魔法

登録日:2018/04/25 Wed 13:27:46
更新日:2023/10/26 Thu 15:48:54
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魔法とは、神話や創作に登場する能力。
超自然的なエネルギーを借りて、不思議な現象を起こすこと……ぐらいしか定義のしようがない。
また、その根源となるエネルギーのことを「魔力」とも呼ぶ。

比喩表現として、素人には予想もつかないような驚異的な能力や技術を「魔法」と呼ぶことがある。
驚かせてナンボの手品(奇術)や手品師(奇術師)を「魔法」「魔術師」と呼ぶのもお約束。

+ 目次

概要

ぶっちゃけると、何が魔法で何が技術なのか、明確に区別することは不可能である
というか、使う人・時代によってこの辺の定義は非常に曖昧なので、ハッキリとさせることは極めて困難だろう。
特に近年のフィクションでは作品ごとに全く定義が異なる「魔法」が頻繁に出てくるため、それぞれを覚えるだけでも大変である。

ただまぁ一応比較的一般的な「魔法」の定義を考えると、

  • 現代科学では立証されていない
  • 「魔力」という不可視のエネルギーを用いた
  • 超自然的な能力

……ぐらいには言えるかもしれない。少なくともこの定義から大きく外れた「魔法」を扱う作品はあまりないだろう。

しかしながら、錬金術は現代から見ると魔法染みているが、当時の理論では立派な科学である。
時代により、「魔法」と「科学」の境目は移り変わっているので、ハッキリとした定義のしようがないのは仕方ないだろう。

「魔法と科学の根はひとつ」「高度に発達した技術は魔法と区別がつかない*1」というのが一つの真理かもしれない。


創作における魔法と科学の区別

現代における「科学」とは「よく分からない現象に法則性を見つけようとする行為」であり、魔法の効果範囲や威力などを自然科学・認知科学・社会科学の面から検討する行為は即ち科学の範疇であると言える。
魔法を体系化し、再現性を持たせようとする思想はそもそも科学的だと言えるし、未だそのような体系化が為されていないとしてもその後そのような試みが為される余地があるなら「科学的な現象」と言えるかもしれない(未解明な出来事や「永遠に答えが出ないことが証明された出来事」もまた、「未解明」という一つの答えが与えられているという点で科学的である)。

物語における魔法はまた、物語が近代的であるが故に、科学的にならざるを得ない。物語を面白くするためには必然性が必要であり、魔法に再現性がなければ、物語はご都合主義と取られかねない。この点で物語の中の世界は必然性に縛られていると言え、魔法は科学に縛られていると言える。
このような必然性に縛られず、純粋に与える印象のみを考慮した場合にも、今度は物語の展開そのものが、「作者の意図に対する心理学や言語学, 美学による分析」によって定量化される可能性もある。メタ要素のある小説も存在しない訳ではないから、これもあり得ないことではない。

上述の理由から、魔法は科学的な行為とは背反でないと考えなければならない。では、物語の中で科学(科学技術)と魔法とを分けるものとは何だろうか。

たとえばそれは読者や視聴者, プレイヤーにとって架空と思えるか否か、という点に尽きるのかもしれない。SF小説は物語の「あり得るかもしれない」という実在感を与えるが、魔法はそうではなく、「ありえないが、もしあるとしたら」という仮定の出来事において真であるような出来事なのかもしれない。
(たとえば切り株が熊であるとしてごっこ遊びをする時のことを考えてみるがいい。切り株が熊であることには何の必然性もない(SF的でない)が、一度切り株が熊であると仮定してしまった後は、あなたの後ろの茂みに隠れていたもうひとつの切り株もまた、熊となる筈だ。このとき、切り株が熊であるということは虚構だが、熊が茂みに隠れていたという出来事は「虚構的に真」であると言えるし、遠目に見えていた切り株が実は岩だったとき、あなたはそれを「熊だと思っていたが岩だった」(=「虚構的に偽」)と見做すかもしれない。)
ただし、この特徴は後述の「超能力」にも当てはまるものである。これだけが魔法を魔法としているものであるとは考えにくい。



魔法? 魔術?

