ベビーパンサー/キラーパンサー

登録日: 2009/05/26(火) 23:56:32
更新日:2024/03/31 Sun 15:59:21
所要時間:約 5 分で読めます





ドラゴンクエストⅤに登場するモンスター。
ヒョウ柄のサーベルタイガーに、頭頂部から背骨へ沿ってトサカじみた逆立つ朱色の毛を生やした姿をしている。
成体であるキラーパンサーは脚が長く細身に見えるが、体高(肩の高さ)が成人女性の肩に達する程の巨体。

当初から企画に存在していたモンスターではなく、キャラデザイナーの鳥山明
「DQVはモンスターを仲間にするシステム」
と聞いて描いたイメージイラストにおいて、主人公の伴っていたモンスターがあまりにも素晴らしい出来だったため、そのまま登場が決まったという。





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■概要

ベビーパンサーは、少年期のアルカパ周辺に出現。
素早く攻撃力も高めで、防具の整わない内はちょっとした強敵である。
でも、おばけねずみよりは恐くない。そんな存在。

キラーパンサーは、青年期におけるルラムーン草の生えてるあたりや、うわさのほこら周辺等で出現。
攻撃力はやや高いが、他の敵のほうが厄介な状態異常や呪文を使うぶん怖かったりするので、別段印象に残る存在ではない。


以上、これは敵として。


本作のベビーパンサー及びキラーパンサーは敵としてよりも、味方として存在感を発揮するモンスターである。
と言っても普通のモンスターと違い戦闘でいくら倒しても起き上がって仲間にはならず、ある特別なイベントでのみ加入する。

幼少期に初めてアルカパを訪れた際、主人公ビアンカは悪ガキ共にいじめられている"ネコ"に遭遇。
助けにかかると「だったらレヌール城のお化けを退治してこい」と言われ、退治を終えると無事に解放される。
ビアンカは家がペット禁止なため主人公が引き取ることになり、直後に名前を付けてあげるイベントが発生。
この"ネコ"がベビーパンサーなのだが、主人公たちは全く気付いていなかった。

SFC版だとアルカパ内ですぐ仲間になるが、DS版だと以降1回目の戦闘時に駆けつける形で加入。
そのまま仲間モンスターとして使えるようになる。
こいつをいじめてた悪ガキ共って何気にすごくね?

モンスターにもかかわらずよく懐いており、主人公がアルカパを出立して別れる際はビアンカにリボンをつけられ喜んでいた。
そのあとは妖精の国、ラインハット、古代の遺跡と行動を共にする。
まだ特技は覚えないものの、パパスがいない間の相棒としては頼もしい戦力。


しかし主人公たちがゲマに敗れ、ヘンリーともども連れ去られる際には
「野に帰れば、やがてその魔性をとりもどすはず」
と、モンスターのベビーパンサーであるがゆえに捨て置かれた。

そして誰もいなくなったあと主人を求めて辺りをうろつき、パパスの亡骸があった場所で頭を垂れる姿とともに第一部は終了する…。




第二部において、主人公はポートセルミ南に位置するカボチ村での魔物退治を引き受け、西の洞窟へ向かう。
辿り着いてみれば、そこには1匹のキラーパンサーが、背後にある一本の剣を守るように威嚇の声を上げていた。
誰もが「まさか…」と思いながら戦うものの、どれだけ叩いても斬っても魔法をぶちまけても倒れない。

主人公はふと、ビアンカのリボンを差し出してみる。
その匂いを嗅ぐなりキラーパンサーの様子は一変、あのベビーパンサーだったことが分かるのだ。


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感動の再会である。

さらに、背後の剣は亡きパパスの物だったことが判明。
つまり彼は捨て置かれたあと、焼け残ったパパスの剣を咥え、海を渡り、洞窟に篭り、ずっとパパスの剣を守っていたのだ。



第一部での彼は、イラスト等を見るに中型犬程度の大きさ。
立派に成長するまでの10年間、どれほどの苦労があったことか。

人に馴れ、野性の薄れた子どもは、群れに入ることもできず、ただ1匹で生き抜くしかない。
小さな身体で、時には集団で襲いかかってくるモンスターの攻撃を凌ぎ、
長く重い剣を引きずっては棲みかを変え、寒さの冬、暑さの夏を幾度となく乗り越え…。

船に潜り込んで海を渡り、さらに強いモンスターと戦い、人々からは石も投げられる。
それでも人を襲うことはせず、ただただ主人を待ちわびる10年間…。


彼の辿った道のりを想う時、我々は目頭を押さえずにはいられない。


比類なき忠犬ならぬ忠豹に乾杯。


カボチのイベントをスルーするとかやめてくれよな!



マジやめろよな!



