スペースパイレーツ(メトロイド)

登録日:2018/06/24 Sun 07:36:00
更新日:2024/01/26 Fri 20:21:36
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オレたちだって、オレたちなりの苦労があるんだ。


任天堂のゲーム「メトロイドシリーズ」に登場する犯罪組織であり、同シリーズにおける主要な敵組織。
役割がわかりやすいので同名組織が他のSF作品などにに登場する事も多いが、この項目ではメトロイドシリーズの物に限り記述する。






概要

高度な知能と技術力を有し、全銀河系の支配を企む宇宙規模の海賊。
銀河連邦政府と反抗・対立している多種多様なエイリアン達(ほとんどが犯罪者や無法者)によって結成された組織であり、構成員には様々な種族が確認される。
そのいずれも、殺戮や略奪を娯楽感覚で楽しむような残虐で好戦的かつ冷酷無比な性質は共通しており、目的のためなら手段を選ばない。
また優秀な技術者や研究者も数多く保有しており、さらに襲撃して惑星の文明も奪って貪欲に吸収し続けた事で、銀河連邦を上回る非常に優れた技術力を誇る。
とはいえ宇宙最高峰とも言われる鳥人族の科学力には流石に及ばず、特にそのテクノロジーの結晶たるサムスのパワードスーツの解析に至ってはお手上げの様子。
よって「パワードスーツを装備したパイレーツ」がゲームに登場する事は当面無いと思われる。

当初は名に違わぬ少数のならず者の集まりとして設立された犯罪組織に過ぎず、その活動も警備の手薄な辺境惑星での略奪や殺戮に留まり、銀河連邦からもそこまで強く警戒される存在ではなかった。
しかし惑星ゼーベスへ侵攻したのを機に鳥人族が開発した生体コンピュータであるマザーブレインが鳥人族に反旗を翻した事で様相は一変。スペースパイレーツの中核として急速に組織を拡大、ひとつに纏めて上げていった結果、銀河連邦と同等かそれ以上の規模を持つに至った。
以降は武力行使による略奪・窃盗以外にも、他文明への侵略・殺戮等の大規模なテロ行為を頻繁に繰り返すようになり、銀河系社会を脅かす勢力として連邦と長きに渡って対立している。
上述の通り最終目標は全銀河の征服だが、彼ら的には連邦とサムスさえ倒せば、銀河征服を達成できると考えている模様。
実質サムス一人に何度も負け続けているようなものなので、その見込みはある意味正しい。

最高司令部は惑星ゼーベスに存在するが、広大な宇宙全域における正確な戦力や構成員の人数等の情報も未知数であり、様々な惑星に散在してゲリラ的に活動するスペースパイレーツを一掃するのは非常に困難。
このため銀河連邦がバウンティ・ハンター(賞金稼ぎ)たちに依頼を申し込むようになった経緯がある。普通に戦っても負けてるような描写が多々あるのはこの際気にしないように。

現在でこそサムスや連邦の宿敵として名高い彼らだが、元々は世界観のフレーバー的な存在であり、組織の構成が明確に描かれるようになったのは『スーパー』からと割と遅め。
その後『プライムシリーズ』にてログブックシステムが導入され、パイレーツが付けた記録や部隊内の通達なども読むことが出来るように。
しかしその内容が…
  • 現場の負担も考えずに無茶な命令を押し付けて来る上層部への愚痴
  • 死んだ仲間のために何としてでも任務を遂行するという意気込み
  • 基地内の設備で勝手に遊んだ部隊への罰則
  • メトロイドをペットや射撃の的にするなという注意勧告
  • サムスの装備を再現しようとして失敗し、被験者全員が死亡したという科学班の実験記録
  • ダークサムスに洗脳された部隊によるダークサムスを崇め奉る経典
…などといった日々の苦労や不満がありありと綴られた日記に近い形式であり、如何にもならず者の集団らしい上層部が末端の構成員をコキ使うスタイルの組織である事が判明。
結果として、任天堂作品でも屈指のシリアスな集団でありながら何処か憎めないネタキャラとしての地位を確立している。

ちなみに、日本版でスペースパイレーツと呼ばれるようになったのは『プライムシリーズ』からであり、それ以前は日本語訳である「宇宙海賊」と呼ばれていた。

組織の推移

惑星ゼーベス侵攻以前(マガジンZ)

様々な惑星を襲撃しては略奪・殺戮を頻繁に繰り返し、その際にサムスの故郷である採掘惑星コロニーK-2Lも壊滅させている。
活動こそ凶悪極まりないとはいえ、当時のパイレーツは規模・組織力ともにそこまでではなく、名に違わぬ少数のならず者の集まりに認知されていた。
銀河連邦が本腰を入れて対策に乗り出すようになったのは、K-2Lの事件から10年ほど後の事になる。

