光子力エネルギー

登録日:2018/05/20 Sun 02:00:00
更新日:2023/09/22 Fri 14:24:16
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光子力エネルギーとは、『マジンガーZ』を始めとするマジンガーシリーズに登場する架空のエネルギー。
作中に登場する多くのロボットの動力源である。


【シリーズ共通の設定】

従来の原子力を超えるパワーと、完全無公害という特性を併せ持つことから「人類最後のエネルギー」と呼ばれた。
元となるのは、富士山火山帯で発見された新元素ジャパニウム。
そのジャパニウム鉱石の核分裂の過程で抽出される光のエネルギーこそが光子力エネルギーである。

発見者は兜甲児の祖父にしてマジンガーZの創造主、天才科学者・兜十蔵博士。
十蔵博士亡き後は弟子の弓弦之助教授が研究を引き継いでいる。
基本的に日本でしかジャパニウムは採れないので、山梨県に建設された「光子力研究所」にて日々研究開発が進められている。

マジンガーZの50万馬力のスーパーパワーも、あらゆる武装の強烈な威力も不滅の超合金Zも、全てはこの光子力エネルギーによるものである。
また、十蔵博士の息子(甲児の父)の兜剣造博士も科学要塞研究所にて極秘裏に研究開発を行っていた。

研究所のインフラも当然光子力が使われており、有事の際は光子力バリアを張って防衛する。
……が、このバリア毎回毎回機械獣の攻撃でパリンと割れるのがお約束で、時間稼ぎ程度にしか役に立たない。
どれだけ強化されても最後は必ず何かしらの理由で破られる。まあ破られないとお話が進まないし。

世界征服を企む凶気のマッドサイエンティストDrヘルがこのエネルギーを狙っており、毎週マジンガーZと死闘を繰り広げる。


【各作品ごとの扱い】

東映マジンガーシリーズ及びOVAマジンカイザー
設定や描写は上記の通り。
東映版第一話の兜十蔵博士による(胡散臭い)プレゼンテーションで光子力と超合金Zを紹介する姿が印象的。

光子力をそのまま浴びせる光子力ビームが非常に強力で、
ゲッターロボで言うゲッタービームに当たる大技なのだが、何故かスーパーロボット大戦シリーズ出演時では弱技。
いや確かに原作中でも牽制に用いることもあったけどさぁ……

ちなみにグレンダイザーの前に予定されていた没企画『ゴッド・マジンガー』では「反陽子エネルギー」に取って代わられる予定だった。
詳しくはマジンカイザー(機体)スーパーロボット大戦(小説)の項を参照。

スーパーロボット大戦シリーズ
ウィンキー時代の旧シリーズに於いては「超エネルギーその1」といった扱いで、
壮大な設定などは特に無くシナリオでもこれといって重要視されることはなかった。
まあ当時はゲッター線ビムラーですらそれほどフィーチャーされていなかった上に、
そもそも世界観設定も今ほど入り組んでいないので当然といえば当然である。

α』辺りから徐々に存在感を増していき、ヤシマ作戦ではゲッター線と光子力をトロニウムで連結させた陽電子砲という豪華仕様の武装を用意した。
また、渚カヲルからは「全てを浄化する光の力」と呼ばれていたものの、結局同シリーズでは光子力もマジンガー(マジンカイザーでさえ)も
無限力の設定に一切絡むこと無くやや空気化して終わってしまい、更に相方のゲッターまでイデオンに入れ込んでマジンガーそっちのけというNTRぶり。
上記の大層なフレーズもあんまり意味は無かったものの、
奇しくも後々追加される設定と妙に噛み合っているので一応当時から特殊性の片鱗はあったと言える。

MX』では静岡名物、研究所のバリアよろしく「パリンと割れる光子力せんべい」が登場。
お土産物として人気らしい。これには弓教授も苦笑い。
ちなみに浅間山名物はよーく伸びるゲッター饅頭。なんだか体に良さそうである。

Z』では甲児不在の間に光子力研究所が百鬼帝国に占領されるという危機に陥っているのだが、
この時なんとあのパリーンと割れるバリアは「今までの割れっぷりを反省して出力を強化」していたため、
自軍が何とか突破しようとしても全然割れず、最終的に何の伏線もなく駆け付けた鉄也がグレートブースターをぶつけてやっと割れた
要するに修行の旅に出ていた鉄也の帰還というイレギュラーがなければ詰んでいたわけで、「何事もやり過ぎはよくない」という教訓をプレイヤーに与えた。
なんで敵になった途端ここまで厄介な存在になるんだよ


