No.42 スターシップ・ギャラクシー・トマホーク

登録日:2018/05/13 (Sun) 13:01:02
更新日:2023/12/28 Thu 18:22:21
所要時間:約 5 分で読めます





No.42 スターシップ・ギャラクシー・トマホーク
エクシーズ・効果モンスター
ランク7/風属性/機械族/ATK 0/DEF 3000
レベル7モンスター×2
(1):1ターンに1度、このカードのX素材を2つ取り除いて発動できる。
自分フィールドに「バトル・イーグル・トークン」
(機械族・風・星6・攻2000/守0)を可能な限り特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したトークンはこのターンのエンドフェイズに破壊される。
この効果の発動後、ターン終了時まで相手が受ける戦闘ダメージは0になる

No.42 スターシップ・ギャラクシー・トマホークは、遊戯王オフィシャルカードゲームに存在するエクシーズモンスターである。
漫画版遊戯王ZEXAL出身のナンバーズであり、2013年3月号のVジャンプに付録収録された。


カード性能について

特徴は何といっても、「 可能な限り沢山トークンを特殊召喚できる 」という点である。
マスタールール3では最大で4体の「バトル・イーグル・トークン」を特殊召喚でき、特に素材についての制限はない。

しかしシンクロ召喚の素材にするにはレベルが高すぎるし、可能な限り特殊召喚するということは
効果を使った後はモンスターゾーンがすべて埋まっているので、新たにモンスターを召喚しにくい。
事前にチューナーを用意するとトークンの数が減って個性が薄まるし、そもそもレベル7×2体という重さのため事前用意の余裕が必ずあるとも限らない。
実は見かけ以上に大量展開につなげるのは難しい。

開き直って疑似全体アタッカーとして運用しようにも、トークンを作ったターンに攻撃しても戦闘ダメージ制限があるのでこれ単体では疑似全体モンスター除去として活用するのが限界。
そもそも攻撃力2000という数値は低くはないが高いとも言えないため、これをアタッカーとして生かせる機会は少ない。少なくとも攻撃力2500あればそれなりに使える効果とギリギリ言えそうなものなのだが・・・
おまけにこいつときたら攻撃力0なので、とことんアタッカーには向かない性能をしている。

…戦闘ダメージを無暗に与えられたらあまりに容易に1キルできてしまうから当然だけど。


ちなみに漫画版の性能は、効果のための消費するORUは一つでいいし、戦闘ダメージを与えることもできた。
やむを得ない面もあるとはいえ、大幅に弱体化されている。

一気にORUを2枚墓地に送れるから墓地を肥やしやすい?
いやいやエクシーズ・リボーンやグローリアス・ナンバーズが利かないと言え。

「ギャラクシー」のカテゴリーには属しているものの、ギャラクシーデッキでは
ランク5と8のエクシーズ召喚に特化したデッキなので、採用されない。
かといってトークンを扱うテーマで風属性・機械族のいかにもな「幻獣機」は後述する「アイツ」がいるし・・・。


評価の変遷

本来なら原作のアタッカー運用とは打って変わって、大量のトークンを利用して大量のモンスターを呼び出して強力な制圧布陣を整えたいところ。
しかし戦闘ダメージを与えられず、これ一つでモンスターゾーンを埋め尽くすほど融通が利かないため、大量展開の目的とかみ合っていない。
実のところ、場を埋め尽くすほどのトークンを生み出す効果は一見派手だが、冷静に考えると そんなにたくさん、何に使うの? となる。
エンドフェイズで勝手に壊れるから次のターンで…とも使えないし。
何より前提として 最上級のレベル7モンスターを2体並べるのもかなり手間がかかる ため、その手間を使ってまでの
見返りある効果かと言われると、 実はかなり怪しかったりする

一番の問題として、トークン効果を持ったランク7にこだわるとしても 最悪の競合相手がいるのだ
それがこちら。

幻獣機ドラゴサック
エクシーズ・効果モンスター
ランク7/風属性/機械族/ATK 2600/DEF 2200
レベル7モンスター×2
(1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
自分フィールドに「幻獣機トークン」(機械族・風・星3・攻/守0)2体を特殊召喚する。
(2): 自分フィールドにトークンが存在する限り、
このカードは戦闘・効果では破壊されない。
(3):1ターンに1度、 自分フィールドの「幻獣機」モンスター1体をリリースし、
フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
この効果を発動するターン、このカードは攻撃できない。