この時たった3歳の少女を殺し損なった事が、後々の最大の禍根になるとは誰も予想だにしていなかっただろう。

惑星ゼーベス侵攻(マガジンZ)

サムスが連邦警察の捜査官として各地を飛び回っていたのと同じ頃、鳥人族が持つ高度な文明を求めて、惑星ゼーベスに襲来。
その際、鳥人族が開発した生体コンピュータであるマザーブレインが「銀河に真の繁栄をもたらすにはパイレーツの協力が不可欠」という思想のもとに鳥人族を裏切り、パイレーツを統率するコンピュータと化した。
またサムスとリドリーが初めて対戦したのもこの時。だが両親の仇を前にしたサムスはPTSDを起こしてしまい、全く勝負にならなかった。
最終的に我を取り戻したサムスと仲間達の手、そしてパイレーツに下るフリをしたグレイヴォイスの攪乱により鳥人族の生き残りを救助する事には成功したものの、ゼーベスの奪回には至らず。

以降、マザーブレインの後ろ盾を得たパイレーツはゼーベスに本拠地を置き、元々過酷だった惑星を複雑怪奇な要塞へと作り替えた。
こうして連邦を脅かす程に組織の巨大化を果たしたパイレーツは略奪・侵略活動をも激化させ、かといって対処しようにもゼーベスそのものが堅固な要塞と化しているため、連邦軍は敵の本拠地が分かっていながら手出し出来ないという事態に。
その激しさたるや、当初は強硬姿勢を見せていた当時の銀河連邦議会のヴォーグル議長も、外交的融和策に転向する程……と書けば、どれだけのものだったか想像が付くだろう。

後の事を考えれば、この頃がパイレーツの絶頂期だったと言える。


初代/ゼロミッション

惑星SR388で発見されたゼーベス系鳥人族が開発した人工生命体「メトロイド」を載せた銀河連邦の調査船を襲撃、メトロイドを強奪する。
無限とも言えるエネルギー吸収能力と増殖能力に目を付けたパイレーツは、メトロイドを生体兵器として転用するべく、ゼーベスの中枢である行政区ツーリアンで研究・繁殖を開始。

しかし事態を重く見た連邦の依頼を受け、単身潜入したサムスの活躍でマザーブレイン及びリドリーを倒され、なぜか仕込まれていた地下要塞の自爆装置によって中枢・ツーリアンが崩壊。
同時期に停泊していたゼーベス本隊の母艦・マザーシップが難を逃れたのは不幸中の幸い…と思いきや母艦にもなぜか自爆装置が存在しており、サムスの潜入の末に結局崩壊。

たった一人の賞金稼ぎに本拠地を壊滅させられるという痛手を被ったパイレーツは、以降サムスを最大の敵と認識。
彼女に多額の懸賞金を懸け、組織を上げて抹殺を誓うのであった。
ただ中には「死んだ仲間には悪いけど、キツい現場仕事からオサラバ出来るかも」と喜んだ不届きな構成員もいたらしい*1


プライム1

『初代』での戦いの後、ゼーベス軌道上に待機していた部隊が二手に分かれ、一方はゼーベスの再建に、もう一方は組織を再建する新天地を目指して宇宙に出る。
そのうち後者のゼーベス星人以外の種族で構成された別動部隊が、ゼーベスと同星系に位置する惑星ターロンⅣから正体不明のエネルギー反応を感知。
発見した放射性物質「フェイゾン」を使った生物実験を行い、様々な強化兵士や生物兵器を生み出すことに成功する。また、ゼーベスで戦死したリドリーを、遺伝子工学と機械化によってメタリドリーとして復活させている。
同時に惑星に落下したフェイゾンの源の隕石をも手に入れようと画策。こちらは鳥人族の厳重な封印もあって上手く行っていなかったものの、フェイゾンが封印エリア外の各地にまで浸食していたため入手自体には困っていなかった様子。

……そこまでは順調だったのだが、そんな中で軌道上のフリゲート艦・オルフェオンで実験体が暴走し壊滅。その際に同胞に向けて発信した救難信号を、よりによってサムスに捉えられてしまう。
フェイゾンの存在と危険性を知ったサムスは、メタリドリーを追う形でターロンⅣ地表へ降下。
その後はメトロイド実験基地やフェイゾン採掘基地をことごとく攻略され、最終的に鳥人族がクレーターの奥底に封印していたフェイゾンの源・異常生命体メトロイドプライムが倒された事で惑星中のフェイゾンが消滅。
結果、この地におけるパイレーツの計画は完全に破綻。

