鵺野鳴介

登録日:2018/06/17 Sun 15:00:55
更新日:2024/01/14 Sun 07:21:53
所要時間:約 16 分で読めます




俺の生徒に手を出すな!!

鵺野(ぬえの) 鳴介(めいすけ)とは、漫画『地獄先生ぬ~べ~』の主人公である。


●目次


プロフィール


身長:178cm
体重:68kg
年齢:25歳
生年月日:1971年7月21日
星座:かに座
血液型:O型
趣味:パチンコ・カップラーメンの容器のコレクション
好きなもの:おしるこ・生徒・ゆきめ
嫌いなもの:生徒を傷つける悪霊
CV:置鮎龍太郎/瀧本富士子(少年時代)
演:丸山隆平/若山耀人(少年時代)

人物


童守小学校5年3組の担任教師。5年3組の生徒達からは「ぬ~べ~」という愛称で呼ばれ慕われている。
特徴的なゲジゲジ眉毛(通称・村山富市元首相マユゲ)を持っているが顔は結構男前。中学の頃までは普通の眉毛だった。
教師なので大体ワイシャツに黒スーツ、そして黒のネクタイで決めている事がほとんど。上着を着ない時はワイシャツの袖を捲くっている。
それ以外の格好になっているシーン(遠足や海水浴へ行った時など)はあまりなく、雪山でもその格好でスノボをやっていた事がある(学生時代は雪山でスキーウェアをちゃんと着ていた)。
常に左手に手袋をしているが、これは昔、鬼と戦った事が原因で左手が「鬼の手」になったからである。

日本で唯一の霊能力教師であり、身の回りに巣くう悪霊や妖怪などが生徒達に危害を加えようとすると命を賭けて生徒達を守る。
霊能力教師としてちょっとした有名人であり、霊の仕業にしか思えない事が発生すると中学校や高校、市役所や警察などから調査を依頼されたり、霊や妖怪に悩む一般人からも基本無償で相談を受けたりしている。
また、時には人間だけでなく妖怪や霊的な存在にも頼られるすごい素質の持ち主である。

現在は1人暮らし。アパートに住んでいるが、備蓄食料があるという理由で学校の宿直室で寝泊りしている事がほとんど。
貧乏神に取り憑かれた時に発生したボヤ騒ぎのせいで追い出されているが、物語の終盤でようやく住んでいるアパートが登場するものの貧乏神の回で言及されたアパートと同じかは不明。


性格


真面目で正義感が強い熱血教師だが普段はドジで頼りないため、生徒達からは尊敬できる大人というよりは友達のような感覚で接されている。
だが実際はかなりの人格者であり、叱る時は叱り、悩み事がある生徒には惜しみなく相談に乗ろうとするなど、温かさと厳格さを併せ持つ教師の鑑のような人物である。
自分よりも生徒の事が大切だと考えているため、生徒達に危害を加えようとするものは誰であろうとも許さない。
たとえ鬼の手をもってしてもかなわない強敵が相手であっても、自分の命と引き換えにする覚悟で生徒を守ろうとする。
正義感が強すぎる故につい頑固になってしまい、敵対する相手(初期の玉藻や自分の父親)に対して一方的に敵視したり疑り深い態度を取ったり、
事態を把握する前に妖怪や霊を一方的に悪だと判断して倒そうとすることもあるが、自分の考え方に問題があると悟った時には素直に態度を改める誠実さと柔軟さも併せ持つ。

意外と優柔不断なところがあり、特に自身の女性関係では相手を傷つけまいとするあまりに余計にあたふたして相手を怒らせてしまうことが多い。
また、心霊現象や妖怪の知識に長けているが、それが女性から敬遠される原因にもなってしまっており、怖がりの律子先生にしつこく霊や妖怪の話をして嫌われてしまったり、遠足に出かけた際には律子先生に振られてしょんぼりしつつ会話の流れで心霊現象について解説しだしたところ、「霊の話になると途端に元気になる。気味悪い……」とバスガイドに呼ばわれてしまったりしている。
「どうせ俺は霊能オタクだよ!」といじける様子を見せるあたり、自覚はあるらしく、ゆきめの好意を断る際の口実にもしている。
結果として、性格的な問題や女性に対する振る舞いからから、作中での女性人気はいま一つ(女生徒からの人気はそれなりにあるのだが)
外見こそ主人公らしく二枚目なのだが、ファンからも「あんなにカッコいいのにもてないのは納得いかない」などの意見が出たため、作者から「霊や妖怪の話しかしないからもてない」と説明づけられた。
実際、劇中で律子先生をはじめとする女性に言いよっては手ひどく振られているシーンではろくな口説き方をしていない上、体重の増加を気にしている郷子にストレートに太った呼ばわりするなど、デリカシーにも欠けている。