真マジンガー 衝撃! Z編
光子力及びマジンガーのモデルとなったミケーネの神ゼウスが登場。
ジャパニウムの鉱脈は切断された彼の腕の化石であり、
兜十蔵博士は彼を模して機械の巨人マジンガーZを作り上げたという設定。

スパロボでは『第2次スーパーロボット大戦Z』で初参戦。
ゼウスがスパロボ補正で原作より妙に強化されているので、必然的にマジンガーZと光子力も大きくフィーチャーされることになる。
ブレストファイヤーより強い光子力ビームという威力設定は、旧マジンガーZしか知らなかったスパロボプレイヤー全員の度肝を抜いた。
挙げ句『BX』では光子力ビームを浴びせて味方ロボの覚醒を促したりと、ゲッター線に近い便利屋的ポジションを得ることとなった。

また、光子力や超合金Zを利用した携行武器やアイテムが多数登場。
超合金Zのフライパンは焦げ付き難そうだから欲しいと思った(小並感)


真マジンガーZERO及び真マジンガーZEROvs暗黒大将軍
真マジンガーのサポート連載(大嘘)の本作では真を上回る滅茶苦茶なエネルギーと化している。
初期エンジンでさえ「太陽に匹敵するエネルギーを楽に生み出す」「人類をまるごと恒星間旅行に連れていける」ほどの強力な力を秘めており、
関東地方をまるごと覆う超巨大光子力バリアも登場。


そんなエネルギーを最大限活かしたマジンガー達も当然のごとくインフレしており、自己進化自己再生は序の口、一撃で星を破壊したり
更に全宇宙と全時代、そしてあらゆる並行世界を観測し因果を操り掌握するやつまで出てくる始末。
最終的にはその外側、つまり他作品の世界観へアクセスして彼等を「可能性の光」として実体化させ共に巨悪と戦ったりと、もう訳がわからないよ
やっぱりダイナミックワールドは地獄だぜ。

スパロボでは『衝撃! Z編』のバーター参戦が主なので光子力の設定もそっち準拠なのだが、明らかにパワーアップしている。
また歴史の中に消えていたオリジナル版マジンカイザーを呼び出すなどメタ方面でもすごい力を発揮した。


劇場版 マジンガーZ / INFINITY
もはや東映版の割と常識的(?)な光子力が懐かしい……
とか思っていたら2018年の東映版続編な本作にて、絶大な力を持つ光子力が集中利用された結果、
次元を歪めたことでDrヘル軍団の復活を招いたことが示唆されている。

やっぱヤバいエネルギーじゃないですかーやだー!

とはいえ、ゲッター線や上述した真マジンガーの光子力と比べるとまだ超絶エネルギー以上の扱いにはなっていないので、
東映版世界の光子力は今後もクリーンなエネルギーを目指して頑張れると思われる。……多分

さやか「これからは気を付けたいと思います☆」


ロボットガールズZ
『安くて安心!未来のエネルギー』という触れ込みでZちゃん達が宣伝しているが、イマイチ成果は上がっていない。
しかも最近はゲッター線に取って代わられ時代遅れのエネルギーとか言われてしまっている


【光子力を動力にしているロボット】

マジンガーZ
ご存知みんな大好き神にも悪魔にもなれる鉄の城。
無敵の光子力と超合金Zで戦う元祖スーパーロボット。
真マジンガーにて光子力が神の力に設定されたので必然的にパワーアップした。
「俺の知ってる光子力ビームと違う」というフレーズも最早懐かしい。

・アフロダイA
時系列上はマジンガーZより先に完成していた作業用光子力ロボット。
元々戦闘用では無いので戦闘力は元より単純なパワーもそれほど無い。

・ダイアナンA
アフロダイAが破壊されてしまったので後継機として開発された。
今回は最初から戦闘用に作られているのだが、何故かコクピットがバイクをそのまま乗っけただけという、異常に危険な構造。
しかも機械獣もその週からパワーアップした新型を投入してきやがったので、アフロダイ同様苦戦する描写が目立つ。

ボスボロット
基本的にガソリンで動くが実は光子力でも動かせる。
ボスがこっそりパイルダーから光子力燃料を盗んで注入した際はパワーが飛躍的に向上しているような気がしていた。
というか、光子力ビームを積み込めるスペックはある。
東映版当時は今ほど無限エネルギーでもないので普通の液体燃料のように描写されている。
サポートロボットどころかコメディリリーフにも関わらず意外にも戦果は優秀。

