盗撮

登録日:2018/05/17 (木) 22:43:50
更新日:2024/04/13 Sat 14:35:42
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盗撮とは、対象物に許可を得ずに撮影する行為。


【解説】


被写体自身や被写体所有者の許可を得ることなく、被写体の映像や画像を撮影する行為で、「隠し撮り」とも呼称される。

盗撮理由にもよるが、基本的には倫理に反した犯罪行為であり、度々逮捕者も出ている
しかし実は基本的に盗撮自体を規制する法律は存在せず、状況によって適用される法が異なる。
まあよく使われるのは迷惑行為防止条例なんかだろうか。

「被写体の姿態の無断撮影」は問答無用で犯罪だが、それ以外の盗撮行為は法的に問題視されるかどうかは状況次第な現状ではある。
と言っても、法的に問題視されにくい撮影だったとしても、撮影する時には事前に許可を取るなり画像をモザイク加工するなりの配慮はしよう。
また、携帯からSNSに画像を手軽に上げられる現代では、撮影禁止の物を盗撮の意識なくアップする行為も問題視されている。


【主な盗撮対象】


最も問題にされる行為である。
女性のスカートから見える下着を目的とした性的な理由や、恋愛感情を抱いた相手の様子を観察するためなどの理由で盗撮が多い。
また、路上で奇行をする人物や奇抜なファッションの人物が盗撮されることもある。

カメラ機能搭載の携帯電話の普及以降は盗撮の危険性が増し、社会問題化した。
スマートフォンではシャッター音を封じた「無音カメラ」も登場し、被害報告が相次いでいる。


  • 番号
こちらも広く問題視されている。
盗撮に収まらず強盗行為も兼ね備えて数字は狙われる。

貴重品を収納するロッカーやATMの周辺などが盗撮対象となる。
これらはセキュリティとして暗証番号を用いるが、番号を入れる場面を撮影することで、重要な情報を盗むのである。
会計でクレジットカードを使う場合も番号が見られないように注意しなければならない。


本を開いたページを撮影する行為も盗撮行為に相当する恐れもある。

店に陳列されている商品としての本を携帯などで撮影して保存する行為で、デジタル万引きなんても言われる。
これを取り締まる法は現在存在しないのが難しいところだが、迷惑行為として店からの追放及び出禁処分が下されることがある。


  • 美少女フィギュア
等身大やビッグサイズの美少女フィギュアが展示されると、スカートの中を撮影した画像が出回りやすい。
人格権や肖像権がないため基本的に罪に問われることはないが、そのフィギュアが売り物だった場合はパンツの造型まで含めて「商品」なので一種のデジタル万引きである。
またゲーセンやアニメショップでは美少女フィギュアが高い所や鏡の上に置かれて「見える」状態で展示されていることが多いが、それはあくまで店の好意によるものなので撮影せずGetするなり買うなりしてから楽しもう。

近年ではスマホの3Dスキャンアプリを使用し、フィギュアをぐるりと撮影して3Dプリンタで出力するデータを盗み取る新手のデジタル万引きが発生している模様。
2022年のワンダーフェスティバルで発生した事例から、広く注意喚起や対策が行われている。


  • 浴室/温泉(銭湯)/プール/海水浴場/更衣室/シャワー室
盗撮対象としてよく選ばれて、被害報告が発生しやすい場所。

プールや海水浴場、温泉は水着やタオルを着用する都合上、肌の露出が多くなるためにそれを狙った性的目的での盗撮が発生する。
温泉の場合は男女別に分かれている場合はまだしも、混浴温泉は盗撮の危険度が高くなる。
父親に付いてきて男湯に入場した女児を狙って盗撮しようとした被害例もある。

銭湯やプールにある更衣室も着替える最中の裸や下着姿を見れるので、盗撮用の機器を仕掛けられている事が。
同様にプールなどに付属しているシャワー室も、裸の水浴びが見れるという事で盗撮の対象になりやすい。

実は更衣室などの盗撮は異性だけかと思いきや、同性による盗撮行為もあるとされる。
同性愛者か異性に盗撮映像を個人的に売る小遣い稼ぎという目的な事が多く、同性故に警戒されずに合法に部屋に入室できるため厄介極まりない。


  • トイレ
公共施設として各所にあるトイレも盗撮被害が起きる。

性器を外に晒す場だからというのは勿論、排泄行為に性的興奮を覚える人間も一定数いるのも確かで、そういうのを目的に撮影する人間がいる。
場合によっては、公共のトイレの個室で自慰行為や恋人との性行為を行う変態もいる訳で、それを狙っている可能性もある。
共用施設のトイレを使う場合には、一応周りを確認しておいたほうが良いかもしれない。


  • 職場
働きに向かうあの場所ですら盗撮の対象になる。

職場で平然と行われているパワハラ行為の証拠を押さえる為に隠し撮りがされ、酷い物なら結果的に全国でニュースとなる物も。
逆に会社側が職場での社員の監視目的に盗撮を行う、或いは従業員に推奨する場合がある(愚痴を取り締まるための盗聴を兼ね備えている面もある)。

