アニラジ

登録日:2018/05/13 Sun 23:44:12
更新日:2024/04/17 Wed 18:36:16
所要時間:約 34 分で読めます




アニラジとは、アニメやゲーム、漫画やライトノベルの話題を取り扱ったり、声優が出演しているラジオ番組の総称である。

「アニラジ」の名称が定着したのは、1995年から2000年まで主婦の友社から発行されていたアニメ・ゲーム・声優ラジオ番組専門誌「アニラジグランプリ」によるものが大きい。
同誌では作品や声優本人中心の番組だけではなく「声優が担当する一般番組」も含んでいたため、本項も倣ってそれらの番組を扱っていく。


+ 目次

【アニラジの歴史】

古くは1960年代から声優が担当していた番組が存在していたが、アニメの声優本人としてクローズアップされ始めたのは1979年10月から開始したラジオ大阪「アニメトピア」からであった。
「宇宙戦艦ヤマト」のヒロイン・森雪役を務める麻上洋子と「はいからさんが通る」で主人公の親友・北小路環役を演じる吉田理保子が初代パーソナリティを務めた同番組は関東の文化放送、中部の東海ラジオとネット局を広げ、1986年までの7年間人気を博した。

アニソンのリクエストを取り扱う番組としては1982年には南日本放送にて「アニメでGo!Go!」が、1986年にはラジオ関西が同じく「アニメ玉手箱」の放送を開始し、前者は2010年まで放送され、後者は「青春ラジメニア」として発展し2023年現在もラジオ関西の看板番組として君臨している。

本格的にアニラジ番組が増加し始めたのは、1991年頃から。
文化放送のアニメ情報番組「ノン子とのび太のアニメスクランブル」トーク&ラジオドラマ番組魔神英雄伝ワタル3」やラジオ日本の声優番組「林原めぐみのHeartful Station」*1を皮切りに、地方局では「水谷優子のアニメ探偵団Ⅱ」「mamiのRADIかるコミュニケーション」といった番組が多くのネット局で放送され、アニラジ隆盛の礎となった。

93年頃からはアニメだけでなく「ツインビーPARADISE」「流星野郎のゲーム業界裏情報」といったゲームを取り扱う番組や、94年にはライトノベルを取り扱う「電撃大賞 クリス・クロス」「爆れつハンター」「電撃うさぎアワー・極道くん漫遊記外伝」が放送開始。
メディアの多角化も加わったことで、アニラジ番組の増加に拍車がかかっていく。

関西地方では1989年からKBS京都放送「日髙のり子のはいぱぁナイト」が放送され、前出の「アニメ玉手箱」「青春ラジメニア」に改題し放送時間2時間へ拡大。
ラジオ大阪でも95年から「椎名へきるのへきらーず☆Radio」「國府田マリ子のGAME MUSEUM」の放送が始まって徐々にアニラジ番組が増加していき、中部地方でも東海ラジオで「草尾毅のT-Kids Party」が制作・放送されるなど、全国的に増加の兆しを見せていく。

関東地方でも文化放送に追随する形でTBSラジオが月~金曜日の深夜に30分×2枠のアニラジ専門枠「ファンタジーワールド」ニッポン放送が土曜19~21時のゴールデンタイムにアニソンカウントダウン番組「岩男潤子と荘口彰久のスーパーアニメガヒットTOP10」を放送開始。
さらにはFM局でもNACK5が日曜深夜に最大2時間枠の「VIRTUAL ADVENTURE」を開始し、文化放送も月~金曜日の帯枠だけでなく土曜日には7時間、日曜日には4時間のアニラジ枠を設けるなど、リスナーの獲得競争は熾烈さを増した。

その後はインターネットの発展により「音泉」「Lantis Web Radio」「響 radio station」などのインターネットラジオ局が開局。
それに伴い多くの地上波放送局ではアニラジ番組の増加に落ち着きが見られるようになったが、ごく一部の例外として文化放送がアニラジ専門の放送局「超!A&G+」を開局させ、インターネット側での番組爆増に拍車をかけるという一幕もあった。

2023年現在も、多くのラジオ局で様々なアニラジ番組が放送されており、局によっては重要なコンテンツとして扱われたりもしている。

【アニラジ番組の種類】

●トーク番組

声優による冠番組から各種作品の制作関係者による番組に加え、アニメに造詣が深いアナウンサーなどの
パーソナリティによるトーク番組がこれにあたる。地上波・インターネット放送だけでなく、各市町村内に可聴範囲が限られるコミュニティFM放送局でも放送されることが多い。

●各種作品とのタイアップ番組

作品タイトルを冠した、登場声優による宣伝を兼ねた番組がこれにあたる。
アニメ・ゲームの発売前後に番組を開始し放映終了・宣伝期間終了後に番組を終了と、1~2クールで完結することが多いが「ご注文はラジオですか??」「テニスの王子様 オン・ザ・レイディオ」のように、根強い人気を得て長寿番組となるケースもある。

Pokémon Radio Show! ロケット団ひみつ帝国」「チュパカブRADIO」のようにアニメ・ゲームキャラがパーソナリティを務めることもある。
出演者がキャラクターのみの番組でもラジオドラマではなくトーク番組に分類される。

●各種作品を取り扱う情報番組

文化放送における「ノン子とのび太のアニメスクランブル」「超機動放送アニゲマスター」「アニスパ!」「A&G TRIBAL RADIO エジソン」、ニッポン放送の「ミューコミ+」、NHKラジオ第1の「パワーボイスA」「アニメ・ステラー」がこちらに分類される。
声優はもちろんのこと、制作現場のスタッフがゲストとして登場するため作品の裏話などが聴けることもある。

●アニソン・ゲームソング専門音楽番組

文化放送「SOMETHING DREAMS マルチメディアカウントダウン」「A&Gメディアステーション こむちゃっとカウントダウン」「A&Gリクエストアワー 阿澄佳奈のキミまち!」ラジオ大阪{「國府田マリ子のGAME MUSEUM」、TOKYO FM「電撃パラダイス ゲームミュージックカウントダウン」NHK-FM「アニソン・アカデミー」、MRO北陸放送「あにまにあ」を始めとした、アニメ・ゲームの楽曲を専門に取り扱った番組がこちらにあたる。

●ラジオドラマ番組

ラジオ黎明期から放送されている、声と音だけで構成されたドラマ番組。
「青春アドベンチャー」「宇宙英雄物語」「夜のドラマハウス」「熱血電波倶楽部」のようにドラマパートのみ放送される番組と、「魔神英雄伝ワタル3」「ツインビーPARADISE」「子安・氷上のゲムドラナイト」のようにトークパート+ドラマパートで構成される番組の2種類に分かれる。


【主な放送局のアニラジ番組放送状況】

文化放送

アニラジ東の雄。
1979年にラジオ大阪から「アニメトピア」をネット受けしたのを皮切りに「アニメNOW!」「アニメファンタジー 今夜はそっとくりいむレモン」「サンデーアニメジョッキー」「ペアペアアニメージュ」といったアニメ関連番組を散発的に放送。
その後1991年から放送を開始した日曜朝の「ノン子とのび太のアニメスクランブル」、同じく日曜夜の「ラジメーション 魔神英雄伝ワタル3」が人気を博し、以降2021年現在に至るまでアニラジは文化放送の重要コンテンツとして栄えている。

最初の隆盛は1997年頃で、一週間で計21時間・28番組という巨大なアニラジ枠を設けていた。
2019年春改編で再び最盛期を迎え、一週間で計26時間15分・39番組という巨大編成の他、後述の兄弟局「超!A&G+」も加えると軽く1日24時間以上アニラジ番組を放送している日も多かった。

「合言葉はBee!」をその名の通りの合言葉にして盛り上がっていったツインビーPARADISEや文化放送の3大下ネタ番組と呼ばれた「電撃大作戦」「久川綾のSHINY NIGHT」「緒方恵美の銀河にほえろ!」「広井王子のマルチ天国」内で放送されていたリスナー参加型のラジオドラマが特徴の「火星物語」や異世界の女の子が日本から届いたハガキに心の電波で答える「ソフィアの純愛」など、多種多様な番組が生まれ人気を獲得した。
また水樹奈々スマイル・ギャング」「堀江由衣の天使のたまご」「田村ゆかりのいたずら黒うさぎ(現・田村ゆかりの乙女心♡症候群)」は人気声優の長寿トーク番組として定着している。

本分であるAM放送・FM補完放送だけではなく、パソコン通信やインターネットを駆使したコミュニティやマルチメディア放送の形成を目指したり、BS音声放送や地上波デジタル音声試験放送で独自のアニラジを制作・放送したりと挑戦を続けている。