グレートマジンガー
こちらもご存知偉大なる勇者。
頭部にサンダーブレークの機能を付けたため、光子力ビームは使えない。
どちらかというと光子力そのものより超合金NZの存在感のほうが大きいか。
モチーフとして、雷神ゼウスとの関連性はこの頃からあったのかも知れない。

・ビューナスA
グレートのサポートロボットで、光子力ビームを使用可能。
グレートと同時期の新型で開発者も同じで更に戦闘用に作られているため初期のマジンガーZ並の戦力を持つ(米軍第7艦隊並?)
……その割に戦績が振るわないのは戦闘獣が強い所為だと思いたい。『INFINTY』では機械獣相手に無双できてたし。

・ロボットJr
兜シローが乗るコメディリリーフロボット。
現在はあまり顧みられる機会がない。

・イチナナ式
成長した兜シローが駆る量産型マジンガー。要はジム。
性能はマジンガーZやグレートマジンガーには劣るものの量産機としては非常に優秀な機体。
デザインも非常にスマートで格好良い。

マジンカイザー
スパロボで生まれた神をも越え、悪魔すら倒せる魔神皇帝。
光子力反応炉という制御の難しい初期型光子力エンジンを使っている。
膨大な光子力を直接ぶつける技、カイザーノヴァを使用可能。主題歌にあるイナズマを放つ技はない。
初期は光子力とゲッター線技術を取り入れた機体だったが、最近は独立した設定になっている。
コイツが登場してから光子力ロボットのインフレが少しずつ始まっていった。

マジンエンペラーG
同じくスパロボ産の偉大なる魔神皇帝。
Vではゲッター線技術を使うなどカイザーの初期設定を意識している。
グレート同様光子力ビームは使えず、サンダーブレーク系の技を得意とする。

マジンカイザーSKL
神が恐れ、悪魔すら慄く地獄の魔神皇帝。
世にも珍しい二人乗りで隻眼、胸にも顔があるマジンガー。
設定資料によると光子力エネルギーで稼働しているが、光子力系の技は特に無い。
一応トールハンマーブレイカーという名のサンダーブレークが使える。
まあ、作中片目壊されたのでたとえ光子力ビームが使えても片目しか使えなくて威力低下か、最悪壊れた方の目が爆発しかねない。

マジンガーZERO
最終にして原初の魔神。
マジンガー史上最強最悪のクソコテだが、最近はコテハン引退して頼れる正義の味方になったりも。
光子力と言うよりマジンガーZという作品への執着をエネルギーにしているフシがある。
ほぼコイツの所為で現在の光子力のドワォ設定が確立されたと言って良い。

・ミネルバX
マジンガーZのパートナーとして開発された女性型マジンガーZ。
戦闘用どころか兜十蔵博士が設計しただけあってシンプルに強い。
真マジンガーZEROでは等身大アンドロイドミネルヴァXとして登場し、光子力で専用スクランダーを生成したり、
何気にロボットが使うのは珍しい光子力バリアを使用する。光子力ビームや光子ルストハリケーンも使用可能。

・エネルガーZ
マジンガーZのプロトタイプ。マジンカイザーが聞いたら微妙な顔しそうなやつ。

神聖騎士(ゴーディアン)
小説『スーパーロボット大戦』(ゲームとは無関係)に登場する遥か未来の地球を支配する機体群。
ドミネーターを自称し、人類からはクリーチャーと呼ばれる。
ネットワークを掌握した闇の帝王に接収された光子力研究所の技術を用いて作られたと思われる。

・大空魔竜
ロボットではないがこちらに。
人相の悪さで有名な『大空魔竜ガイキング』の母艦。
何故か原子力、磁力と共に光子力エネルギーを使っている。
ジャパニウムが関係あるのかは不明。残念ながらスパロボでも一切触れられていない。


【光子力を用いた施設、アイテム】

光子力研究所
富士の裾野(青木ヶ原)に建設された研究施設。
光子力バリアと光子力砲などで武装して機械獣を迎撃する。
一応民間施設のはずだが……
近年の作品だと政治的に微妙な立場に置かれていたり予算がもらえなかったりと世知辛い。
『INFINTY』では新しい光子力研究所に活動の場を移しており、取り壊しが決定している。
『SKL』では何故かマジンカイザーSKLが封印されていた…がどうもそのせいでとんでもない事になった模様(後述)。

