THE スナイパー(ゲーム)

登録日:2018/06/03 Sun 02:00:21
更新日:2022/04/23 Sat 21:53:24
所要時間:約 8 分で読めます




『君は闇の向こうに何が見える?』


SIMPLE1500シリーズ56『THE スナイパー』は01年3月22日に発売されたPS用ソフト。
ジャンルは池田秀一スナイプシューティングゲーム。

発売はD3パブリッシャー、開発はSOL、ベストメディア

【ハローハリーシーエーヨコンカイノシゴトヲオツタエスルワ】

以下はネタバレあり。

SIMPLE1500シリーズとして発売されたオリジナルゲーム。
テーブルゲームや簡素なスポーツゲームの様な定番タイトルが多いSIMPLEシリーズの中では珍しい、独立したゲームとして発売されたタイトルの一つである。

主人公たるスナイパーが指示に従い、次々とターゲットを仕留めていくという『ゴルゴ13』風の内容で、お手軽にスナイパー気分を味わえると勘違いした層に購入され、12万本を売り上げるスマッシュヒットとなった。

このため、後にPS2のSIMPLE2000シリーズで『THE スナイパー2』が発売されてしまっている。

……そのため、以前はそこそこに売れたゲームと認識され、そこそこに楽しめるゲームという程度の認識までがされていたそうだが、ネット世代以降は本作の色々な意味で残念だったりハイセンスな要素が有名になり、そこそこ遊べるのは確かなのだが、それ以上にネタゲー、愛すべきクソゲーとしての評価が高まっている。

尚、ジャジーなBGMは普通に格好いい

【ハローハリーシーエーヨヤツラノコトヲツタエテオクワ】


『ハリー・C・スペンサー』は、元消防隊員だった。人命救助においては、署内屈指の成果を挙げていた。

ー 二年前の十月 ー

ハリーは、ダウンタウンにある倉庫での火災消火活動中、倉庫内で倒れているイングヴァルト夫妻を発見した。

夫の『カール・イングヴァルト』は、偽札の原版と思われる物をハリーに手渡し、そこで息絶えた。婦人はすでに死亡していたが、夫妻に守られるように抱き抱えられていた、一人娘の『メリッサ』にはまだ息があり、ハリーの活躍によって救出に成功した。・・・しかし、彼女は意識不明の重態であった。

親友でもある女刑事『グロリア・シルバーバーグ』に、偽札の原版について相談を持ちかけるが、他の警官の邪魔が入り、事件はもみ消されそうになる。

妨害工作を受けながらも、ハリー達は捜査を続け、告訴の準備に入る。だが、ハリーに対する嫌がらせや、妨害工作は日増しに酷くなっていった・・・。

この状況に危機感を抱いたハリーは、婚約者の『クレア・アンダーソン』を「N・Y」の友人宅へ預けることにする。
クレアを送り出した一週間後、告訴の準備が整った。が、まったく同じ日、リンカン公園付近のミシガン湖湖底から、クレアの遺体が発見されるのだった。

ショックを受けるハリーに追い討ちをかけるように、消防署から解雇を宣告される。グロリアは解雇を免れたものの、警察内部での影響力をすっかり失ってしまった。

行き場を失ったハリーは街を離れ、事件の真相を調べ始める。事件を調べるうち、偶然にも『カールの友人』*1を名乗る人物と接触する事になり、陰の首謀者の存在に気付く。
クレアの死が事故でない事を知り、陰の首謀者に復讐を誓うのだった。

元傭兵という彼の元で、戦闘技術の訓練を受ける日々が始まる・・・。

それから一年後、ハリーはこの街に舞い戻ってきた。
誰にも止めることの出来ない復讐心と共に!!


【ハローハリーシーエーヨダカラッテアカイスイセイデモスッチー(死語)デモナイワ】


■ハリー・C・スペンサー
演:池田秀一
渋いイケボの有能な消防隊員転じて、一流の狙撃手となった主人公。
消防隊員時代から鍛え上げた肉体は健在で、アジトでは床オナしている場面もある。*2
声だけ聞くとクールだが豪胆な性格で、一方的に自分の素性を知る正体不明のクライアントにアジトを知られ、自分のミスで女刑事に近所まで尾けられても引っ越そうとしない程。
復讐の先に彼が見るものとは……?

