神(DQ)

登録日:2018/06/14 (木) 01:52:07
更新日:2024/02/09 Fri 20:05:45
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わしはお前たちが探していた神さまじゃよ。





概要

本項目では、『ドラゴンクエストシリーズ』に登場する神について解説する。
基本的に人間や魔物・精霊より高位の存在として登場する。

現実の世界同様にドラクエの神には幾つか種類があり、世界を創造した創造主としての神、
世界や物質の管理者としての神、力が神の域に達しているので神と呼ばれる肩書きとしての神など、様々。

どのような種類の神であっても『神』と呼ばれるだけあって、創造や世界を見通す力に死者蘇生など、その力は人知を超えている。
しかし単純な戦闘力は魔王や勇者に一歩劣る事が大半であり、神が魔王と対決すると封印するのがやっとである。


シリーズ共通の「神」

ドラクエシリーズの大きな謎の1つが、各地にある教会で信仰されている神とは何者なのかという事である。
教会には十字架が飾られているので、恐らく「その昔十字架にかけられた、何らかの神的な存在」が居たのではないかと思われるが、
劇中では具体的な教義については何も語られないので、その実態は不明。
神父やシスターが言う『神』が、作中に登場する神の事なのかすら良くわからない。
祈りを捧げると毒や呪いが消えたり死者が蘇ったりするあらたかなご利益があるので、教会と何かホーリーな存在になんらかのコネクトがあるとは思われるのだが……。

この他、『風神の盾』や聖水といった道具にも神に関する記述がある。
しかしこれらの神々は世界に危機が訪れても無反応だし世界中を巡っても出てこないので、おそらくは人間の創作神話の神々なのだろう。
もしくは危機に対応出来るほどの力を持っていないか、DQ7のように自然現象は本来精霊が担当するのに、人間が勝手に神にまで格上げしてしまったか。DQ8のレティスみたいな。

なお国際展開にあたっての宗教的な配慮から、DQ8からは教会のシンボルが十字架から燭台か三叉矛のような形に、
DQ9以降は円と逆Y字を組み合わせたような名状しがたい形状に変更された。
神的な存在の死因がヤリによる刺殺や車裂きに変わってしまったのだろうか……?



歴代の神々

魔物側で神とされているキャラクターの名前はなんかしら実在の神話の神様をモチーフとしている。

ゲーム中には登場しない。容量少ないから仕方ない。
FC版の説明書によれば本作の聖水は満月の夜に銀のひしゃくですくった泉の水を、『光の神アウラ』の祭壇で清めたものとされる。
アウラが実際にいるかは不明だが、少なくともアレフガルドのどっかにアウラの祭壇があるのは間違いない。

サブタイトルが悪霊の神々なので神々が登場する。代表格はラスボスである破壊神シドー
他の神々は何処にいるか長年曖昧だったが、近年アトラス、バズズ、ベリアルの
三体の悪魔たちが『悪霊の神々』というグループ名で出てくるので、ハーゴンが召喚した神々であったことが判明した。
このアトラス達はいずれも実在の神話や伝承がモチーフ。見た目もそれっぽいデザインを与えられている。

他にもFC版の説明書ではイオナズンは啓示のため、メガンテは善の心を与える為に天上の神々が使っていた呪文とされている。
そのため設定では悪霊の神々以外の善の神々がいると思われる。前述のアウラもその一柱なのかもしれない。

また、本作とⅢには、Ⅰ~Ⅲの舞台であるアレフガルドとその周辺の大地を創造した存在として「精霊ルビス」が登場する。
世界をまるごと作ってしまうなどその所業は明らかに神の域に達しており、
劇中でも神に等しい信仰を受けている様子もあるが、一貫して「精霊」と呼ばれており『神』であるかはどうかは特に描写されていない。
だが小説や『アイテム物語』、CDシアター等では「精霊神」ルビスと呼ばれており、小説版Ⅲでは天上界からやってきた『神』と明言されている。
『精霊ルビス伝説』によると、本名は『ルビス・アピスト・カリクティス』であり、かつては神ではなく一介の炎の精霊だったらしい。
これらの書籍には、ルビスの他にも主神ミトラ、大地と炎の神ガイア、太陽神ラー、月と英知の女神ミネルヴァ、戦士の長マルス神といった、様々な神が登場する。

竜の女王が『神の使い』。ラーミアが『神のしもべ』と呼ばれる。
リメイク版では天界を治めている神竜が登場している。竜の女王が仕えていた神は彼だろう。
リメイク版では「命名神マリナン」が後の作品から逆輸入されている。

天空城にいながら世界を管理している竜の神・マスタードラゴンが登場。
過去にエスタークを封印したり、勇者のことを人間に伝えたりしている。
また、デスピサロ配下の結界の祠四天王のうちアンドレアルは悪霊の神々同様ソロモン72柱が名前の由来。小説版だとベリアルにされた。
雑魚敵のサブナックも同じくソロモン72柱から取られている。

