レン/小比類巻香蓮

登録日:2018/05/24 (木) 16:38:30
更新日:2023/01/24 Tue 21:01:57
所要時間:約 18 分で読めます





「うん。わたしは、ラッキーだったよ。ラッキーガールだよ!」


レン/小比類巻香蓮とは、時雨沢恵一のライトノベル『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』の登場人物にして、同作の主人公である。

CV:楠木ともり(アニメ版) / 津田美波(電撃文庫 FIGHTING CLIMAX IGNITION)



【SECT.1 概要】



◉容姿

GGOの女性中堅プレイヤー。
キャラクターネーム自体は本名をもじった単純なものだが、綴りは他のキャラクターと被るのを避けるために、全て大文字かつ子音を重ねた“LLENN”となっている。

アバターは全身をデザートピンクの戦闘服に包んだ、身長150cmに満たない小柄な少女。

ウサギを彷彿とさせる耳垂れがついたピンクのニットキャップを愛用していて、華奢な体躯にぴったりのコンバットシャツとカーゴパンツ風のズボンもピンク一色。
首筋にはやはりピンク色のバンダナを巻いている。
腰に複数本下げているP90のマガジンポーチやショートブーツに至るまでピンクという徹底ぶりである。

あまりにピンク色なのでGGOの常に赤い空の下ではその姿が周囲に紛れ込むため、事実上の保護色になっている。
この事実にレンが気付いたのは初めての対人戦闘の時で、偶然の出来事であった。
初めてのPK以降は万が一の復讐を避けるため、街中では目立たない緑の戦闘服と、焦げ茶色のフード付きローブを着ている。

丸みを帯びた幼さの残る顔立ちに大きな瞳が並ぶ。
髪はやや濃い目の栗色をしたショートカットにしている。



◉性格

控えめで読書や音楽鑑賞を好む、内向的な女性。
ピトフーイフカ次郎など親しい同性のプレイヤーが相手だと砕けた口調になり、ジョークを言い合うノリのいい面もある。
だが内心は必ずしも穏やかだとは限らず、イカレポンチだらけの周囲に心の中で鋭いツッコミを入れることも。うまくいかない時には口汚く毒づくなど意外と黒い。

真面目かつ頑固な性格で、「ゲームはあくまで趣味であり余暇にすべきこと」としてリアルを優先している。
そのためGGOに対する姿勢こそライトユーザー寄りだが、SJ準備や経験値稼ぎなど明確な目的がある場合にはこつこつ遊ぶ。
ピトフーイに誘われて参加したチーム戦バトルロイヤル《スクワッド・ジャム(以下SJ)》以降は大暴れの反動で燃え尽きるため、ゲーム自体に消極的になる。
さらに6巻『ワン・サマー・デイ』では季節柄テレビの『夏の戦争特番』を素直に受け取ってGGOプレイに迷いを感じ、美優に相談している。
しかし、SJ2では「ピトフーイを殺して救う」ために、SJ3からは「SHINCとの再戦を果たすため」にと何かと理由をつけられて否応なしにバーチャルの殺し合いに駆り立てられている。
まあ、リアルでいくら躊躇っていても大会が始まると最後には豹変するのだが。

洞察力はそこそこあるが、戦闘では緊張と興奮からすぐに取り乱すのであまり役立たない。
むしろ直感と本能のままに突撃する方が勘が冴え渡る印象が強く、この状態になると躊躇も容赦もない攻撃を繰り出す『イカレたレン』と呼ばれ、
ピトフーイやSHINCのボスはその状態の彼女との戦いを熱望している。
ちなみに体の小ささを指摘されると彼女は喜ぶ。

アイスティーが好物で、リアルでもGGOでもよく口にしている。
またイカの塩辛(特にに酒盗)などの酒のつまみを嗜むなど、全体的に大人びた味覚の持ち主のようだ。

また、若手シンガー・ソングライターの神崎エルザの大ファンで、SJ1前に自身のことを赤裸々に綴ったファンレターを送っている。
今のご時世(ましてSAOシリーズの作中時間は近未来だが)にわざわざ古風な手紙を使うあたり、彼女の育ちのよさが滲み出ている。プライバシーに関してはちょっと危ないが……。