しかし『プライム』シリーズにおける彼らの受難はまだ始まったばかりであった……。


プライムハンターズ

本編にはウィーヴェルしか登場しないが、オープニングムービー内では「プライム2」の姿の一般兵がサムスと戦っている。
単独でサムスに挑むとは随分勇気のあるパイレーツである。
なお舞台のアレンビッククラスターには他のパイレーツは登場しないので、恐らく作中一連の行動は全てウィーヴェルの独断だったと思われる。


プライム2

銀河連邦勢力内の惑星エーテルにフェイゾンの反応を確認したため、ターロンⅣとは別の調査隊を派遣。

当初は穏やかな気候に温厚な原住種族、さらには潤沢な補給も本部から与えられるという事で楽観視していた彼らだった…が、それらは全てエーテルに隕石が衝突する以前の古い情報。
現地に到着するなりいきなり磁気嵐で船が墜落し、さらにちょうど行われていた原住種族ルミナスとイングの戦いに巻き込まれてしまい、他者の体を乗っ取るスナッチ能力を持つイングに隊員を次々奪われる。
あろう事かイングにはパイレーツの身体的な強さや装備に目を付けられ、積極的に狙われる始末。
さらに同時期、メトロイドプライムが復活したフェイゾン生命体ダークサムスが出現。
当初のダークサムスはフェイゾンの回収に注力しており、回収の邪魔さえしなければパイレーツも襲われなかったのだが、パイレーツが装備更新や研究を進めて順調にフェイゾン回収が進むと、今度は集めたフェイゾンを目当てに結局ダークサムスがパイレーツ施設を襲うようになってしまう。
施設の破壊・機密情報の盗難・フェイゾンの強奪など甚大な被害を被り、しまいには補給船・サプライ艦を銀河連邦軍のブラボー中隊に発見されてしまい、撃墜されてしまうのみならず、追って消息を絶ったブラボー中隊を捜しに本物のサムスまで訪れてしまい踏んだり蹴ったり。

ターロンⅣでは立派な基地を構えていたが、今回はあまりに状況が悪すぎるので現地の遺跡の流用しかできず、エネルギーは原始的な風力発電で賄っている有様。これでは当然フェイゾンの研究など進むはずもなく、前作のようなフェイゾン強化兵や新兵器は出現しない。
パイレーツログも「ポータルの使い過ぎで基地が停電した。あんなに何度もダークエーテルに行って何のつもりだ?」「お偉方は俺達よりメトロイドのほうが大事らしい。だったらいっそ自分達が腹を空かしたメトロイドと寝てみりゃ良いんだ」などといった前作以上の愚痴や嘆きが大半を占め、遂には輸送用リフトの競争や影踏みなど娯楽に現実逃避する隊員が続出する始末。
我々が壊滅する前に、そろそろ良いことがあっても不思議はない。-パイレーツログ9より
結局特に良いことも無いまま終わり、原住種族の抗争終結後に改めて派遣された連邦にフェイゾンの研究資料と残存していたフェイゾンを持ち去られてしまう。
連邦に好き勝手させまいとエーテルに戦艦コロッサスまで出張らせるも、到着時にはすでに連邦が帰った後だったというオチつき。


プライム3

銀河連邦によるエーテル調査の妨害は失敗したものの、連邦がエーテルから持ち去ったフェイゾンはさほど多くなかったらしく、
取り残されていた相当量のフェイゾンを確保する事に成功。そのまま戦艦コロッサスに乗せて帰還の途についた。
…が、その艦内でサムスに倒されたはずのダークサムスが、回収した大量のフェイゾンからエネルギーを吸収して復活してしまう。
確実に言える…我々は呪われている!-パイレーツログ2より

ダークサムスはその力をもって一瞬にして乗組員の30%を抹殺し、残った乗組員をフェイゾンで汚染・洗脳する事でコロッサスを完全掌握。
コロッサスはその後、訓練中の銀河連邦戦艦ヴァルハラを襲撃し、生体コンピュータ「オーロラユニット323」を強奪→惑星フェイザへの寄り道を経て、再建中のゼーベスに代わる新たな拠点である惑星ウルトラガスに帰還するのだが……

聖なるフェイゾンの洗礼により進むべき道が、示された。
この啓示を受け入れぬ事の愚かさを我々は知った。
我々は、今、唯一無二の忠誠を我々の解放者、偉大なるダークサムス様に捧げると誓おう。
-パイレーツログ3より

