ジェルマ66

登録日:2018/03/29 (木) 00:22:54
更新日:2024/02/03 Sat 01:52:35
所要時間:約 15 分で読めます


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よくも妻を…!子供達を!!
よくも我が国を!「ジェルマ」だな!?
お前達は人間じゃない!!


ありがとう!ありがとう!ありがとう!
……国は救われた。我々は悪魔の手を借りたのか…?
いや違う…神の手だ!!
戦争は終わった~~!ありがとうジェルマ!「ジェルマ66」万歳~~!!



お前の知るジェルマでさえ

もはや過去の軍隊!!



ジェルマ66(ダブルシックス)漫画ONE PIECE』に登場する組織。


●目次

【概要】

世界政府加盟国唯一の国土を持たない海遊国家「ジェルマ王国」が保有する科学戦闘部隊。
ジェルマ王国はかつて北の海(ノースブルー)を武力で制圧したヴィンスモーク家が治める国であり、
国土は存在せず、数十隻の巨大な船が集結する事で国家の形を成している。

世界政府からは正式な加盟国として認められており、世界会議(レヴェリー)への参加も許可されている。

船は水陸両用の巨大電伝虫の殻の上に乗っており、なんと赤い土の大陸(レッドライン)も越えられる驚異の機動力を誇る。
そのため、北の海(ノースブルー)のみならず、要請に応じて他の戦争にも参加している。

その科学力を活かして各地の戦争に傭兵として参加するビジネスを行っている事から“戦争屋”とも呼ばれる。
北の海(ノースブルー)の4人のを討ち取る「四国斬り」と呼ばれる事件を引き起こし、悪の代名詞として恐れられる。
世界経済新聞にはジェルマと海軍との戦いを元にした「海の戦士ソラ」という作品が掲載されており、その為ジェルマの名は世界に知れ渡っているが、世間一般ではあくまで架空の軍団だと思われている。
実在を知る者からは悪の代名詞として恐れられるが、同時に悪党の中には伝説の存在として憧れる者もいる。
四皇幹部にも一矢報いるほどのその強さゆえ戦争では圧倒的なスピードで敵を殲滅して勝利しており、ジェルマ66を敵に回した側には悪魔のように恐れられ、ジェルマ66を雇った側からは神の使いのように感謝されることも。
劇中でもルフィ達はジェルマ66の援護でビッグ・マム海賊団の追跡を振り切った。

国民は大半が男性であり兵隊。女性は王族に仕えている極小数しか存在しない(一応、女性兵士も少数ながらいる)。
王族であるヴィンスモーク家は兵隊達を道具のように扱っており、平然と自分を守るための壁として使い、時には敵ごと攻撃に巻き込むこともある。
しかしそれに対して兵隊達は文句ひとつ漏らさず、命令一つで即座に自分の命を差し出す。

それというのも兵士たちは普通の人間ではなくクローン技術で作られ改造された兵隊であるため。
元々ジャッジはDr.ベガパンクと同じ研究チームに所属しており、ベガパンクが発見した「血統因子」を研究し、命のコピーと改造を実現させた。
現在のジェルマの兵隊は特に優秀な兵士の数人を複製して作られており、を恐れず、裏切ることのないようプログラムされている。
ただし複製兵達はその事を知らない。

サンジ以外の姉弟達も血統因子の改造を受けており、銃弾程度では傷も付かない「外骨格」や特殊な能力を持っている。

王族達は、武装として形状記憶(アーマー)と呼ばれる特殊装備「レイドスーツ」を纏っている。
レイドスーツは普段は筒状に収納されており、それを腰に当てることで展開し、自動で装着される。
その変身シーンはまるでヒーローのよう。悪の軍団なのに…
レイドスーツをまとえば戦闘力は大きく向上し、ビッグ・マム海賊団の並の戦闘員なら一蹴し、大幹部クラスの実力者にも一矢むくえる力量を誇る。

ちなみにぐる眉は兄弟共通(サンジのみ方向が逆)で、レイジュ以外は女好き。逆にレイジュが男にデレる描写はない。
どうやら血筋だったらしいが、父ジャッジは女好きではない模様。
ただし劇中ではナミ以外の女性にデレる描写はない*1