【SECT.2 小比類巻香蓮】



「スクワッド・ジャム……。どーしよ。チームで対人戦闘かあ……。気が進まないなあ……」


リアルでの彼女は都内の有名お嬢様学校に通う大学生、小比類巻香蓮である。
生年月日は2006年4月20日。作中での年齢は19歳→20歳(原作3巻と4巻の間)、学年は大学1年→2年(年齢同様)。
北海道出身で、高校卒業を縁にダメ元で受験して受かった今の大学に通うため上京してきた。
あまり道産子らしいところを見せないが、GGOで初めてP90を見た時に&「なまらかわいい(なまら=『とても』)」と口をついて出ている。
現在は両親が借りてくれた、上の姉夫婦が住む都内の高級マンションの一室で一人暮らしをしている。
アルバイトを両親に禁止されていることからもわかる通り、あまり自覚はないが生粋の箱入り娘である。

身長183cmという、レンのアバターとは正反対の高い身長と、「モデルみたい」と評される恵まれた体の持ち主。
原作1巻時点では黒い髪を背中まで伸ばしていたが、SJ1直後に思い切ってショートカットにした。
ロングヘアの頃は両耳の辺りで長い三つ編みをお嬢様結びにしていたが、髪を切ってからは右側だけを短めの三つ編みにして垂らしている。
突然の散髪は身内をよほど驚かせたようで、ショートヘアの香蓮を見た両親や姉夫婦からは失恋を疑われた。
服装は高身長のため体に合うサイズの服が少なく、ラフで簡単なものが多い。

家族構成は、青森から移住した北海道で商売を成功させた両親と、兄姉が二人ずつの7人家族。
このうち長女は既婚者で、4歳(原作第2巻時点)の娘(香蓮の姪にあたる)がおり、香蓮が暮らすマンションの最上階に住んでいる。
香蓮がSJ2準備に明け暮れていた時には心配して声をかけている妹想いの女性。
なお、アニメ版の第2話では白い猫を飼っている様子が描写されている。
盆と正月、春休みなどの長期休暇には決まって実家に里帰りしている。
SAO事件の関係から自分がVRゲームを遊んでいるのは家族には内緒にしている。
そのため帰省中にテストプレイに参加した原作6巻では、何故かアミュスフィアを2台持っていた美優の実家からGGOにダイブしている。



◉GGOと長身コンプレックス


日本人には珍しい長身の香蓮はそのことを長らくコンプレックスにしていた。
小学三年からどんどん伸び始めた身長は、中学に入る頃にはすでに170cmを超えていたという。
家族や親しい友人はそんな香蓮の気持ちを汲んで身長のことには触れないようにしてくれたが、
それ以外の周囲からの心ない悪口や体格に注目した運動部からの勧誘などに辟易し、現在のような内気な性格になった。
男性恐怖症というほどではないが思春期以降異性と二人きりで話したことがほとんどない。
年の離れたお兄さんズと義兄(上の姉の夫)、エムのリアル・阿僧祇 豪志はその数少ない例外。
なお、「長身は女の子らしくない」というのもコンプレックスとなっていた要因らしく、
ロングヘアにしていたのもせめて髪型だけでも女の子らしくしたいという意識で伸ばし始めたのがきっかけ(そして切るタイミングを見失ってかなりの長さになった)とのこと。

地元には美優をはじめ仲のいい女友達がいるようだが、東京では身内と大学の教授以外話す相手がおらずぼっち気味だった。
身長を揶揄されることこそなかったとはいえ、ほとんどの学生が幼年部や初等部からのエスカレーター組のため、香蓮の内向的な性格と相まって親しい友人ができなかったのだ。

リアルの人付き合いの仕方を忘れてしまうことを危惧した香蓮は、大学1年の夏休みの帰省時にインターネット(アニメ版第2話ではテレビのニュース)でVRゲームの情報を目にする。
4000人近い犠牲者を出したSAO事件以後も増加するVRゲームに批判的なニュースではあったものの、香蓮にとっては”別の自分になれる”という真逆の感想を抱いた。
現実におけるコミュニケーション能力のリハビリを兼ねてVRゲームを始めるにあたって親友の(廃人)ゲーマー・美優のアドバイスをもとに、
彼女と同じVRゲーム『アルブヘイム・オンライン(以下ALO) 』とゴーグル型の家庭用VRゲームハード『アミュスフィア』を購入。
すぐにゲームを開始するも、自動生成された自らのアバターを見た香蓮は愕然とする。リアルの自分を連想させる長身のアバターが選ばれてしまったのだ。
美優とお揃いの風妖精族《シルフ》を選択していたのも長身アバターになった一因かもしれないが、この時の香蓮のショックは相当なもので、
心拍数の異常な急上昇を感知したアミュスフィアが安全装置を働かせて強制的にリンクアウトさせられたほど。