その中でも、2007年9月3日から地上波デジタルラジオで開局し後にインターネットにも進出した
「超!A&G+」は、ほとんどの番組がアニラジで構成された「もうひとつの文化放送」とも言える放送局となった。
当初は文化放送での人気アニラジ番組の遅れネットを多く行っていたのが、諸般の事情で地上波デジタル音声放送そのものが終了してからはほとんどの番組を超!A&G+オリジナルへと移行。
人気声優や若手声優による夕方~深夜のワイド番組や簡易映像放送を使ったテレビ的な番組など様々な形態の番組が作られ、文化放送本体と合わせれば1日24時間以上もアニラジを放送する日もあった。(超!A&G+の詳細は後述)

なおAM放送しか無かった時代、文化放送と同じ周波数1134kHzで文化放送の五倍となる出力500kWで送信する韓国KBS社会教育第1放送との混信が、地方住まいのアニラジリスナーにとって共通の悩みの種だった。
ある一定以上の年齢のオタクの間ではアニラジを語る時、KBS放送の混信と戦いながら文化放送のアニラジを聴いていた思い出が俎上に上がることも多いとか。
同様に、かつてアニラジ番組が多く放送されていたKBS京都放送(1143KHz)とMBSラジオ(1179KHz)を聴こうにも、周波数が近い文化放送が100kWという大出力で送信されていたため混信し、関東地方からの受信はほぼ絶望的だった。
※2014年からは、有料で全国の放送局が聴ける「radikoプレミアム」が始まったので安心。

2019年春改編からは土曜・日曜のプロ野球中継を基本行わなくなり、土曜日は「A&Gリクエストアワー 阿澄佳奈のキミまち」「A&G TRIBAL RADIO エジソン」「A&Gメディアステーション こむちゃっとカウントダウン」といったワイド番組を軸に深夜3時半まで編成し、日曜日は夜8時から30分番組を10本連続して編成していた。
2020年春改編を境として平日深夜の帯番組「&CAST!!!アワー ラブナイツ!」が終了したり、金曜・日曜深夜枠が削減されるなどして縮小傾向が見られたが、2023年夏・秋改編以降はVtuberやゲーム実況者の番組を増やすなどして独自のアニラジゾーンを固め続けている。

●ニッポン放送

深夜の看板番組オールナイトニッポンにおいて、当時話題のアニメや声優の特集を組むことがある。
「宇宙戦艦ヤマトシリーズ」「さよなら銀河鉄道999」「新竹取物語 1000年女王」では
劇場公開直前に終盤を除いた部分のラジオドラマを生放送で公開したり、新世紀エヴァンゲリオンはフジサンケイグループとは関わりが薄いにもかかわらず他番組を巻き込んで特集が組まれた。
また、声優グループ「スフィア」が2017年までパーソナリティを担当し、2019年~2023年*2には月一回の枠でラブライブ!シリーズのオールナイトニッポンGOLD」が放送されている。

特色として、ラジオドラマに非常に強いことが挙げられる。1976年からオリジナル作品や「超人ロック」「ガラスの仮面」「王家の紋章」といった名作をラジオドラマ化した「夜のドラマハウス」(2015年に半年間リバイバル放送された)や、人気OVA「KEY THE METAL IDOL」の外伝を放送。1997年には夜ワイド番組「ゲルゲットショッキングセンター」の月~木曜日全てで「2010年ラジオの旅 アンドロイドアナMAICO-2010」が連続ラジオドラマとして約200本放送されアニメ化までされたりと、数多くのラジオドラマを世に送り出した。

過去のレギュラー放送としては3時間の大型番組岩男潤子と荘口彰久のスーパーアニメガヒットTOP10」が人気を博してライブイベント「アニメ紅白歌合戦」が開催されたり、前出のオールナイトニッポンにて出張放送を行ったりした。
2023年秋現在は情報番組「ミューコミVR」「=LOVEのイコラフ」「ANIPLEX presents ANIMEコンシェルジュ」「中川翔子 アニメサークル」「BanG Dream! Presents Dreamer's Tunes」「ラブライブ!シリーズのオールナイトニッポンGOLD」などが放送されている。

●TBSラジオ

アニラジという言葉が生まれるよりずっと前に、声優の野沢那智と白石冬美が深夜番組「パックインミュージック」を担当していた。
1967年から1982年の15年にもわたる長寿番組で、リスナーからの投稿をもとにしたトークやラジオドラマなどで人気を博して「那智チャコパック」という愛称で呼ばれ、伊集院光による開局50周年特番では代表的番組のひとつとして当時の放送が紹介されていた。

1992年から「林原めぐみのTokyo Boogie Night」を放送開始。当初はラジオ関西で放送されていたラジオドラマ番組「熱血電波倶楽部」を内包し、2000年から単独パーソナリティ番組となって2020年現在も放送が続いている。
この番組を含め、以降放送されたアニラジ番組は基本的に24時台から26時台といった遅めの時間帯に枠が設定されることが多かった。

1995~1997年には大型深夜アニラジ枠「ファンタジーワールド」を放送。
月曜日から金曜日まで30分番組2本立て(末期は1本)という編成で、緒方恵美緑川光久川綾林原めぐみに西村智博などの人気声優を起用したり、CLAMPの漫画「X」や神坂一のライトノベル「スレイヤーズ」、美少女育成SLG「卒業」シリーズのラジオドラマを放送するなど、当時文化放送が手薄だった月曜日から木曜日のアニラジ枠を一気に埋める形で話題を呼んだ。

また、ラジオ関西から「林原めぐみのHeartful Station」をネット受けして深夜番組枠「UP'S」内で放送したり、美少女ゲーム「まじかるカナン」「Kanon」の番組が放送されたりと意欲的な編成を行っていたものの、徐々に規模を縮小。
2023年秋現在は「林原めぐみのTokyo Boogie Nigit」「ラジオ 五等分の花嫁∽」「⽊村昴の聴いてくれないと打ち切り」が放送されている。

●RFラジオ日本

1991年春改編から「林原めぐみのHeartful Station」を放送していた。
ラジオ関西での長寿番組として有名な番組だが、実は初めの頃の放送はラジオ日本で全17回の放送をもって打ち切り終了している。
これは当時の経営陣が若者向け番組全般の排除に動いていて、当番組の放送開始後に「ポップス・洋楽の全面禁止」という方針を突如打ち出したためであり、局で放送される歌曲は全て歌謡曲と演歌のみとなったことで番組内でポップスやアニソンを流すことができなくなってしまった。
そのために番組終了へと追い込まれ、2ヶ月後にラジオ関西に移動して再開したという経緯が存在する。

また、全ての番組が若年層やポップス・洋楽をターゲットから排したことで局全体の大幅な聴取率低下とスポンサーの撤退が相次いで発生し、経営危機を招いた結果として社内クーデターが発生。
経営者交代を経た日本テレビへの傘下入り以降も、若者向け番組はおろか局自体に長い長い冬の時代が続いた。

93年放送開始の「流星野郎のゲーム業界裏情報」から少しずつアニラジが再開され始め、96年にはメディアミックス作品の「電脳戦隊ヴギィズ・エンジェル」や隔週交代の変わり種番組「RIKA☆YURI捕物深夜」「森川智之檜山修之のきくのはタダだぞ!」を放送。
2005年から2012年には2時間枠(後期は1時間枠)の大型番組「ウハウハ大放送 アニメストリート」が放送されていたが、2020年春以降は2023年度に至るまで月曜夜の「i☆Ris芹澤優のせりざわーるど with you」と金曜昼に杜野まこが担当する「Happy Voice! From YOKOHAMA」のみと、往時の規模からは大きく縮小。
さらに前者はアイドル番組として、後者については生ワイド番組*3として扱われており、「アニラジ」として大々的に扱われる番組は皆無となっている。

●NHKラジオ第1

声優や楽曲といったアニメにまつわる「音」にスポットをあてた「渋谷アニメランド」が2007年から放送開始。
当初は不定期放送だったが、2010年からレギュラー化し隔週火曜日放送→最終週を除く毎週土曜日→日曜日と放送枠が拡大していったが、2013年春の改編にて終了。

その後、2015年から「らじらー!サンデー」の1コーナーとして「声優アーツ」が設けられ、2017年春より声優やアニメ制作関係者をゲストに招いて中村繪里子らがトークを繰り広げる「パワーボイスA」として独立し、2018年春の隔週火曜への移動・徳井青空へのパーソナリティ交代を経て「あにげっちゅ 徳井青空の今日からオタ活」へとリニューアル。
2022年春改編で終了したあとは、後継番組かつ海外向け*4の番組として、作品・声優・ボーカリストをじっくり語っていく「アニメ・ステラー」を展開。
また、2023年春から声優・梶裕貴とゲストによる即興ラジオドラマ番組「梶裕貴のラジオ劇場」も放送されている。

●NHK-FM

ラジオドラマ番組青春アドベンチャーは、前身番組を含めて30年以上放送されている。
取り上げる作品はオリジナルはもちろんのこと、古典作品からマンガ・ライトノベルまでと実に幅広い。