この通り、生き残った船員はダークサムスを崇める狂信者になってしまっていた。パイレーツログもまともだったのは最初だけで、以降は全てカルト教団の経典か何かのような有様となっている。
当然ながらこんな頭のおかしい集団を司令部が受け入れるはずもなく、必死に迎撃を試みるも、フェイゾンエネルギーで強化改修された戦艦とリバイアサンの前には十分に戦力を整えていたウルトラガスでさえ赤子同然。
結局なすすべなく全員フェイゾンに汚染され、これによってウルトラガスのパイレーツ達は残らずダークサムスの配下にされてしまった。
ちなみにこの時、コロッサスの乗組員は「本部の連中は愚かにもダークサムス様を拒みリバイアサンを迎撃しようとした」「思えば以前の我々は彼らのように情けなかった!」とまで言っている。

こうして新たな拠点・惑星ウルトラガスがダークサムスの手に落ち、惑星フェイザの支援も得て数々のフェイゾン兵器を獲得、戦力はさらに大幅に強化された。
洗脳後も、ダークサムスの考えに対し疑問を抱いたり命令に恐れをなした者がいたようだがそういう者はすぐに撃ち殺された(原文より抜粋)という。
こうして全宇宙をフェイゾンで汚染し支配するダークサムスの野望のため、その軍事力を存分に利用される事となる。
その過程でパイレーツに対抗していた3人の賞金稼ぎもフェイゾン汚染によってパイレーツの手に落ちたが、
それに屈するどころか、むしろその力を振るって戦うサムスの進撃だけは阻む事は出来ず、それに合わせて総攻撃をかけてきた銀河連邦の艦隊にウルトラガスを制圧され、リバイアサンを改造して造った戦艦を奪われる。
さらにフェイザの座標まで突き止められ、リバイアサン戦艦のワームホール経由で遂にフェイザへの到達を許してしまう。
フェイザ軌道上で総力を上げた艦隊戦が展開されるが、フェイザの地表でダークサムスがサムスに敗北したことが引き金となり、フェイザもろとも全宇宙のフェイゾンが連鎖的に爆発・消滅。

それはダークサムスによってフェイゾン汚染されていたパイレーツ達とその艦隊も例外ではなく、この瞬間に『プライムシリーズ』のほぼ全部隊が一斉に消滅した。合掌。


フェデレーションフォース

運よくダークサムスの洗脳に掛からなかった残党部隊が、バミューダ系の惑星タルバニアに新たな拠点を置き、
惑星バイオンの古代種族の技術や新エネルギーなどを研究・解析する事でパイレーツの巨大化をはじめとして数々の新技術・新兵器を開発。
特に超巨大兵器「ドゥームアイ」は主砲の一撃で連邦艦隊の9割を撃破する規格外の攻撃力を誇り、
数多の大打撃を負ったパイレーツ再建の切り札として建造されていた。
また、どんな手段を使ったのか サムスを捕獲する という大殊勲をたてている。

しかし最終的には新兵器の大型バトルアーマー「メック」を投入した銀河連邦軍の精鋭たちの活躍でサムスは救出、ドゥームアイも破壊されてしまった。


『プライム』シリーズの部隊は壊滅し、本隊も本拠地再建に忙しいのか登場しない。
しかしリメイク版ではラスボスとしてリドリーが登場、SR388に襲来する。どうやらメタリドリーとは違い、クローン技術で復活した本人である模様。
サムスが保護したベビーメトロイドを強奪するべく激闘を繰り広げるが、ベビーの援護を受けたサムスに再び撃退される。
しかし倒されてはおらず、その決着は『スーパー』へ持ち越しとなる。


スーパー

惑星ゼーベスの再建が完了したことで、マザーブレインとリドリー率いる本隊が再び登場。
新たに幹部としてファントゥーン・ドレイゴンを迎え、再建に伴いマザーブレイン・リドリー・クレイドも強化・復活。さらに要塞も以前より拡張され、数々の兵器とトラップによって鉄壁の防御態勢が敷かれた。
また一般構成員としてお馴染みのゼーベス星人はもちろん、新たにキハンター星人・マグドール星人が初登場したのも本作から。

今度こそ銀河征服を達成するべく、サムスが銀河連邦の宇宙科学アカデミーに連れ帰ったベビーメトロイドを奪い、再度ゼーベスにてメトロイドの増殖が行われた。(このときバミューダ系で研究された巨大化技術なども投入されたという説がある)
しかしベビーを奪還するべく怒り心頭でサムスが乗り込んで来たのが運の尽き。再びリドリーは倒され、最終決戦でベビーのエネルギー吸収を通じてサムスの手に渡ったハイパービームによってマザーブレインも完全に破壊された。
そしてお約束のように存在していた自爆装置により、今度はツーリアンどころか惑星ごと要塞が消し飛んだ。
この戦いで組織としてのスペースパイレーツは事実上壊滅したとされている。


アザーエム以降(アザーエムメトロイドフュージョン)

