エロ地名

登録日:2018/05/30 Wed 13:43:49
更新日:2024/02/06 Tue 18:33:39
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「エロ地名」とは、なんの因果か卑猥な意味にもとれる名前を与えられてしまった悲劇の土地である。


■概要

世界は広い。

地球上には国連加盟国だけでも実に196ヶ国もの国があり、そしてあまねく地域に76億もの人々が暮らしている。
言語の種類も多種多様だ。一つの国に複数の違う言語集団が暮らすことも珍しいことではない。
例えば、歴史的に様々な地域の民族が栄えては滅びを繰り返してきた中華人民共和国では、いわゆる「中国語(漢語)」を含め40以上もの言語が使われている。
一説では、世界には6900種類もの言語が存在すると言われている。

当然それだけ多くなれば、無数の単語の中には偶然発音が似てしまう物も出てくるのだろう。
一例を挙げると、英語の「SO」と日本語の「そう」は発音が同じばかりか意味も類似している事がよく冗談めかして言及されている。

そしてどういう因果か、ある言語では特別な意味を持たないが別の言語で卑猥な意味を持つ単語(あるいはそれに似た発音)の名前になってしまった土地が存在する。


なお、話のタネにするくらいならば良いが、あまり侮蔑的な文脈で使うのは特定の国家や民族に対するヘイトスピーチになりかねない。
地名には国家や民族の歴史などが反映されていることも多く、おもしろおかしくネタにすることを嫌悪する人々がいることはよく留意しておこう。


日本

  • 漫湖(まんこ)
沖縄県那覇市と豊見城市にまたがる干潟。干拓される前は立派な湖だったそうで、中国から来た冊封使がその偉容を称えて名付けたんだとか。
誤解のないように記述しておくが、「漫」には「広い」「一面に広がる」といった意味がある。
ド直球過ぎる名前で、度々珍地名として話題に上る。

意味深な名前だが、何のことはない辺鄙なローカルバス停である。

  • 乳頭山
ド直球の名前。由来も正直で、秋田県側から見ると乳房を伏せた形に見えるかららしい。*1
付近には乳頭山の名前から取った乳頭温泉郷等の観光地が存在。
硫黄・ナトリウム・ カルシウム塩化物・炭酸水素等を含んだ白濁(意味深)した温泉が湧き出している。

  • 尻毛(しっけ)
岐阜県岐阜市にある地名。尻毛の名前を冠した駅も存在し珍地名マニアの間では有名だったが、駅の方は残念ながら2005年に廃止されてしまった。
意味としては、近くを流れる伊自良川によってできた湿地とのこと。

  • 珍小島(ちんこじま)
北海道虻田郡洞爺湖町にある小島。
洞爺湖上にあり、湖岸と地続きの陸繋島となっている。

  • 千葉
中国語で「チ◯コ」を意味する「(チー)(パー)」という言葉に聞こえるらしい。
日本語の地名が逆に海外で卑猥な意味に誤解されるパターン。

  • 熊本
スワヒリ語で「発情したマ◯コ」という、下品極まりない意味の言葉と発音が酷似しているそうな。

  • 忍辱山(にんにくやま)
奈良県奈良市忍辱山町にある山。
町ぐるみで山で忍びを辱めてあんなコトやこんなコトをする……というわけではなく、
そもそも「忍辱」という単語は「忍耐」と同義語である。チ○コになんて負けたりしない!
ひらがなにするとなんだかキツい臭いがしそうだが、これも辱めているわけではない。こんな…匂いなんかで…!
「忍辱」という言葉は「波羅蜜」に記されているほどの古い単語で、ブッダも使っている。おお、ブッダよ!忍者を辱めていたのですか!