基本的に月曜日から金曜日の夜、2週間分全10話を基本の枠としているが、作品の規模によって5話だったり15話だったり「封神演義」(原作版)に至っては全3シリーズ計60話が制作された。
最長のシリーズは江戸川乱歩原作「少年探偵団」の全5シリーズ計75話。
また、村山由佳原作のライトノベル「おいしいコーヒーのいれ方」シリーズも第1部完結分の10巻まで、全10シリーズ計60話が放送された。

出演する声優陣も専業声優はもちろんのこと、劇団員や俳優などが数多くキャスティングされ江守徹や永島敏行、上川隆也や仲代達矢といった大物俳優がしれっとキャストに名を連ねたりする。
アニヲタwiki的には池澤春菜主演、白鳥由里・佐々木望坂本真綾千葉繁立木文彦出演の「これは王国のかぎ」、田村ゆかり主演の「タイムスリップ」シリーズが注目だろうか。
また、漫画原作としては日本橋ヨヲコの「G戦場ヘヴンズドア」、竹宮恵子の「エデン2185」、永井豪の「バイオレンスジャック」などが採り上げられた。
2018年にはフジテレビ系列「ノイタミナ」枠で放送された吉田秋生原作「BANANA FISH」の開始直前に1994年から1995年にかけて全30回放送されたラジオドラマ版を再放送している。

過去には夕方に再放送枠があったが廃止され、現在は聴き逃し配信にて聴取可能。
だが過去作はソフト化が極めて稀という状況であり、時々再放送が差し込まれるものの膨大なライブラリーの多くは秘蔵になってしまっているのが非常に惜しまれる。

過去には特番枠として「ボイス・パラダイス」「今日は一日アニソン三昧、火曜日レギュラーとして「ゆうがたパラダイス 三森すずことアニソンパラダイス」、を放送。
2023年秋時点では土曜日に2時間の大型アニソン専門番組「アニソン・アカデミー」*5やVtuberの音楽シーンを採り上げる「ぶいあーる!~VTuberの音楽Radio~」が放送されている。

また、FMとラジオ第1で共通して放送されている「ラジオ深夜便」の第1土曜日の深夜28時台にて、2016年1月期より「時代を創った声」というベテラン声優をゲストに招いて業績や思い出に残るキャラクターについて語るコーナーが設けられている。

●TOKYO FM および JFN系列

1994年にFMの高音質を活かして様々なゲーム音楽を紹介してゆく「電撃パラダイス ゲームミュージックカウントダウン」を放送。
その後もトーク+ラジオドラマの「YAOちゃんのラジコミ王国」や、月曜日から木曜日まで角川書店の雑誌とタイアップした深夜番組「KADOKAWA電波マガジン」、同じく角川書店の様々な人気作品をラジオドラマ化した「カドカワサウンドシネマ」などを放送。
また、1997年に上映された劇場版「天地無用!真夏のイヴ」の公開前特番を放送したりと、何かと角川書店と関係が深かった。

人気を博していた番組として「丹下・氷上のトラブルチョコレート」がある。丹下桜氷上恭子のトーク&ラジオドラマとして1998年から放送が始まり、人気を博したことからテレビ朝日の深夜アニメとしてスピンオフ。
丹下桜の休業後も番組は続き、足かけ2年半にわたって放送された。
また、2019年~2021年春には鈴村健一がメインパーソナリティを務める平日朝の3時間ワイド番組「ONE MORNING」は「全国FM放送協議会」(通称JFN)に加入している全国38局で放送されていた。

2023年秋現在は水樹奈々 Mの世界」「羽多野渉と古賀葵 コエ×コエ」「Memories & Discoveries」「What a Wonderful Radio!!」「エバンジェリストスクール!」「ANISON EXPO supported by Bandai Namco Music Live」などの番組が放送されている。

JFNのネットワークに加入している各局でもアニラジ番組が放送されていて、この場合「TOKYO FMを含めたネット局」で放送されるパターン「TOKYO FMを含めないネット局」で放送されるパターンに分かれる。
2023年現在において前者は「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」「New Normal Life ~優しさであふれる毎日を~」や、2018年まで放送されていた「Keep On Smiling」、後者は「THE G.O.A.T.」や、2021年夏まで放送の「声優NOTE」が該当。他にもKOTOKOノコト」「鈴木愛奈のring A radio」(AIR-G')、「内田彩の『うちださんのおうっちー』」(fmgunma)や「放課後アニトーク!」(FM AICHI)、「おふらじ!EX」「」(FM大阪)、「オキアニ!」(FM沖縄)のように、独自のアニラジ番組を放送している*6ほか、スマートフォンアプリ「Audee(旧JFN PARK)」でも立花理香戸松遥などが担当する番組を聴くことが出来る。

●bayfm

1993年に開始された夕方ワイド番組「オール電リク TOKYO BAY LINE 7300」の水曜日を山寺宏一が「バズーカ山寺」名義で担当し、一度半年間の休業を挟みながら、2020年3月までリニューアル番組「The BAY☆LINE」を長らく担当していた。
また同番組では、金曜日のパーソナリティを森久保祥太郎が担当。番組終了後は夜の番組「森久保祥太郎の今週わず」を担当している。

また、1989年から放送されていた朝ワイド番組「BAY MONING」の水曜日枠を渕崎ゆり子が1998年まで担当。
その後渕崎は昼ワイド番組「マリブ・マジカルパッセージ」の月・水曜日を担当し、桜井智が金曜日を担当。
深夜ワイド番組「MOZAIKU NIGHT」を2020年3月まで仲村宗悟が担当し、過去に森久保祥太郎と八代拓が担当。
その八代は2018年から2020年3月まで夜ワイド番組「ON8+1」を担当と、声優がワイド番組を担当するケースが多く見受けられ、2023年秋現在は昼ワイド番組「bayfm it!」の月曜版で利根健太朗がパーソナリティを務めている。

アニラジの番組としては1994年に東海ラジオから三石琴乃 部活しよっ!」をネット受けした実績がある。
2023年秋現在は「坂本真綾のビタミンM」「NACHERRYのChat Time~フタつぶ~」「降幡愛のBecause of you」「Good Things」「BAYFM CREATORS BANK ~LIKE LABO~」「MUSIC SALAD FROM U-kari STUDIO 月曜日」などが放送されている。

●NACK5

1995年から石田彰と三重野瞳による「VIRTUAL ADVENTURE」が放送されていた。
当初はふたりのトーク+「極道くん漫遊記外伝2」を始めとしたラジオドラマという構成で放送されていたのが、1時間枠から2時間枠へと拡大したことで30分の箱番組を2つ内包する番組へ、最終的には3番組が並列する放送枠へと変遷していった。
2005年にいったん放送を終了したあと、2010年から2014年まで「VIRTUAL ADVENTURE 2」を放送。
なお、ラジオ大阪でも「VIRTUAL ADVENTURE WEST」として放送されていたことがあり、そ
の間NACK5でも「VIRTUAL ADVENTURE EAST」に改題していた。

また、1997年から2011年の14年間にわたって声優トーク番組「VOICE CREW」を放送。
6ヶ月から1年を任期としてふたりの声優がコンビを組み、22代・全44人が担当したロングラン番組であった。
基本的には(当時)アーツビジョンもしくはアイムエンタープライズ所属の声優が担当していた。

他、過去には西村朋紘・小森まなみの「MAMI☆OMO Radio Caravan」や椎名へきるの「Holy Shine in naked」、TWO-MIXによる「RADIO TWO-MIX」といったトーク番組が放送され、2023年現在は桃井はることユカフィン・ドールの「THE WORKS」「sajiのみぞ知るセカイ」「Voice Actors RADIO R-5・81」「斉藤朱夏 しゅかラジ!」が放送されている他、かつては不定期で日曜の定時番組終了後に81プロデュース所属声優によるトーク&ラジオドラマ番組「VOICE ACTORS RADIO」が3時間前後の枠で放送されていた。

余談として、金曜9~18時に放送されているDJ界の大御所・小林克也による「FUNKY FRIDAY」では音楽カウントダウンコーナーがあり、ランクインしたアニソンがオンエアされた際には小林の言動が注目されることもある。(例:「はっぴぃ にゅう にゃあ」「もってけ!セーラーふく」「真・うたわれるもののテーマ」、THE IDOLM@STER関連、ラブライブ!関連など)。