この一件でALOそのものがトラウマになった香蓮はIDごと作ったキャラクターを別のゲームにお引っ越しさせる《コンバート》を行い、数日かけて理想のアバターを探し続けた。
アニメ版第2話ではこの様子がコメディタッチで詳細に描かれており、長身美女から某宇宙の帝王(香蓮曰く「人間ですらないし‼︎」)まで36種類ものVRゲームをハシゴした様子。
ガチムチ女戦士や大猿のレンちゃんなんて誰得すぎる……。
そしてゲーム内容もわからないままコンバートしたGGOで、ようやく香蓮は追い求めていたアバターを手に入れる。
それが前述のチビアバターなのであった。

つまり、レンが身長約145cmの小柄な少女のアバターをしているのも、リアルでは180cmオーバーの香蓮のコンプレックスが原因。
さらに言えば、殺伐としたGGO世界には場違いなまでの全身ピンクの格好も、現実では似合わないと諦めていた「女の子らしい、かわいいファッション」を着たかったがため。
P90をメインアームに据えたのも「かわいいから」であり、とどのつまりGGOに定着したきっかけは「バーチャル・チビを満喫する」ためであった。

SJ1を通して「何度も死ぬ気で何かをやって、諦めなければ人間何とでもなる」と感じて吹っ切れたことで長年の長身コンプレックスを克服。
この一件でSHINCのリアルである附属高校新体操部の少女たちと親しくなり、彼女たちにかつてのコンプレックスを打ち明けられるほどに変化している。
こうして自信と積極性を身につけた香蓮だが、相変わらず大学ではぼっちである。
このことについて原作4巻では「無理に友達を作らなくたってさ、まったり生きていけばいいじゃないか。なんとかなるさ」と妙に達観している。
……前向きに後ろ向きで何よりです。レンは友達が少ない



【SECT.3 使用武器】



「ピーちゃん撃てるのたのしいな!毎分毎分900発!空薬莢が降ってきて!ああ、素敵な金属音!」


FNハースタル社製のサブマシンガン《P90》を使用する。
ピトフーイに連れられて行ったガンショップで「かわいい」と一目惚れ。クレジット(GGOにおける通貨)を奮発して手に入れた。
衣服同様に全体をピンク色に塗装しており、レンは「ピーちゃん」と呼んで溺愛している。
軽量かつ連射性能が高く、レンの戦い方との相性は抜群である。

……残念ながらSJ1ではSHINCのボスの銃撃からレンを守る楯となって大破。
通常SJでは死亡時のペナルティとしてアイテムを喪うことがないが、戦闘で修理不可能なまでに破壊された銃はそのままロストするため、初代ピーちゃんはこの時永久に喪われ、大会後に買い直す事となった。
SJ2ではP90専用のサプレッサーを用意しており、これまたピンク色にしている。

ネタバレ注意!!
続くSJ2でもピトフーイとの最終決戦の果てに機関部や銃身に被弾。マガジンが吹き飛び使用不能になった。
レンを追い詰めたピトフーイはそんな状態に気付かず、P90を奪い発砲するも暴発。致命傷こそ与えなかったとはいえピトフーイに大きな隙を作って廃銃となった。
というわけで現在のP90は三代目。今度は壊されないようにしてほしいものである。

ピーちゃんに対するこだわりは相当なもので、2丁目のP90を購入した原作第2巻64ページでは歓喜のあまり上記のような怪しい歌を歌っている。
アニメ版第6話冒頭の同場面ではハイライトの消えた目に恍惚の表情を浮かべながらP90に頬擦りをしている始末。
あなたも大概ラリパッパではないだろうか……?
時雨沢恵一「作者だけどこの主人公ちょっとアブないな。」(第6話該当シーンでのTwitterより)


「レンちゃんはボクが守るよ!」

レンの感情が昂ぶるとピーちゃんが話し出す
もちろん銃が話すわけはないので、「自分の中で産まれた怪しくも変な感情」と本人は思っている。そんなわけあるか。
この時のピーちゃんは、アニメ版ではレン役の楠木ともり女史が兼ね役で演じている。
ちなみに原作で初めてこの声が聞こえた時には非常にクールに気のせいだと結論付けているが、アニメでは自分の幻聴(?)に思いっきり狼狽して「ありえない」と絶叫した。

