ちからずく(ポケモン)

登録日:2018/03/31 Sat 19:15:00
更新日:2023/04/23 Sun 14:44:45
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『ちからく』とは、ポケットモンスターシリーズに第五世代(ブラック・ホワイト)から登場したポケモン特性である。


【概要】


効果は『自分の使う技の追加効果を無くし、威力を1.3倍にする』というもの。
元々追加効果の無い技には効果がない。

追加効果と言っても様々だが、厳密には適用される追加効果は発生確率に関係無く、
  • 相手の能力ランクを下げる(「サイコキネシス」「かみくだく」等)
  • 相手に状態異常・状態変化を付与する(「10まんボルト」「アイアンヘッド」等)
  • 自分の能力ランクを上げる(「グロウパンチ」「げんしのちから」等)
というものだけで、
攻撃の反動で自分の能力ランクを下げる効果(「ばかぢから」や「オーバーヒート」等)を持つ技には『ちからずく』は適用されない。さらに細かい例だが、能力ランクの上昇と低下を同時に起こす「スケイルショット」にも適用されないので注意。
また、急所ランクがプラスされている効果(「ストーンエッジ」や「つじぎり」等)は厳密には追加効果ではないので、こちらにも効かない。

因みに攻撃タイプのZワザには専用のものを除いて追加効果が存在しない(追加効果持ちの技でも消える)ので、こちらにも適用されない。
またダイマックスはZワザとは対照的にすべての攻撃技に追加効果があるが、こちらにもちからずくは適用されない。

後述のバグ仕様から、道具『いのちのたま』との相性がいい。

名前や効果のイメージから、一見物理攻撃が強い脳筋アタッカーに相性が良いように見え、実際に『ちからずく』を持つポケモンはそういうタイプが多いが、
じしん」や大半の物理ノーマルかくとう技、先制技等の強力な物理技は追加効果を持たないので、意外にも物理アタッカーとの相性は悪い。

一方特殊技は威力の高さを問わず大半が追加効果持ちなので、物理技より遥かに相性がいい。発生確率10%の追加効果などあって無いようなものなので、少ないデメリットで確実に火力を上げることができる。一方で低火力だが追加効果の発生確率が100%の技でも上述の通り発生しなくなるため注意。
そのため物理アタッカー寄りのポケモンを特殊型で使用することもあったりする。


【ちからずくを活用する主なポケモン】


適用技は「ヘドロウェーブ」「だいちのちから」「だいもんじ」「れいとうビーム」など。
主力技の大半が追加効果持ちかつ、レパートリーが広いのでちからずくとの相性は抜群。
種族値は攻撃>特攻だが、「じしん」に特性が乗らない、こおり4倍のメジャーなポケモンに『いかく』持ちが多い関係で、「れいとうパンチ」より「れいとうビーム」の方が通りが良いなどの点から特殊型が圧倒的に多い。

適用技は「アクアブレイク」「れいとうパンチ」「いわなだれ」「かみくだく」など。
アクアジェット」以外の主力技に適用され、「りゅうのまい」で能力補助ができるので使い易い。珠持ちも現実的。
ねっとう」などを搭載した『いかく』の影響を受けない特殊型も強力。

適用技は「だいもんじ」「だいちのちから」など。
特攻がとても高く、主力一致技の両方に乗るので非常に火力が高い。

適用技は「フレアドライブ」「いわなだれ」など。
攻撃140から繰り出される威力234の「フレアドライブ」は強力どころではなく、最早理不尽の域。
ニトロチャージ」の追加効果が消えるので、中途半端な素早さを補強し辛いのが欠点。
かといって「ニトロチャージ」の追加効果を選ぼうとすると非常に扱いづらいフォルムチェンジ特性『ダルマモード』しか選択肢がない。

適用技は「だいちのちから」「きあいだま」「ヘドロばくだん」「サイコキネシス」など。
特殊型での運用が最適か。
だいちのちから」はギルガルドを一撃で沈めるほどの高威力。
れいじゅうフォルムとまるで別物の高い攻撃性能を持つため度々話題になるが、現在は第六世代以降の作品での隠れ特性ランドロスの入手法は存在しないのでレーティングバトルで見かけることはない。
え、PGLのデータにたまにいるって?知らんな
第八世代では『とくせいパッチ』の登場により、ランクバトルで使用できるようになったが、汎用性が高いれいじゅうフォルムとの競合になるのがネック。単体攻撃のじめん技が個性となるダブルバトルがカギとなるか。