また、声優であり歌手でもある牧野由依の夫でアニメが大好きな歌手・三浦祐太朗*7が水曜日・木曜日のパーソナリティを務める音楽番組「キラスタ」((2021年春に「キラメキ ミュージック スター『キラスタ』」から改題)の木曜日では「アニソンゾーン」と称して、毎週ひとつの"テーマ"に沿って自ら選曲したアニメソングのメドレーを流すなど、他の日に比べてアニメソングが採り上げられることが多い。
そのテーマだが、「○○監督作品MIX」「アニメ制作会社シリーズMIX」「○○年アニメMIX」「特定歌手&作曲家MIX」といったスタンダードなものから、「祐太朗さんこういう娘が好きなんでしょMIX」「百合の季節ですねMIX」「不自然な謎の光・白いモヤがかかりがちなアニメMIX」
三浦、父性が溢れちゃうMIX」「こんな人生歩みたかったMIX」といったなかなかアレなテーマまで幅広く採り入れている。

●FM-FUJI

山梨県の県域FM局だが、富士山近くに中継局が設置されていることもあって南関東の広い範囲で聴くことができる。
東海ラジオの「桜井智 CHERRY PRINCESS」やラジオ関西の「林原めぐみのHeartful Station」をネット受けした他、自社制作のアニラジとして「wai! wai! BOX☆”」「YAG VOICE VOYAGE」「祥太郎、麻衣・CURE HOUSE」「へきる、淳司 NATURE」などの日本ナレーション演技研究所提供の番組を放送していた。
また、2018年から2021年春まで水曜19時に放送されていた「茅原実里のミスサンシャイン」では、時々サテライトスタジオから生放送なども行っていた。

放送時間に特徴があり、「CHERRY PRINCESS」は日曜9時台、「wai! wai! BOX☆”」が土曜15時台、「Heartful Station」は日曜19時台と、局自体が終夜放送を行わないため比較的浅い時間帯に放送される番組が多い。
2023年秋現在は「ARCANA PROJECTの〜今からラジオで起きる奇跡〜」「藤井アユ美のあゆゆ♥カフェ」「halcaの『キミの隣』」が放送されている。

●東海ラジオ放送

ラジオ大阪から「アニメトピア」をネット受けしたのを皮切りに、アニメ雑誌「アニメック」とタイアップした「週刊ラジオアニメック」を1981年から放送。1984年から放送された小森まなみとミンキー・ヤスの番組「mamiのRADIかるコミュニケーション」は2009年までの25年間放送されたり、草尾毅のT-Kids Party」「山寺宏一のGAP SYSTEM」「アニキンFREEDOM」など、かなり古くから自社制作を手がけている。

特に「mamiのRADIかるコミュニケーション」は1984年から2009年の25年間という長きにわたって放送され、パーソナリティの小森まなみが送られてくる葉書で時に笑ったり、時に悩んだり、時に泣いたり、時に喜んだりと、リスナーと真剣に向き合う番組であった。
公開録音では5000人以上が集まったり、阪神・淡路大震災発生後にはテレホンカード募金を発案し800万円を超える募金が集まったりと、リスナーとの絆も深かった。

出力が強く、関東地方では付近の周波数を大手局が使っていないこともあり、ラジオ大阪・ラジオ関西と並んで遠距離受信がしやすい局のひとつ。「楠木ともり The Music Reverie」「よるステ!」など文化放送の番組をネット受けしたり、「angelaのsparking!talking!show!」「高橋直純のトラ×ブルメーカー」「畠中祐・悠太のポン☆コツ再生工場!」などの自社制作番組を放送しているが、番組数としては1990年代・2000年代と比べて減少傾向にある。

●CBCラジオ

名古屋市に本社を置く、中京地区の大手AM放送局。自社制作のアニラジは1983年に長谷有洋が担当した「アニメステーション」以来放送実績がなく、ネット受けでアニラジ番組を放送することが多かったが、2015年10月の「JKめし!ラジオ」を皮切りに、「やくならマグカップも~織部学園放送室~」「亜咲花 Animetick Night」「河西健吾・天﨑滉平 天河一品」「神谷明 日髙のり子 TALK×3!」と、近年自局発のアニラジ番組が増加している。
2023年秋現在は「梅原裕一郎 Saturday Machiavellism night」「中島ヨシキのフブラジ」「白井悠介・寺島惇太 BOYS BAR[S]」を放送中。

●KBS京都ラジオ

独自制作の夜ワイド番組「はいぱぁナイト」にて冨永みーな日髙のり子、山寺宏一といった声優陣がパーソナリティを担当していた。
特に日高は後番組の「ハイヤングKYOTO」までの足かけ8年間にわたって担当するなど人気を博していたものの「イトマン事件」と呼ばれる大型金融事件に会社が関与していたことが明らかになり、会社更生法の適用を受けたことで局自体の制作力が大幅に低下。日高が降板した後の99年に番組は終焉し、KBS京都自社制作による月~金帯の夜ワイド番組は幕を閉じたが、その後も「日髙のり子の Tokyo Wonder Jam うり!うり!うりほぅ!」「日髙のり子の Happy@」といった番組を担当し、KBS京都の看板パーソナリティとして長く携わっていた。

アニラジ番組としては「Weiβ」「菅原祥子のももんがTIME」「折笠愛のムーンライトカフェ」といった番組を制作・放送していたが、2005年までに全て終了し自社制作のアニラジ番組は途絶。
一時期はアニラジ番組自体が消滅していたものの、2016年から2018年秋まで「岩男潤子のハッピーフライト」、2020年から2021年春まで「増田俊樹・古川慎のごりやく研究所」を放送し、2021年春改編から「福山潤 キョウトニイケズ」を放送している。

周波数が1143KHzと隣接し、出力が100kWの東京・文化放送と500kWの韓国・KBS社会教育第1放送に挟まれていることもあり地域外の遠距離受信は困難を極めていた。2020年現在はRadikoプレミアムに加入することで容易に受信することが出来る。

●ラジオ大阪

アニラジ界・西の雄。1979年10月に放送を開始した「アニメトピア」では声優のキャラクター性を前面に押し出した作りで、アニメ関係のみならず上方芸人まで巻き込んだ番組として評判を呼び、麻上洋子、吉田理保子、田中真弓、島津冴子、高橋美紀、坂本千夏、富永みーな、川村万梨阿といった4代8名のパーソナリティによって6年間放送された。
本番組は文化放送と東海ラジオでもネットされていて「アニラジの元祖」と呼ばれることがある。

その後も1993年に國府田マリ子のGAME MUSEUM」(後に「國府田マリ子のGM」に改題)や1995年に「椎名へきるのへきらーず☆Radio」、1996年に宮村優子の直球で行こう!」などの人気番組を生み出しアニラジ枠が拡大。「1314 V-STATION」と称する専門枠が設置され、アニラジはラジオ大阪の一大コンテンツとなった。

番組同士の繋がりも深く「GAME MUSEUM」と「へきらーず☆Radio」が合同で生放送を行ったことをきっかけに、アニラジ枠が定着してからは夏冬の聴取率調査週間に「Vステ夏の陣」「Vステ冬の陣」と称した大型の合同特番が生放送で行われていた。
Vステの顔である岩田光央が鍋の食材を求めて大阪~北陸地方~東京をバイクで走破し実際にリスナーへ鍋を振る舞ったり、ラジオ大阪・大阪近辺・伊勢志摩・熱海・東京という5元中継を敢行したり、鈴村健一が名古屋~大阪を自転車で走破したりと破天荒な企画を数多く行っていた。
諸事情により2007年以降の「○の陣」としての開催は不定期となっているが、折を見て合同生放送などの特番を放送している。

前出の通り「アニメトピア」の時代から番組をネットした他にも「魔神英雄伝ワタル3」の頃から
数多くの番組をネット受けし、超!A&G+へ番組を供給するなど、文化放送との関係は深い。
また「平成タイムボカン」「勇者警察ダグオン」「瞳・光央の爆発ラジオ」といった番組をネットし、一時期「1422 V-STATION」の枠も設定されたりとアールエフラジオ日本とも関係が深い。

2023年現在は番組数が減少しているものの、土曜・日曜を中心に1314 V-STATIONとしての枠が設定され、ニコニコチャンネルでも会員向けに聴取区域外のリスナーも聴けるサービスが用意されている。

●MBSラジオ

夜ワイドのパーソナリティに人気声優を起用することが多かった。
1996年頃から「これがそうなのね仔猫ちゃん」「謎なぞドリーミン」「BANANA放送局ヤンラジグランプリ!!」で國府田マリ子をメインに据え、その後はジャニーズアイドル・吉本興業&松竹芸能の芸人・アイドル・声優といった出身をごちゃ混ぜにしたワイド番組「オレたちやってま~す」を木・金曜日(その後月~金曜日に拡大)に放送。
國府田マリ子、椎名へきる、林原めぐみ、堀江由衣、水樹奈々など当時から人気だったり駆け出しだった声優が参加し、極楽とんぼや雨上がり決死隊にTOKIOの城島茂といったタレントとのやりとりは、関東圏に住むリスナーにとって垂涎モノであった。

