心を開いてはいる。
特にワイとは深い信頼関係で結ばれており、ヒャッコクシティでワイに化けたエスプリに接触されたときは、即座にその正体を見抜いたうえ殺気に満ちた顔で、

カイロスのハサミで頭を挟んで、割る

などと、悪役一歩手前というか並の人間だったら死んでいるレベルのダイレクトアタックを食らわせた。

一部からは「幼馴染よりももっと深い関係ではないのか」と看做されることもあるが、本人曰く

「カ・ノ・ジョ・じゃ・な・い。」(めっちゃジト目で)

らしい。

バトルに関しては元ジュニア大会優勝者だけあって一級品の腕前を持っている。だが、捕獲に関してはとてつもなく下手。
どのぐらいかというと、相手を縛り上げて動けなくしていたにもかかわらず、全くボールを当てることができないほど。
彼の手持ちポケモンには一匹も自力で捕獲したポケモンはおらず、譲渡か対話の末に仲間になったもののみである。

左腕のメガリングは、ジュニア大会優勝時に「ポケモンとの絆の象徴」としてコンコンブルからもらったもの。
そのメガリングこそがフレア団につけ狙われる原因なのだが、エックスとしては絶対に外したくないようだ。
ただし、コンコンブルは肝心なリングの意味やメガシンカの使い方を説明しなかったので、再びコンコンブルと会うまではメガシンカに失敗してしまうことも多かった。
…別にコンコンブルが不親切だったわけではなく、正式な継承を行う前にメガシンカを使わせるのに迷いがあっただけなのだが。

また、引きこもった状態から急に外に出たため、周囲の変化にとても敏感となった。
そのため鋭い勘を有しており、無根拠で敵の襲撃を察知したこともしばしば。
ただ、やはり外に出て歩くには抵抗があるのか、移動するときはサイホーンの上にテントを張ってそこに籠ることが多かった。


エックスの手持ち

該当項目を参照。


○各章での活躍

第12章

トロバがエックスのためにプラターヌ博士に頼んでいた、三つの図鑑三匹のポケモンがアサメタウンに届いた日から物語は始まる。
エックスはいつも通りワイの呼びかけを無視して引きこもっていたが、突如として二体の伝説ポケモンが激突を繰り広げた。
この戦いに巻き込まれた幼馴染四人はそれぞれ大切なものを失い、エックスもまた同時に現れたフレア団の手によって家を焼かれてしまう。
フレア団はエックスの腕にあるメガリングを狙っていたのである。
バトルをしばらくやっていなかったエックスはあっという間に絶体絶命の窮地に陥るが、無意識のうちにメガシンカが発動。
フレア団は撤退し一命をとりとめたものの、引きこもる家を焼き出されたエックスは、幼馴染たちと共にフレア団からの逃避行へと身を投じた。
しかし、いつでも襲撃を受ける厳しい状況にあっても、エックスは三匹の内の一匹であるハリマロンに心を開けないでいた。

「オレの手持ちになんてなったら、こいつらもひどい目にあうって。やめといたほうがいい…。」

それでも徐々にメガシンカの仕組みが解明されていき、更にミアレシティでのプラターヌ博士とのポケモンバトルを通じて、
エックスはトレーナーとしての戦う面白さとポケモンとの絆を再び感じた。
そして今まで拒絶していた手持ちを増やすという行動にも出られるようになり、フレア団の大樹運搬計画を知ったエックスは反攻を決意する。

だが、フレア団の力は圧倒的だった。
助太刀に現れたカルネはマジックルームに閉じ込められ行方不明、コルニは意識不明の重体になったうえキーストーンを奪われてしまう。
この結果を自分のせいだと痛感したエックスは、クノエシティの大木の洞にこもり、一切の他者との交流を断って嘔吐を繰り返す状態へと陥った。

(ワイちゃんが正しかった!!オレはオレの力を過信した!!そのせいでコルニさんは…!!)
「…うっ。おえええっ!げえっ。」

そんな中、ゼルネアスの呼びかけと偶然手にしたシトロンの眼鏡(遠隔モニタとなっている)から、フレア団のアジトがセキタイタウンにあることを知ったエックスは、
そのことを仲間たちには知らせずそこへと向かった。

「おまえがアサメをこわしたんだな!?みんなからなにもかもを奪ったんだな!?なんのために!?」

エックスはアジト内でボスであるフラダリと対峙し、メガシンカを駆使した戦術でゼルネアスの呪縛を解くも、フラダリとの戦いには負けてしまった。
エックス自身は後から追いかけてきた幼馴染たちによって救出されたが、戦況は引き分けに終わる。

エックスは仲間たちと共に荒れ果てホテルに身を隠すが、気が強いはずのワイが自分の単独行動を責めないことに困惑する。
だがそれがメガシンカを継承したことによる覚悟であること、そしてその根幹にあるものはかつての自分の言葉であることを知り、彼は体制を立て直すことを決意する。
そしてカルネを救出したグリーンが合流。
エックスはグリーンの助けを得て、手持ちの六匹目として必要としていたカイロスの獲得に成功した。

更に、ヒャッコクシティの日時計を調べていたプラターヌ博士からの連絡を受け、日時計の波長と共鳴したキーストーンでメガストーンを探せることを知り、
メガリングをティエルノとサナに託して襲撃してきたエスプリと戦う。
エックスは無事カイロスナイトを見つけた二人からそれを受け取るも、戦いのさなかにジガルデが登場。エスプリにこれを捕獲されてしまう。