両方「magic」の訳語なので、特に違いはない。
ただし、取り扱っている作品によっては異なっているケースもままある。

異なっている場合の比較的一般的な使い分けは、

  • 魔法
    • 「生来の才能」により扱われる「能力」。才能がない者には習得さえ不可能。
  • 魔術
    • 「魔法」に近づくために理論づけられ、法則として成立した「技術」。習得さえすれば誰にでも使える。

というのが多いだろうか。
この場合、魔法は「世界に備わったシステム」ということになる。そういう仕組みがなければ、才能などありえようがない。
言うなれば魔法とは、世界をメーカーとし、魔法使いをそのメーカーが提供する商品を使うユーザーと定義できる。
それに対して魔術師とは、オリジナルの商品を編み出さんとするクリエイターやデザイナーといった存在となる。

ちなみにこの日本における使い分けは英語圏の人には大変悩ましいものらしく、日本以上に明確な定義がされていない。
「魔法=magic」、「魔術=sorcery」と訳し分けることもあるが、作品によっては真逆になっていることもあり、非常に曖昧。

なお「magic」が渡来する前の日本語の「魔法」という言葉の意味は、
マーラ(悪魔)の音訳「魔」+「法」で、「仏法」と相反する概念やその法力のこと。
そのため宣教師が日本語の「魔法」を、「Tenguの法」という意味の母国語に訳してたりする。

幕末に英語の「magic」を日本語訳する際には、対訳語として他に「飯綱」や「妖術」なども用いられた。
ちなみにその際の「魔法」の対訳語は「magic arts」「sorcery」だった。

「magic」の語源は中東の占星術師を意味する「magi(magus)」。「メディア王国のゴエティア」に由来するという説も。

因みにmagicは「手品」の意味もあり、区別のためマギックmagickと呼ぶ場合がある。(セレマや英語版ファイナルファンタジーなど)。


魔法と超能力

同じく現代科学では立証されていない「超能力」と比べると、超能力の方が幾分「科学的」な感はある。
超能力と魔法を比べると、「魔法は文系、超能力は理系」とも言えるかもしれない。

前述の魔法と魔術の関係のように「超能力を真似ようとして作られた技術が魔法」というパターンもあれば、
「超能力者は魔法使いの卵。超能力をより複雑にコントロールできるようになると魔法になる」といったパターンまで様々。




白魔術と黒魔術

元来ヨーロッパでは、 白魔術なんてものは存在せず、魔法は全て黒魔術である
そもそも、「魔法」というものの定義が「悪魔と契約した魔女(女性とは限らない)が行使する悪魔の技」なのだから、「正しい魔法」なんてものがあるわけがない。
神の力を借りた超自然現象ならそれは「奇跡」であり、魔法などと呼んではいけないのである。
フロムソフトウェアのソウルシリーズは海外圏での販売を念頭に置いた為かその辺を反映し「奇跡(Miracles)」と「魔術(Sorceries)」が系統として別種の物となっている。もっともそれらの超常現象を「魔法(Spells)」と総称しちゃってるのはご愛嬌


ただ、近年のフィクションでは「魔法なら全部MPを消費して使う」とシンプルに定義されたためか、
両方とも同じような体系の魔法として定義されることが増えている。
「法術」とか「法力」など作品独自の概念が定義されることもあるが。

術式

魔術、法術、呪術などの式に関して、「術式」という表現が用いられることがある。
「術式を発動する」「術式を仕込む」などと使われる。「封印術式開放」や「防御術式展開」とか言ったりする。
「特定の用途のためすでにセットされた魔術」的なニュアンスだろうか?

本来の術式とは「医学における手術の方法」を差す。
だがHELLSING呪術廻戦幼女戦記とある魔術の禁書目録BLAZBLUE川上稔作品、TYPE-MOON作品など広い作品で
こうした魔術や呪術の式に対して「術式」と略される表現が見られる。
一体何の作品が術式と言い出したのだろうか。術式の歴史に詳しい人の追記求む。

魔術の変遷

魔術には大まかに分けて、2, 3の時代区分が考えられるだろう。
第一に、不特定多数の者が原始的な魔術を行なっていた時代であり、
第二に、それらが個人の手で解釈された時代である。
第二の時代は、魔術が実際に効力を持つと信じられた時代と、創作の中で扱われはじめた時代とで分けられるかもしれない。

原始的な魔術に関して言えば、たとえば相手の髪の毛を仕込んだ藁人形の心臓に釘を刺すと相手の心臓が止まるなどといった類感魔術が信じられていた時代と、耕作が始まって以降、それらの力が信じられなくなり、人の力を超えた神の力が存在すると考えられはじめた時代とに分ける人もいたようだが、これら二つの信仰は不可分であり、明確な境界は存在しない。

システマチックな魔法? 奇跡に近い魔法?