上記の通り組織としては壊滅しているため、以降の時系列では「パイレーツを模したクローン部隊」「パイレーツに擬態したX」のみが登場するに留まる。


番外:ゲームブック版メトロイド(メトロイド ゼーベス侵入指令)

双葉文庫ゲームブック「メトロイド ゼーベス侵入指令」に登場する宇宙海賊。
初代の頃に発売された作品なため現在のスペースパイレーツとは設定が異なり、メンバーは地球型人類の男ばかりであり、ボスもリドリーではなく「あまり利口そうに見えない(サムス談)」男である。
髑髏マークが描かれた、いかにも海賊と言わんばかりの巨大宇宙船を使用している。

ゼーベスを爆破して脱出したサムスの脱出ポッドに、海賊船で覆いかぶさりながら出現し、サムスを捕らえてメトロイドカプセルを奪うも、ボスの前に連れて行ったところでサムスに抵抗され(サムスはボスに会うためにわざと捕らえられていた)、更にサムスを狙ってやって来た、ゲームブックオリジナルキャラであるメトロイド=ミュータント(略称M=M)の出現により、そちらと戦う羽目になる。
海賊がほぼ全滅するほどの死闘の末にM=Mを活動停止させ、ただ1人生き残ったボスは、メトロイドカプセルを取り戻そうとするサムスに剣による戦いを挑み、身体能力的に自分を上回るはずのサムスを気迫で追い詰めるも、生きていたM=Mが立ち上がって襲ってきた隙にサムスにカプセルを奪われて宇宙艇で脱出され、そのまま海賊船にミサイルを撃ち込まれて花火と消えた。



主要な組織構成員


《司令官》

スペースパイレーツ軍の司令官クラス。
シリーズでも複数の作品に登場し、代表的な幹部としてラスボス及び終盤のボスを務める事が多い。

リドリー

スペースパイレーツの最高司令官。
同シリーズの主人公サムス・アランは過去に両親をリドリーに殺された経緯から、彼女自身のトラウマとなっており、ほぼ全ての作品に宿敵として登場している。
基本となる風貌は細身で紫を基調とした体色の翼竜やドラゴンのようなエイリアンであり(西洋の悪魔のような容姿を例えられたこともある)、体長は約3.7mだが作品毎に大きさ・体色が異なる。
野蛮で残虐非道なスペースパイレーツを構成するならず者達を纏め上げる統率力やカリスマ性と共に部下達をも上回る残虐さ、その怪物のような外見と裏腹の狡猾で高い知能を併せ持つ。

ダークサムス

サムスに撃破されたメトロイドプライムがフェイゾンスーツから吸収した遺伝子情報を元に復活したフェイゾン生命体。惑星ウルトラガス部隊の最高司令官となる。『プライム2』で初登場、『プライム3』にも登場する。
作中では言及される事は無かったが、リドリーら惑星ゼーベスの本隊とは敵対関係にあったと思われる。
詳細はリンク先を参照。

マザーブレイン

惑星ゼーベスの中枢・ツーリアンにて、要塞を集中管理している機械生命体。通称「マザー」。
初代と二世代目の二種が存在するが、共通して上部は人間の大脳部分に鉄の棘を何本も生やし、下部は導線が何本も繋がれ、繋ぎ目には一つ目といった外観である。『スーパー』で登場した二世代目(改良型)では口が追加された。
元は鳥人族の拠り所とする生体コンピュータであり、老衰した鳥人族が宇宙の繁栄を願って銀河連邦とのデータバンクを管理する目的で開発された。
サムスにとっては鳥人族の長老オールドバードや側近グレイヴォイスとともに育ての親といえる存在であった。
しかし、あまりにも高性能であったため知能、特に人間的な感情が強くなり、自分以上にサムスとメトロイドへ未来を託そうとする鳥人族へ不満を募らせていき、特にサムスへは嫉妬心を抱くようになり確執が生じていく。最終的にはスペースパイレーツに惑星ゼーベスが侵略された際に鳥人族を見捨て、パイレーツに協力することが銀河に真の繁栄を導くと判断し、パイレーツを統率するコンピュータと化してしまった。


《惑星ゼーベス所属の幹部》

固有名詞のある幹部のうち、本拠地である惑星ゼーベスの各エリア、及び中枢・ツーリアンへの道の守護を行っている幹部格。
ただし組織の下部構成員を指揮する意味での「幹部」には見えない個体も多く、単なる生体兵器もこれに含まれる可能性もある。
リドリーは前述及びリンク先を参照。

クレイド

惑星ゼーベスに存在する最大級の怪獣。設定上の全長は約8.8mだが、初代の描写は大して大きくない。逆に『スーパー』以降はサムスの数倍以上と巨大に描写されている。
ブリンスタの奥深くに待ち構えており、リドリーと共にマザーブレインが存在する中枢・ツーリアンへの道を塞いでいるが、知能は低いと考えられている。