科学要塞研究所
一体何を研究しているのかさっぱりわからないネーミングの施設。
どちらかと言うとミケーネ迎撃のための軍事基地と言った方が正確か。
当然光子力研究所を凌ぐ兵装を整えている。政治情勢などなんのそのという熱い意思を感じる。

超合金Z
光子力を使った代物で最も有名なのと言えばコレ。黒く、固く、強い。難攻不落の夢の超合金。
正確にはジャパニウムから生成され、その過程で光子力も発生させている。
なのでマジンガーZのENも装甲からある程度賄うことが可能らしい。
前身である合金Z、強化版として超合金ニューZと超合金ニューZαが存在する。
なお、マジンカイザーSKLの装甲もこれの類だとすると、特定の条件でずっと封印していると有毒な放射線を出すようになるというとんでもない欠点があることになる。
『INFINITY』のZや『スパロボα』のカイザーがそんな状態になったという設定はないのでたぶんSKLだけおかしい。

光子力爆弾
真マジンガーに登場した超小型爆弾。
小物入れほどのサイズでも辺り一帯を吹き飛ばせる威力がある。

光子力電子ジャー
マジンガーZIPに登場した市販品。
ほぼ土鍋で炊いた味を再現できる(でも土鍋の方が美味しい)

光子力電気シェーバー
同じく市販品。
朝髭を剃ってきた人からもすごい量の髭を剃り取れる超高性能シェーバー。

光子力3Dプリンター
『INFINITY』に登場した3Dプリンター。
せわし博士とのっそり博士による発明品だが、「公開前提の研究などつまらん」という理由で世間一般には知られていない。
光子力を用いて瞬時に物質を生成することができ、マジンガーZに内蔵されたものはミサイルパンチの生成に使われている。じゃあこれが搭載される前は…?
また、重戦車Z改に搭載されてボスボロットが使う武器を生成した他、経年劣化の激しかったマジンガーZの修復にも使われたとのこと。


【関連】

・光量子エネルギー
グレンダイザーの動力で、恒星のエネルギーを吸収して力に変えるらしい。
『INFINITY』の設定を見る限りこちらは普及しなかった模様。
現実にも光量子という光の量子が存在する。……こちらは要は「フォトン=光子」だが。

ゲッター線
光子力と同輩の未来エネルギー。
当初は宇宙から降り注ぐ未知の宇宙線で、ロボットの動力にも使えるというだけの設定だったが、
後付でどんどんインフレしてロボット界随一のトンデモエネルギーに進化した。
ちなみに永井豪氏は近年「ジャパニウムはゲッター線が個体化したものかもね」なんて言っていたり。どこまで本気なのだろうか……?

・G鉱石
アニメ版『ゲッターロボ號』にのみ登場。媒体によっては「磁鋼石」とも称される。
ダイヤモンドの20倍の硬度と強力な磁力を持ち併せているらしく、NISAR製のゲッターロボことゲッターロボ號の動力源「Gエネルギー」の発生源でもある。
北極のポーラステーションでしか生成できないそれは、プロフェッサー・ランドウに占拠され蛇牙城と化して以降はメタルビーストの装甲としても使われてしまう。
G鉱石=ジャパニウム鉱石、Gエネルギー=光子力エネルギーと、マジンガーZのリメイクとして企画されていた名残ともいえる。

・ニホニウム
……2016年に発見された実在の新元素。別名はエカタリウム。
名称は元々ジャパニウム若しくはジャポニウムという名称が有力視されていたが、
どうも日本人の蔑称「ジャップ」と被るからニホニウムにしたらしい。えぇ……
専門的なことはともかく、マジンガーシリーズのジャパニウムを大なり小なり意識していることが、わかるだろう?

ちなみに1908年、原子番号43にニッポニウムという元素が報告されたことがあるが誤報だったという故事がある。
実際の43番元素はテクネチウムという、自然界では直ちにモリブデンかルテニウムに変化してしまう不安定な元素で、
加速器が開発されて元素合成によって最初の人工元素として作られた。
(後に、自然界でもごく短時間ウランの核崩壊で生じていたことが分かったが、ニッポニウムの件とは別である)



追記修正は光子力エンジンを発明した方だけお願いします。


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最終更新:2023年09月22日 14:24