その後も本番組の流れを汲む形で「アッパレやってま~す」「ゴチャ・まぜッ!」といった番組へ変遷していくが、声優の参加がだんだん減少。代わりに「オレたちやってま~す」放送終了直後に開設された有料インターネットラジオ局「K'z Station」にて「おしゃべりやってま~す」という「オレたち」とそっくりな出演者と構成の番組が開始し、2021年まで展開*8。その後「アッパレやってま~す」に2021年から岩崎諒太、2023年からi☆Risの若井友希が加入した。

「オレたちやってま~す」終了以降はアニラジ番組の放送が減少し、2018年に「BEATLESS ~はっく・ざ・らじお~」「ゾイドワイルド〜本能解放ラジオ〜」、2019年の「寺島惇太と三澤紗千香の小説家になろうnavi」と散発での放送となり、2023年秋現在は「寺島惇太と徳井青空の小説家になろうnavi-3rd book-」*9が放送されている。

●ラジオ関西

アニラジ界の小さな巨人。どこのネット系列にも属さない独立局で兵庫県の県域放送局であるにも関わらず、558kHzという絶妙な周波数と北東に向いた送信アンテナが組み合わさり、関東・東北でも雑音混じりながら比較的聴きやすいことから遠距離リスナーが多かった。
現在はradikoプレミアムで容易に遠距離受信が可能。

1986年放送開始の「アニメ玉手箱」から派生したアニソンリクエスト番組「青春ラジメニア」は、アニラジ界の最長寿番組としてパーソナリティのバトンタッチを経ながら2023年現在も放送中。また、ラジオ日本から引き取る形で放送されていた「林原めぐみのHeartful Station」も1991年10月から2015年3月まで1226回にわたり放送され、同局の看板番組のひとつとなっていた。

ラジオ関西、そしてこのふたつの番組にとって「阪神・淡路大震災」は避けて通ることができない話題である。
「AM KOBE」を愛称としていた1995年、1月17日5時46分に発生した本震によって局舎は壊滅状態(のちに全壊と判定)になり電波停止。
県域放送局であることから神戸近辺に在住していたスタッフ・パーソナリティともに甚大な被害を被った。
午前6時に停波から復帰後、午前6時22分に「青春ラジメニア」パーソナリティ(当時)の岩崎和夫アナウンサーがスタジオ入りし地震に関するニュースを読み始め、以降AM KOBEは震災報道の体制に移行する。*10

その中で「林原めぐみのHeartful Station」「青春ラジメニア」は通常通り発生3日後・1月20日(金曜日)の夜に放送が開始された。
「Heartful Station」は林原自身がCD「Enfleurage」のジャケットと写真集を震災直前に撮影したり、神戸をイメージした楽曲「街へ出よう」を収録するなど神戸への愛着が深く、少しでも力になれるのならばという強い希望のもと放送。「ラジメニア」は交通網の寸断によりパートナーの南かおりを欠く中、震災直後に報道を担当した岩崎が安否情報を中心に据え時折イージーリスニングにアレンジされたアニソンを流すなど、両番組ともに地元に寄り添う放送を心がけ、それはその後の番組構成でも引き継がれていった。
震災から20年以上が経過して「Heartful Station」は終了し「Tokyo Boogie Night」へと移行したが、
現在に至るまで林原はブログなどでも折に触れて神戸の話題を取り上げている。

90年代初頭からは15分間のラジオドラマ専門番組「熱血電波倶楽部」にて「NG騎士ラムネ&40EX2」や「万能文化猫娘」「影技 SHADOW SKILL」などを放送。しばらくして「デスマーケットDEATH」「ピクチャーランドCLUB」などの番組が増えていき、2005年に「アニたまドットコム」というアニラジ専門枠を開設。「集まれ昌鹿野編集部」「おどろき戦隊モモノキファイブなどの人気番組が生み出されていった。

また「涼宮ハルヒの憂鬱 SOS団ラジオ支部」「らっきー☆ちゃんねる」といったランティス系列の番組を放送したり、うたわれるものらじお」「Radio To Heart2」などの音泉系列の番組を地上波でネットしたりもしていた。
ネット配信は「ニコニコ動画 アニたまどっとコムチャンネル」にて行っている。

2019年春改編をもって30周年を迎えた「青春ラジメニア」は、3時間の生放送から1時間の録音放送に変更され*11、併せて「アニたまどっとこむ」枠も金曜・土曜のみに縮小されたのだが、ラジオ関西自体が在京キー局である文化放送の「レコメン!」をフルネットしたり、TBSラジオの「JUNK」や「爆笑問題の日曜サンデー」をネットし始めるなど、局そのものに大きな変化が出始めているのかもしれない。

2020年には阪神・淡路大震災発生から25年の節目を迎えた1月17日に「林原めぐみのHeartful Station」の復活放送が行われ、その後「アニたまどっとコム」15周年として「集まれ昌鹿野編集部」「おどろき戦隊モモノキファイブの1日限定復活イベントが開催された。

2022年に岩崎アナはラジメニアを勇退。後任は関西を拠点とするバンドのワタナベフラワーのベーシスト・ムサが務めている。

●CRT栃木放送

アニラジ番組自体の放送実績は多くなかったが、1991年に放送が開始され2023年も放送中の「チャラのOH!マイ・アニメ」が看板番組のひとつとなっている。
元・栃木放送の局アナで現在はフリーアナウンサーの高瀬美子が担当している番組で、時節ネタとアニメキャラを絡めたお題でメールを募集したり、リスナーの誕生日を祝ったりと身近な番組づくりを行っている。
放送開始時から一貫してリスナーをスタジオへ招き入れる形の公開収録を行っており、一時新型コロナウイルスの影響で中止していたものの、2023年現在では番組の公式ブログにおいて収録日とその収録回の放送日が告知され、収録後の様子を収めた写真も公開されたりとアットホームな雰囲気がうかがえる。

また、とちぎテレビが自社の深夜アニメ放送枠をPRするために考案したご当地アイドル的マスコットキャラクター「まろに☆え~る」の広報的ラジオ番組「まろに☆え~るのまろらじ」が、Youtubeチャンネルでの配信から復活・移籍する形で放送していたりと、独自番組の制作にも力を入れている。

2023年現在は「チャラのOH!マイ・アニメ」とラジオ関西からネット受けしている「桑原由気と本渡楓のパリパリパーリィ☆」「桑原由気本渡楓のパリパリパーリィ☆」「鷲崎健・橋本和 王様とラッパ」と、自局発の「祥子のチョット・CHAT・CHAT」でアニラジゾーンを形成している。

●MRO北陸放送

自主制作番組として「あにまにあ」を放送中。
かつては日曜夜に「MROアニメストリート」というアニラジゾーンを設定し、「水樹奈々のスマイルギャング」「堀江由衣の天使のたまご」「ハライチ岩井勇気のアニニャン!」といった在京局発のアニラジ番組とともに放送されていた。

「あにまにあ」はアニソンを中心に据えた構成で、アニメファンである北陸放送の西尾知亜紀アナウンサーがリスナーから「神曲」と「その曲への想い」を募り、ともに語り合うというスタイルをとっている。
また、同一曲のカバーを聴き比べてみたり、勝手にランキングを作ってみるなど「アニソン」を様々な視点から取り上げることで人気を博している。

地方局のアニラジには珍しく、積極的に番組販売を行っており11局12県で放送されている他、「響 Radio station」でも毎週宣伝番組を配信。
また、ラジオ・テレビ兼営局の利点を活かして時折テレビ版の特番を放送しているのも特徴。

●RCC中国放送

かつて「魔導物語」「ぷよぷよ」で隆盛を誇ったソフトハウス「コンパイル」のお膝元ということもあり、1995年7月より広報番組「の~みそコネコネ ラジオコンパイル」が放送されていた。
声優だけでなく、イメージソングの歌手や会社所属の広報がメインパーソナリティになったりとユニークな番組づくりを展開していたが、コンパイルの業績悪化による経営破綻を前にした1998年1月に放送が終了。
以来、他局制作や販売されている番組のネットを少数行っていた。

転機を迎えたのは2013年4月。サブカルチャーを中心に据えた夜ワイド番組「RadiPrism」を自社制作で放送開始。
メインパーソナリティこと「部長」のカンダマサヨシが月~水曜日は「副部長」と呼ばれる日替わりパートナーと、木曜日はカンダ単独でリスナーこと「部員」とともに当日のお題や作品の話題、ネタメールを通じてコミュニケーションを広げていく番組で、当初は月曜日のみの放送だったのが人気を博し、2015年10月より月~木曜日の放送へと枠を拡大した。