物語における魔法の扱いは様々で「特定の呪文を唱えると、絶対に特定の効果が起きる」などのシステマチックで体系化された技術としての魔法や
「魔法を使うと何かが起きる。そのルールは読者に対して全く明示されない」など不思議で不条理な魔法などいろんなものがある。
ルール化されていれば物語はSFや異能バトルに近づき、なんでもアリだと話がシュールでメルヘンになっていくので、魔法の設定は話の雰囲気を決める重要なものである。


いろいろな魔法使い

メイジ/ウィザード/ウォーロック/ウィッチ

「魔法使い」。一番シンプルな魔術師である。
メイジだと性別を問わず、ウィザード/ウォーロックが男、ウィッチが女、というのが一番一般的。
ただし、実際には「ウィッチ」でも男を指すことはあったようだ(その為「魔女」という邦訳自体がそもそもの間違いとも言われる)。
その場合は「ウィザード/ウォーロック」が「学者」、「ウィッチ」が「まじない師」のような意味合いとなる。
RPGだと、魔法使い系の最下級職であり、肉体能力は非常に貧弱だが、豊富な魔力で強力な攻撃魔法を操る。
ちなみに、「ウォーロック」は元々「悪魔」の意。

マジックユーザー

特に宗教的意味を含めず、単に「魔法を使う人」と呼びたい場合はこれが一番無難。
日本ではあまり一般的ではないが、海外ではそこそこ使われる呼称。
恐らく「Magician(マジシャン)」では手品師・奇術師となって混同・誤解される為に作られた英語圏での造語と思われる。

スペルキャスター

「呪文を唱える者」の意。
こちらも無難な表現の一つだが極めて大雑把な表現であるため、概ね「魔法使い系統全般」といった漠然とした概念となる。
略して「キャスター」とも呼ばれる。

ソーサラー/ソーサレス

ソーサラーが男、ソーサレスが女。
「悪魔と契約を交わした魔法使い」という古典的なイメージを持ち合わせていることが多い。

セージ/ハーミット

「賢者」「隠者」。俗世間から離れて知識を蓄える人の事である種の「世捨て人」。
東洋では「仙人」と言うのが一番近いかもしれない。
ゲームだと、攻撃魔術と回復魔法の両方を極めた最強の魔法使いとして登場する。
ただし、ものによっては「使える魔法こそ多いが、その威力は専門職に劣る」という器用貧乏チックな調整をされていることも。

エンチャンター/エンチャントレス

「エンチャント(付与魔術)」に特化した魔術師。
単体での攻撃能力は低いが、「アイテムや仲間に魔法をかける」というサポートに長けている。

コンジャラー

コンジュラーとも。
「魔法使い」や「手品師」といった意味だが、「conjure」に「(霊などを)呼び出す」というという意味があるため
召喚系の魔法使いにされることがままある。

ドルイド

元はケルト人の司祭だったが、フィクションで扱われていくうちに意味合いが変わっていった。
現在は「特に自然を愛し、森との関わりが深い魔術師」として扱われることが多い。

シャーマン

巫女、あるいは祈祷師。精霊信仰に深く関わっている存在。
日本の神道っぽい「巫女」がシャーマン名義で登場することもある。

呪術師

呪いに特化した魔法使い。「のろい」なのか「まじない」なのかで方向性が変わってくる。
「のろい」の場合は間違いなく邪法の類なので、あまり関わってはいけないタイプ。
「まじない」の場合は上述のシャーマンとほぼ同じ扱いのことが多い。