駆け出しの頃は光学銃(名称不明) を手にフィールドを駆け回っており、所持金が増えると連射性能の高いサブマシンガンタイプ*1に買い換えた。
残ったクレジットで衣類ともどもピンク色に塗装している。
対人戦闘にハマってからは旧チェコスロバキア製のサブマシンガン《Vz61 スコーピオン》を2丁仕入れて例によってピンク色に塗り、PK(プレイヤー・キル)に明け暮れていた。

サイドアームとして全長30cm程度ある、黒いつや消しのコンバットナイフを扱う。
SJ1開始前にタッグを組んだエムから押しつけられる形で受け取ったもので、SJ2以後はエムに借りたものと同様の品を自前で用意している。
近接戦闘における使用頻度はP90以上で、決戦の大一番で活躍する。
SJ3終盤より「ナーちゃん」という愛称をつけている。


ネタバレ注意!!

「――最後にあっしにも、ひとつ名前をつけてはくださいませんか?」

SJ3ではP90ではなくナイフが破壊されている。
宿敵の攻撃により蒸発する寸前にはレンと会話しており、「ナーちゃん」と名付けたのもこの時。
ナイフなのに江戸時代の渡世人じみた物言いだった。
そんなこんなで現在のナーちゃんは二代目。借り物のナイフはさしずめ「ゼロ代目」といったところか。

この他にもSJ1ではプラズマ・グレネードを携行しており、爆風を盾にしたり攻撃を回避しながら投げて相手を仕留めたりと、中々に上手く活用していた。
SJ2からはエムに学んだように地形ごとに合わせた迷彩ポンチョや、距離計付きの単眼鏡を持ち歩いている。



【SECT.4 ピンクの悪魔が走る時】



小柄で愛らしい『ピンクのチビ』アバターを操るレンだが、その戦法は実にえげつない。
敏捷性 (AGI) を重点的に上げたアタッカー型のビルドのため、猛スピードで相手の懐に接近し、攻撃を喰らう前に顔面にP90のフルオート掃射を浴びせる。
GGOでは《バレット・ライン (弾道予測線) 》という、銃口を向けられたプレイヤーに「ここに弾が飛んできますわよ」と知らせるシステム・アシストが存在するが、3m程度の至近距離からぶっ放されてはほとんど意味を為さないのに加え、
レンのアバターは極めて小柄な上、ゲーム内の常に赤い空の下、特に砂漠地帯ではレンのくすんだピンク色の姿が周囲に溶け込んで視認すら難しいため、
結構な数のプレイヤーキルを繰り返したにも拘わらず、キルされたプレイヤー本人すらどんなキャラクターにやられたのか分からず、全身ピンクに染めているということ以外の情報は一切割れていなかった。
その小さな体を活かしてSJ1のプロチーム戦ではスーツケースの中に身を隠して不意打ちを決めたこともある。
下積み時代から培ってきた戦法で”東西冷戦時の東側暗殺者のよう”とまで形容されており、ピトフーイは折にふれて「えげつない」と言いながらこのファイトスタイルを絶賛している。

当然ながら単純な走力も突出しており、時速18kmで疾走していても余裕らしい。
原作4巻時点での最高時速は149ページ17行目「(目的地までの)距離が660メートル以下なら、レンの高速なら1分足らずで行けるはず」という記述から約39.6km/hと推定できる。
ただ、VRゲームではアバター自体の設定上の疲労はないとはいえ、プレイヤーの脳は普通に疲れるため3分間全力疾走するのもしんどいようだ。
またバランス感覚がずば抜けていて、車並みに速い全速力から転ぶことなく急停止するという離れ業を演じている。その制動距離はたったの5mほどで、リアルでは新体操部のターニャとトーマが感動の声を漏らすほど。
その俊足を活かして、SJではチームの先頭を歩いて敵を探り、時には敵の攻撃を引きつけるポイントマンの役目を担う。
砂漠地帯以外ではピンク色はやたら目立つため、あえて迷彩ポンチョを使わずに敵の矢面に立ち、時間稼ぎのため囮になることも。