モチーフは特撮番組などから。
固有の色と技を持つ5人組や変身要素はスーパー戦隊シリーズ
改造人間である点は、初代仮面ライダーおよびショッカーなどから。
クローン兵士である点や「66」という名称は『STAR WARS エピソードⅢ シスの復讐』の「クローントルーパー」「オーダー66」を想起させる。
「Germa」という綴り、人道を無視した勝つためながらも時代を超越した超科学の研究の数々、ジェルマの紋章の類似などからナチスドイツもモチーフと思われる。
また、恐怖を感じない、強化人間というのは、アメリカのDARPA(アメリカ国防高等研究計画局)などが研究しているという、疲労や恐怖を感じない強化兵士の研究がモチーフか。

サンジの家族についての構想については大きく変遷があったため(余談参照)、長年の中で多くの要素が蓄積・統合され物語に組み込まれたものと思われる。

【総帥】


ヴィンスモーク・ジャッジ


科学は戦争で進歩する

異名怪鳥(ガルーダ)
年齢:56歳
身長:272cm
肩書き:ジェルマ王国国王
出身地:北の海(ノースブルー) ジェルマ王国
所属船:セント・ジェルマン号
誕生日:5月12日(頭文字V→ローマ文字5、ジャッ→J→アルファベット10番目、ジ→2)
血液型:S型
好物:オマール海老のトマトパスタ
CV:堀秀行

ジェルマ王国の国王であり、科学戦闘部隊ジェルマ66の総帥。サンジ達5姉弟の父。
ダリのような髭と長髪。顔の上半分を仮面で覆われており、今のところ素顔は確認出来ない。
約300年前、一度は北の海(ノースブルー)を征服し『ジェルマ帝国』を築き上げながらも、北の海(ノースブルー)の国々の反撃によって、
その栄華はわずか66日の天下に終わり、故郷を追われた先祖たちの無念を晴らすため、北の海(ノースブルー)を再びジェルマの名の下に征服する事を悲願としている。

詳細は項目参照。

【幹部】


サンジの四つ子の兄弟3人と、彼らの姉レイジュの4名が登場している。

3兄弟はサンジと同じく3月2日生まれの21歳。
ぐる眉などの顔立ちと、女好きである点はサンジとよく似ており、特に「気の強い女性が好み」らしい。
戦闘国家であるジェルマ王国には元々女性が少ない点も影響があるのかもしれない。

しかしイチジ・ニジ・ヨンジは、血統因子の改造によって「悲しみ」や「哀れみ」、「死への恐怖」といった感情を失っており、基本的に冷酷。
これは、ジャッジの「戦争に打ち勝ち、ジェルマ帝国復活という先祖の悲願と果たす」という方針により、子供にその最たる力を与えるという考えの下、強化人間としての強力な身体能力に加え、「敵に情け・哀れみをかけてしまうような、無用な優しさ・慈悲」「格上の敵に相対した時や死線において起こり得る、死への恐怖」等、戦闘・戦争に不要な感情を削除されたため。
いわば彼らは「優しさを持たないで生まれてきたサンジ」のような存在である。
サンジだけは母・ソラの抵抗により上記の改造の影響を受けずに生まれてきた。逆に、何かが違えばサンジが彼らのような冷酷な人格にも、イチジらが感情を生まれて持ってきた可能性もあったといえる。

この感情操作により、戦場では死の恐怖にとらわれることもなく、敵に情けをかけたり悲しみで心を壊したりはせず、仲間の死にも動じることなく冷徹に敵を屠る“完璧な兵士”と化した。
しかし、慈愛や優しさといった人間味のある感情を失ってしまったため、幼少時代からサンジの優しさは理解できずに落ちこぼれの彼に苛立つだけであり、「落ちこぼれ」「出来損ない」と罵倒して平然と暴力を振るっていた。
またジャッジの想定外であったが、この人格改造の副作用によって自分の死に対してすら無感情となっており、たとえ自分の死が目前に迫ろうとも、それが避けられないと理解すれば、平然と受け入れ談笑を始めてしまうような一面も持つ。
悲しみといった感情や死への恐怖がないため、はめられたことに怒りこそすれど悲しんだりは“できず”、イチジらにとって宴会の罰ゲームも敵の謀略による己の死も大差がないのである。