サモナー

召喚士。何らかの生物を呼び出したり使役することをメインとする。

ネクロマンサー

死霊使い、あるいは屍術師。死者や霊を用いた魔術(ネクロマンシー)を使用する。
創作物においては、死霊や死体を使役して操る姿が有名。
言うまでもなく命を冒涜する行為であり、自然の摂理を侵す禁忌に踏み入っている。
大抵は敵としての登場であり、味方であっても人格に異常をきたしているケースが非常に多いという、魔術師の中でもトップクラスに危険な部類。
一応、この人みたいなタイプのネクロマンサーもいないわけではないが珍しめ。

陰陽師/法術師

和風世界に於ける超常的能力の持ち主。
ファンタジー作品に於ける陰陽術も厳密には魔法とは別物であろうが、超自然的な異能力という意味では広義の魔法と呼べるだろう。
なお、「法術」を辞書で引くと「法理の運用の術」「法律によって国を治める術。法家の術」「方法。手段」などと出て来る。

錬金術

アルケミスト。昔は立派な科学だったが、現代では魔法の一種として扱われてしまう。
卑金属を貴金属に変える研究ばかりしていたように思われがちだが、錬金術の最終目標は不老不死である。
フィクションの錬金術も一部は魔法染みている、あるいは魔法が錬金術っぽい場合もある。
ゲームでは直接自分で攻撃するより、薬品や武器の生成による味方の支援が主な役割である事が多い。
中には一番の得意技が 自分でカスタマイズした銃(ライフルやレールガン)で遠距離砲撃 という変わり種もある*2

魔法戦士

ちょっと特殊。「魔法だけでなく、剣も扱う」という特殊な魔法使い。
魔法を使うが武器は使わず肉弾戦オンリー…等でも該当するためか、「魔法剣士」という言い回しになる場合も。

魔法少女

これもちょっと特殊。
様々な形態が存在するが、一般的には「異世界の不思議な力を使って人々を助ける可憐な少女」とされている。
元々日本の子供向けアニメが起源なので華やかな外見と可愛らしいアイテムが特徴的。
ただし、近年ではそれを逆手に取って華やかなビジュアルの裏に残酷な設定を付与するケースも見られるように。
「魔法少年」という言い回し自体はあるが、若干ジャンルは異なる場合もある。

魔導師/魔導士/魔道士

表記的にややこしいうえに作品によって扱いが変わる代表例。
Wikipediaでは『独立して自らの意思で魔法を使う者や導師的立場の者を「魔導師」、王侯などの命令で魔法を使う者や修行中の者を「魔導士」「魔道士」』
としているが、当然そうではない作品もある。古のオタクは間違えると酷い目に遭ったので言葉選びが慎重である。

魔法使いタイプ(RPG)

項目参照。

妖術師, 邪術師

文化人類学の類型による、異能を持つ人間に対する呼称。
人間は出来事に理由を求める生き物であり、「なぜ空が青いのか」(=なぜ神はレイリー散乱の起こる世界に我々を置いたのか)「なぜ石は地面に落ちるのか」(=なぜヒッグス粒子が存在し、その結果として石が落ちなければならないのか)「なぜ自分の息子は死ななければならなかったのか」という科学では答えることのできない問いに対する答えもまた、その対象となる。

妖術師はその例のひとつであり、「彼が死んだのは妖術師のいるせいだ」という理由を作ることで心理に安定を得ようとした結果として生まれた考えである。妖術師は自分の能力を自分の意のままに操ることができず、妖術師の疑いをかけられた者が断罪されることはない。妖術師信仰はまた、誰が妖術師なのかを占う過程で、その共同体の中で誰が嫌われているのかを明確にする役割もある。

邪術師は共同体の中で信じられる架空の存在である。邪術師と話したり仲良くなったりした者は、その絆を介して呪いをかけられる恐れがある。このため、邪術師が信じられている社会では、そのような存在が居ないにも関わらず、呪いをかけられたくないがために他人との会話を避ける傾向にある。

ほかに文化人類学における類型として有名なものには回復術師の存在がある。回復術師は選ばれた者が臨死体験をすることでしか成ることができない。

童貞

30歳を迎えてなお女性経験がない男性のみがその境地に至ることを許されるという。
ただし、その魔法が実用に値するかどうかはまた別の話。
妖精であるとする説も一部で囁かれている。