また器用さ(DEX)のパロメータを上げており、ワイヤートラップや自身と同じピンク色の煙を放つスモーク・グレネード弾頭を作る描写がある。
その反面、敏捷性を重視したステータスの常として耐久力(VIT)は低く、右脇腹に7.62mm弾丸が一発かすった程度でHPゲージが最大から赤色の危険域に突入している。
そのため、戦闘では小さい体格とすばしっこさを活かして「弾に当たらない」ように立ち回ることで撃たれ弱さをフォローしている。
また、筋力(STR)と運(LUC)もサブで上げているが、知力(INT)は「知らん(上げる必要性を感じない)」ということで一切上げていない様子。

元々はリアルのコンプレックスからステータスをこのように割り振ったレンだが、奇しくも敏捷性に特化した育て方は本編でBoB2優勝プレイヤー・ゼクシードが提唱した《AGI万能論》を知らず知らず体現するものであった。
BoB2準優勝、続くBoB3でも上位に入ったトップクラスのプレイヤー・闇風のプレイスタイルもまた敏捷性特化型で、《ラン・ガン》と呼ばれる一撃離脱の戦法を得意としている。
また、シュピーゲルという男性プレイヤーもゼクシードの提言を受けて敏捷性重視の育成をしていたのだが……。

このようにレンの敏捷性を重視したバトルスタイルはハマれば滅法強いが、耐久力や火力に難があるピーキーな代物。
総じてライトユーザーとは思えない(結果的にだが)上級者向けの性能といえる。

だが、レンの真価はその小ささと速さ以上に彼女の闘争心にある。

普段は弱気でおとなしいレンだが、いざ交戦となると一変して獰猛な牙を剥く。
SJ2では特に顕著で、緒戦でGGOの対人戦に不慣れなフカ次郎のミスで追い詰められてからの逆転劇は圧巻の一言。
手の届く距離にまで詰め寄られたことが災いして、敵チームの一人はとても痛い思いをすることになった。
中盤のドーム戦では度重なる不運に憤慨した挙句、『ピンクの悪魔』 と呼ばれるほどの暴れっぷりを見せた。
言動も物騒になり、上記の不運への八つ当たりで「おまえらぜんいんぶっころす」と呟きつつ攻撃を開始したり、
残った弾を譲るよう頼んで拒否されたらフカ次郎に協力してもらって押収しようとし、そのえげつなさを相手に(煽り込みで)批難されても、
「いいたいことはそれだけか?」と感情ゼロの声で訊き返してビビらせたりする。おっかない。


ネタバレ注意!!

「切れ!蹴れ!」

SJ2のクライマックス、P90を失いナイフごと両腕をピトフーイに持ち上げられたレンは起死回生の一撃に賭けた。
自力で拘束を解いたフカ次郎に自分の両腕を切り落とさせ、さらに背中を蹴って突き飛ばしてもらったのだ。
仲間の後押しを受けたレンはピトフーイの右首筋に噛み付き、「約束」を口に残り僅かだったピトフーイのHPを全損させ、壮絶な最終決戦に終止符を打った。
……もっとも、満身創痍のレンとフカ次郎は直後に《T-S》の6人に蜂の巣にされたが。

苛烈な暴れようだがかわいい女の子のアバターのため熱心なファンが少なからずいる模様。



「お前ら見たか!アレが俺のレンちゃんと、その相棒の力だっ!」

「ああ、すげーな。――でも、二人ともお前のじゃねえよな」

各大会の最終局面では葛藤の末に開き直った、通称『イカレたレン』となる。
こうなると脳内麻薬が溢れ返っているのか敵の攻撃を物ともせずに超スピードでの強襲を敢行する。
”撃つ”手が (文字通り) なくなってもなお攻撃の手を緩めない闘志はまさしくピンクの悪魔
……欠点としてはピーちゃんとおしゃべりを始めることくらいである。

ちっこい体に秘められたポテンシャルは未知数であり、それが爆発した時の実力は世が世ならリアルで全国区のスポーツ選手になれたほどだという。

SJ1ではピトフーイの紹介でエムとともに2人チーム《LM》として参加、見事優勝を飾る。
ピトフーイを救うために参加したSJ2では、リアルでも親友のフカ次郎と2人チーム《LF》名義で参加した。
その後のSJ3、テストプレイではピトフーイやエムと合流した4人チーム《LPFM》を結成している。



【SECT.5 人間関係】


ここではGGO関係者のみ記述する。

◉ピトフーイ/神崎エルザ

レンのGGO最初の友達にして最大のライバル
ピトさんがSJ参加を打診してきたことから全ては始まった。
ゲーム中ではピトさんがよほどやらかさない限りは仲良しさんで、お互いがリアルで忙しくない時はちょくちょく一緒にモンスター狩りをしている。
レンは知る由もないが、ピトフーイにとっては「私より腕だけではなく、意志も強い」と思わされた2人のうちの一人。
もう一人はベータ時代のSAOでピトさんを負かした「やけに格好つけた、イケメン優男」とのこと。