なお、ベガパンクやシーザー・クラウンらが血統因子の研究の応用によって、人造動物系悪魔の実『SMILE』の実現に成功しているが、
ジャッジによる血統因子の研究の応用なのか、イチジ(光)・ニジ(電気)・ヨンジ(怪力)・レイジュ(毒)は、レイドスーツなしでも、それぞれまるで超人系悪魔の実のような固有の能力を使用している。
特に外骨格は血統因子研究の賜物であり、レイドスーツを模倣した疫災のクイーンですら真似できなかった。



ヴィンスモーク・レイジュ


母さんの命懸けの抵抗で守られた”感情”を持って生まれてきた子 それがあなた…サンジ!!

だからあなたは誰よりも優しいのよ!!!

本名:ヴィンスモーク・レイジュ
年齢:24歳
身長:173cm
肩書:ジェルマ王国王女
所属:ジェルマ66「ポイズンピンク」、ヴィンスモーク家長女
所属船:セント・ジェルマン号
出身:北の海(ノースブルー) ジェルマ王国
誕生日:11月30日(いい女・サンジの姉・レイジュ)
星座:射手座
血液型:F型(現実だとB型)
初登場:単行本82巻・第826話・『0と4』
好物:ヨロイオコゼの毒、リンゴ
武器:形状記憶鎧「レイドスーツ」
CV:根谷美智子(しらほしの母の声も担当)


ジェルマ王国の王女でヴィンスモーク家の長女。サンジの実姉。
ピンク髪で素顔はSBS性転換したサンジに瓜二つのブルック曰く「物凄い美人」と称される美女。
ポイズンピンクの異名を持ち、当初は猛毒に蝕まれた瀕死のルフィを助けるが……?


詳細は項目参照。


ヴィンスモーク・イチジ


王には王たる条理がある!!!
不条理は貴様だ!!!

年齢:21歳
身長:186cm
肩書き:ジェルマ王国王子
所属:ジェルマ66「スパーキングレッド」、ヴィンスモーク家長男
所属船:セント・ジェルマン号
出身地:北の海(ノースブルー) ジェルマ王国
誕生日:3月2日
血液型:S型RH−
好物:イチゴ、ウイスキー
武器:形状記憶鎧「レイドスーツ」
CV:杉山紀彰鈴木真仁(幼少時)

【概要】
ジェルマ王国の王子でヴィンスモーク家の長男。
髪は長め。髪の色は赤色でサングラスをかけている。ニジ、ヨンジ、レイジュとは違いヘッドホンは身に着けていない。また、普段は他の兄弟が白いシャツを着てるのに対し、彼のみ黒いシャツを着ている。

【人物】
特に王族である事へのこだわりが強く、「王族は特別」という姿勢を否定するサンジの考えを多数弱者の戯言と切り捨て、上記の様に「王には王たる条理がある」と言って憚らない。
子息達の中では、最もヴィンスモークの思想に染まっているとも言える。
また、レイジュがビッグ・マムの攻撃で落とされたのを見たニジがレイジュを気にかけたときも「かまうな、弱いやつが悪い」とあしらっていた(とはいえ、マルコジョズ味方がやられた際に気にかけてやられたので、戦闘中としてはあながち間違いでもないが)。

ヴィンスモーク兄弟の中ではリーダー格で、我の強いニジやヨンジもイチジの言う事には比較的素直に従っている。
幼少期には兄弟たちを率いて率先してサンジへのイジメ(虐待)を行っていたが、遊び半分で笑いながら痛めつけていたニジやヨンジと異なり、「何でお前だけ出来損ないなんだ!?」「ヴィンスモークの恥!!」と罵倒しながら本気の形相で痛めつけていた。そのためかサンジは現在もイチジを恐れている節がある。