引き続きマスタードラゴンが登場。
エルヘブンの民が信仰し、魔界にミルドラースを封印した神とは彼の事。
また光の教団が崇めている神というのはミルドラースの事。
また、ドラクエⅡからバズズが登場。シドーやアトラス達もⅤの魔界から召喚されたのだろうか。
ちなみに悪霊の神々の下位種のモンスターは全員本作に登場している。(アークデーモンのみDS版以降から登場)

命名神マリナンに仕えている人が初登場。
マリナンに祈りを捧げる事で、主人公や仲間キャラクター、そしてなぜかふくろの名前を変えることができる。
が、ゲントの村のすぐ近く……の海底にある『命名神の祠』という分かりにくい場所に居るため、気付かない人も多数いたとか。
以降、キャラクターの名前を変更できる作品には「命名神マリナンに仕える神官」が必ず登場している。
ちなみに袋の名前を変えると「物に名前をつけるなんて素晴らしいこと」と褒められる。

他にも裏ボスとして破壊と殺戮の神ダークドレアムも登場した。
漫画版ではデスタムーアが魔物を創造したため魔物の神と呼ばれている。

なお、本作にはアレフガルドがないのに精霊ルビスも登場している。
また神の使いとも言われるゲントの民は神を信仰し『神の船』なるものを所有している。
チャモロは神からの言葉を聞いて仲間入りを決めている。
この声の主はルビスの可能性が高いので、ゲントの民がいう神はルビスの方なのだろうか。

今までは神の一柱とか管理者としての神だったが、今回は世界の全てを創造したという、そのまんま「神さま」が登場。
かつて魔王と戦い相打ちになったため、回復のために自らを封印したと伝えられているが……。

他にも炎の精霊エンゴウの人たちから炎の神と崇められている。
ついでに6から引き続き命名神マリナンも続投。魔王との戦いに参加していた様子はないが、何をしていたかは不明。
というより神話すらないので神さまとどういう関係なのかも分からない。
そもそもマリナンに戦闘能力があるのかすら不明。

主人公らが住む光の世界とは対となる闇の世界を司る暗黒神ラプソーンが登場。
神鳥レティスも登場しているが、彼女の正体はラーミアなので神ではないらしい。人々が神鳥と呼んでいるだけ。
光の世界の神は作中出てきていないが、代わりに竜神族がいる。

世界の全てを創造した創造神グランゼニスと娘の女神セレシアの親子神が登場。
また、ダーマ神殿では「ダーマ神」が祀られている事が明らかになっている。
考えてみると、ⅢとⅥとⅦのダーマ神殿は神殿なのに何が祀られているのか良くわからない存在だったので、妥当な設定なのではないだろうか。

邪神の類としては、ガナン帝国時代に封印された古の魔神が登場。

また別の宇宙から破壊神フォロボスと破滅の女神フォロボシータという神々が世界を壊しにやって来た。
この2柱は魔空5兄弟と呼ばれる集団の一部で、フォロボサーン、フォロボシータ、フォロボス、フォロボセ、フォロボッソという5柱の兄弟から成り立つ。
それにしても名前が安直すぎやしないだろうか。
この中ではフォロボスが最強なのだが、諸事情で封印されていたため勝手にフォロボシータが最強を名乗っていた。
実際ステータスはフォロボスの方が上である。

ダーマ神殿の大神官が女神の果実を食べ魔物化した際には「魔神ジャダーマ」を名乗っていたが、これが本当に神に類するものなのかは話半分に聞いておくべきだろう。

ちなみに黒竜丸、スライムジェネラル、ハヌマーン、イデアラゴン、 Sキラーマシン、
ブラッドナイト、アトラス、邪眼皇帝アウルート、怪力軍曹イボイノス、魔剣神レパルドの10体はそれぞれ分裂したグランゼニスの体の一部という。
アウルートはグランゼニスの眼、ブラッドナイトは血、ハヌマーンは頭、レパルドは腕から生まれ落ちた存在で、他は不明。

アストルティアを創造した光の女神ルティアナが登場し、グランゼニスも名前だけ続投。*1
滅びつつある『とこしえの揺り籠』と呼ばれる世界の神から創造の力を託され、旅に出たという神話が残されている。*2
さらにルティアナはナドラガ・エルドナ・ガズバラン・ワギ・マリーヌ・ピナヘト・グランゼニスの七柱の神々を産んだという。
これらはそれぞれの種族に対応する「種族神」であり、それらが下界に顕現する際の依代となる「神の器」も世界のどこかに存在している。*3
しかし、そのうちナドラガは大いなる闇の根源との戦いで消滅したルティアナの後継者争いで他の六柱と対立し、あろうことかその闇の根源と手を組んだために封印されている。
ver.6ではアストルティア創世期の混沌とした時代のナドラガとエルドナが登場。