兵隊にとっての職場である戦場でも、兵士自身が自軍の荒んだ様子を残すために盗撮行為に出たという事実がある。

職場に向かう途中の通勤電車でも、女性のスカートの中を撮影する盗撮の被害に遭いやすい。


  • ホテルの入り口
宿泊施設の出入り口も盗撮の対象になる。

有名人のほか、不倫もしくは教師と生徒といった公にできない仲のカップルがホテルに入る、あるいは出ようとするところを狙って隠し撮り、肉体関係の証拠として残される。
撮影者は前者なら芸能記者、後者なら探偵か不倫関係を暴きたい知り合いあたりか。


  • 有名人
芸能人やスポーツ選手、政治家も盗撮対象になり、主に週刊誌などに狙われる。

恋愛や馬鹿騒ぎなどのスキャンダルを盗撮するために、TVに映らない芸能人の日常にも盗撮カメラは潜んでいる。
当時の状況次第では盗撮ではないのかもしれないが、芸能人と恋愛や肉体の関係を持った人間が対象を行為の際に撮影した画像を週刊誌に売ることもある。
たまにあることだが、スキャンダル入手の為に盗撮を続けた結果、特にそれもなくただの観察日記になった特集が週刊誌に掲載されるパターンも。
週刊誌側には記事にはなったし、芸能人側もやましい事もなく逆に好感度アップにすらなるから、お互いWIN-WINかも……。
ただし中には一人で歩いているだけ・(住人が何十何百はいるであろう)マンションのエントランスに入ろうとするだけの盗撮写真に「熱愛!」と題した記事を掲載する悪質なパターンも。

週刊誌などの人間だけではなく、過激な芸能人のファンが盗撮を行うこともある。
盗撮理由としてはただ観察したいというのもあれば、性的な面を目的に盗撮を試みる悪質なもの、SNSに投稿することで反応を得たいというものも。

芸能人は肖像などが一般的に公開される事を許容している立場とも解釈されるため、彼らの隠し撮りに関しては議論が行われる。
また、芸能人はイメージ商売的な部分もあってプライベートでも振舞いに用心するように言われている事から、盗撮行為でスキャンダルが露呈しても同情されにくい。
ただし家族との団欒や平穏な学校生活などの盗撮までいくと当然やりすぎと批判される。

無論撮影が禁止されているライブなどを盗撮するのは歴とした違法行為なのだが、盗撮されたものを喜ぶ困ったファンもいる。


  • 独裁国家
軍事政権などの理由で閉鎖的な国家は盗撮対象。

閉鎖的な国家は公共に披露される映像資料を許さないが、それに反してジャーナリストやカメラマンが映像や画像を残そうとする。
軍事パレードなどはともかく、世界的に披露すると大批判不可避な物が撮影されることもある。
後世の歴史研究資料としてこれらの盗撮映像が大きな役割を果たすことは少なくない。

他の盗撮行為と違って盗撮その物への批判はあまりされないが、下手すれば政権側から処罰対象にされ、投獄で済めば軽い方で、拷問や最悪処刑されてもおかしくない。


  • 映画館
これも社会問題になっている。
当然ながら違法行為であるため、映画の開始前に注意喚起の映像が流れるのがお約束となっている。
NO MORE 映画泥棒


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【主に使用される盗撮道具】


  • カメラ
撮影するための基本中の基本な機械。

物陰や何かしらの入れ物に忍ばせて盗撮するパターンが一般的か。
手に持てる小型タイプでの盗撮になると思われるが、大判カメラで挑んだ犯罪者はいるのだろうか…?

  • 携帯電話/スマートフォン
これらの機器には基本的にカメラ機能が付いているので、画像や映像を手軽に撮影できる。

持ち運びが容易で本体も小さい上にある程度操作していても不審がられにくい事からなのか、これらを利用した盗撮の被害報告が相次ぐ。
近年は撮影できる画像も高精細な物になっているので、撮影されたら綺麗な画像データになってしまう。

一応、携帯のカメラは撮影の際に大き目のシャッター音が鳴る*1ようにしているため、盗撮されにくかった。
しかし今のスマートフォンには音を無効化出来る「無音カメラ」アプリが無料或いは安価で提供されている。
無音カメラアプリの中には「スマホの画面をブラウザの外観に偽造する」と言った、最早盗撮利用前提なんじゃねえかとすら疑いたくなる機能を持つアプリもあった。

  • ペンや眼鏡
ペンや眼鏡と言った身近で存在に疑問を抱かない小物にもカメラ機能が付いたものが発売されている。

これらの商品は盗撮目的を見込んだ商品ではないとされているが(商品の箱には注意書きがある)、やはり盗撮に使われる。
カメラ機能のあるメガネなどにはある程度見分けられる部分はある(分厚い黒淵とか)が、人の持ち物をそんなじっくりと観察できる状況なんてあんまりないだろう。

ポッケにペンを入れてる人とか銭湯に眼鏡着用で長時間浸かっている人は怪しまれる恐れも。
裸眼での視力があまりにも悪くて眼鏡を着用せざるを得ない人からしたら迷惑な話ではある。