クールな性格だが、サンジと同じく女好きらしく(横顔ではあるが)ナミに対してハート目になっていた。
ただし、ニジやヨンジとは違い声を上げたり口を開けてはいない。むっつりか。
弟達同様、ナミのような気の強い女性がタイプの様子だか、女性に紳士というわけではない。
父に対しては「父上」と呼び、彼の意見等には基本的に言うこときくが、ビッグ・マム達の暗殺で逃げれずに喚くジャッジに対して「見苦しい」と言ったりしている。
万国編の後日談となる扉絵シリーズでは、シーザーとジャッジの不仲とそれに発展した喧嘩から和解して新たなチーム結成時には呆れてため息をみせる素振りをみせており、ニジとヨンジと比べて人間臭さが少なからずある。

右腕にトライバル柄の中心に1と描かれたタトゥーが彫られているが、描写があるのはイチジのみで他の兄弟にも彫られているかは不明。

【戦闘能力】
スパーキングの名の通り、まるでボルサリーノのように高熱のを発生させる能力を持つ。
戦闘時には髪の色と同じ赤色のレイドスーツを身に纏い戦う。

のニジと共に新世界のブロックコリー島で二年間も続いていた内戦を僅か四時間で終結させるなど高い戦闘能力を持つ。
だが、流石に四皇の最高幹部であるスイート三将星には勝てず、お茶会では将星カタクリに瞬殺されていた。

【技】
  • 混色(ブラック)バグ
ニジ・ヨンジとのコンビネーション技。
  • 火花(スパーキング)フィガー
拳を繰り出した相手に火花を炸裂させて攻撃する。
  • 火花(スパーキング)フィガー・ダブル
アニメのオリジナル技。対カタクリ戦で使用。両手での火花フィガーである。
  • 火花光拳(スパーキングヴァルキリー)
全身から大量の光弾を飛ばして敵を攻撃する。使用直前の強烈な光は目くらましの効果もある。
その威力たるや、不意打ちとはいえ屈強なシャーロット・オーブンの体も貫いてダメージを与えるほど。

ヴィンスモーク・ニジ


おれ達兄弟は時々いなくなったお前の話をしたもんだ……
サンジはどこでどうやって野垂れ死んでたら一番面白いかってな!

年齢:21歳
身長:185cm
肩書き:ジェルマ王国王子
所属:ジェルマ66「デンゲキブルー」、ヴィンスモーク家次男
所属船:セント・ジェルマン号
出身地:北の海(ノースブルー) ジェルマ王国
誕生日:3月2日
血液型:S型RH−
好物:ブルーベリー、スコッチ
武器:形状記憶鎧「レイドスーツ」
CV:宮内敦士、三田ゆう子(幼少期)

【概要】
ジェルマ王国の王子でヴィンスモーク家の次男。
髪の色は青色でゴーグルをつけており、髪をリーゼントにしている。

【人物】
血統因子による感情の改造が最も顕著といえる人物。
兄弟の中でも特に粗暴そのものであり、苛つけばすぐに手が出るし、言動もほぼチンピラ。
その一方、姉のレイジュが攻撃された時は心配する一面も。

食事に敬意も払わず、ジェルマ王国の女料理長であるコゼットに対し顔が血まみれで腫れ上がる程に殴る(アニメでは幾らか控えめな行いになっていた)等、女性にも平気で暴力を振るう為、サンジからは特に嫌われている。
女性への敬意等こそ持ってはいないものの、サンジ同様女好きではあるようでナミに対してハート目になっていてよだれまで垂らしていた。
ただし、自分の知らぬ間に「強さ」を身に着けたサンジには思うところがあったらしく、ルフィとサンジをビッグマム海賊団から逃す際、こっそりルフィのポケットにサンジ用のレイドスーツの缶を忍ばせていた。


【戦闘能力】
デンゲキブルーの名の通り、規模こそ違うものの神・エネルのように電撃を操る能力を持つ。
戦闘時には髪の色と同じ青色のレイドスーツを身に纏い戦う。スピードは兄弟の仲でも群を抜いている。