このお方、No.42と同じ属性、種族、ランクでありながら手堅くまとまった効果でありながら、登場当時の同期のカードとしては破格の効果を持っている。
まず自身の攻撃力が2500のホープラインよりやや高いためアタッカーとして運用できる。
さらに(2)(3)の効果は自身が作り出した幻獣機トークンでも条件を満たすことができる。
トークンのレベルは1体当たりは程よく低く、2体合わせれば程よく高いのでシンクロ召喚の素材にすることも容易だし。
トークンを生かす余裕がなくても破壊効果に繋げるか、敢えて残すことで疑似的に1~2回分の破壊耐性として運用することができる。
つまりはドラゴサックは1枚で アタッカー、展開、除去、破壊耐性 を一度に持つ、自己完結したエクシーズというわけ。
状況に応じて臨機応変に手を変えることができるので、全盛期の征竜でもこちらが採用されていた。
何より(3)の効果を使わない限り 展開しつつ問題なく自身も攻撃できるし

かたやNo.42は、辛く言うとできることは トークンを作りだすだけ
ここからトークンを使って展開した先が生半可な破壊効果、破壊耐性持ちモンスターであれば「 ドラゴサックでよくね? 」と言われかねない。
アドバンス召喚補助やリリース素材確保、融合素材にする方法も、自身も含めれば3体分に数えられるドラゴサックで間に合っているし、
冗談抜きで No.42にできることは大抵ドラゴサックにもできる 状態であった。
フィニッシャーになりうる最上級レベル7モンスターを2体もオーバーレイしといてこんな用途とかまず有り得ないしね

そもそもレベル7モンスターを無理なく使いこなせるデッキというだけである程度の希少性があり、
そのうえで使用するにあたってあれやこれやの条件を突きつけられると、いくら派手な個性があっても採用をためらいがち。
よほど「トークンを大量に特殊召喚できる」点を生かすことができなければ…













そしてそのときはやってきた

重爆撃禽 ボム・フェネクス
融合・効果モンスター
レベル8/炎属性/炎族/ATK 2800/DEF 2300
機械族モンスター +炎族モンスター
自分のメインフェイズ時、フィールド上に存在するカード1枚につき
300ポイントダメージを相手ライフに与える事ができる。
この効果を発動するターンこのカードは攻撃する事ができない。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。

バーン効果と融合素材指定として機械族を要求する融合モンスター。
これと旧神ノーデンや霞の谷の神風、フュージョンゲート等を絡めた1ターンキルデッキが開発されたが
その際にコンボパーツとしてこのNo.42が抜擢された。

これの役割はボムフェネの融合素材になること。
何らかの炎族モンスター+No.42またはバトル・イーグル・トークンで1体目のボムフェネを融合召喚、
続いて炎族のボムフェネとNo.42またはバトル・イーグル・トークンで2体目、3体目のボムフェネを次々と作り出す。
そしてそれぞれのボムフェネでバーンを行い、1ターンキルが達成される。
…なんか真っ当でない使い方にしか見えないが実際セコイがようやく日の目を見たといえるだろう。

…ボム・フェネクスが制限カードに指定される2015年1月まで。

かくして再びストレージの常連として暗い日々を送るのであった。
再び日の目を見ることはできるのだろうか…














そんな折にある転機が訪れる。


新マスタールール


2017年3月から施行された新マスタールール
新たにリンクモンスターが登場し、モンスターゾーンが増設され、エクストラデッキから大量展開するにはリンクモンスターの経由が不可欠になる。

ここでとある決闘者が気づく。

スターシップギャラクシートマホークは…やればできる子だったんだと


エクストラモンスターゾーンにNo.42を特殊召喚すれば、バトル・イーグル・トークンを5体も特殊召喚できる。
そして トークンをリンクモンスターの素材にすることができる ことから
レベル7モンスター二体からバトル・イーグル・トークン5体+No.42自身の 計6体をリンク素材に使うことができる
地味にきつい欠点だったエクストラを埋め尽くして他のモンスターを出しにくくなる欠点も、
トークン含め素材にできればなんら問題なく、むしろ意図的に場を開ける事すらできるリンクモンスターが解消してくれた。

6体分の素材があれば、さくっとセキュリティ・ドラゴンとファイアウォール・ドラゴンを並べて2枚バウンスができる。
トークンを軽量リンクモンスター等に変換すれば、「トークン以外」とかトロイメア等の「カード名が異なる」といった素材指定もクリアできる。
セキュリティとスパイダーを使ってサモン・ソーサレスを呼べば、特に手間をかけずに機械族モンスターをリクルートすることだってできる。
他にもNo.42本体やバトル・イーグル・トークンをグレートフライクリフォート・ゲニウスに変えることでヴァレルロード・ドラゴン等の大型も召喚できる。