だが、妖怪には好かれる傾向があり、ゆきめに恋愛感情を抱かれている他、座敷童子や人魚の速女などにもそのよき人柄を慕われている。
律子もしょうけらと勇敢に戦う彼の姿を見た事で彼を見直して好意を抱くようになり、黒魔術の使い手である黒井まみにも自分にとっての唯一の理解者として好意を寄せられるなど、
決して人間の女性に慕われないというわけでもない。

ルックスについては主人公らしく二枚目で純粋にカッコいいと言える容姿なのだが、玉藻のような線の細い美青年系ではなく、
特徴的な太く濃い眉が目立つこともあって、ゲジ眉呼ばわりされて邪険に扱われたりもしている。

割とスケベであり、律子のナイスバディを抱きしめたいと思い少年誌でまともに書けないようないやらしい事を妄想してたり*1宿直室でAV鑑賞してたり、霊がついていないのに除霊してくれとせがむ巨乳の美女を安心させる名目で胸を揉みしだいたりしている。
一方で奥手な一面があり、ゆきめと正式に恋仲になったにもかかわらず、プロポーズに踏み切れなくて結婚に二の足を踏んでいたり、結婚するまでは一切手を出していなかった。
また、いくらナイスバディでもいずなや美樹のような子供に対しては興味も示さない*2など、倫理的な観念は強いようだ。

金銭面がかなり無計画であり、除霊をしても金銭は一切要求しない*3
霊能力グッズや祠などの修繕、寄付金などのアフターケアをすべて自分の給料で行っている上に、騒動解決の度に生徒達にラーメンをおごっているため、貯金残高は少なく常に貧乏生活を送っている。貧乏神によると、貧乏になる素質があるらしい。
主食はほとんどカップ麺で、まともな食事にありつける給食の時間を大切にしている(ゆえに給食を粗末にすると怒る)。
給料日前は大体金欠であるため1日一食給食だけの生活になり、酷い時には危ないところに落ちているお金を無理して拾ったり、定食屋の店頭にある料理の見本(※当然ですが食べられません。良い子も悪い子も真似しないように!)をつまみ食いするなどして食いつないでいる。
時には生徒達に借金を頼むという情けない行動に出る事も(当然断られている)。
趣味のパチンコに霊能力を使う*4場合もあるが、必要最低限の生活物資の確保のためでもあるので必要以上に儲ける事は基本しない。
鬼の手を利用して一攫千金を目論んだ事もあるが、調子に乗ったため失敗して病院送りにされるというオチがついた。
結婚後も金銭面の無計画さについては変わることがなかったため、後日談ではゆきめが家計に頭を悩ませており、自分の能力を活かしてかき氷の販売を行っていた。

必要以上に清貧を旨とするこの姿勢は、後述する父親との確執が絡んでいるが、ゆきめに小言言われてもちゃんぽん食べに行こうとするのはさすがにどうかと思う

人間と妖怪の関わりについての考え

初期の頃は比較的「人間と妖怪が一緒に暮らすことはできない」という考えに寄っていたが、悪意さえなければ、霊や妖怪にも親身になって接し相談に乗っており、人間界に興味を示した友好的な妖怪に対してもオープンに接している。
一方、妖怪ながら自分自身に恋心を抱くゆきめの登場や、「人の心が妖怪を作り出す」というテーマが明確化していくのに伴って、「人間と妖怪の共存は難しい」という考え方を表に強く出すようになっていく。
そしてゆきめとの死別を機に、人の心から生み出されるがゆえに時に闇の心を持って生まれ人に牙をむく存在である妖怪の背負う業を思い、
「人間と妖怪は相いれないのか」という苦悩をたびたび見せるようになっていく。
そんな苦悩を持ちつつも、人間界で暮らす中で人間らしい心に目覚めていったゆきめや玉藻の姿を見て、
「たとえ妖怪でも人間たちの中で暮らせば人間の心に目覚められる」という確信を抱くに至り、
その信念は邪悪な存在である鬼をも揺り動かすまでになっていった。