ファントゥーン

クレテリアの外れにある難破船を制圧した、幽霊のような正体不明の生命体。髑髏の様な外観で、中心には単眼を持つまぶたを兼ねた口がある。体長は約3.7m。
本来は巨人の姿をした次元の狭間に住む生命体、こちらの次元には頭部と手しか実体化させないので全身を見る事は出来ない。再建に伴い、幹部の一人となる。
『スーパー』で初登場。
『アザーエム』での再登場に伴って正確な設定が判明した。

ドレイゴン

惑星ゼーベスの中で水中エリアの多いマリーディアに存在する肉食の大型甲殻類。体長は約3.7m。甲殻類のエビアが脱皮を行い成長した形態であると推測される。再建に伴い、幹部の一体となる。
『スーパー』で初登場。

グレイヴォイス

鳥人族。高齢化の激しい鳥人族の中では比較的若い人物。
サムスが惑星ゼーベスの環境に適応するために受けた生体調整の際にDNA情報を提供した人物でもある。
パイレーツによる惑星ゼーベス侵攻の際に鳥人族を裏切る形でマザーブレインと共にパイレーツに寝返る。
作戦指揮官としてリドリーに並ぶ幹部となった。
が、実は仲間になったフリをしていただけであり、獅子身中の虫としてマザーブレイン破壊の機会をうかがっていた。
戦士の鎧と旧時代の武器を用い、マザー相手に善戦するも、途中で乱入してきたリドリーにより死亡する。


《その他の有力な個体》

ウィーヴェル

スペースパイレーツの特殊部隊に所属するサイボーグ兵士のハンター。『ハンターズ』で初登場。
唯一名前が判明している構成員。かつてサムスとの戦いで失った下半身をパワードスーツの装着を補った結果、サイバネティックスペースパイレーツとなっており高い戦闘力を得た。単身で訪れた理由はパイレーツ全体の意思なのか、独自行動なのか不明。

ランダス、ゴア、ガンドレイダ

『プライム3』にてパイレーツ対策のため召集された3人のバウンティ・ハンター。
3人ともサムスに劣らない実力者揃いだったが、ダークサムスのフェイゾン攻撃によって精神を汚染・支配され、逆にパイレーツを統率する幹部と化してしまった。

オメガパイレーツ

エリートパイレーツプログラムの最終形態とされ、非常に強力な戦闘力を持つ巨大パイレーツ。
エリートパイレーツとはプライム1にてフェイゾン注入の人体実験で生まれた強化兵士で、初期のものは名前とは裏腹に知能が退化し寿命も短いなど哀れな存在だったが、最終的には克服しており、数体が要所で襲い掛かってくる。
そんなエリートパイレーツの中の最高位(最高傑作?)がこのオメガパイレーツ。
エリート自体かなりの巨体だが、オメガはさらにデカく、もはやパイレーツというより猛獣である。
パイレーツとしては、ゆくゆくはこのオメガパイレーツを地上部隊の主力として量産する予定だった模様。
フェイゾンが消滅したので実現不可能となったが、フェイゾンが健在だったプライム3ではエリートの発展系あるいは亜種と思われるバーサーカーパイレーツおよび、より高位のバーサーカーロードが上級兵として複数体が実戦投入されている。

パイレーツコマンダー

『プライム3』に登場。スペースパイレーツ軍コマンド部隊の指揮官。
コマンドパイレーツ自体がフェイザイト装甲・エネルギーブレード・ステルス・短距離ワープなど潤沢な装備を与えられている精鋭だが、
それを束ねるコマンダーはさらに赤色フェイザイト装甲(希少性が高いフェイザイト。防御力もさることながらXレイ+ノバビームの必殺コンボも遮断)を装備している。
部隊指揮官としての個体は何度か出会うが、戦闘になるのは彼らのラストバトルとなる物資輸送ルートの最終地点で、サムスを不意打ちで足場から突き落とすインパクト抜群の登場をしてみせる。
実際の戦闘でも凄まじい耐久力を誇り、固有名詞のないパイレーツとして最高レベルの幹部であろう事が窺えるほどの強さ。
リドリーの前哨戦というおいしい立ち位置であり、固有名詞を持っていても不思議ではないぐらい印象的な個体である。

英語版ログブックでは設定が詳細になっており、経験を積んだコマンドパイレーツがコマンダーへの昇格権を得る。
このためコマンダーは複数名存在しうる可能性が示唆されているのだが、「少なくとも10年以上」「昇格権(つまり確実になれるわけではない)」というあたりとてつもなく狭き門な事が窺える。
それまでの激戦を鑑みても、プライム3の惑星ウルトラガスにいるコマンダーは彼一人と見てもいいだろう。