  • ドローン
ドローンを飛ばしてストーカー対象の家や野外の露天風呂を上空から撮影する。

高価だが近年は比較的安価な物が登場して入手ハードルも下がっている事から、ドローン盗撮の増加も予測されている。
市販のドローンはテロ行為などの応用に使うには性能不足とされているが、盗撮程度の犯罪なら可能とすると言われる。

発見しにくいような気もするが、ドローンは音を発生させる事から見つかることがある。

  • パソコン
人間の顔を隠し撮りする機器は、パソコンである。主に使うパソコンの動画編集ソフトの使用は、主にMacのiMovieである。パソコンでの盗撮は、パソコンの内蔵インカメラを使って、動画編集ソフトで、録画中に別のウィンドウを開いて録画画面を隠して、相手にパソコンで質問することが目的のふりをして、相手にばれないように、人間の顔を動画撮影する機能。そうすることにより、パソコンの動画編集ソフトに人間の顔の写真が取り込まれる。

【創作物での盗撮】


創作物でも隠し撮りという場面はよくあるので、珍しいシチュエーションでもない。

盗撮という単語だけだと悪役だけが行いそうな行為だが、主人公側も盗撮は結構やる。
主人公が盗撮行為をするとしたら、(主人公が悪人の作品じゃなければ)敵役の不正行為を掴むためなどで実行するパターンか。
ミステリーでは探偵主人公が法の遵守より真実や正義を優先する人物描写に用いられることが多い。
主人公側の隠し撮りシチュエーションの場合、その後に見つかりそうになって逃走バトルシチュエーションに移行する展開も描ける。
シリアス物だと、不審死した人間が隠し撮りしていた映像からとんでもない陰謀の証拠が……なんてことになったりもする。

盗撮をする悪役でパッと思いつくのはストーカーだろう。
アクション物ではヒロインを盗撮するキモ男ストーカーを主人公が成敗することがある。
サスペンス物では優しいイケメンの家に招かれたら部屋中自分の盗撮写真だらけでヒロインが戦慄したり、ストーカーから切り裂かれた盗撮写真が送られ恐怖する展開も。

ラブコメ要素がある作品では、ヒロインが好意を寄せる人物の隠し撮り画像を持っているという場面が描かれる事も。
ヒロインの精神的な異常さや執着っぷりを示すための描写だが、ギャグ的演出の場合もある。
主人公の好きな人への隠し撮りが相手にバレたことから恋が始まるストーリーもある。

学園物では、新聞部や報道部に所属するキャラがスクープを求めて主要キャラや学園の有名人の周りを盗撮しようとしたり、盗撮された写真で騒動の種になることが多い。
また、学園の人気者の描写として、隠し撮り写真が一般生徒の間で売り捌かれている、なんてのもある。

バトル物では、主人公の戦闘や日常生活の様子を敵が特殊な機械などで盗撮して分析するのもよく見られる描写である。
大きいモニターに盗撮された主人公の映像が映され、敵のボスや幹部と言った存在が論評してるのも定番。

芸能物では人気の上昇と引き換えにマスコミやストーカー、過激なファンの盗撮に追い詰められることが困難として使われる。
一枚の盗撮写真からスキャンダルが発覚し、大騒動になることも。

青年向け作品やR-18描写が許容された作品だと、浮気や自慰行為を盗撮した映像で対象を脅して性交渉に及ぶというシチュエーションも使われやすい。
ミステリー物とかだと耐えかねてその後に盗撮した対象を殺害する展開になっちゃったりする。

ノンフィクションの事実を元に製作されたドキュメンタリー作品でも隠し撮り映像が使われる事が多々ある。
軍事政権下での様子を残した作品を作るにおいて盗撮映像は非常に貴重な材料となる。
また、映像媒体が本格的に出現した第一次世界大戦下では、兵士が自軍の状況を密かに盗撮した映像が残されている(当時の時点で既に軍機違反とされていた)。
これらの盗撮映像は後世の第一次世界大戦関連作品の製作で重宝されることになり、この戦争が「映像の戦争」と呼ばれるのに貢献した。

アダルトビデオでは盗撮シチュエーション作品は非常に多い数が作られ続けている。
更衣室やシャワー室などのある撮影スタジオを借りて、そこで出演女優に行動させている所を物陰などから撮影すればリアルな盗撮風の映像を作れる。
やや手の込んだAVだと、リアル感を出すために役を演じる男優が盗撮用カメラを用いる場面をご丁寧に入れておくことも。

ストーリー展開のあるAVだと、上述の脅しから性交渉に発展する作品も定番。
この場合だと「脅されている恐怖感がねえよ」とか「脅しになるのかそれで?」なんて演技なこともあるが……まあ気にすんなよ。

当然このようなAVの殆どはやらせだが、盗撮した違法な児童ポルノAVなどが押収されているという報道もある。







追記・修正は盗撮犯を捕まえてからお願いします。

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最終更新:2024年04月13日 14:35

*1 海外ではシャッター音搭載が強制ではない国が多いとされている。ただし、隣国の韓国などでは携帯のシャッター音搭載強制の動きは行政機関が勧告を強く行っているため、メーカーに対する圧力が日本より強いとも言った国家の例もある。