広島東洋カープのお膝元でもあるため、ナイター延長時は「RadiPrism」も放送時間短縮の影響をよく受けているが、2017年7月にカンダが上京して「けものフレンズ」の「アライさん」ことアライグマ役の小野早稀にインタビューを敢行。
さらに看板の野球中継番組「Veryカープ! RCCカープナイター」用に応援ジングルの収録を依頼し
「アライさんにおまかせなのだ!」というアライさんの決めセリフなどをもとに、それまで中継番組で収録された名場面をミックスした公式MAD音声を作り部員を沸かせた……と思われた次の日、
そのジングルが生放送の「Veryカープ!」で実際に使用され、6-8の9回表にランナー1・3塁ながらも2アウトという、まさに「カープの危機なのだ!」ともいえる状況で「新井さん」こと新井貴浩が代打で登場。
2ボール1ストライクの4球目で大逆転の3ランホームランを放って勝利という、あまりにも上出来すぎる天然コラボを完遂した。

2018年7月には、広島を始めとした中国地方各地に甚大な被害を及ぼした「平成30年7月豪雨」に遭遇したリスナーからの体験談をもとに電子書籍「平成30年7月豪雨災害の過去と未来 Hiroshima 中高生が見た豪雨災害」を上梓するなど精力的に活動。
その後、2020年3月をもって惜しまれつつも番組を終了した。

●ラジオNIKKEI(旧・ラジオたんぱ)

実は老舗アニラジ放送局であり、月曜日から金曜日、時期によっては土曜日の夕方に2時間(その後90分→60分へと変遷)のワイド番組シリーズ「ヤロウどもメロウどもOh!」「日本全国ヤロメロどん!」「はしゃいで○○大放送」「どんなもんだハウス」を生放送していた。
小森まなみ、水島裕、三ツ矢雄二、冨永みーなといった面々が曜日パーソナリティを務め、短波放送の特性上全国で聴取できる短波放送ということもあり人気を博していた。

一時期はアニラジ番組が途絶していたが、1995年には「声優専科 雪乃五月のボイスファンタジア」や1997年には「SF名作シアター」と称して「銀河パトロール レンズマン」「渦動破壊者 ヴォルテックス・ブラスター」を放送。
その後1999年から2004年にかけて放送された南央美のせんせいのお時間」は、番組内のラジオドラマを収録したCDが全24巻発売と長寿番組として君臨。
ラジオNIKKEIに改組した後再び途絶するも、2023年現在はノーDJでアニソン・ゲームソングを流していく番組「Anime & Seiyu Music Night」などが放送されている。

コミュニティFMラジオ局

各市町村を対象にした地元密着型FM局でも、多くのアニラジ番組が放送されている。
番組供給型と自主制作型の2タイプに分かれ、前者は衛星放送事業者「ミュージックバード」がコミュニティFMラジオ局へと番組を販売する形式で、ミュージックバードに加入し、なおかつその番組を編成に加えていれば聴くことができる。
逆に言えば、ミュージックバード非加入の局や番組編成に加えていない局では聴くことが出来ないのだが、多くの局がインターネットでサイマル放送(同時放送)を行っているので、聴くためのハードルはとても低い。*12

番組供給型のアニラジ番組、かつ自主制作型番組の代表格として、山口県下関市のCOME ON! FMで放送されている「アニメ関門文化学園」が挙げられる。COME ON! FMで金曜日に本放送を行ってから、3日後の月曜日に一部を除くミュージックバード加入局で遅れネットを行う形式で、なおかつインターネット同時放送を行っている局があるので日本全国で聴取可能。
影山ヒロノブと遠藤正明によるタイトルコールから始まる番組は、古今東西様々なアニソンを流しつつ
リスナーからのお便りを読んでいくというスタンダードなスタイル。
放送回数は1000回を越え、月曜深夜の顔として定着している。
他にも番組供給型・兼自主制作型番組として、「ゲーム・BGM夜話」(福島県須賀川市・ULTRA FM)、「吉祥寺アンリミテッド」「しゃべんジャーズ!」(東京都武蔵野市・むさしのFM)が放送されている。

番組供給型のアニラジとしては、同じくミュージックバードの「週刊メディア通信」がある。
かつては他にも声優トーク番組中村繪里子 キラとき」「る〜りぃ♡み〜な ukiuki ルミナス」や、ボーカルユニット・メロキュアによる「メロキュアの沈黙のradio」が放送されていた。

自主制作型のアニラジとしては、毎週ひとつの題材をもとに30分間フルコーラスでアニソンを流すFMおだわら(神奈川県小田原市)の「もとラジ!」、王道な選曲とマニアックな選曲を仕掛けるTOKYO854くるめラ(東京都東久留米市)の「熱血!アニソン道場」、コミュニティFM局屈指の独自番組数を誇る市川うららFM(千葉県市川市・浦安市)の番組群、調布FM(東京都調布市)でアニソンリクエストが多くかかる「ラジオボンバー」*13や不定期放送の12時間ぶっ通しアニソンリクエスト番組「アニソン特番」などなど、とにかく挙げればキリがない。(2023年秋現在、確認できているだけで100番組以上存在する)

また、番組放送枠の購入や局が誘致する形で声優が自主制作番組のパーソナリティを務めることもあり、ラヂオつくば(茨城県つくば市)の「Come On A My House」(氷上恭子、三好りえ)、ふくろうFM(千葉県八千代市)の「繪ほんの中には」(中村繪里子)、FM JAGA(北海道帯広市)の「ただ風の中で」(中原茂)、マリンFM(神奈川県横浜市中区)「LOVETRADIO」(榊原ゆい、藤崎紗矢香)、さくらFM(兵庫県神戸市長田区)「さくらSOS隊」などの番組が放送。

大規模な企画としては斎賀みつき、伊東健人、沢田敏子、深見梨加、園崎未恵、東地宏樹、井上和彦、勝杏里、寺崎裕香、伊瀬茉莉也といった声優陣が、ひとり1作ずつ「銀河鉄道の夜」「幸福な王子」「檸檬」などの名作文学を朗読していくラジオフチューズ(東京都府中市)の「声優が読む文学の時間~たくす~」「FM鷲ノ繪」「週刊ロクエヌ 編集長は佳村はるかラ・ジ・オ」「諏訪彩花のざっくば☆らん」「Lynnのマイペー素な感じで。」の4番組をギュッと凝縮した、fmさくだいら(長野県佐久市)の「声旬」といった番組もかつて放送されていた。

それ以外にも、早朝・深夜の時間帯にフィラー(間合い番組)としてノーDJで30~120分程度アニソンを流している局もある。
JCBA・ListenRadio・FM++加盟局であればWeb+専用スマートフォンアプリで、CSRA加盟局であればWindowsMediaPlayer+スマートフォンアプリで容易に聴けるので、自分に合う番組を探してみるのもいいだろう。

●超!A&G+

2007年9月3日に開局した、文化放送運営のアニメ・ゲーム専門ライブストリーミング放送局。
当初は地上波デジタルラジオにて試験放送が始まり、しばらくしてから簡易動画を含めてインターネットでのストリーミング放送を開始。その後、地上波デジタルラジオの計画自体が頓挫し終了する2011年3月31日以降の継続が危ぶまれる声もあったが、そのまま放送を継続し2017年には開局10周年を迎えた。

かつては朝6時に放送を開始し、基本的に昼下がりまではワイド番組を除いて前日までの番組を再放送、夕方から26時台までが本放送となり、月曜日から金曜日は27時半まで再放送を行い放送終了。土曜日・日曜日は27時で放送終了というタイムテーブルだったが、2023年4月に大幅な放送枠の縮小を発表。
2023年秋時点では平日が16時放送開始・26時放送終了。土曜日が13時放送開始・28時放送終了、日曜が13時放送開始・26時半放送終了となっている。

編成はほぼ声優やアニメ・ゲーム関係者がパーソナリティを務める番組で占められている。
トーク番組を始め、各種作品とのタイアップ番組や情報番組、アニラジのスタッフによるラジオ番組制作話などバラエティに富んだ編成が組まれている。地上波と比べて自由度も高いのか、アニメ「狂乱家族日記」のタイアップ番組であった「進め!狂乱電波日記」では放送開始前にスタジオへ布団が持ち込まれパーソナリティである藤村歩と佐藤利奈にゲストの花澤香菜が本格的に就寝した状態で番組が始まり、文化放送局アナの鈴木光裕がそれを実況するというカオスな企画を行ったり*14
1996年から1998年まで文化放送で放送されていた「緒方恵美の銀河にほえろ!」が2018年6月に一夜限りのスペシャル復活放送を実施した際には、終了から20年経った現在では地上波で放送が難しいと思われそうなキレッキレの下ネタが久しぶりに飛び交ったりと、結構フリーダムな放送が行われたりする。

2018年秋改編からはワイド番組を拡充。夕方の「本気!アニラブ」「THE CATCH」
夜の「A&G NEXT BREAKS FIVE STARS」、深夜の「鷲崎健のヨルナイト×ヨルナイト」に加え、朝には「あさステ!」、昼には「&CAST!!!アワー ラブランチ!」が開始し、
朝から深夜までの各時間帯でワイド番組が編成されていたが、「あさステ!」「ラブランチ!」の終了に伴い、再度夕・夜・深夜のみの編成となった。