兄のイチジと共に新世界のブロックコリー島で二年間も続いていた内戦を僅か四時間で終結させるなど高い戦闘能力を持つ。
お茶会後、一万の兵と共にジェルマ王国に攻め入ったシャーロット・ヌストルテを返り討ちにし、声色を使ってモンドールから情報を引き出した*2



【技】
  • ステルス
一時的に透明になる。レイドスーツなしでも使用可能。
  • 起電(ヘンリー)ニードル
電撃を叩き込む膝蹴り。レイドスーツなしでも使用可能。威力はまともに食らえばサンジもかなりのダメージを受ける。
  • 起電光剣(ヘンリーブレイザー)
ニジ曰く「光速の剣」(雷速ではなく)。
電気を纏ったで敵をすれ違いざまに切り裂き、感電させる。

ヴィンスモーク・ヨンジ


悪いな……私に人助けの趣味はない

年齢:21歳
身長:194cm
肩書き:ジェルマ王国王子
所属:ジェルマ66「ウインチグリーン」、ヴィンスモーク家四男
所属船:セント・ジェルマン号
出身:北の海(ノースブルー) ジェルマ王国
誕生日:3月2日
血液型:S型RH−
好物:グリーンピース
武器:形状記憶鎧「レイドスーツ」
CV:津田健次郎、粗忽屋武蔵野店(幼少期)
津田氏はのちにルフィの幼馴染を救うキーマンとなる人物の声も担当する。

【概要】
ジェルマ王国の王子でヴィンスモーク家の四男。
髪の色は緑色で髪をオールバックにしており、イチジ同様サングラスをかける描写があるが、レイドスーツ着用時のみで戦闘時以外は上に上げていることが多い。
ぐる眉など顔立ちはサンジとそっくりで、イチジやニジと違って髪型もサンジに近いため、ナミ達は当初彼をサンジと誤認したほど。
なお、ルフィ達と最初に対面した際は自身を「私」と呼んだり、サンジとの関係性を秘密にしていた。

【人物】
外見はサンジとよく似ているが、似ても似つかない冷徹な性格。
サンジ同様女好きであるものの、彼もまた生まれながらに"悲しみ"や"可哀想"の感情が無いため、人助けを嫌っている。
むしろ人が苦しむ様子に愉悦の感情を抱いている節があり、ニジにぼこぼこにされたコゼットを見てヘラヘラしていたり、サンジが葛藤の果てにルフィを蹴り飛ばす様子を見て大笑いしていた。その様子はまるでドSな浜田雅功。
しかしナミに対するリアクションがあまりにもサンジそっくりだったため、チョッパーからは「おまえやっぱりサンジだろ!!!」と言われた。
サンジにジェルマ66の全容を教えたり、ニジがコゼットの件でサンジから顔面に蹴りを喰らった際に慌てふためいたり、式ではサンジがプリンと結婚するのを羨ましがるような台詞をもらす等、人間臭い一面を見せている。
寝起きが悪いのか、式当日の朝はニジに叩き起こされていた。


【戦闘能力】
戦闘時には髪の色と同じ緑色のレイドスーツを身に纏い戦う。
兄弟の中でも怪力を誇り、レイドスーツをまとえば、大きな鉄球をたやすく砕いたり、不意打ちとはいえダイフクの魔人を捻じ伏せられるほど。
レイドスーツの機能により腕を伸ばす事が可能で、それによって相手を捕まえ、力尽くで振り回す。

幼少期はサンジイジメに積極的に加担していたが、現在は戦闘力が逆転しており、戻ってきたサンジに早々前の調子で接したが、反撃を食らって顔面を凹まされた*3
その後バラティエを人質にした上でイチジやニジと共にサンジを袋叩きにした。

【技】
  • 巻力断頭(ウィンチダントン)
レイドスーツの腕を射出・変形させたワイヤーで相手の首を締め上げ、そのまま振り回し周囲の敵を薙ぎ払う。
  • 混合(ブラック)バグ
イチジ・ニジ・ヨンジによる合体技
作中では逃走経路に立ち塞がったぺロスペローのキャンディウォールを破壊した。