能力


近くに霊や妖怪が現れたらすぐに霊気や妖気を察知したり、その強さから妖怪の種類を特定する事が出来、他の人には見えない浮遊霊もしっかりと見えている。
弱い悪霊や害のない浮遊霊などを成仏させる時は経文(白衣観音経)や術具などを使っているが、凶暴な悪霊や妖怪など普段の霊力ではどうにもならないような相手から生徒を守る時には「鬼の手」の力を解放し、普段以上の強力な霊能力を発揮して戦う。
クレーンゲームでズルをするためだけに手袋を脱いで鬼の手を使ったこともあるが。*5
作中では鬼の手による除霊が多いが、そちらはあくまで偶発的に身についた能力であり、実はそれを抜きにしても霊能力者として非常に高い実力と知識の持ち主である。

幽体離脱、降霊術、反魂の術などの秘術を使う事が出来、分身を生み出す陽神の術を使い、あえて(やむなく)幼い姿にすることで小学6年生の少年陽神明(ひのかみあきら)として別人を装って生徒達と行動を共にする事もある。
陽神の術で作った分身は物理的なダメージを負わない利点があるが、霊気や妖気などの気と気のぶつかり合いで気が飛び散ると徐々にダメージが蓄積されていく。

霊能以外だと運動神経は抜群で、鉄棒、水泳、スキー、スノボ、スケートなどほとんどのスポーツをこなす事ができる。
学生時代に「鉄棒ぬーちゃん」と呼ばれていたので鉄棒には自信があり、体育の授業で片手大車輪やトカチェフなどを決めて生徒達から尊敬を集めていた(その後はハプニングで軽蔑の目を向けられるが、詳細は「河童と鉄棒の巻」を参照)。
水泳は中学の頃に全国5位だったらしく、幽体離脱で中学生の姿で離脱し水泳部員の霊と勝負を繰り広げていた。
他にも学生時代は「銀盤の貴公子」「氷上のスワン」を自称していたほどスケートに自信がある。

ものすごい機械音痴であり、TVゲームも全くできない。
どれくらいゲームが下手かというと、格ゲーで開始1秒で自分から場外負けし、亡者を避けていくゲームなのにわざわざ亡者のほうへ向かっていきピンチに陥るほどである。
一応運転免許は持っているが運転は超ド下手であり、車に憑いていた、この世に未練のある霊の協力を得る事でやっと人並みに運転できていた。
遠足で大型バスを運転する事になった時にはすぐにに替わり(広は小学生なので絶対にやってはいけない事だが)、高級外車(5万円で購入)を運転していた時に協力していた霊が成仏してしまった時にはアクセルとブレーキの区別がつかずに池に落下し外車をダメにしている。
どうやって運転免許取ったんだろう

体がとても丈夫で滅多に病気にはならない。しかし風邪は普通にひく。
こち亀』の両さんにも匹敵する鋼の胃袋を持っており、何年も前に賞味期限の切れた饅頭を食べても平気。
給食で食中毒騒ぎが起きても1人だけケロッとしていた。
もっとも、流石に腐った卵を食べた時は腹を壊していたが。

15cmほどの隙間でも、そこにお金が落ちていたら入っていく事の出来る特殊能力(?)がある。


鬼の手


彼を語る上で欠かせないのが、彼の左手にある「鬼の手」である。
この鬼の手は、新任早々に除霊で対峙した地獄覇鬼を封じ込めたものであり、本来の彼の左手は除霊の際に吹っ飛んでしまっている(アニメ版ではそのまま)。
普段は鬼の手を黒い手袋で隠しているが、霊障によってこの世のものではなくなったので、感触を感じる事は出来ても通常の状態では見る事は出来ず、封印を解く事で視認できるようになる。

鋭い爪を持ち、筋肉がむき出しになったかのような禍々しい外見をしている。アメリカ版ゴジラの足に似ていて、「人類に打つ手はない」のポスターは実は鬼の手である。
左手だけであるがその力は絶大で、あらゆるものを切り裂き無に帰せしめる事の出来る、まさに彼にとっての必殺の武器となっている。
玉藻曰く「鬼の手の本当の強さは妖力の強さではなく、鵺野鳴介の生徒達を守ろうとする強い精神力が鬼の力を霊能力へと変換し、無限の力を生む。故に鵺野鳴介の鬼の手は最強である」とのこと。
鬼の手は霊体なので霊を切る事が可能で、大抵の悪霊や妖怪ならこの鬼の手の一撃で無に帰る。
だが凄まじい怨念の集合体や神獣クラスの相手には通用しない事もある。
また生身の左腕の自由を奪われて使用不能になることもある。
攻撃に利用する以外にも、霊に触れて会話を試みたり、霊体や魂に触れて思考を読み取ったりする事も可能で、その気になれば生物の幽体への直接攻撃もできる。
凶悪な殺人鬼「A」を相手にした時には幽体を無理やり引き剥がして地獄へ送ろうとしたが、直後に抵抗されて失敗に終わっている。