ちなみにこの戦闘では逃げる事が可能なため、リボンを預り所に預けていた場合は逃げてから取りに行く必要がある。
またリメイク版では、主人公がリボンを使わなければ効果がない。

彼を連れてカボチ村に戻ると、主人公と彼がグルだったと誤解した村人に心ない罵声を浴びせられる。
この時のプレイヤーの不快感はの歴史捏造の村、レブレサックに匹敵するとも言われている。

もっとも、彼が村に甚大な被害を出していたのは事実であるし、村人の視点で見れば無理もない。
人は襲わなかったという点を差し引いても、未曽有の食料危機をもたらした害獣とその飼い主なのだから。
幸い好意的に解釈してくれる村人も少数ながら存在するし、青年時代後半に再び訪れてみると誤解も解けている。

主人公が報酬を受け取ったのも、また害獣をけしかけられたら困るので受け取らされたという事情ゆえ。
実際にCDシアターなどでは、報酬を返そうとしたが突き返されるというシーンがあったりする。

とにかく主人公と村人、どちらの視点でも仕方のなかったことであり片方を責められるようなものではない。
あえて一番悪い奴を決めるとしたら、やはり元凶たるゲマになるのだろうか。

劇場版ユアストーリーではカボチのくだり全カットで、潜んでいた洞窟にリュカが訪れ、顔を見ただけですぐに分かって仲間になった。


加入の際はビアンカが名付け親になるが、SFC版で選べる候補は、

  • ボロンゴ
  • プックル
  • チロル
  • ゲレゲレ

の4つ。


ゲ レ ゲ レ て


この見事なDQNネームに、4コマ劇場の作家陣はひたすらネタに使った。
(コラムで「なんかバリイドドッグみたいな名前」とか書いてたり)


一般的には、
ゲレゲレ≧プックル>>ボロンゴ>>チロル
の順に使われる傾向にあるようだ。

聞かれる順番が上記の通りなので、ボロンゴがデフォルトネームと思った人も多いかも。
リメイク版では、ビアンカの住んでいるアルカパの宿屋には、4つの名前の元になったらしい4人の登場する絵本がある。

公式設定では、SFC版発売当時の作品である小説版、CDシアター、ゲームブックではプックルが採用されていた。
だがその後の作品の多くで採用されたのは、まさかのゲレゲレである。
テリーのワンダーランドにもボスとして出現し、仲間にした時のデフォ名もゲレゲレ。
少年ヤンガスで仲間にした時も♂のデフォ名がゲレゲレ。(♀はチロル)。
ドラゴンクエストヒーローズやドラゴンクエストライバルズでビアンカが呼び出すキラーパンサーもゲレゲレ。
劇場版ユアストーリーでもゲレゲレ。
漫画天空物語」でもゲレゲレが採用されているが、こちらは更に最終話で新たに生まれた3匹のベビーパンサーに他3つの名前が採用されている。



また、PS2版では新たに
  • アンドレ
  • リンクス
  • モモ
  • ソロ
  • ビビンバ
  • ギコギコ
の6つが候補に加わる。



ギ コ ギ コ て



ビ ビ ン バ て




なお少年期に99までレベルを上げられるが、再会時には15レベルに下がっている。

なぜ……?

因みにステータス自体は、ベビーパンサー時点だと20レベルで頭打ち。



主人公は青年になってからモンスターと心を通わす能力を開花させるが、
一説にはベビーパンサーが仲間になったのも、この能力の片鱗を発揮した為と言われている。
助けたいという気持ちが、内に秘められた能力を引き出したのでは、ということらしい。
アニマルテラピー的なアレですね。


さて、ここにきて戦闘能力についての解説になるが、仲間モンスター全体から見ると実は微妙。
仲間になって最初のうちは高いHPや攻撃力、素早さが魅力的だが、だんだんと特技や装備が乏しく、耐性も貧弱という点が痛くなってくる。
その特技も「おたけび」は「コワモテかかし」(PS2版以降)、「いてつくはどう」は「てんくうのつるぎ」で代用でき、「いなずま」もゴレムスが使えるのが痛い。
物語後半になっても連れ歩くのは、実用性よりこれまでの思い出を大切にしているか、よほど仲間に恵まれていないかということになってしまいがちである。
会心の一撃が出やすかったりすれば評価が違っていただろうか…。

だが、プレイヤーのリアルラックに関わらず確実に加入する点、高い素早さによる「おたけび」での雑魚戦におけるアシスト性能、
あのふぶきのつるぎと同性質の「ほのおのツメ」「こおりのやいば」を装備できる点など光るものは確かにある。

なお、DS版以降はイベントとの整合性を考えてか敵としてのベビーパンサーはプリズニャンに差し替えられた。
(ベビーパンサーを必死こいて助けたのに他のベビーパンサーは皆殺しかよとか、ネコがベビーパンサーなのに気付けよとか)
完全に消えたわけではなくカジノのモンスター格闘場で姿を見られるが、エンカウント等では一切登場しない。