兎に角特殊召喚できる物量が多いので、可能性は無限大。
エクシーズ召喚するまでの手間についても、

アストログラフ・マジシャン
ペンデュラム・効果モンスター
星7/闇属性/魔法使い族/攻2500/守2000
【Pスケール:青1/赤1】
「アストログラフ・マジシャン」のP効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。
このカードを破壊し、手札・デッキから「星読みの魔術師」1体を選び、
自分のPゾーンに置くか特殊召喚する。
【モンスター効果】
(1): 自分フィールドのカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
その後、このターンに破壊されたモンスター1体を選び、
その同名モンスター1体をデッキから手札に加える事ができる。
(2):フィールドのこのカードを除外し、自分の手札・フィールド・墓地から、
「ペンデュラム・ドラゴン」「エクシーズ・ドラゴン」「シンクロ・ドラゴン」
「フュージョン・ドラゴン」モンスターを1体ずつ除外して発動できる。
「覇王龍ズァーク」1体を融合召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。

ダイナレスラー・パンクラトプス
星7/地属性/恐竜族/攻2600/守0
このカード名の、(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、
(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1): 相手フィールドのモンスターの数が自分フィールドのモンスターより多い場合、
このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):自分フィールドの「ダイナレスラー」モンスター1体をリリースし、
相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
この効果は相手ターンでも発動できる。


ようやく強いことしか書いていないとても汎用性の高い、特殊召喚が容易に行えるレベル7モンスターが新しく登場した。
アストログラフは非ペンデュラムデッキにおいても役立ち、パンクラトプスはもっとデッキを選ばない汎用性の塊なので
エクシーズ召喚の難易度は大幅に下がったといえるだろう。

またレベル7のシンクロモンスターを素材にするのであれば、

亡龍の戦慄-デストルドー
チューナー・効果モンスター
星7/闇属性/ドラゴン族/攻1000/守3000
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードが手札・墓地に存在する場合、
LPを半分払い、自分フィールドのレベル6以下のモンスター1体を対象として発動できる。
このカードを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したこのカードは、レベルが対象のモンスターのレベル分だけ下がり、
フィールドから離れた場合に持ち主のデッキの一番下に戻る。

大きなライフコストがあるとはいえ、レベル7シンクロを大幅にサポートするチューナーモンスターが登場している。
ここからとかメテオバーストなどの展開補助を持ったレベル7シンクロモンスターに繋げることもできる。
…鰻は現在禁止指定されちゃったけどね。

更には2018年10月をもって1体だけながら征竜の一角 嵐征竜テンペストが制限に帰ってきた のも
No.42にとって大きな大きな追い風になる。


No.42のトークン効果を使うと戦闘ダメージを与えられない弱点は相変わらずだが、No.42が登場した当初はもとより、現在では
大量展開の末に徹底的に相手の動きを封殺する布陣で、ロスを無かったことにするという暴力的な発想と、それを実現する程のインフレが進んでいる。

No.42の上を行くと散々に言われていたドラゴサックとは、
展開用としても良し、単体でも完結した効果を持つドラゴサックに対して、徹底した展開特化のNo.42という関係が成立するので、
相互の関係と言えるか。

こうした使い勝手が大幅に向上した現状を見てか、初登場から5年後の2018年2月に再録されている。


一方でレベル7・ランク7の扱いに優れたデッキはカードプールが確実に充実した今でも少なく、そうでないデッキに無理に組み込むと(前よりマシになったとはいえ)ガタが生じるのは相変わらず。
レベル7シンクロを使うとEXデッキを大きく圧迫するし、メインデッキに入るレベル7は他のレベル帯と比較するとまだまだ展開に秀でているとは言い切れない面もある。
その為か、 今の時点では ほかのパワーカードと比べるとどこかおとなしい印象がある。
逆に言うと 征竜を釈放できない一番の理由がコレ とも言える。
効果そのものはぶっ飛んでいることから1116に次ぐ、3枚目の規制ナンバーズにこのカードを予想する人もいるが、
実際に3枚目に選ばれたのは42以上に征竜とのつながりが強い95である等想像以上に危険性は低かった。

ただこれは「日本では」の話で、かたや海外では展開力が強いレベル7モンスターとして上記に加えて
日本では未発売の「未界域のネッシー」と「未界域のワーウルフ」までもが参加したことにより
リンク素材として日本以上に引っ張りだことなった。
それが許されない域にまで達してしまったのか、 1月28日付で禁止カードに指定されてしまうのだった
同改訂では他にも未界域のとばっちりを受けたカードが色々とある

日本でも近いうちに禁止になると確信するデュエリストもいるが、どうなることやら…


追記修正はモンスターゾーンをイーグルトークンで埋め尽くしてからお願いします。

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最終更新:2023年12月28日 18:22