  • 中開発(なかかいほつ)
富山県上市町の一地区。
前述の「女体入口」の隣にありそうな名前だが、残念ながら県からして別である。
よく見ると、「開発」は「かい《ほ》つ」と読むのが正式だが、大体「かい《は》つ」と読まれる
かつては「開拓」と同様の意味で「開発」という言葉が使われており、北陸ではよく地名になっている。つまりは鬱蒼とした茂みを強引に切り開いてできた開拓田の中心部という意味の地名である。
「開発」という言葉は某有名タレントの本名の苗字としても話題になったが、この中開発ではないにしろ、開発とつくいずれかの地名に由来する苗字と思われる。

  • 阿蘇(あそ)青梅(おうめ)
この言葉単体では日本語は当然のことながら、外国語でも全くのエロい要素はない。
しかし、笑福亭鶴光の手にかかると途端にエロ単語の一部と化すのである。
「阿蘇国際マラソン(あそこくさい―)」「青梅国際マラソン(おうめこくさい―)」というネタは一度は耳にしたことがあるだろう。

  • 辺野古(へのこ)
ニュースでしばしば聞く地名だが、「へのこ」とは仙台弁で「男性器」を指す方言でもある。「へのご」と発音されることも。
テレビで連呼されているのを聞いて複雑な思いをする人もいるとか。


■アジア編

  • 珍宝島(チンポータオ)(中国)
ウスリー川中流域にある小島。
中国とロシアの国境付近にあり、かつては帰属問題をめぐって中ソ国境紛争の火種になったことも(珍宝島事件)。
現在は中国の黒龍江省に帰属するという事で決着している。
因みにロシア側では「ダマンスキー島」というそうで、こちらもなかなかアレなネーミング。

  • 鏡泊湖(チンポーこ)(中国)
上記の「珍宝島」と被るが、中華人民共和国黒竜江省寧安市にある湖。北朝鮮との国境にほど近い位置にある。
実際には「ジンポーフー」と言った具合の発音になるらしい。ふぅ…
ちなみにこの地名は土星の衛星タイタンにもある。*2

  • 双乳峰(中国)
中華人民共和国貴州省黔西南プイ族ミャオ族自治州貞豊県にある山々。
周辺一帯にずんぐりむっくりとした独特な形状の山がたくさんあり、このように見えることからそのまま名付けられたという。「エロ地名」どころか「エロ地形」である。乳首らしい先端まである。
周辺は観光地として整備されており、プイ族の方々は大地の母とか生命の源として崇めているとか。こんなの見たらそりゃ崇めるわ。
これを活かして貞豊県で観光大使を選ぶ「中国一の巨乳を探せ」という企画が行われたが、スレンダーな美女が優勝して問題になったことがある。中国がおっぱい不毛の地ということはない……はず。

インドネシア共和国バリ州バンリ県キンタマーニ郡の村。
「キンタマーニ犬」というが名物。

  • パンティ山
マレーシアのジョホール州にある山。周辺はキャンプ場や観光農園なども整備された観光スポットとなっている。


■ロシア・東欧編

  • Якиманка(ヤキマンコ)
ロシアのモスクワにある地名。
厳密には「ヤキマンカ」と発音するのが正しいらしい。
かつて在露駐日大使館をここに移設する計画もあったらしいが、日本側が名前がアレすぎて固辞したためご破算になったそうな。
ムダ知識を紹介するテレビ番組『トリビアの泉』でも取り上げられた。


■中東・南アジア編

アラビア半島東端に位置する絶対君主制国家。
「オマーン(こく)」とも表記され、その際どい名前から「オマーン国際空港」「オマーン港」「オマーン国際女子マラソン」などの下ネタに使われるはめになった可愛そうな国。
無論上述の国際空港などは架空の地名・名称である。なお、これもアラビア語では「ウマーン」と発音するそうな。
なお、昔は現在のバーレーン付近までオマーンの王様の支配圏だったため、現在のアラブ首長国連邦もオマーンの一地域とされ、イギリス保護領時代はこっちをアラビア半島東端の国と区別して
「オマーン休戦土侯国(Trucial Oman Sheikhdoms)」と呼ばれていた。

  • マンジル
イランに実在する都市名。
ヨルダンにも同名の地名があるらしい。


■南北中央アメリカ大陸編

  • オマン湖
カナダに実在する湖。
どういう訳か、サスカチュワン州とノースウエスト準州の二ヶ所に同名の湖がある。
さらにはオンタリオ州には「オナマン湖」なる湖も実在。マニトバ州には「マンコ湖」まで存在している。
挙げ句の果てに前述のオンタリオ州には「チン湖」まで実在する。
「マンコ湖」はチリにも同名のものが実在する。