【その他のメンバー】


ヴィンスモーク・ソラ

CV.山本百合子

ジェルマ王国王妃。ジャッジの妻であり、サンジ達の。…ん?「ソラ」? どこかで聞いたことがあるような…。
夫とは違い温厚かつ慈悲深い性格。
サンジが自分の為に不器用ながらも弁当を作ってきてくれた時には、途中で転んで中身がグチャグチャになり、召使いのエボニーが絶叫するほどの不味さにも関わらず「美味しい」と言って笑顔で完食していた。

自分の子供達の感情を奪おうとするジャッジに対して「心を失ったら人間じゃない」と反対するが、夫の暴走を止められなかった。
強制的に改造手術を施された後、自ら血統因子に影響を及ぼすほどの劇薬を飲んだ。
イチジ・ニジ・ヨンジはその改造から逃れられなかったが、サンジだけはソラのその行動で改造の影響を受けず、普通の人間として生まれた。
感情を失った子供達はソラを省みる事はなかったが、サンジとレイジュは度々母の元を訪れており、
サンジはソラを元気づけようと弁当を自分で作っていた。これがサンジがコックを目指す原点となっている。

しかし、ソラの体は劇薬の影響で弱っていき、サンジがジェルマ王国にいた頃に亡くなった。
当のソラはサンジの優しさに喜び、後悔などしていなかったが、
彼女への愛情が無かった訳ではなかったジャッジは、ジェルマ帝国復活という目標の持つ自分が原因で引き起こした「妻の死」を自分の中で昇華することができず、妻の抵抗の証ともいうべきサンジに辛く当たるようになり、
ソラを彷彿とさせる無垢なサンジの顔を見るのを拒むかのように彼を軟禁することとなった(最低限の情として、殺すことはできず、サンジには客人用の食事を出したり、彼が軟禁部屋で料理用の本を読む程度は黙認していた)。

ヴィンスモーク・サンジ

異名:ステルスブラック おそばマスク 彼のみコードネームとレイドスーツの色が髪の色と一致しない。
ヴィンスモーク家三男。ご存知麦わらの一味のコック。
血統因子の改造を受けた兄弟の中で、唯一普通の人間として生まれた“失敗作”。
血統因子の影響を受けていないため、当時は肉体の強度も普通の子供と変わらず、イチジ・ニジ・ヨンジの様に感情も操作されなかったため、優しい少年だった。
しかしその事からレイジュ以外の兄弟達からは常に暴力を振るわれ、
ジャッジは「才能がない子供を助けてやる義理は無い」とそれを止めようともしなかった。

その末にジャッジから牢に幽閉されていたが、ジェルマが東の海に向かった際にレイジュの協力で脱獄し、
港に停泊していた客船オービット号に乗り込んで見習いコックとして働くことになった。
そしてゼフと出会うことになり、コックとして、男として強く育った。
詳細は項目にて。

コゼット

ジェルマ王国の料理長の女性。料理の腕は確かであり、これに対しサンジも絶賛していた。
朝食時のサンジとニジの騒動後、ニジの腹癒せとして顔が変形する程殴られることになった。
アニメではその直前にサンジに惚れているかのような描写があった。

クローン兵

血統因子の研究の応用により生み出された優秀なクローン兵士の軍隊。
優秀な兵士数名を元に、約5年で生産が完了する。
屈強なだけでなく感情操作もされており、ジェルマの王族達から『壁』と言われれば、ためらいなく体を張ってとなり命を差し出す勇敢さと従順さを持つ。

なお、兵士たち自身は、自分たちがクローン兵であるという事実を知らないとのこと。

そもそもが兵士として『生産』されたこともあってジャッジらは彼らを人間扱いしていないものの、
一方で任務が関わらなければ普通の人間と大差ないようで、サンジとシャーロット・プリン結婚式の日には、
参列できないことを残念がりながらも、「平和な日を喜ぶ」という人間的な一面を見せている。


【作中での行動】

四皇ビッグ・マムの後ろ盾を得るためビッグ・マム海賊団との政略結婚を目論む。
しかし、「『大事な息子達』をあんなイカレたババアの元にやりたくない」というジャッジの意向で、サンジを生贄にすることを画策。
サンジは今になってその身柄を必要としたジャッジから強引に連れ戻されることになり、ベッジによってビッグ・マムの支配するホールケーキアイランドに連行される。
バラティエを人質に取られたサンジは自分を連れ戻しに来たルフィを拒絶し、ヴィンスモーク家へと戻ろうとする。