その大いなる闇の根源の真名は「異界滅神ジャゴヌバ」ということがver.5*4で明らかになっており、
こちらもダビヤガ・ジュネイラ・ヴァニタトス・ヤファギル・ピュージュ・ガルザンド・メゴーアの七柱の邪神を生み出し配下としている。*5
これらの邪神に侵攻を任せつつジャゴヌバ自身もちょくちょく魔王に手を貸しており、
冥王ネルゲル→冥獣王ネルゲル、大魔王マデサゴーラ、虚空の神ナドラガ→邪竜神ナドラガと様々な魔王の変身の際に出てくる黒い手の正体はこいつである。
ただしマデサゴーラの治める魔界や偽レンダーシアも、ナドラガの治めるナドラガンドも、ジャゴヌバからすれば「滅ぼすべきアストルティアの一部」でしかないため、これらに手を貸したのは同士討ちを狙ってのものと推察される。

…が、そのジャゴヌバという名すら偽りの名前であったことがver.6で判明しており、その本当の名は「ジア・グオヌバ」だという。
アストルティアとは別の世界から来た宝石のような生命体「ジア・クト念晶体」の一体であり、グオヌバはルティアナがジア・クトに対抗する術を生み出す前にアストルティアに到着していたために戦争に発展した、ということが発覚した。
ジャゴヌバの名前もジア・グオヌバが変化したものということは見て明らかであるが、本人がジャゴヌバと名乗っているあたり真名に拘りはないのかもしれない。
この時の戦いで魔瘴に汚された地域はルティアナにより切り離され魔界となった。
また、ジア・クト念晶体のカケラは一切の違和感を与えずにジア・クトを利する行動を取るよう洗脳する都合のいい特性を持っており、魔界のモンスターが全て持ち合わせている反アストルティア思想や、ナドラガがジャゴヌバに手を貸してしまったのもこの特性が原因とみて間違いないだろう。

これら創造神と邪神の戦いとは特に無関係な存在として「時元神キュロノス」もいる……が、どちらかといえばこれは「自称・神」といった方が正しい。
一応、覚醒の過程でナドラガの心臓を取り込んではいるため、力だけ見ればれっきとした神なのだが。

また、前作から引き続きダーマ神も登場。他世界から来たようであり、グランゼニスとは友人の関係にあったとのこと。
グランゼニスが姿を消す際に遺した「神の緋石」のうち一つをダーマに託していた。

アトラス・バズズ・ベリアルに「悪霊の神々」の名がついたのもこの作品。
またソロモン72柱からアスタロトが登場。

本作の舞台となるロトゼタシアが誕生する前に存在した闇の世界を司る邪神ニズゼルファと、その世界にも存在した時間を見守る時の守り神の二柱。
そして他所の世界からやって来た聖竜が変化した命の大樹は、ロトゼタシアの民から神のような存在として崇められている。
ニズゼルファと時の守り神の魂は共通してヨッチ族の姿をしている。逆に他所から来た聖竜の魂は巨大な光球である。

ニズゼルファの名前の由来は世界樹ユグドラシルの根を齧り続けるニーズヘッグとする説がある。
このニーズヘッグは「うずくまるもの」という意味があり、まさにニズゼルファの作中の行動にぴったりと言えよう。悪い意味で。
また、このニーズヘッグは氷の国ニブルヘイムに住む黒龍とする説もあり、こちらは直属の配下魔竜ネドラが担当している。
ということはこの魔竜はニズゼルファの体の一部とかだろうか?
よく出来た話である。

また、中盤戦うフールフールはソロモン72柱の1体フルフルが名前の由来。




追記・修正は神を信仰してからお願いします。

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最終更新:2024年02月09日 20:05

*1 DQ9のグランゼニスと同一存在なのか、同名の別人なのかは不明だが、ver.6でDQ9の出来事が歴史上のものと語られ、ver.6.4の内容を踏まえると名前だけ借りた別人の可能性が高い

*2 確定ではないが、プレイヤーの間ではとこしえの揺り籠はDQ9の世界ではないか?とされている。

*3 ナドラガとグランゼニス以外の種族神はver.1の転生の間の像として姿が、ドルワーム水晶宮の本棚で名前が判明している。神の器云々が発覚するのはナドラガがラスボスとなるver.3での出来事

*4 厳密にはver.3.5後期(オフライン版ではver.2に前倒し)のクエストで先行して判明している。本編ストーリーで真名呼びに切り替わるのはver.5から

*5 ガルザンドとメゴーアは作中未登場