そしてDS版だと、かしこさ20未満の反抗行動に「ぼうぎょ」も追加されたせいで、攻撃せず身を守ることが多くなってしまった。
ビアンカのリボン(かしこさ+10)をベビー時代から装備させて欲しいものである。
いや、イベント的には装備しているはずなので、装備した上でようやくアレなのだろうか?
仮にも他の手段では仲間にならない、地獄の殺し屋なんだし…。



では、敵モンスターとしての登場は変わらないが、
物語が進んであるイベントをこなすと、キラーパンサーに乗ってフィールドを高速で移動することが可能になる。
移動が速くなるだけでいけない場所に行ったりする機能はないが、エンカウント率も下がるので使用して損はない。ただし移動速度と一緒に錬金釜の歩数も倍になる。つまり変わらない。
BGM「大草原のマーチ」も爽快。

また、スカウトモンスターにはキラーパンサーで「地獄の殺し屋」ゲレゲレが登場。
クリア後にしか仲間にできないが、それに見合う能力で最強スカモンの一体と考えていいだろう。
これといった特技はない(疾風突きは使えるが、素で最高クラスに素早いのであまり意味がない)が攻撃力は特級な上に会心率もスカモン最高。
バトルロードでも巨竜戦でのチーム呼びでも大いに役立つのでぜひスカウトして使っていこう。

ではベビーパンサー・キラパンサー共に敵モンスターとしてのみ登場。
モンスター図鑑の説明ではベビーパンサーについては「人懐っこく小さい頃から育てると大人になってもその恩を忘れない」
キラーパンサーについては「多くの冒険者がキラーパンサーを見かける度に勝手な名前で呼んでくるので戸惑っている」とどちらもⅤを意識した内容となっている。
3DS版のみ冒険の書の世界でⅤのキラーパンサーに会える。
ちなみにキラーパンサーの名前に関してはカミュはゲレゲレ派らしい。

Switch版ではモンスター乗り物として追加され、ⅧのBGMと素早さ、Ⅺの蹴散らし性能を併せ持っている。

ドラゴンクエストモンスターズシリーズでも皆勤賞。JOKER以降は『こうどう はやい』が持ち味の一つ。

ビルダーズでは「2」に登場。なかまにすることができればその背中に乗れるようになり、フィールド探索で活躍してくれる。
ちなみに今作ではキラーパンサーだけでなくベビーパンサーにも乗ることができる。
どちらも移動速度が大きくアップし、二段ジャンプもできる。キラーパンサーは強敵モンスターであるため個体数が少なく強いが、移動速度はこちらが上。
空を飛ぶことができるキメラ系とともにそざい島での探索に是非連れていきたい。

ドラゴンクエスト ダイの大冒険では未登場(まだドラクエ5が発売される前だったため)だったが、
2020年版のアニメではデルムリン島の住民として登場しており、ニセ勇者との戦いにも参戦している。
キラーパンサーに限らず、当時未登場だったモンスターは他に何体か登場している。探してみよう!

■キラーパンサー系のモンスター

  • シャドウパンサー
ドラクエⅧで初登場した黒いキラーパンサー。
異変後に世界のあちこちに登場する。
前足を振りおろして痛恨の一撃を放ったり、疾風突きを仕掛けてくる。
また、この魔物に狙われて生還した者は一人もいないという。

北米版&スマホ版ではメタル狩りの障害として知られている。
3DS版では、くろがねのすずを使用すると黒いキラーパンサーが現れるが、シャドウパンサーとは色合いが異なるので関係ない。

ドラクエ11では異変後にバンデルフォン地方に出現。たてがみと体の色が異なっている。また子供のシャドウベビーも登場する。


  • ホワイトパンサー
ドラクエ10で初登場したモンスター。ただし10ではNPC的な登場だった。

ドラクエ11では雑魚キャラとして登場。異変後のシケスピア平原に出現する。また子供のスノーベビー、その強化版のスノーベビー・強も登場する。

3DS版8では、しろがねのすずを使用すると白いキラーパンサーが現れるが、やはりホワイトパンサーとは関係ない。


  • キラータイガー
バトルロード2レジェンドで初登場し、モンスターズジョーカー3にも登場する。
ドラクエ2のサーベルウルフの色違いの同名のモンスター同様に体はピンク色。子供の姿としてベビータイガーがいる。

サーベルウルフの色違いの方はドラクエ2にしかいない一方、キラーパンサーの色違いの方が外伝作のみとは言え複数登場しているのでこちらの方が知名度が高い。
更にはキラーパンサー族なのに初出がドラクエ2扱いにされていることもあったりする。
哀れ、元祖キラータイガー


追記・修正はベビーパンサーを拾ってからお願いします。

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最終更新:2024年03月31日 15:59