覇鬼は新任当時のぬ~べ~ではとても太刀打ちできない強大な妖怪だが、覇鬼に吸収されていた美奈子の魂が内から力を抑えていた事で、ぬ~べ~は左手に覇鬼を封印する事に成功する。以降はぬ~べ~と美奈子の2人がかりで鬼の力を制御するようになった。
鬼の力は制御が難しいため、普段は10%しか解放していない。だが物語が進むに連れ20%まで解放できるようになり、終盤に覇鬼と和解した事で最終的には100%近くまで力を行使できるようになった。
ただし自力で鬼の肉体を完全に支配し、絶鬼を一方的にぶちのめしたこともある。まあこれは霊力ではなく精神力でやってのけた離れ業(というか火事場の馬鹿力)であるが。
ちなみに「絶命受死日*6」により急激に霊力が下がった時には、鬼の手の暴走により心も体も鬼になりかけた。その際には玉藻の呼びかけに答えた美奈子の魂が全力で力を抑えた事で事なきを得た。
逆に、霊力が好調になる日は、美奈子先生の負担が軽くなるため、彼女と会話することも可能になる。

なお、例え鬼の手を完全に制御できていたとしても憎しみのような醜い心で使い続けると鬼の妖気と同調してしまい、鬼の妖気が人間の細胞に侵食してしまう。
この場合は鬼になるのではなく、人と鬼が混じり合った化け物となってしまう。
ぬ~べ~が鬼の手を奪われてしまった事は数度あるが、そのいずれもが鬼の手を制御できず暴走したり、鬼の妖気と同調して化け物になるなどして自滅してしまっている。
ちなみに、肉体的な損傷と霊力はあまり関係ないらしく、車椅子生活で喋るのも辛そうなほどの重傷を負ったパラレルワールドでも(左腕自体が動かしづらいことを除けば)鬼の手は普通に使えていた。

また、鬼の妖気で育てたくだ狐「 覇狐 (バコ)*7」をよく飼いならしており、郷子と広を転落から救ったりしていたが、
霊力は高いものの戦闘訓練は積んでいなかったために、管使いの殺し屋の首領かんらん坊との戦いで負傷して以降登場していない。

続編「NEO」では覇鬼が諸事情で地獄へと戻っていったので、鬼の残留妖気と陽神の術を組み合わせた劣化コピーを使用している。
後に強化形態の「鬼の手NEO」となった(詳細は後述)。

鬼の手のバリエーション

  • 御鬼輪
文字通り鬼の力を制御できる腕輪。これをはめることで鬼の手が刃物や鞭のような形状に変化し、攻撃力や射程距離が大きく強化される。
ただし作中に登場したのは精度の差こそあるが全て紛い物で、一定以上の力を解放した際に壊れてしまった。
完全に制御できる本物の御鬼輪は結局見つからなかったが、物語終盤で覇鬼と和解したのでもし見つかっても宝の持ち腐れになっただろう。
ちなみに鬼自身にはめることでその力を封じ、弱体化させることもできる。というか、多分こっちが本来想定された用途なのかもしれない。

  • 鬼の手(眠鬼)
ヤン=カイルンに鬼の手を奪われた際、代わりの戦力として眠鬼を封印したバージョン。
覇鬼バージョンは手首の先だけだったのに対し、こちらは肘の先から丸ごと鬼の身体に変化している。見た目的には最早鬼の手ならぬ鬼の腕
美奈子先生は覇鬼ごと奪われているため彼女の補助は得られていないが、眠鬼本人を説得して協力してもらっているので一応制御は出来ている*8
が、気の強い眠鬼が素直に従うはずもなく、当初は半ば彼女に身体を乗っ取られる形で戦うはめになった(最終的にはちゃんと協力してくれたが)。
ちなみに眠鬼が喋るときは腕から頭が生えてくる。シュール。

  • 鬼の鎧
封印が解けた覇鬼を止めるべく、眠鬼と合体した姿。相変わらず腕からは眠鬼の頭が生えてくる。
こちらは左腕どころか頭部も含めた左半身がほぼ丸ごと鬼の肉体で覆われており、左目付近から伸びた角と、背中から伸びた尾のようなパーツが特徴的。
そのパワーは覇鬼とほぼ互角で、空も飛べるし妖力波も撃てる。もはやほとんど妖怪。
が、覇鬼の必殺技「焦熱覇拳」は流石に防御不可能で、ぬ~べ~は眠鬼を庇うために生身の右半身でこれを受け止め、そのまま戦闘不能に陥った*9