魔法をテーマにした主な作品

多くのファンタジー作品は別名「剣と魔法」と言われるだけあり、魔法あるいはそれに類する概念がよく登場する。
主にそれらの作品における魔法の扱いについて説明する。

ハリー・ポッターシリーズ

このシリーズでは「魔法は血統により受け継がれ、教育により花開くもの」と定義されており、たまに一般人から突然変異的に魔法使いの素質持ちが生まれることもある。
魔法使いの血筋にあれば、魔法そのものは使えるようだが、それでもそれをキチンとした技術として磨くためには学校に通うことが必須となっている。
細かな手順を正確に踏んでいかなくてはいけない魔法薬学はともかく、杖を用いた魔法の行使はふんわりとした感覚的な教示であることが大半。
「姿現し/姿くらまし*3」や変身術の講義は、技能訓練の様相を呈している。
学問っぽいかと言われると難しい気もするが、作中では高名な魔法研究家が多数示唆されているため、「感覚的なものではあるが学問化はされている」……といったところか。
なお、他の世界では実現困難とされる瞬間移動等を杖の一振りでやってしまう他、「絶望して魔力が枯れる」という根本的な枯渇はあるものの、「その場で魔力が切れて戦えない」状態は見受けられない。
リソースとしての「魔力/MP」の概念はなく、他所の世界観と比較するとやりたい放題である。

仮面ライダーウィザード

史上初の「魔法使いの仮面ライダー」。
この作品での「魔法」は敵でもある「ファントム」の力を借りなければならない。
魔法の発動には魔法の指輪「ウィザードリング」が必要であり、それぞれの指輪に対応した魔法が発現する。
子供向け番組ではあるが、伝統的な「悪魔と契約して魔術師になる」にかなり近い。
戦闘や魔力譲渡によって魔力が不足すると変身が解けたり、魔法が不発になったりする。
消費した魔力は、休息や食事によって回復する。

魔法つかいプリキュア!

魔法が存在する「魔法界」と、人間界に当たる「ナシマホウ界」の2つの世界が存在する。
この作品の魔法はざっくり説明すると「神様の力を人間が扱いやすい形に変換したもの」で、「キュアップ・ラパパ」という呪文で大体のことは片付く。
ただし初歩的な魔法でも術者の精神的な影響を受けやすい他、無から有を生み出すのは原則不可能。
魔法界では学校で魔法を習うほか、「ナシマホウ界の人々に魔法が使えることを知られてはならない」という掟が存在する。
厳密にはナシマホウ界にも魔法自体は存在するのだが、魔法という概念が秘匿されているため魔法使いが存在しない。
教育を受けさえすれば、たとえナシマホウ界の住人であっても魔法を使うことは可能。

とある魔術の禁書目録

「魔術」と「超能力」の対比が作品全体の大きなテーマとなっている。
珍しいことにこのシリーズでは「超能力」の方が「才能ある者の特権」であり、「魔術」は「超能力者に近づくための技術」である。
後に「学園都市における超能力の体系化」等に魔術師が関係していたことが明かされたが、
それでも二つの異能は基本別種の力であり、一度超能力に覚醒すると魔法使用に生死を伴う負荷が掛るようになってしまう。

リリカルなのはシリーズ

個別項目:魔法(魔法少女リリカルなのは)を参考に

魔法科高校の劣等生

完全に「魔法」が「技術」として確立しており、ハリーポッターのように「感覚」で使うものではなく、「演算」で使うものになっている。
ここまで来るとむしろ「超能力」に近く、作品世界の過去ではサイキックとして研究されてきたこともあるが、
血統で能力が受け継がれるなど伝統的な魔法に近い部分もある。

Magic The Gathering

プレイヤーが次元渡りをする「プレインズウォーカー」という魔法使いになり、
自分だけの魔法書(ライブラリー)としてデッキを組んで対戦するTCG
クリーチャーを『召喚』と表現するのもその名残であり、
プレインズウォーカー・カードは自分以外の同格の魔法使い(他のプレインズウォーカー)に助けてもらうイメージである。