が、ビッグ・マムは初めからジェルマの科学力を完全に自分のものにするためにヴィンスモーク家を全員殺すつもりであり、サンジは結婚など茶番に過ぎなかったことを知る。
花嫁であるプリンの本性を知り、レイジュからはジェルマは放って逃げろと諭され、
それでも血の繋がった家族を見捨てられないサンジは逃げ出すことも出来ず、どうすればいいかまるで分らなくなってしまった。

ルフィ達だけは逃がそうとするサンジだったが、ルフィはサンジを殴り飛ばして本心を聞き出し、
サンジと共に結婚式をぶち壊し、ヴィンスモーク家を全員助ける事を決断する。

そして自分の野望のために利用しようとしていたサンジに命を救われてしまったジャッジは、「何故助けた」とサンジに問う。
それにサンジは父親(ゼフ)に顔向けできないような生き方をしないため」と答えた。

「13年前、ジェルマから逃げ出したヴィンスモーク・サンジは海で一度死んだんだ。お前もそれを望んでた」

「だから認めろ!!!」

「お前は俺の父親じゃねぇっ!!! ヴィンスモーク・ジャッジ!!!」

完全に決別を宣言されたジャッジは「二度とサンジにも東の海にも近付かない」と誓い、ケジメとして式場脱出の警護を引き受ける。


「出来損ないに……!! 借りなど作らない!!」


しかし、さすがにビッグ・マムやカタクリ、レイジュと相性が良い(毒を食らってもすぐ絞り出してしまう)スムージーなどビッグ・マム海賊団が揃い踏みした状況は分が悪すぎ、制圧されてしまったが、玉手箱の爆発でホールケーキ城が崩落したどさくさに紛れ、自分達も撤退した。

その後、ヌストルテ率いる1万の兵がジェルマを襲撃したが、それを返り討ちにし、
モンドールにはジェルマが壊滅したとの報告をし、独自に行動を開始。



そしてカタクリとの戦いを終えたルフィと共にビッグ・マム海賊団に追い詰められたサンジの前に、四姉弟がサンジを庇うかのように現れた。
イチジは後で『任務』と語っていることから、ルフィとサンジ救出をジャッジからの任務として任された模様。


「奇遇だな…サンジ。おれ達もコイツらに…!! 一泡吹かせたいと思ってた!!」

「おれ達を罠にかけた」

「コイツらは許さねェ!!!」

「この島は私達『ジェルマ66』の獲物よサンジ!!」

ジェルマ四姉弟はサンジを逃がし、自分達はビッグ・マム海賊団との戦闘に入る。


ルフィを狙うオーブンの体を貫くイチジ。


「飛べサンジ!!」


サンジを叩き落とそうとするユーエンの武器を砕き、そのままユーエンを振り回して周囲をなぎ倒すヨンジ。


「行け!!」


狙い撃ちされそうになったサンジを抱えて光速で走り抜け、サニー号に向けて投げ飛ばすニジ。


「あばよ!! 出来損ない~~~~!!!」


サンジを撃ち落とそうとする奴らを毒で撃退するレイジュ。


「弟に手出しする奴らは……私が許さない」


そして姉弟達の援護でサンジは遂にビッグ・マム海賊団の包囲網を突破し、サニー号へと帰還するのだった。


ジェルマはその後もサニー号が逃げ切るまで戦闘を継続し、サニー号のナワバリからの脱出をもって任務完了として撤退しようとしたところでビッグ・マムが襲来。
安否は不明となっている。


今回のビッグ・マム海賊団と同盟しようとした件が世界経済新聞を通じて公になったことで、ジェルマ王国は世界政府加盟国から外された。

そしてニジによって、ルフィのポケットにサンジ用のレイドスーツが入れられていたことが発覚。
性格上当然のようにサンジはすぐにでも捨てようとしていたが、レイドスーツに惚れていたルフィとチョッパーに「ビームが出るかもしれないから捨てないでくれ」と頼み込まれ、とりあえず取っておくことにした様子。