■クレア・アンダーソン
ハリーの婚約者。
明るく美しい人であったが、ハリーのせいで死亡。
後の展開を考えると元警官か元FBIか元CIAか或いは軍人か何かじゃないと説明がつかない。

■グロリア・シルバーバーグ
演:池田雪乃
敏腕女刑事。
……だが、ハリーに持ちかけられた偽物事件を追い、告発に失敗してしまったことで現在は身動きの取れない状況に。
ハリーとは制止を聞かずに火災現場に飛び込んだ彼と大喧嘩をして以来の親友という設定がある。ゲーム内ではさっぱりと解らないけどな!
物凄く重要人物っぽく設定されているがゲーム中では壊滅的に出番が少ない
ローポリなので表現し切れてないがイメージイラストからモデルはこの人だと思われる

■スタンリー・ジョーンズ
演:大原崇

■ガブリエル・アミテージ
演:菊池銀次郎

■アビー
演:堤悠紀子

■マフィア
演:田中天

■C・A
演:千葉道子
もしかして→シャア・アズナブル
ハリーに復讐相手であるイタリアンマフィアの幹部の居場所を次々と教えてくる謎のクライアント。
凄まじく舌っ足らずで聞き取り難い声からすると少女のようだが、まだ経験が浅いとはいえ、一応は裏社会の人間であるハリーに一方的に接触し、警察に尻尾も掴ませずにマフィアの詳細な動きを伝えてくる。
その癖、ストーリーの途中でハリーに復讐はいけないとか言ってくる。……お前がやらせとるんじゃい!

■マフィア
名前からイタリア系なのが解るハリーのターゲット達。
ローポリながら、ちゃんと外見には個性を付けられているのは評価してあげたいポイントである。

【ハローハリーシーエーヨツギノターゲットガキタワ】


ゲームは全8話で、毎回池田秀一の渋い喋りが聞けるプロローグ→OP→ゲーム本編→池田秀一の演技が光るエピローグ→ED→プレイヤーの知らない所で盛り上がってる次回予告……の順番である。

池田秀一の演技は素晴らしいが、彼に絡む二人の女性の演技が拙く、特にゲーム中での台詞が多い方のC・Aの演技が酷く、池田ボイスとの落差が笑いを誘う。

肝心のゲーム本編があっさりと終わってしまうこともあってか、池田秀一の声を聞いてる時間の方が長い有り様である。

難易度は低く、初プレイでもダラダラやってれば一時間もかからずエンディングを見れる程度のボリュームしかない。
慣れてくると三周目までの完全周回でも数十分で行けるレベルである。

ゲーム内容は初代PSの頃であることや、SIMPLEシリーズであることを抜きにしても作り込みが足りないと言われてしまっている。

グラフィックがこの時代にしてもショボいのはともかく、照準の付け方が大雑把だったり、何よりも弾丸のスピードが異常に遅いことが思わぬストレスを呼び、プレイヤーの感覚を狂わせることになる。

このゲームではスナイパーを題材にしたゲームには付き物の“照準のブレ”は存在しないのだが、その替わりに難易度を上げる為に設けたと予想されてるのが弾の遅さで、ゲーム内の中距離以上の射程だと着弾までに3秒以上もかかる程の誤差が生じてしまう。

この為、単に歩いている相手を仕留めるのも難しくなっており……いや、難しくはないのだけれど想像以上に相手の動きの先を狙って引き金を引かねばならないので、慣れたくもないのに慣れが必要となる。

こうした要素から、第7話が一番ストレスが溜まるステージだと思われる。

また、前述のように照準の付け方が粗く*3、スコープの動きも早く出来ないので、動かしながら相手を探すのも困難だが、ターゲットは三周目を除いては同じ場所に出現するので、出現位置さえ覚えてしまえば探す意味すら無くなってしまう。

……というか、街の中に人影が異常に少ないので、三周目を除いてはターゲットの姿を見つけるのはそんなに難しくない。

一応、時間帯や狙撃位置も変えられたりするのだが、初期設定で問題なく行けるので選択の意味が無い。


【ハローハリーゾクヘンデアイマショウ】


※エンディングの超展開は賛否両論……というか、ぶっ飛び過ぎてて理解不能という反応のが多いか。

※弾の遅さは『THE スナイパー2』にも確りと引き継がれている。

※開発者インタビューから池田秀一ファンが池田秀一ありきで作ったらしく、ゲームその物の評価も池田秀一頼みなので、似たような評価の『ノット トレジャーハンター』と比べられたり、一緒に括られることが多い。

※『CONTINUE』誌のクソゲーオブザイヤー2001を取得している。ただし、後のKOTYとは違い、ネタゲーとしての評価を受けての選出であるとのこと。




ハローハリーシーエーヨツイキシュウセイヲタノムワ

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最終更新:2022年04月23日 21:53

*1 説明書では『ミューラー』という名前が載っているが、この程度の情報も盛り込めなかったのだろうか?

*2 勿論、本当は腕立て伏せなのだが、腕よりも腰をせっせと振っているモーションなので床オナにしか見えない。

*3 銃を構えてない状態では“そっちを向く”程度しか出来ず、しかも銃を構えた場合、そっちの方向なら“ここから”といった感じで必ず同じ位置からしかスコープが向かない。