  • 鬼の手(残留妖気+陽神の術)
続編である「NEO」における基本形態。その実態は鬼の残留妖気を使い、陽神の術で形だけ再現したハリボテ。
その威力はかつての1/100にまでダウンしており、ぬ~べ~自身の霊力をプラスすることでなんとかカバーしている*10
とはいえ、弱い妖怪や悪霊を退治する分には十分な威力を持っており、また攻撃以外の応用技などはだいたい同じように使える模様。

  • 鬼の手NEO
阿蘇山の洞窟でアマノギコ神という大天狗に師事して会得した強化形態*11
「蓄気法」という技術により、体内に蓄積した霊力を鬼の手を通じて瞬間的に放出する大砲じみた一撃を放てるが、使用後は霊力がスッカラカンになって戦えなくなってしまう。
当初はかつての鬼の手の1/3ほどの力しか発揮できなかったが、修行を重ねることでパワーアップしていき、鬼の手を遥かに凌ぐ威力を出す事も可能となった。
外見上の特徴として、手の甲に大きな宝玉が埋め込まれている。これは大天狗から卒業証として与えられたもので、気の流れをコントロールする機能を持つ。

  • フルアーマーぬ~べ~
右腕に眠鬼、左腕に覇鬼、胴部(と下半身)に絶鬼が合体した姿。いわゆるてんこ盛りフォーム。鬼の鎧と比べると頭部の変化は少なめ。
腕から眠鬼や覇鬼の頭が生えてくるのは今までと同様だが、絶鬼はよりによって股間から生えてくる。
三体の鬼の力をただ合わせただけではなく何乗にも高めており、三体の鬼が束になっても敵わなかった鬼天帝を圧倒した。
が、下手に追い詰めたせいで鬼天帝が更にパワーアップしてしまい、不意打ちの反撃を喰らって合体が解除され、鬼たちも戦闘不能となってしまった。
ぶっちゃけ下記「鬼の手NEO(三丹田)」の前座というか噛ませ犬ポジション。鬼の鎧といいフルアーマーといい、合体形態は妙に扱いが悪い気がする……。

  • 鬼の手NEO(三丹田)
通所の蓄気法では気の蓄積に使う丹田は下半身の一つだけだが、更に眉間・胸部の二つの丹田も同時に使用する荒業。
霊力を放出していない状態でも鬼天帝と正面から打ち合えるほどのパワーを誇り、ゆきめの吸気法で弱ったところに霊力放出を叩きこんで止めを刺すことに成功した。
なお天狗一族でも使いこなすのは至難の業とされており、そもそも本来は眉間・胸部の丹田はこのような使い方をするものではないため、二度とこの技は使えないらしい。

来歴


生い立ち


幼い頃は父と母の3人で暮らしており、貧しいながらも幸せな家庭だった。
父親は、金は一切取らずに善意で人々の除霊を行っていた立派な霊能力者であり、ぬ~べ~の誇りでもあった。
だが母親が病気を患い多額の治療費が必要となった際、父親はやむなく今まで助けた人々を訪ねて金を貸してほしいと頭を下げて回ったが、
行く先々で煙たがられ追い返されるばかりだった。
結局治療費を工面できず母親は病死。放心状態となった父親はぬ~べ~を祖母に預けて失踪してしまう。
その数年後、父親は「無限界時空」と名乗り、法外な金を要求して除霊を行う悪徳霊能力者として活躍するようになる。
そんな父親をぬ~べ~は「最低の男」と憎むようになり、父親とは違う“正義の霊能力者”の道を歩もうと決めた。
除霊の報酬を一切請求しない*12のもこのことに起因している。

小学生時代は、非常に高い霊能力をコントロールしきれなかった事で頻繁に霊障にかかり、その事で同級生から気味悪がられていじめの対象となっていた。
そんな彼の救いとなったのが、彼と同じ境遇を経験した恩師・美奈子先生であった。
美奈子はぬ~べ~が霊障にかかる度にハンドヒーリングで除霊をしていたが、ぬ~べ~に取り憑いた強力な悪霊の除霊に失敗し、ぬ~べ~を救ったのと引き換えに命を落としてしまう。
美奈子の存在はぬ~べ~に多大な影響を与え、彼女の死後にぬ~べ~は、彼女と同じように霊能力で悪霊から子供達を救えるような立派な教師になろうと誓った。

