大正野球娘。

登録日:2018/04/22 (日) 17:40:28
更新日:2024/02/19 Mon 09:26:22
所要時間:約 5 分で読めます




大正野球娘。とは、トクマ・ノベルズedgeから刊行されている神楽坂淳作のライトノベル。イラストは小池定路。単行本は既刊4巻。

ジャンルとしてはスポーツと歴史・学園モノ。女性の社会進出が一般的でなかった大正時代に野球を始め、様々な努力を重ねる少女たちの学園生活を描いた物語。

2009年夏にアニメ化された。この他コミカライズ・ドラマCDも発表されている。
大正14年の東京が舞台だが、一部当時存在しなかった建物が出ている。作風は各メディアで異なる。

あらすじ

時は大正14年
良家の子女が通う東邦星華高等女学院に通う鈴川小梅に、親友の小笠原晶子が、「一緒に野球をしていただきたいの!」と声を掛けた。
突然のお願いに、思わず頷いてしまう小梅。
しかし、なぜ野球なのか?ルールも、使う道具も分からないのに。
可憐な乙女たちの奮闘物語が始まる。
「ところで、野球って、どんなスポーツですの・・・。」
(TVアニメ公式サイトより引用)

登場人物

CVはドラマCD/アニメの順。
ポジション・打順は原作/アニメの順。
  • 鈴川小梅
CV:高橋美佳子/伊藤かな恵
ポジション・打順:捕手・一番→二番/捕手・六番
本作の主人公。麻布十番商店街の洋食屋「すず川」のひとり娘で、店では調理・給仕を手伝う。朗らかな性格と人当たりの良さで小梅目当てに店を訪れる客も多い。
ショートヘアに花の髪飾りをしており、原作とコミカライズでは和装・洋装両方共着るが、アニメでは和装メイン。
いわゆるお嬢様の反対に位置する庶民派の女の子。成績は中の下。
好きな言葉は「案ずるより産むが易し」

  • 小笠原晶子
CV:山本麻里安/中原麻衣
ポジション・打順:投手・右翼手・五番→四番/投手・七番
小梅の同級生で親友。家は貿易商を営んでおり相当裕福。登校の際には車で送ってもらっている。学院一のお金持ちでやや独りよがりな面があることから陰では「お嬢」と呼ばれているが、貿易商の父親の影響による国際感覚や社交性・先見性には同級生も一目置いている。
小梅が野球を始める切っ掛けになった人で、ロングヘアに大きなリボンの髪飾りがトレードマーク。

サイドスローから制球の良いストレートを投げる。とは言え男子より劣る球威をカバーするために「魔球」を開発する。
最初に投げたのは「揺れる魔球」いわゆるナックル。投げれば男子でもまともに打つ事は出来ないが
その代わり捕手である小梅がほぼ取れないという欠点も存在する。

次に投げたのは、打者の手元でわずかに落ちる球。こちらは単に「魔球」と言っている。
ツーシーム、またはシンカーと思われるが、サイドスローである事を考えるとシンカーの方が妥当か。

成績は上の中。
好きな言葉は「自分に打ち勝つことは勝利のうちで最大のものである」

  • 宗谷雪
CV:今井麻美/能登麻美子
ポジション・打順:右翼手・二塁手・八番→五番/二塁手・二番
小梅たちの組の級長で、野球チームにおいてもまとめ役。気配りが出来て、誰に対してもやさしく接する。おっとりとした口調でも思ったことはハッキリと表明する。
家は老舗の呉服屋を営んでおり、和装から洋装へ主流が移り変わるのに対応し洋装も取り扱っている。両親の方針もあって洋装派。
アニメ版では野球経験者。原作では未経験ながらも道具を用意し、ルールをいち早く覚えていた。
成績は上の中。
好きな言葉は「初めに画せよ。しかるのち実行せよ」