《メトロイドシリーズの一般構成員》

ゼーベス星人

スペースパイレーツ軍で最も多数を占める、中心的な種族。『スーパー』で初登場。
直立歩行するザリガニに鳥類か爬虫類の特徴を合わせたような姿を持ち、体色によって所属する部隊や階級、戦闘能力等が異なる。
武器は両腕のハサミとその内側に仕込んだビーム砲で、また体表の微細なトゲによって垂直の壁に張り付く事もできる。
パイレーツらしく性格は総じて残虐非道であり、マガジンXの漫画版ではリドリーと共にコロニー住人を虐殺したり、子供に重労働を課した挙句笑いながら銃を向けるなどの悪行の限りを尽くす様子が描かれていた。
しかし一方であまり賢くはなく、本当的に自分達より強い者に従属する習性があるらしい。

水色→緑→赤→紫(ピンク)→黒→黄(金)→銀(メタルゼーベス星人)の順に強い。
『アザーエム』では銀河連邦軍の一部過激派によってクローンを培養、遺伝子工学とサイボーグ化によって生体兵器に改造されたサイボーグゼーベス星人、更に強化され、ウェイブビームを装備した赤色のサイボーグゼーベス星人・エリートが登場する。
『フュージョン』では、寄生生物Xが魚型生物「スカルテトラ」のDNAを組み込み、人魚のような姿となった水中戦特化の個体も出現。

なお「ゼーベス星人」と通称されてはいるが、あくまで鳥人族から惑星ゼーベスを奪って本拠地にしているに過ぎないので、本来の出身惑星はゼーベスではない。
要は海外からアメリカ大陸に移民した白人が「アメリカ人」を名乗っているようなもの。

キハンター星人

蟻や蜂と似た社会性を持つ昆虫系種族。『スーパー』で初登場。
蜂とカマキリの特徴を合わせた姿を持ち、翅による飛行能力を持つ。戦闘では鎌状に変化した前脚(前股)や毒針、強酸性の液体を飛ばして攻撃する。
ゾーロと呼ばれる幼虫から蛹を経て成体に変態するなど、生態は昆虫そのもの。体色によって戦闘能力・耐久力が異なり、一定ダメージを受けると翅を喪失してしまう(初めから無い者もいる)。
なお『スーパー』の取扱説明書では、「ゼーベス再建の為に呼ばれた、同盟関係にある別銀河系の宇宙海賊」とされていた。

緑→黄→赤の順に強い。
また『アザーエム』にて種族の頂点に立つ「キングキハンター星人」と、更に強化を施された「メイジ・キハンター星人」が登場。
キングは自力では戦わず、配下のキハンター星人を統率して戦闘を代行させる。

マグドール星人

「スーパー」で初登場した、マグマと同化する能力を持つエイリアン。
マグマの中で生活する習性の種族であり、結果的に全身に溶岩が付着している。つまりマグマの外に出ると全身の溶岩が冷え固まって身動きが取れなくなるため、基本的にはマグマの外に出て行動することはない。
基本的にマグマの中から顔を出して、サムスが接近すると同程度の高さになるまで急速に体を伸ばし、一時停止した後に高熱のマグマを投げつけてくる。
『アザーエム』ではマグマを投げる他、マグマの岸辺に接近して殴りかかって来るようにもなった。

外見はほぼスライムだが体内にはきちんと骨格があるようで、顎は人間サイズの物体を丸呑みに出来る程大きく広げる事が出来るらしい。

グリプト星人

「アザーエム」で初登場したアルマジロのような姿をした種族。
強固な甲羅に身を包み、体を丸めてボール状態で突進したり、地中に潜って奇襲を仕掛ける戦法を得意とする。

作中では更に強化を施されたグリプト星人・ストロンガーも登場。こちらは鋭利な刃のような背ビレが生えて全体的に刺々しい外見となっており、ボール状態の時は丸鋸状になり、スクリューアタックにも耐える程の耐久力を持つ。

ガルマン星人

「アザ―エム」で初登場したカメレオンのような姿をした種族。
非常に精密な保護色と、擬態能力で姿を隠す事ができる。姿を隠しながら毒液を発射しつつ接近し、伸縮自在の長い尻尾やフック状の鋭い舌で攻撃してくる。

アスボロー星人

「アザーエム」で初登場したカブトガニのような姿をした種族。サイボーグ改造の限界実験によって生み出された。
普段は大型バトルアーマーと合体した完全武装の形態を取っており、更に手足を折り畳み、カブトガニ型に変形した状態で地面を滑るように高速移動をする。