円環少女

「物理法則が不安定な世界」の住人が、その法則の揺らぎを自ら観測する事で利用・行使する技術とされており、無数にある世界ごとに「何が不安定か」が異なるため、各世界に一つづつ「~大系」と付く魔術が存在し、他の世界に渡っても出身世界の魔法を使用できる。
だが本編の主な舞台となる世界は物理法則が安定しており、同時にごく一部の固有魔法に覚醒した者以外の全人類は「観測しただけで魔法を消去する特性」を先天的に有しているため
他の世界の魔法使い達から「舞台となる世界の地球」は「地獄」、人類は「悪鬼」と蔑称されている。

レンタルマギカ

「超常現象を引き起こす摩訶不思議なもの」という認識に変わりはないが、
魔術は魔術内で非常に体系化された学術として成り立っている。
才能はもとより、どれだけ長い間魔術に携わってきた血族なのかによって、保有魔力量に雲泥の差が出る。
魔力そのものの性質も個人の資質に左右されるものであり、つまるところ非常に不安定なエネルギーとして扱われている。
ゆえに詠唱も「リズム・音程・語句・早さ」のどれかが少しでもズレれば失敗し、とんでもない事故を引き起こす。
統括して言えば使えなくてもそれで全く構わないほど滅茶苦茶シビアな存在であり、執念はあってもメルヘンなロマンは一切含まれない世界である。

みなぎ得一作品

もともとあらゆる魔物・神格・オカルトがごった返した世界であるため、様々な魔法使いが登場。
「悪魔と契約して力を使う」魔法使いとしてはバロネス・オルツィ(クリストファー・マーロウ)がいる。
妖精とも契約しているのでシャーマンが近いが、雑多過ぎるゆえ召喚士の呼称が似合う。
「対価を払う代わりに特定の時間のみ召喚に応じる」契約方式を取っており、通り名の「時間の精霊使い(タイム・ショッカー)」はそのあたりに由来する。
物語や悪辣な魔法使いの末路として、契約した悪魔を便利な下僕と勘違いした結果無惨に牙を剥かれる……という帰結がある種の王道だが、彼の場合は
  • 対価扱いの勝負事をイカサマで確実にクリア
  • 契約した時間に制限されないよう1時間毎ズレた時計を24個携帯することでいつでも呼び出せるようにする
  • 契約してないのに勝手に召喚陣を書き込んでおいてこっそりと召喚
  • 挙げ句の果てには勝手に召喚した後さらなる召喚のため、勝手に生贄に捧げる
……といったなかなかのど畜生っぷりを見せている。
いかに超常の存在といっても、結局はより強い誰かに滅ぼされる一個人に過ぎない世界ならではの契約悪魔の扱いである。

結界師

結界師世界の異能者が魔法使いであると明言されている訳ではないが、サンデーVSマガジンでは魔法使いの扱いだったので良守や時音は多分魔法使いである。(適当)
結界(バリア)を使いすぎると身体が疲れるなどの表現がされていた。これが単に精神等の疲労によるのか魔力を消費するものなのかは不明。特に大きな結界を作って維持する際は疲弊していた。また異能者や敵である妖の能力は烏森からエネルギーを受けると強化された。
射程距離の概念があり、結界から離れるほど強度が弱い。
主人公らの使う間流結界術は戦闘のためにアレンジされたものであり、本来は閉じられた結界の内部を改変する禁書の魔術のような能力だった。

魔術士オーフェン

魔法は世界の法則とも言える神々の技であり、魔術はそこから盗み出された技とされる。
この小説の影響で、魔法と魔術が別々の概念として登場する作品が爆発的に増えた。
魔術を用いるのはドラゴンと呼ばれる6つの種族と、その遺伝子の一部を受け継いだ人間種族だけであり、それぞれ術式の構成の媒介とするものが違う。
例えば人間の音声魔術は詠唱で唱える「声」を媒介とするのに対し、ウィールド・ドラゴン=ノルニル(天人種族)の沈黙魔術は「文字」を媒介として用いる。