  • 石垣環
CV:浅野真澄/広橋涼
ポジション・打順:中堅手・六番→七番/遊撃手・三番
父親が小説家、母親が新聞記者で本人も作家志望という文学少女。だが口調は男勝りで、シャイで人見知りなのもあってクラスでは孤高を保っていた。
でも本当は寂しがりやな性格で、幼馴染の雪だけには心を開いている。
基本的に和装派だが、時々洋装もする。
成績は上の下。
好きな言葉は「一念岩をも通す」

  • 川島乃枝
CV:水原薫/植田佳奈
ポジション・打順:左翼手・二番→六番/右翼手・九番
父親が工学博士で、本人も学年一番の秀才。チームではその頭の良さを活かして参謀も務める。メガネ愛用者で装用しているメガネはカール・ツァイス社製。
何事も理論的に考え、その上で実験も重視する。冷静、クールな性格で、物事を単刀直入に言うが嫌みは感じないので、人望も厚い。
現実主義者で幽霊話や怪談話の類は科学者としての立場からも認めようとしない。
好きな言葉は「山が高いからといって引き返してはならない。いけば超えられる」

  • 月映巴
CV:遠藤綾/甲斐田裕子
ポジション・打順:三塁手・投手・四番→一番/三塁手・四番
武道の心得があり、剣術が得意で運動神経抜群。美形で下級生からの人気も高い。双子の妹の静がいる。
父親が人形師で、背の高い巴を男雛として育てたので女らしい格好をするのが苦手。冷静で利口そうな見た目に反して中身はお茶目で大雑把。仲間内で一番の自由人で、やじうま的性格もあって、新聞記者を志望しており新聞部に属しているものの幽霊部員。
プレイスタイルは張本勲がモデルだとか。
可愛い女の子が好きで小梅に一方的な好意を抱いている。キマシタワー
成績は下の中。
好きな言葉は「生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ」

  • 月映静
CV:今野宏美/喜多村英梨
ポジション・打順:遊撃手・三塁手・三番→九番/一塁手・一番→五番
巴の双子の妹。細やかで世話焼きな性格。寮で姉の巴と共に生活しており、巴の身の回りの世話をしている。
姉に負けず劣らずの運動神経の持ち主。姉と同じく新聞部に属しているが、姉とは違い新聞部の活動にきちんと取り組んでいる。
成績は上の下。
好きな言葉は「薔薇の木に薔薇の花咲く」

  • アンナ・カートランド
CV:たかはし智秋/新井里美
ポジション・打順:監督
アメリカ人の英語教諭。野球が盛んなアメリカ出身というのもあってか小梅たちの良き理解者。

コミカライズ

伊藤伸平の手によって『月刊COMICリュウ』2008年9月号から2011年4月号まで連載された。単行本は全5巻。どちらかと言うとギャグ要素が強めになっており、一例を挙げると晶子が登校時に乗っていた車のナンバーが「AKB48」になっている。
この他小説の第3巻をほぼ忠実にコミカライズした『帝都たこ焼き娘。 大正野球娘。番外編』が存在。作画はよねやませつこでトクマ・ノベルズedge公式サイトにおいて、全5話を公開。単行本は全1巻。

アニメ化

2009年夏アニメとして全12話が放送された。原作のエピソードを取り入れつつも展開はほぼアニメオリジナル。

OPテーマ
浪漫ちっくストライク。
歌:鈴川小梅・小笠原晶子・川島乃枝・宗谷雪

EDテーマ
ユメ・ミル・ココロ
歌:伊藤かな恵

挿入歌
東京節・パイのパイのパイ
歌:鈴川小梅
第1話冒頭で使用。時代背景の説明も兼ねているが、歌詞中に出てくる建築物の一部は当時存在していない。
  • 十二階こと凌雲閣は関東大震災で半壊し同年解体。
  • 両議院は火事で焼失する前で当時は健在。
また原曲歌詞では「スリに乞食に掻っ払い」の歌詞があるが、乞食が放送コードに抵触するので「スリにケンカに掻っ払い」に書き換えられている他、満員電車を歌った部分がばっさりカットされている。

追記・修正は大正時代に思いを馳せながら

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最終更新:2024年02月19日 09:26