  • マン湖
アメリカ合衆国オレゴン州に存在する湖。「ノドキリマス」が名物だが、外来種問題で存続が危ぶまれているらしい。

  • インカ・マンコ・カパック国際空港
ペルーにある空港。名前に反して国際線が発着する事実はない。
神話に語られる建国の神王の名に因んで名付けられた。
なお、インカ帝国時代の首都は「クスコ」であり、現代のペルーの地名「クスコ県」の由来でもあり、国内有数の都市でもある。


■アフリカ大陸編

  • チンコ川
中央アフリカ共和国東部の川。チンコのラテン文字のつづりは「Chinko」なので「シンコ川」とも。
熱帯雨林とサバンナからなる自然の宝庫だが、近年密猟者の続出によって荒廃しつつある。
ジャングルの王者ターちゃん』に下ネタ地名で「チンコノ川」というのがあったが、現実のアフリカにも似たようなのがあったとは…。

  • マラ川
タンザニアとケニアの国境の川で、ヴィクトリア湖に流れ込む。ちなみにマラの綴りは「Mara」なのでほかに言い換えようもない。

アフリカ大陸南東部の国名で地元のチェワ語で「炎」というかっこいい意味なのだが、「マラ」という言葉が入っているためか日本語でネタにされやすい。
ちなみに国境付近にある巨大な湖も同じ名前が付けられ「マラウイ湖」という名前である。

  • シリアナ
地中海に面した国チュニジアの「シリアナ県」にある都市。同県の県都でもある。


■ヨーロッパ編

オランダの南ホラント州のデン・ハーグ基礎自治体に存在する地名。
そのあんまりにもあんまりな名前から珍地名マニアからは絶大な知名度を誇る。
因みに「スヘーフェニンゲン」の方が発音的に正しいらしい。

  • Fucking(フッキング)
オーストリアのオーバーエスターライヒ州にかつて存在した地名。
F U C K I N Gというとんでもない綴りだが、これは6世紀頃に同地に移住したFocko(フォッコ)という人物の名前に由来し、「~の一族」を意味する古ゲルマン語の接尾語「~ing」を付されて現在の名前になったんだとか。
第二次世界大戦の頃に進駐してきたアメリカ・イギリス軍の兵士にネタにされ、英語圏、特に下世話なジョークが大好きなイギリス人の間で珍地名の定番として有名になった。
同地では度々マナーの悪い観光客によって案内標識が盗難に遭ったりするため、住民は頭を抱えていたそうな。現在は盗難されないようコンクリート製の土台に固定されている。
ちなみに一部の看板にはこんな一文の記された標識が取り付けられている。

Bitte - nicht so schnell!
お願い―そんなに急がないで!

良い子のみんなは道路を渡るときは急がず焦らず、左右の安全確認を忘れないようにしようね!
変な想像をしたあなたには死んでもらいます。
過去に3回も改名しようという動議があったらしいが、何故か投票で否決されたり改名案が被っていたせいで無効になったりして頓挫してしまった。
しかし、最終的に2020年に「Fugging」に改名する決議が通り、2021年には標識が惜しまれつつ取り換えられることとなった。

■その他地域

バヌアツのタフェア州最大の島。
そのド直球の名前が大ウケし、日本では「スケベニンゲン」や「珍宝島」、「漫湖」などに並ぶ珍地名として各所で紹介されている。
綴りは「Erromango」で厳密には「イロマンゴ島」と発音するのが正しいらしく、近年ではそちらの名前で記述されることも増えてきている。
すごろく風のボードゲーム『桃太郎電鉄シリーズ』ではゲーム中に駅として登場していたことが何度かある。

  • エロマンガ
オーストラリア中央部の街。こっちは言い訳不能の「Eromanga」という綴りで、エロマンガ盆地にある街となっている。
エロマンガ盆地で発見された「エロマンガサウルス」という恐竜もいる。


追記修正は知的欲求の赴くままして、ええか~ええのんか~。


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最終更新:2024年02月06日 18:33

*1 岩手県側からは烏帽子岳(えぼしだけ)と呼ばれる

*2 タイタンに存在する湖の名前は地球上の地名から取られたものが多い。「トワダ湖」とかもある。