TYPE-MOON系作品

魔術(TYPE-MOON)魔法(TYPE-MOON)の項目も参照。

魔術と魔法を明確に区別している作品群の一つ。
その線引きは「その時代の文明の力で再現できるかどうか」であり、再現できるものを魔術、そうでないものを魔法としている。
そのため、かつては魔法扱いだったものが、科学の進歩により魔術に格下げされることも。
また一般に存在を知られると魔術の力が弱まるため、その隠匿のために全力を注ぐ(手段を選ばない的な意味で)ための組織も存在する。

東京レイヴンズ


現代でも魔法(作中では呪術と表現)が認知されており、社会的地位を得ているという世界観。
呪術者となるには霊気を感知できる「見鬼の才」が必須であり、それらの資質を持った人間が専門的な勉強・鍛錬をすることで呪術が使えるようになる。
またこの作品で特徴的なのはその分類であり、甲種呪術と呼ばれる超常現象を起こすファンタジーとしての魔法だけでなく、乙種呪術という超常現象を伴わない文化としての魔法・(まじな)いも掘り下げている点にある。
超常現象を引き起こすことが呪術であるなら、対象にそれを引き起こしたと信じさせることもまた呪術であるというのが呪術者たちの共通認識であり、そして心理的な作用に精通しなければ呪術者として大成できないことも作品のテーマとして何度も強調されている。

ソウルシリーズ

剣と魔法のダークファンタジーRPGシリーズ。
上でも少し触れたが、本作では専用の武器「触媒」を用いて具現化される超常現象を「魔法」と総称しており、
そしてその「魔法」は「魔術」「奇跡」「呪術」の3種に分かれている。

魔術

生命の源たる「ソウル」を「杖」を触媒として顕現する魔法。一般的な「魔法使い」ポジション。
論理的な学問体系によって培われる魔法であり、その強さは術者の「理力」に依存する。そのためプレイヤーの理力が足りないと「素質無し」として魔術の伝授を拒否する魔術師も多い。
基本的にはソウルを「魔力」というエネルギーに変換して攻撃する技が多い。一方で陰の仕事にも用いられる魔法でもあるため、術者の音や姿を消すといった隠密の技も存在する。

奇跡

神々が為した業の数々を祈りによって具現化する魔法。一般的には「僧侶」ポジション。触媒は「聖鈴」または「タリスマン」
神々の物語を学びその恩恵を祈り受ける魔法であり、その強さは術者の「信仰」に依存する。故に使い手は敬虔深い聖職者か、神に等しい存在ばかりである。
もっぱら神の恩寵を授かり自分や他人を癒す回復が得意であるが、神に仇なすを討つ力・をも操るのが特徴である。

呪術

に生命の根源を見出した者たちが、内なる生命力を炎と成して解き放つ魔法。文明から隔離された大沼の隠者たちが扱う。
それゆえ「呪術」とは言っても「ハーミット」「ドルイド」「シャーマン」といった趣が強く、英語では「Pyromancy (紅蓮術)」と呼ばれる。
自らの生命力を炎として掌に灯した「呪術の火」と呼ばれる独自の触媒を使い、これを鍛えることで呪術は強化されるので術者の素質は問われないのが特徴だったが、
ダークソウル3』では「炎に対する憧憬と畏れを共に知る魔法」と定義され、「理力」と「信仰」の両方を磨かなければ真価を発揮できないようになっている。
説明通り魔法を専売特許とするが、炎の力を取り込み自らの耐性を高める技や、や酸を浴びせる異端の技も存在する。
時には生命が炎に惹かれる性質を利用して敵を魅了してしまうなんて離れ業すらやってのける。


見ての通り同じ魔法でも出自や性質が全く違うのが特徴であり、各々が他の魔法の得意分野を扱うことは基本的に無い。
(魔術師が炎を使う、呪術師が雷を使う、など)


関連項目


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最終更新:2023年10月26日 15:48

*1 SF作家アーサー・C・クラークが定義した三法則のうちの一つ。逆に、「高度にシステム化された魔法は科学と区別がつかない」とも

*2 アリアンロッドTRPGのアルケミスト。なおこれの他に武器をその場で作り出す・手榴弾を作り出すという計3つの系統がある

*3 魔法界では一般的な瞬間移動魔法。失敗すると「ばらけ」が生じ、身体の一部が置き去りになる、訓練が必要な危険な術。