かつては文化放送で放送しているアニラジ番組の遅れネットなども編成されていたが、上記の地上波デジタルラジオ試験放送の終了を境に一転、ほぼ独自編成へと転換。
それでも「A&G TRIBAL RADIO エジソン」「A&Gメディアステーション FUN MORE TUNE」を地上波と同時放送したり、一部番組の遅れネットを行ったりしている。
また、「めっちゃすきやねん」「岩田光央・鈴村健一 スウィートイグニッション」といったラジオ大阪の番組をネットしていた。

●インターネットラジオ

「音泉」「響 Radio Station」「アニメイトタイムス」「AG-ON Premium」「ニコニコ動画」といった、ウェブサイトで個別の番組が聴ける「オンデマンド方式」のラジオ局、および上記の「超!A&G+」や「ニコニコ生放送」などのリアルタイム放送を主体とした「ライブストリーミング方式」のラジオ局が存在する。

インターネットの発展と回線の増強により様々な放送局が開局され、かつては地上波で放送されていた作品とのタイアップ番組の多くがこちらへと移行し、全国で好きな時間に聴けるスタイルとなった。
また、地上波ラジオでは30分刻みでの時間制約があるが、オンデマンド方式のインターネットラジオでは
その制約がないため、毎回放送時間が変動する番組も見受けられる。
特にニコニコ動画では「シーサイドコミュニケーションズ」「あみあみ」「 響ラジオチャンネル」「ボイスガレッジ」などの制作会社による番組が急増しており、特にシーサイドコミュニケーションズ制作の番組は超!A&G+から移行するものが多く見受けられる。

もちろんタイアップ番組だけではなく、声優によるトーク番組も多く存在するのでお気に入りの番組を探すのに事欠かないであろう。基本的に毎週or隔週更新され、過去の回はネット上では聴けなくなるが人気の番組になるとアーカイブのCD-ROMが後日発売されたりもする。

オンデマンド方式としては、かつて「db-FM」「Lantis web radio」「AZステーション」「BEAT☆Net Radio!」など多くの放送局があったが、現在は主に冒頭で紹介した5つの放送局・動画サイトへと集約されている。
中でもコナミの運営の「db-FM」は1994年から1996年まで発売されていたラジオ番組風CD「國府田マリ子のRadio Canvas」シリーズで舞台になっていた「db-FM」をそのままインターネットラジオ局へと持って来た形で、地上波で放送されていたコナミ提供の番組を再放送したり、長沢ゆりかや田村ゆかりなどの当時コナミに所属していたアーティスト番組を配信していた。

ライブストリーミング方式としては、本来は映像も取り扱うことができる「ニコニコ生放送」で、サービス開始直後から音声のみを使用したアニラジ番組が放送されている。
近年では「Youtube Live」「Twitcast」などのサービスも利用されていて、ニコニコ生放送では「セカンドショットちゃんねる」や「ボイスガレッジチャンネル」「あみあみチャンネル」「シーサイドチャンネル」といった企業・ブランドごとに様々な番組をしていたり、YoutubeやTwitcastでは放送用のハードウェア、極端に言うとマイクさえ用意すればすぐに配信できることから、声優個人や気の合う声優たちが不定期的に放送することもあったりと、選択肢は大きく広がっている。

中には「練馬放送」*15のようにコミュニティFMラジオ局の開局を目指す団体が、その実績や経験を積むためにプレ放送を行っていたりもする。

2017年12月からはAbemaTV内に開設されたチャンネルの一つである、Abema RADIOでもアニラジの配信がスタートし、毎週金曜日にオリジナル番組である「Aこえ」をはじめ同媒体のみで配信されている「楠木ともりのきららファンタジアラジオ」、文化放送でも毎週土曜日に放送されている
こむちゃっとカウントダウン」や、FM NORTH WAVEと同時配信となる「Anison-R ~マンガ・アニメ研究部~」が配信されている。

●有線放送

「株式会社USEN」が運営する有線放送にも、独自のアニラジ番組を放送するチャンネル「a-FANFAN」(アニメファンファン)が存在する。
いずれも毎週月曜0時以降に更新され、翌週更新まで同じ回をリピート放送する編成。

チャンネル名を兼ねた1時間半の情報トークバラエティ番組「a-FANFAN」は、新着アニソン情報をトップに、当チャンネルやUSENアニソンチャンネルの情報、パーソナリティ同士の質問コーナー「FANFAN質問状」をはじめとしたトークを展開。1999年の開始以来パーソナリティを交代しつつ継続している隠れた長寿番組。
パーソナリティは第1週から第4週の月1回特定週を担当する形式で、2023年時点では大西亜玖璃高橋李依、水樹奈々、伊藤かな恵が担当。過去には三重野瞳や小林ゆう、南かおりも担当していた。第5週は「ゲストDJ」が担当し、ここからレギュラー入りした人もいる。

このほか2023年当時の番組には津田美波内田真礼が隔週でパーソナリティを担当する30分番組 「M×M×S」(エムアンドエムステーション)、冠番組として30分番組の「中島由貴 自由人電波局~ひとなみ~」渕上舞のまいラジ」、15分番組に中島愛 れでぃのたしなみ」「藤井ゆきよ ふじいのちょこらじ」がある。

いずれもお便り紹介を軸に、週替わりのテーマトーク、食レポやゲームなどのチャレンジ企画、近状報告などで構成されるトークバラエティで、アニメに疎くても楽しめるだろう。
お便りコーナーはガチのファンによる詳細な出演作評やイベント報告も多く熱量が高い。
ほかに新曲発売を控えた声優やアニソンシンガーによる売り込みフリートーク20分に新曲情報をプラスした30分番組「アーティスト・セルフ・ポートレート」を放送。

2024年度には大規模な番組改廃が行われ、a-FANFANに佳原萌枝・若山詩音が新加入。a-FANFANから独立した「大西亜玖璃のあぐりずむ♪」に新番組「松岡美里のまつおかっ!と遊ばせ」「小市眞琴のマコトかウソか」の週更新15分冠番組がスタート。
一方、長年続いていた伊藤かな恵、津田美波&内田真礼、渕上舞、中島愛、藤井ゆきよの番組が終了し、アーティスト・セルフ・ポートレートは15分に縮小。全番組の合計放送時間も4時間から3時間へと短縮した。

USENの番組を聴くためには回線工事と専用チューナーの設置、及び有料契約が必須となる。
過去には初回無料体験期間を設けたスマートフォン用アプリ「SMART USEN」にて一部番組のダイジェスト版「a-FANFAN mini」の配信や、有料音声配信サイト経由でのディレクターズカット版の配信が行われていた。
2024年度改編に合わせ、USEN公式YouTubeチャンネルでは一部番組のダイジェスト版が公開されている。

USENには「耳で読む文芸・ミステリー」というチャンネルもあり、ここではUSENオリジナル収録作だけでなく、過去制作のラジオ番組やテープ・CDを音源とした朗読番組・オーディオドラマが放送されている。
さらに対象年齢は下がるが古今東西の昔話やおとぎ話・児童文学のチャンネル「日本・世界の童話」もある。
これらの中には鬼籍に入った往年の声優や、ストレッチマンなど意外な人が朗読を担当している番組もあるので要チェック。
アニラジのためだけにUSENへ加入するのはハードルが高いが、アニメ・声優コンテンツに興味があるならばアニソンチャンネルや上記朗読チャンネルの存在も判断材料になるだろう。

なおコミュニティFMにはa-FANFAN全番組の放送を行っている局があり、曜日・時間は決まっているものの無料で聴くことができる。

●マルチメディア放送

2016年から始まった音声主体のマルチメディア放送「i-dio(アイディオ)」のチャンネルのひとつとして「アニソン☆HOLIC」が設けられていた。
チャンネル名通りアニソン中心の編成で、声優のMachicoと芸人の天津向がパーソナリティを務める「アニコロ!」ではいくつかの候補から聴きたい作品をリスナーがスマートフォンで投票し、集計結果で流す曲を決める「対決形式」の番組となっていた。

かつては澁谷梓希による「for boys」と羽多野渉による「for girls」とで対象を分けつつも共通のテーマ・コーナーを設けてそれぞれの違いを楽しめたリクエスト番組「にじそん!」や、81プロデュース提供のラジオドラマ番組「にじいろドラマシアター」を放送したりと意欲的な編成を行っていたが、2019年春頃を境にこれらの番組は終了し「本渡楓のとじらじ」「大原ゆい子どれみふぁ交換日記」以外はアニソン、ボーカロイドなどの楽曲を流す時間帯が多くを占める改編が行われた。

また、総合チャンネルである「TS ONE」では金曜日20時からの2時間枠でアニソン専門ヒットチャート番組「COUNTDOWN FRIDAY 飯田里穂のオールアニソンTOP20」が放送されていた。