同時に、フラダリがポケモンの村に潜伏していることを知った一行は、最後の決戦地へと赴く。
しかし道中でクセロシキの襲撃を受け、カラマネロの使う反則級の「さいみんじゅつ」に大苦戦を強いられる。
窮地の中サラメがリザードンへと進化し、グリーンのリザードンとのWメガシンカを披露。
見事撃破に成功したエックスはグリーンと共にポケモンの村に到着。フラダリとの最終決戦に挑んだ。

ジガルデの圧倒的な力に苦戦する中、エックスはジガルデを操るエスプリが限界寸前であることを見抜き、そのイクスパンションスーツを破壊しようとした。
が、メットが割れてエスプリの素顔が露わになり、彼はその正体がマチエールであることを知る。
そしてスーツから解放しようとするエックスに対してマチエールの口から語られたのは…

「マチエール知ってたよ。このスーツ着てなにをやったか。ぜーんぶ。」
「家の中にいても街にいてもずーっとコワかった。」
「みんなマチエールにひどいことした。」
「助けてって叫んでもだれも助けてくれなかった。」

彼女は社会への深い絶望から、「他人の役に立つ」ことであれば悪事でも手を貸してしまったのである。
フレア団がたとえ悪であるとしても、それを倒したからといって社会が変わるわけではない。

その残酷な言葉にエックスは打ちひしがれるが、同じく社会に絶望していた自分の旅で得た経験と仲間、そしてポケモンとの絆から彼女へ精一杯の言葉を投げかける。
この言葉がマチエールをイクスパンションスーツから解放するきっかけとなったが、フラダリはマチエールを攻撃することでジガルデを自らの手持ちへと変えた。
更に続けて放った「グランドフォース」でグリーンも昏倒し、セキタイタウンへと向かおうとするフラダリの前に、
キーストーン五つを手にしたエックスが立ちはだかった。

「5つのキーストーンよ、5つのメガストーンの光と結び合え!」
「いざ!」
「メガシンカ!」

前人未到の五連メガシンカを成し遂げたエックスは、狂気の笑みを浮かべるフラダリとの戦いを再開した。
激戦となるが、丁度そのとき別地点で行われていたゼルネアスとイベルタルの戦いが中断し、再度二体は休眠状態へと帰った。
それを知ったジガルデは細胞へと離散を始め、同時にエックスのポケモンたちによる攻撃が炸裂。
フラダリは転落し地面へと叩き付けられ、ようやくフレア団の野望は潰えたのである。


…そして、決戦直後の悪い意味で変わらない街の様子からの虚無・徒労感や、自分達も街の人のようになっていたかも知れない危惧そんな人の腐敗に絶望して凶行に走ったのであろうフラダリへの理解を得てしまいつつ
AZとの会話から、彼らを称えるためパレードをしようとする博士達のねぎらいを「大人ならもっと他にやる事があるでしょう(意訳)」と断り、大きすぎる社会とそれがもたらす絶望に押しつぶされないよう歩み続ける事を選び故郷へ帰った子供達。
戦いから三カ月後、エックスはようやく家を再建でき、シャラシティでの正式な継承式へと向かったのであった。


○名言集

「むなしくなんてないさ。むしろ充実してるって言っていいかなァ。」
「大勢の目も…、大勢の声もないし、人をおだててちやほやしてたと思ったら、手のひらを返したようにあげあしとって、
あらさがしして、悪口言いたてるオトナもいない。」

「そんなことにわずらわされなくてすむんだ。」

(おい、おいおい…。やめろよ。おまえはくやしがんなくていいんだよ。)
(挑発されてんのはオレなんだから…。このまま終わってもいいんだって!たのむからがんばらないでくれ!)
(そんなにがんばられたら…オレは…。)

「ハイハイどーもー。負けてもどーってことないですよー。自分がやりたくてやったことじゃないんでー。(棒)」

「オレはね、ポケモンバトルが大好きなんだ。一生やり続けたいと思ってる!!いつだれに聞かれたって胸はって言えることだよ。」
「キミもサイホーンレースかそれ以外かはわからないけど、いつか胸はって言えるようになれるといいね。」

「悪かったよ。もう二度と単独行動はしない。」

(今、クセロシキを…、フレア団を下さなければ…、オレたちもポケモンたちも平穏な明日を奪われるんだ!!)

「信頼し合える大切な人やポケモンがいるんなら、その人を裏切ったり、苦しませるようなことはしちゃダメだよ!!」

「ワイちゃん、…ありがとう。」


○余談

作画担当の山本サトシ先生曰く、歴代登場人物で一番感情移入できて動かしやすいキャラクターらしい。
前章の主人公について、「どうやって描いたらいいか分からないよ!」と叫ぶほどだった反動だろうか…。
しかし、第11章は始まってから一年足らずでX・Yが発売された関係により雑誌連載が途中で終わってしまい、
12章が雑誌連載を終えた後にWEB連載を行っているため、先生は動かしやすい主人公の後にまた描きにくい主人公と向き合わなければならなくなっている…。

実はポケスペ主人公で初めて「ポケットモンスターと言えばこれ!なセリフ」を口に出した人物だったりする。


浮かれてお祭り騒ぎするよりも先にやることいっぱいありますよ。
オトナなんだからちゃんと追記・修正してください。

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最終更新:2024年03月21日 20:56