大学生の頃には有名な霊山を巡って本格的な霊能力修行に打ち込む。
その際にとある霊能力者と知り合い、彼に弟子入りして精神と霊力の修行に明け暮れた。
そして少女に取り憑いていた悪霊を除霊しようとしていた師匠に協力し、能力以上の霊力を発揮して除霊を成功させた。
実はこの時出会った霊能力者というのは憎んでいる実の父親こと無限界時空だったのだが、この時の時空は顔を隠していたため、
ぬ~べ~は彼が実の父親である事に気づく事なく別れた。

また、この時期に岩手のとある雪山で猟師に殺されそうになっていた幼少時のゆきめを助け、慕われることになる。

文庫版の追加エピソード「9月のレクイエムの巻」では、教育実習生としてとある学校に赴任した直後に秋山恵という生徒を霊能力教師(の卵)として初めて除霊。
強力な呪霊ながら除霊には成功したが、衰弱が酷すぎて既に手遅れであり、よりによって初めての生徒を救えず死なせてしまう経験をすることに。
理想と程遠い現実に絶望し、美奈子先生に誓った夢をあわや目前にして断念してしまうところだったが、
最期まで自分に感謝して「先生はきっといい先生になる。だから教師の夢を諦めないで」と励ましてくれた彼女の言葉に「必ず先生になって君のような子供をたくさん救ってみせる」と約束したのだった。

教師となってから


念願の教師となり3年前に童守小へ赴任してきたが、赴任して早々に自分の霊力の数百倍はある地獄の鬼・覇鬼の除霊をする事となる。
覇鬼に憑かれた女子児童を救うため臆せず立ち向かうが、あまりにも相手の力が強すぎたために除霊しようとした瞬間に左手首が吹き飛んでしまった。
力の差は歴然であり、たった2発の妖力波によって追い詰められるものの、魂を食われ覇鬼の肉体の一部となっていた美奈子先生が
覇鬼の体に干渉して動きを止めたため、すんでのところで死を免れる。ためらいながらも美奈子の協力で覇鬼を左手に封印。
そしていつか美奈子の魂を鬼から救う事を誓い、それまで彼女の魂の宿ったこの「鬼の手」で子供達を守り続けることを決意する。

そして5年3組の担任となった現在、ちょっと頼りないところはあるものの、子供達を悪霊や妖怪などから命がけで守る立派な先生に成長。
生徒達や仲間の協力を得て事件を解決したり、ピンチに陥った際には仲間達に助けてもらったりと、
紆余曲折ありながらも日本唯一の霊能力教師として活躍していく。
そして最終的には覇鬼とついに和解を果たし、美奈子の魂を解き放つ事に成功した。
またプライベートでも確執のあった父との和解と死を経て、恋人のゆきめとは結婚を果たした。

卒業シーズンを迎えたころ、九州某県*13の教育委員会から
墓地の上に建設されたため霊的地場により悪霊や妖怪が現れるようになった学校に赴任してほしいという依頼が舞い込んでくる。墓地に建てる前に調査しろよというのは禁句である
考えた末にその話を受ける事を決め、後の事を玉藻に任せる。
そして今まで自分が命を賭けて守ってきた大切な生徒達をきつく抱きしめながら、涙で本心を明かした。

かわいくないわけないだろ…

好きじゃないわけないだろ


お前たちを世界で一番愛しているから

俺から卒業してほしいんだ


お前たちはみんなもう一人でやっていける

強くなった

そして童守町との別れの日。5年3組の生徒達やこの町で知り合った多くの仲間達に見送られながら、九州行きの電車に乗り込む。
電車に乗る前に、左手にしていた手袋を卒業証書として広に渡し、最後まで生徒達の事を気にかけながら九州へと旅立っていった。

赴任先の九州でも今までとほぼ変わらず悪霊や妖怪から生徒を守る日々を送っている。
だが場所が九州という事で、生徒達からは「ぬ~どん先生」と呼ばれている(そう仕向けたのは、ぬ~べ~に着いて来た眠鬼)。


恋愛関係


物語当初は同僚の律子に惚れていたが、会う度に怖い話をしていたので怖がりの彼女からは嫌われていた。
そんな時に、学生時代に助けた雪女・ゆきめが現れ、事ある毎に彼女の猛アタックを受けるようになる。
ぬ~べ~はゆきめに内心惹かれていることを自覚していたものの「人間と妖怪が暮らすのは無理」だと考え、あえて突き放していた。
その後、妖怪に襲われていた律子を救った事で彼女からも好意を寄せられるようになるが、最終的にはゆきめに対する自分の思いを改めて自覚し、
様々な困難を乗り越えてゆきめと結婚する事となった。
ちなみに律子に惚れていた理由は、彼女の顔が憧れの美奈子に似ていたから(さらに言うと、その美奈子自体が自分の母親に似ていたから)らしい。