基本的にはスマートフォンへ接続する専用チューナーでの受信となるが「電波が受信できる環境」が必須となっているため、県単位ではサービスエリアになっていても電波が届かなければ聴くことができず、難視聴対策として用意されているインターネットサイマル放送でもパケットの通信量が通常の音声データに比べて多く、エリア判定も発生しサービスエリア外では聴くことができないなど課題は多かった……のだが、運営主力のTOKYO FM経営陣が当事業の赤字隠しを目的に株取引を行っていたことが判明。
これがトドメとなり新経営陣は事業撤退を決定。2020年3月31日をもってi-dio全局が放送を終了した。

●衛星放送

▼セント・ギガ

BSアナログ放送では1990年から、BSデジタル放送でも2000年から、いずれも2003年まで放送を行っていた有料ラジオ局。
アナログではWOWOWの裏音声扱いとなる「独立音声放送」で、聞くには選局後に音声切り替えが必要。
しかも加入していない場合「ザッ…ザッ…」というような暗号化された雑音しか聞こえない。*16
さらに当時はBS自体普及していなかったため、全国放送にもかかわらずマイナー。
開局当時は環境音楽をメインとし、アニラジとは一切縁のない番組編成だった。

ところが経営難から任天堂の資本支援が入り、1995年4月にはサテラビューによるスーパーファミコン専用のデータ放送を無料で開始するとともに、ラジオにも定時の無料放送枠「スーパーファミコンアワー」を毎日16~19時に新設。
タレントや声優をパーソナリティに据えたトーク番組のほか、後述「サウンドリンクゲーム」のためのラジオ番組も放送された。

アニラジ番組としては1995年度下半期・月~土曜16時帯番組「放課後の王様」の金曜担当だった「松本梨香・三重野瞳の放課後の王様」ハドソンのゲーム情報番組で同社テレビCMナレーターを務めた杉山佳寿子の「UNDAKE30鮫亀大作戦」、平松広和の司会進行によるスクウェアのゲーム情報番組「スクウェアまがじん」が挙げられる。
しかし1996年春の改編からトーク番組枠は早くも縮小され、これらを含めた多数の番組が終了してしまう。

一方、ラジオドラマやゲームミュージックを聞きながら、データ放送でスーパーファミコンのゲームを遊ぶ「サウンドリンクゲーム」は、初放送の1995年8月から1999年5月まで、末期は再放送のみとなりつつも放送は継続された。

「BSゼルダの伝説」のナレーターに小林清志、「BSゼルダの伝説 古代の石盤」のゼルダ姫に國府田マリ子、「BSマーヴェラス」のジーナ先生に増山江威子、アーノルド先生は内海賢二、「BSスーパーマリオUSA」のマリオに古谷徹、「BSエキサイトバイク」のワリオは大塚周夫、「BS新・鬼ヶ島」のいったいさんに永井一郎、「BS探偵倶楽部」の橘あゆみに皆口裕子、「サテラウォーカー」の地底女王レイティに鶴ひろみ、Dr.博士に野田圭一…と、とてもマイナー局の番組とは思えない豪華な出演声優陣を挙げればきりがない。
これらメンバーから分かる通り主に青二プロダクションがキャスティングを担当していた。

上記サウンドリンクゲームはすべて単発番組だが、唯一のレギュラー番組として、1995年夏から1999年春まで季刊ペースで新作が放送されたクイズ番組「サテラQ」がある。
この番組では石井康嗣がギャラクター石井と名乗り、一般人代表の回答者りょうこ姫(スタッフの妹らしい)にツッコミを入れつつ出題進行を担当した。
最終回の1999年春放送分はサウンドリンクゲームの最終作かつ、サテラビュー最後の新作ゲームにもなった。

その後1999年4月に任天堂が事業撤退。セント・ギガは単独でサテラビューのデータ配信を続けたが2000年6月をもってサービス終了
2001年にはセント・ギガが破産し経営が「ワイヤービー」、さらに「WINJ」と移るも有料放送局にもかかわらず延々と無料放送を継続、番組表通りに放送が行われないなどシステム不具合が頻発した後、2006年11月に予告なく放送を休止し、紆余曲折を経て2007年11月に認定取り消しを受け廃局となった。

▼BSQR489

かつて、BSデジタル放送には「BSデジタル音声放送」の専門局、要はラジオ専門局が存在していた。
上記セント・ギガに加え、BSデジタルだけの新規局として民放5社系の無料局も登場。
そのひとつを文化放送が運営し「BSQR489」という局名で2000年12月から放送していた。
放送開始時間は開局当初10時頃、閉局前は12時からと遅く、放送終了も早くて19時半、遅く終わっても24時と放送時間自体はとても短かった。

放送開始当時はまだBSアナログ放送が放送中なうえ、高価なBSデジタルチューナーかチューナー内蔵テレビが必要だったことから知名度は低かったものの、文化放送で放送されていた一部アニラジがBSデジタル放送特有の高音質で聴けたり、井上喜久子のキャラメルタウン」「倉田ねじまき堂」「浅野真澄鷲崎健のスパラジ!」(「アニスパ!」の前身)といったBSQR独自の番組を放送していた。
また、アニメソング・ゲームソングを長時間フルサイズ・ノンストップ・ノーDJで流す番組「楽音潮流 eXtended Music」は高音質も相まって人気があり、データ放送の映像を通じて送られたメッセージやイラストが多く紹介され、人気を博していた。

しかし、総務省の放送普及基本計画見直しにより、BSデジタル放送はテレビ・音声・データのマルチサービスから、HDテレビ放送拡充への一本化が決まる。音声放送は市場規模が小さく採算が見込めない企業が多かったことから「セント・ギガ」から運営会社が交代した「WINJ」*17を除き各局一斉に撤退。
BSQRも独自番組はすべて終了し、2006年3月31日をもって惜しまれながら閉局した。

BSデジタル音声放送終了後、空いた帯域は系列テレビ局に吸収された。
現在音声放送は2011年に開局した「放送大学」のみが送出されている。

【アニヲタwiki内に単独記事があるアニラジ番組】






2020年、新型コロナウイルス(COVID-19)の流行によって音声メディアであるアニラジ番組も大きく影響を受けたものの、一度に複数回を収録したりリモート収録を行ったり、一部をリピート放送で対応するなどといった感染対策を実施。
2023年現在、今日も多くの番組が放送されている。





追記・修正の平和は我らが守る!

この記事は、アニヲタwikiの提供でお送りしました。


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • アニラジ
  • ラジオ
  • ラジオ番組
  • AM
  • FM
  • 有線放送
  • インターネットラジオ
  • 所要時間30分以上の項目

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年04月17日 18:36

*1 後に後述の事情によりラジオ関西へ移動

*2 2020年4月~6月に一旦休止。

*3 杜野はローカルタレント出身で、声の担当で知名度を上げたものの現在までタレントを活動の軸にしている。

*4 海外向けのラジオ局・NHKワールド・ラジオ日本でも放送されている。

*5 同枠では過去に松本梨香が「サタデーHOTリクエスト」を俳優の太川陽介、歌手のGAOとともに担当していたことがある

*6 独自アニラジ番組で終了したものの中には「ウキウキ放送局!零」(エフエム山口)など長寿番組も存在する。

*7 元アイドル歌手・山口百恵と俳優・三浦友和の間に生まれた長男。二次元の嫁はアイドルマスターシンデレラガールズの橘ありすなど多数で、二次元の嫁を増やすことは奥さんからも公認されている。

*8 Youtubeで小野坂昌也、神谷浩史、置鮎龍太郎による「おしゃ5」のみが継続。

*9 かつては「寺島惇太と三澤紗千香の小説家になろうnavi-2nd book-」であったが、三澤の一時休業により徳井へバトンタッチされ改題。

*10 発震時からの対応記録などが、ラジオ関西ホームページの「震災報道の記録 『被災放送局が伝えたもの』」に保管されている。

*11 2019年秋改編で90分へ再拡大。

*12 ただし、録音は許可されていないのでリアルタイムで聴くことが必須となる。

*13 時々声優の真田アサミがメールを投稿したり、番組ゲストで遊びに来たりしている。

*14 他にも「進め!狂乱電波日記」では文化放送社屋のどこかに監禁された鈴木光裕氏をパーソナリティのふたりが探し出したり、鈴木光裕氏にポルノグラフィティの「ミュージック・アワー」を歌わせたり、台風が接近しつつある文化放送社屋の外に設営された簡易スタジオで放送させられたりと、その狂乱具合は枚挙に暇がない。

*15 一般番組の他、オリジナルのアニラジ番組が存在する

*16 加入契約を済ませ、BS受信機に暗号を解除する「BSデコーダー」を接続すると番組を聞ける。

*17 その後、前項どおり廃局となる。