実は本体は芋虫か蛇のような形態の生物で、バトルアーマーを喪失すると、こちらに巻き付いて締め上げ、自爆する。

カイラス星人

「アザーエム」で初登場したカエルのような姿をした種族。
優れた跳躍力を持ち、後背部の発電装置と触手型電磁ワームを使った触手の電撃攻撃や、電磁バリアを纏いウェイブビーム以外のビーム攻撃を無効化する能力を持つ。
ただし水中に落下するとショートしたのか即死する。

レドギア星人

「アザーエム」で初登場したアノマロカリスのような姿をした種族。
非常に高い知能と優れた高速飛行能力を活かして、ビーム兵器やシーカーミサイル能力を用いて攻撃する。
作中で登場するのは全て同一の個体で、幾度となくサムスと激突する。

デスバルク星人

「アザーエム」で初登場した、テントウムシかカナブンのような昆虫の姿をした種族。
作中で登場した種族の中では最強の存在。
普段は金属質の甲殻を半球状に閉じて休眠状態を維持しているが、有事の際は高い攻撃力と耐久力を武器に肉弾戦を行う。瀕死状態になると、甲殻を閉じて自己回復を行う。

スクリューアタックの動作を感知すると、軌道上に瞬時に先回りして反撃してくるため通用せず、パワーボムの爆風も甲殻を閉じて無効化されてしまう。

なお、以上のグリプト星人、ガルマン星人、アスボロー星人、カイラス星人、レドギア星人、デスバルク星人は連邦の過激派に作られた「パイレーツを模したクローン部隊」の構成員なので、本物のパイレーツにも所属していたかは現在のところ不明。


《プライムシリーズの一般構成員》

プライム1のパイレーツ

種族名不明。爬虫類のような特徴を持ち、いかにも異星人やエイリアンといった外見。
上記の種族とは異なり生身で戦うための武器となる器官を持っていないのか、
左右の腕にそれぞれビーム砲と鎌のような刃物を取り付けて武装している。
一般兵「スペースパイレーツ」以外にも様々な種類が登場し、透明化(ステルス)兵装を持った「シャドウパイレーツ」や飛行能力を備えた特殊兵「フライングパイレーツ」、フェイゾンで強化された「トゥルーパー」シリーズ、中ボス枠の変異型「エリートパイレーツ」も登場する。

プライム2のパイレーツ

種族名不明。前作の種族と比べるとどこか虫っぽい雰囲気。
また片腕がハサミになっているなどゼーベス星人に似た特徴も見受けられる。
武装が更新されており、近接武器が腕に直接取り付けるタイプの刃物からビームソードのような形式になるなどハイテク化。
しかしフェイゾンを十分な量確保する態勢がまともに整っていないどころか調査・基地展開すらままならない有様のため、前作に登場したようなフェイゾンで強化されたタイプは登場しない。
代わりにイング族に体を乗っ取られたダーククリーチャー化パイレーツが登場する。

プライム3のパイレーツ

種族名不明。眼窩の無い爬虫類の骨というか深海魚というか形容の難しい頭部が特徴的。
多少青みのかかった出で立ちはおそらくダークサムスのフェイゾンによるもの。
武装のバリエーションが多く、前作までに登場していた飛行ユニット持ちに加えて
特定の攻撃への耐性の高い鎧を装備している者がいたり、前作までは上位・特殊兵しか持っていなかった盾も一般兵が持てるように。
さらに、一部のパイレーツ兵器と一般兵の大半が攻撃/防御力を大幅アップする ハイパーモード を使えるようになっており、高難易度ではただの一般兵ですら難敵と化す。

一方で旧式の装備だけ持たされた状態で最前線に送られる兵士や、粗雑な造りの輸送艇で敵艦への特攻をさせられる兵士もいるなど、
下位兵士の扱いの雑さがひときわ露骨に出ていたりする。

フェデレーションフォースのパイレーツ

種族名不明。ダークサムスの洗脳に運良くかからなかった生き残りという設定のためか、「プライム2」と「プライム3」に登場したものを折衷したような外見。
惑星バイオンの古代種族が用いていた巨大化技術を解析し使用しているため、
登場するパイレーツはいずれも5メートルを越す程に巨大化している。
(主人公の連邦兵士も同じぐらいの大きさのバトルアーマーに搭乗している場面が多いので、あまりその巨大さを実感できないが)
ある意味では、「プライム」では実現できなかった「オメガパイレーツの量産」が違った形で実現したともいえる。





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最終更新:2024年01月26日 20:21
添付ファイル

*1 かつてプライムシリーズの公式サイトで公開されていた、パイレーツ視点のストーリー振り返りより