適用技は「アイアンヘッド」「しねんのずつき」「じゃれつく」など。
素早さの低さが目立つが、ヒヒダルマに次ぐ攻撃130は魅力。「トリックルーム」と合わせれば豊富な技範囲と高いH種族値から全抜きエースも狙える。
隠れ特性に『ヘヴィメタル』を持ち、こちらは「ヘビーボンバー」や「ヒートスタンプ」の火力が上がるが、ダイマックス相手に無効にされるのでどちらかというと追加効果を狙う場合か。なお「けたぐり」の威力はもともと最大なのでどちらでも変わらない。


【バグ?仕様?】


追加効果を消すという処理がかなり特殊なためか、効果テキストからは想像が付かない処理を起こすケースが幾つか存在する。
ちからずくが初登場した第五世代から既に存在していたが、現在でも一切変わっていない。
下記の現象は①と②に関しては「ちからずくが適用される技で攻撃する」場合にのみ発生する


①自分の『いのちのたま』の反動ダメージ、『かいがらのすず』の回復効果が消滅する
つまり『いのちのたま』を持たせれば『ちからずく』に加えてほぼノーリスクで1.3倍の火力上昇が得られることになる。
1.3の二乗で元の約1.7倍という凄まじい上昇率となるため、『ちからずく』を使うときは誰もが憧れるだろう。
しかし『ちからずく』を持つポケモンは大抵素早さに難があるので、『こだわりスカーフ』を持たせたほうが活躍することが多い。
ただしヒヒダルマは中途半端とはいえすばやさは平均以上にはあるので、十二分に選択肢のうちに入る。火力も攻撃種族値199相当(攻撃特化の場合)となるので特にロマンあふれるものとなるので是非。

『かいがらのすず』のほうは完全なデメリット効果だが、元々ココドラ以外はあまり活用しないマイナーな道具なのでほとんど話題にならない。


②相手の持ち物『レッドカード』『だっしゅつボタン』『アッキのみ』『タラプのみ』、特性『へんしょく』『わるいてぐせ』『にげごし』『ききかいひ』『ぎゃくじょう』、技「トラップシェル」が不発になる


ヒヒダルマ「フレアドライブ!!」


ユクシー「よっしゃ、レッドカード発動!ステロダメ貰ったぁ!」

シーン…

ユクシー「なん…だと……?


なんと相手の一部道具や特性、技を不発にする。
どういうことなの…
該当する道具や特性がメジャーでないのであまり知られていないが、その分初見殺し効果が強まっている。
やられた側からすれば堪ったものではないだろう。


③『ジェットパンチ』に対しても、ちからずくが適用される
本来追加効果のない高威力先制技だが、なぜかちからずく適用技になっている。ついに特性の発動条件すら無視し始めた。
まぁ『マイティチェンジ』しか特性がないイルカマンの専用技なのでこの現象を実践で見ることはないだろうが…



①については一応、公式から「バグではなく仕様」という回答が出ている。
こちらはかいがらのすずを除いて使用者側に不利益がほぼない仕様なのでプレイヤーにも概ね受け入れられている。

また『ブラック2・ホワイト2』ではアイリスが使うクリムガンが珠力尽くアタッカーの構成となっており、さらに『ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』ではオーバハガネールヒョウタラムパルドトウガンのハガネール・キクノのニドキングといった計4体もの相手がこのコンボを使用してくるため、公式公認のコンボとして扱われている節がある。

②は相手のポケモンに思い切り干渉してくるものであり、公式からも回答が長らく出ていないのでバグの可能性が高い。攻撃命中後の処理をスキップしたため、追加効果以外の処理も誤ってスキップしているのではないだろうか?

③については実は『ちからずく』ではなく『ジェットパンチ』のほうに原因があり、「相手の能力ランクを低下させる」追加効果を持つ技として扱う内部データの設定ミスのせいでちからずくが発動するようになっている様子。


【余談】


よく間違えられやすいが、『ちからく』ではなく、『ちからく』であり、国語辞典や辞書でも後者で載っている。
ただどちらも漢字表記では力尽くであり、意味も同じなので畏まった場面以外ではそんなに気にする必要はないかも。

イキリンコ(イエローとホワイト)も隠れ特性がこれだが、適用される物理技が「とびつく」しかなく全く噛み合っていないためまず採用はされないだろう。



追記・修正は「追加効果なんて必要ねぇんだよ!」と思った方にお願いします。

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最終更新:2023年04月23日 14:44