ゆきめと結婚後は彼女と共に九州へと赴任し、書き下ろし「さらにそれからの地獄先生ぬ~べ~」では彼女との間に6人の子供が生まれていた。

16歳設定のゆきめと恋愛関係になるのは、教師として大丈夫なのかと単行本のミニコーナーでも突っ込まれている


霊媒師いずなにおいて


本編ではそのまま九州へ転勤していったが、『霊媒師いずな』では3年前(25歳)に白虎と戦っており、その後は傷の呪いによって廃人と化していた。
だがいずながチャブクロを使って過去を改変したおかげで、本編と同じくゆきめと結婚した後に九州へと赴任していった。
年齢は28歳。
本編において、郷子が迷い込んだパラレルワールドでは、彼女たちの卒業から数年後、これまでにない強力な悪霊と戦って敗れ、廃人となって、律子に介護されながら*14車椅子生活を送る姿が描かれていた。*15
その経緯と姿は、『いずな』で描かれたものとほぼ*16同じであり、このパラレルワールドが『いずな』につながるものではないかと言われている。


地獄先生ぬ~べ~NEOにおいて


九州へ赴任して12年後。年齢は37歳。
童守町が再び霊界との接点が最も近づく「逢魔ヶ刻」へと入ったため、校長となった石川の判断で童守小学校へと戻ってきた。
年齢は37歳だが外見は12年前とほとんど変わっておらず、性格もほぼ昔のままである。
教師としてキャリアを重ねているだけあって、不登校、いじめ、モンスターペアレントなどの今時の教育問題にも柔軟に対応できるようになり、
教師となったばかりの郷子が教育現場の現実を目の当たりにして苦悩していた時には相談に乗り事態の解決に力を尽くしている。

生徒にゲンコツを食らわせる、立たせる、大声で怒鳴る、トイレ掃除を罰として強要するなどの懲罰的な指導は今の時代では問題視されやすくなったためやらなくなり、
ベテランらしく、生徒たち1人1人の置かれた境遇と気持ちを重視して腰を据えた指導を行うようになった。

ただし、美樹の姪っ子であるイタズラ者の茉莉に対しては「特別待遇」として昭和のやり方でガンガン叱りゲンコツを食らわせている。
昭和時代に教師やってたのかは突っ込んではいけない

身の回りで起きる悪霊による事件を解決していくうちに、今回の逢魔ヶ刻は人為的に起こされていた事を掴む。
そしてカルラとの戦いで宗教秘密結社「ヴィムク」の存在を知り、彼らの動きに注意しつつ生徒達を闇の脅威から守り抜く事を決めた。
その後ヴィムクの陰謀に巻き込まれていき、大羅刹鬼天帝降臨をもくろむ謎の存在地獄人との戦いに挑むことになる。

前回の終盤でゆきめと結婚していたが、現在は以前と同じく1人暮らしをしている。
それはゆきめが不治の病「霊力病」にかかってしまったからで、強い霊力を持つ人間が側にいるだけで彼女は死ぬ恐れがあった。
そのためぬ~べ~は彼女の命を守るために離れて暮らす事を決めるが、いつか再び一緒に暮らせる日が来ると信じ、日々解決策を思案している。
前述の通り鬼の手NEOはエネルギー切れが欠点だがこのことに関しては好都合で、霊力をカラにすることで一時的に近寄れることがわかり、
現在は週に一度ゆきめとスカイプをし、たまに彼女と直接会ったりしている。今のところ子供はいないが、12年前に偶然生まれたゆきベーを息子同然のように可愛がっている。
ちなみに前作で散々苦労したゆきめとの極寒共同生活は、長年一緒に暮らしているうちにすっかり慣れてしまっている。
また、ゆきめが前作最終巻の後日談読み切りで始めていたかき氷屋はこの12年でアイス会社として大企業に成長しているが、
貧乏が身に染み付いてしまっているため、現在も以前と変わらず貧乏生活を送っている。


その他


連載初期は
「普段は実力の30%しか発揮できずよく除霊に失敗する一方で、生徒を守る際には100%の力を発揮する」
という設定になっており、鬼の手の存在はおろか霊能力の事すら過去にぬ~べ~の除霊を受けた経験を持つ郷子以外の生徒に全く信用されていなかった。
その中で、妖怪や霊に襲われた生徒がぬ~べ~の真の力を目の当たりにして驚きつつ信頼を寄せるようになるというのが初期3話までの共通の流れだった。
しかし4話以降は自然消滅的にこの設定が持ち出されることはなくなり、話が進むにつれて生徒以外にも守る対象が広がっていったこともあって、
「優れた腕前を持つ頼れる霊能力者」というキャラクター像で描かれていくようになった。