◉エム/阿僧祇豪志

SJ1においてピトフーイから紹介された、凄腕のスナイパー。
大会後半でエムの裏切り(とひっどい泣き顔)に遭い一時は疎遠になるものの、SJ2に先立ってリアルでも遭遇。
第一印象が最悪だっただけにリアルにおける対応はつっけんどんなものだったが、彼の真意を聞くうちにひとまず和解。
この時にリアルの連絡先を交換しており、SJ2以降はピトさん(のリアル)のことで豪志がメールで愚痴っているらしい。
なんならアイツあげるからー!
余談だが、レンの地理感覚や銃声の方角の判別、SJに持ち込むアイテムの選択などのプレイングはSJ1のエムから学んだもの。


◉フカ次郎/篠原美優

レン=香蓮の地元の親友にしてVRゲームの師匠で、美優は香蓮のことを「コヒー」と呼ぶ。
香蓮が上京してからも仲がよく、互いの家に泊まりに行くほどの間柄。百合は美しいよね。
日頃から電話で話している他、香蓮の帰省時や美優の上京時など作中では割とよく会っている。
こりゃ大学でぼっちでも気にならなくなるわけだ……。
話し上手でムードメーカー、ゲームでもやたら強いフカ次郎=美優に助けられたことは数知れず。
基本的には頼れるが、遅刻の常習犯でズボラな面がある廃人ゲーマーな彼女にやきもきしたことも数知れず。


◉SHINC=附属高校新体操部

SJ上位常連のアマゾネス軍団、そのリアルである新体操部の新渡戸 咲たち6人とはSJ1以降大の仲良し。
彼女達は美人で強い香蓮のことを慕っており、複数回香蓮の部屋でお菓子パーティーを開いている。
しかしながらGGOではレンを強くライバル視しており、一緒に遊ぶことはない。
SHINC、特に咲が操るボス(エヴァ)との再戦が互いの悲願ではあるが未だ叶っていない。


◉MMTM(メメント・モリ)

SJ上位常連のGGOガチ勢。
リーダーのデヴィッドはピトさんの方を猛烈に意識しているため、レンとの交流はあまり多くない。
ただテストプレイではMMTMに拘束され助けを求めるレンに対して「お前は強いから無理だ。褒めてるぞ」と妙な評価をしている。
SJ1ではホバークラフトから投げ出されたMMTMメンバーのボルドにレンがとどめを刺している。
……顔面フルオートで。


◉ZEMAL(全日本マシンガンラバーズ)

みんな大好き機関銃ラブの愛すべきバカ達
SJ1で最初にレンを遠慮容赦なく攻撃してきた皆様方だが、プロチームに後ろを取られて瞬殺された。
その後、レンとの戦闘中の遭遇はなかったが、テストプレイでとうとうLPFM、SHINCと直接対決し火力の高さを見せつけた。
火力しかないのは禁句。アホです。しかし、タチの悪い敵です。


◉小説家

ご存知SJスポンサーにしてこのお話の作者。
SJ1の優勝賞品としてサイン入りの自著20冊を贈呈された香蓮は閉口している。
次々と上位チームを苦しめる特別ルールが続いたSJ3では最終的に「半殺しにしてやりたい」とまでブチ切れさせている。
この時点では怒りの矛先が別にいたからよかったものの、この先生前にも自著のキャラクターに瞬殺されてるからな……。



【あとがき】

原作第5巻の黒星紅白氏のコメントより、ビジュアルイメージはウサギ。
表紙や口絵のレンちゃんこそ愛くるしいものの、巻を追うに連れて誰かさんに感化されたのか猛獣じみた描写が増えている。
そしてとうとう原作第5巻の黒星氏のあとがきでピトさんともども獣化した。

なお、アニメ版のエンディングテーマ『To see the future』は、同作でレンの声優を務める楠木女史が歌っている。

ついでに第5.5話のあとがきでは特殊効果音も担当していた。




追記・修正は長年のコンプレックスを克服した方がお願いします。

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最終更新:2023年01月24日 21:01

*1 アニメ版での描写及びゲーム《フェイタルバレット》に登場する光学銃の見た目から『シリウス』と思われる。