扉絵「あゝ無感情海遊記」で後日談がかかれ、万国から難なく脱出したもののカカオ島に上陸したビッグマムの圧倒的な力で叩きのめされ捕まったニジとヨンジ。
モンドールの能力で本に閉じ込められ、ホールケーキ城でブラウニーたちに研究のため体をばらされる危機に陥るも、救助に来たイチジとレイジュによってニジとヨンジは解放。
救助後は脱出をはかるも彼らの前に現れたのは、カタクリとオーブンだったが、同時に脱出に失敗したシーザー・クラウンとも遭遇。彼のサポートでカタクリとオーブンを同士討ちにし、シーザーも連れて、ジェルマの本拠地に帰還。
そこでジャッジとシーザーは過去の不仲から喧嘩に発展し、両者ともに格闘戦でボロボロになるも2人は我に返る。

「考えてみればベガパンクのせいでナンバー2争いとか下らないことをしてた」

こうして2人は和解し、「NEO MADS(ネオ マッズ)」を結成。
天才科学者とのコンビにジェルマ兵士は歓喜するもレイジュやイチジは呆れ果てていた。


【余談】

  • 初期構想
『「ONE PIECE MAGAZINE Vol.3」』では、ジェルマの構想が記載。
まだ科学戦闘部隊の構想がなくジャッジが単なる武人だったり、ジャッジがオカマキャラだったり、レイジュがいなかったりと色々変遷があった。
もしジャッジのオカマ案が採用されていた場合、サンジの地獄の2年間に別の意味が加わっていただろう…。

週刊少年サンデー2022年35号での青山剛昌との対談では、「娘が6つ子のおそ松さんにハマっていたので、対抗して四つ子にした」と明かした。
初期構想の中には四つ子じゃないようなものもあったのは、おそらくその名残。

  • 『専用アイキャッチ』
アニメ839話では、普段の麦わらの一味手配書では無く、戦隊ヒーローものを彷彿させるジェルマ66の集合シーンに変更された。
しかも「ジェルマ~」と音声が流れる特別仕様。
なおアニメでのジャッジのイメージカラーは灰色。

  • 扉絵
作者としてもルフィ達にもレイドスーツを着せたかったのか、2017年週刊少年ジャンプ33号872話扉絵ではレイドスーツをまとった麦わらの一味が描かれた。

アラバスタ王国編で、港に武器商船が停泊し国民が武器を受け取って蜂起するシーンについて、蜂起する民衆の中に66と書かれたシャツを着た男がいる。また、商船の帆に描かれたマークがジャッジの座っていた椅子に彫られたエンブレムに似ていることもあり「バロックワークスがジェルマと手を結んで民衆を煽っていたのでは?」と考察するファンもいる。
ニコ・ロビンの「ヴィンスモーク……どこかで聞いた気が…!!」という発言もこの時に関りを持っていたからかもしれない。

  • 名前の由来
母親のソラを除き、父親や兄弟の名前はサンジと同じく最後の文字が「○○ジ」で統一されている(姉のレイジュは少し異なるがニュアンスは概ね同じ。)。
サンジが登場する前は元々、ナルトという名前になる予定が「NARUTO‐ナルト‐」が連載された事で現在の名前に変更されたがもし別の名前になっていたら彼の家族の名前も違うものになっていたのかもしれない。

  • 『海賊無双』
海賊無双4で初登場したが、多数の人気キャラがNPC止まりの中で、レイジュからヨンジまでなんと全員プレイアブル参戦(なおおそばマスクはサンジのコスチューム扱い)。
唯一非参戦だったジャッジもDLCで参戦した。




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最終更新:2024年02月03日 01:52

*1 アニメ版ではナミへのデレっぷりが強調されている一方でプリンにもデレていたシーンが挿入されている。

*2 アニメの描写からして相手の首を掴んでそこから声を模倣していると思われる

*3 原作では割愛されたがアニメ版では若干戦闘の描写がある。