霊能力での人助けについては上述の通り、利他主義を貫き無償の奉仕に徹しているが、いずなと初めて出会った時に
「霊能力で金を稼いで大金持ちになる」という夢を聞いた際には肯定的に受け止めて自分の主義主張を押し付けるようなことはせず
「ならなおのこと修行をやり直すべきだ」と進言までしている(「そんな未熟な霊能力で金をとるとは厚かましい」とも)。
霊能力を利用して悪辣なやり方で儲けることを批判しているだけで、霊能力の人助けで対価を得ること自体は否定しないスタンスのようだ。

実は一度だけ神様の決めた寿命により心臓発作で死亡している。
だが彼の死後に現れた妖怪「あぎょうさん」の「なんでもうそにしてしまう」という能力により、うその力で玉藻やゆきめですら勝てない無敵の妖怪と化したあぎょうさんを前に絶望した広の「ぬ~べ~はもう死んでこの世にいないんだ!!」という言葉を「うそ」にしたため、奇跡的に生き返る事となった。
ある意味命の恩人であるあぎょうさんはこの後ぬ~べ~に瞬殺されました。
ドラえもんかよ。


名前の由来は、映画『悪霊島』のキャッチコピー「鵺の鳴く夜はおそろしい」からで、外見は『装甲騎兵ボトムズ』の「キリコ・キュービィー」と『ブラック・ジャック』の「ブラック・ジャック(間黒男)」がモチーフとなっている。
美味しんぼ』の「山岡士郎」のイメージも少し入っているらしい。
これらのキャラは、いずれも父親(あるいはそれに相当する存在)と確執を抱えており、またキリコやブラック・ジャックとも恋人と悲劇的な別離を経験しているという共通点がある。
ぬ~べ~の場合は父親の方がブラック・ジャックのように法外な金額を請求しているわけだが

連載前の読み切りの段階では「ぬ~ぼ~」という名前であった。
だが連載が決定した時に担当編集者が「ぬ~ぼ~というお菓子がある」と指摘されたため「ぬ~べ~」と変更された。




我が左手に封じられしアニヲタよ

追記・修正する今こそ その力を…示せ!!


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最終更新:2024年01月14日 07:21

*1 当の律子にも好意を持たれる以前、「しまりのない顔をして私の胸やお尻ばかり見ていた」と辛辣な評価を下されていた。

*2 「陽神明」モードの時は感覚の違いから動揺してしまったこともある。

*3 ただし、相手側から報酬(作中描写されたのは協力のお礼としてもらったカステラやピザなど)を掲示された場合はちゃっかり受け取っている。あくまで自分から報酬を要求することをしないだけである。

*4 次の打ち止めの台を霊能力で確実に当てたり、当たりやすい台をサーチしたりと、やることがセコイ。後者は兎も角前者は言うまでもないがパチンコでは禁止されている類の行為である。

*5 ただし寄生虫摘出の実験を兼ねてクレーンゲーム台を破壊していることは留意してほしい。味を占めたのか後の話でこれを再びやっているのだが。

*6 霊力が極度に下がる日

*7 迷子になっていたいずなのくだ狐を預かっていた際に生まれた。鬼の妖気を吸収したせいか鬼の手模様

*8 このとき使った封印の術は、何故かフュージョンのポーズを取っていたりする。

*9 おかげで覇鬼と和解できたが。

*10 美奈子の封印で使用していた時は10%の出力なので、その頃と比べても十分の一の威力しか無いことになる。

*11 強化元が劣化バージョンなので、純粋な強化形態とは言い難いが。

*12 上記の通り、あげると言われたものは貰っていくが自分からは決して要求しないスタンスで除霊の仕事をしている

*13 後日談の描写から長崎県と思われる

*14 この世界線では、ゆきめは山から帰ってこなかった。なお、リアルタイムで翌週のエピソードにてゆきめが帰ってきた。

*15 戦いの負傷で右目と右手を失った上に全身麻痺の状態という悲惨な姿であった。アニメ版では欠損こそしていないものの、右目に大きな傷跡があり、老人のような白髪になっている等、こちらもこちらで悲惨である。

*16 『いずな』では5年3組の担任中に負った傷が元であり、枕返しの回の「郷子たちの卒業から数年後に悪霊との戦いで重傷を負った」という話とは微妙に異なる