名探偵モンク

登録日:2018/03/28 (水曜日) 17:39:50
更新日:2024/02/19 Mon 18:49:56
所要時間:約10分で読めます





概要

『名探偵モンク』とは、2002年から2009年にかけて、アメリカで放送されたミステリードラマである。

本作の大きな特色としては、『強迫性障害を患っているが故に、周りから見ると奇天烈極まり無くそして情けない醜態をさらす、一見冴えない中年男のエイドリアン・モンク』をホームズに据えたこと。

このため、アメリカの刑事・推理系ドラマでありがちな、『クールなイケメンがスタイリッシュに事件を解決』・
個性的だがどこかユニークで一匹狼な雰囲気をただよわせる風変りな人間が独自に事件を解決』・
最先端のハイテク科学捜査を駆使してチームワークで事件を解決』という作風をあえて否定(特に科学捜査ドラマについては露骨に皮肉った話がいくつかある)。
スタイリッシュ・ダンディーさ・スマートさ…というものとは完全に真逆である中年男性をあえて主人公に起用したことで、それまでの作品との差別化を図っている。

登場するトリックや推理は初期こそ緻密に練られたものが多かったが、シリーズが進むにつれて強引で粗の目立つものが増え、特に後期ではネタ切れ気味のかなりいい加減な推理も見られるようになった。
(例:モンクの超人的な記憶力を前提にしないと犯人を導き出せない、モンクの推理が偶然に頼りすぎている、など。)

このため、ミステリードラマとしての完成度を期待している人にとっては期待外れに感じる回もあるかもしれない。
しかし、コメディ寄りの刑事ものヒューマンドラマとしては極めて完成度が高いシリーズである。

主人公モンクは少年時代から抱える強迫性障害と、妻・トゥルーディーを殺されたことによる心の傷という2つの重い精神的な悩みを抱えているという設定。
このため、この2つのことが原因で時には彼自身が傷つき、辛い選択肢を迫られたり、それが原因で目の前の幸せを逃がしてしまうという、シビアな運命にモンクが対峙していくというシリアスな要素となっている。

だが、彼が強迫性障害故に引き起こす数々の奇天烈な言動に関しては、作中ではコミカルな要素としても扱われており、決して重い作風一辺倒にならないようにそこらへんも配慮されている。
シーズン2以降のオープニング曲"It's a jungle out there"(外の世界はジャングル)は、モンクにとってはシリアスそのものである恐怖症をコミカルに歌い上げた内容になっている。

また、モンクの超人的な記憶力の設定を踏まえてか、一度張った伏線は後で必ず回収されるのも特徴の一つ。
ファイナルシーズン最終話では、シーズン1第1話から断片的に述べられてきた「トゥルーディーが殺された日の時系列」が、全てまとめられて描かれた。

ちなみに、モンクを演じたトニー・シャルーブは本作での演技が評価され、エミー賞主演男優賞・ゴールデングローブ賞男優賞・全米映画俳優組合賞男優賞などを受賞している。

モンクの抱える『強迫性障害』についての解説

モンクは『強迫性障害』(OCD)を患っている。
詳細に書くと膨大になるので、とりあえず、 ウィキペディアのこの記事 を参照してほしい。
モンクのケースの場合はこの記事で書かれている症状のうち「不潔恐怖・洗浄強迫」「確認行為」「疾病恐怖」「不完全恐怖」が該当する。
このため、あらゆる面で好き嫌いが極めて激しく生活の幅が狭く(強迫性障害の特徴である『回避』)、他人にも強迫行為を強制したりする(強迫性障害の特徴である『巻き込み』)。


ストーリー

サンフランシスコ在住の中年男性エイドリアン・モンクは、強迫性障害を患っているが故に奇妙なこだわりや恐怖症の数々を持ち、周りから変人扱いされているが、しかし同時にかつては、幾多の難事件を卓越した頭脳と観察眼で解決してきたサンフランシスコ市警所属の凄腕の捜査官でもあった。
自身の強迫性障害と戦いながらも、良き妻トゥルーディー・モンクの支えと、良き上司リーランド・ストットルマイヤー警部の理解もあって、警察官として数々の難事件を解決に導いてきた。
しかし、そんなモンクにある日、悲劇が襲う。新聞記者であったトゥルーディーが、何らかの陰謀に巻き込まれ、自動車爆弾で暗殺されてしまったのだ。トゥルーディーのことを心の底から愛していたモンクは、この不幸に絶望し、警察を休職、それ以降は自宅にひきこもるようになる。
それから数年、ふとしたきっかけでモンクは、犯罪コンサルタントとして探偵業を開始。助手としてシャローナ・フレミングを雇い、自身の強迫性障害と妻を失ったことへの心の傷と戦いながらも、犯罪捜査とトゥルーディーの死の解明の日々へ身を投じるようになる。


登場人物

主人公


●エイドリアン=モンク(演:トニー=シャルーブ)
声:角野卓造(NHK版)/千田光男(WOWOW・スターチャンネル版)

本作の主人公。
かつては「生きてる伝説」の異名を取る凄腕の刑事だったが、現在は休職中。殺人専門の犯罪コンサルタント(≒私立探偵)として警察と契約し、捜査に携わっている。

幼少期から重い強迫性障害を患っている。その症状は、挙げればキリが無いほど。本編を見ればわかるが、「この人、こんなんで、よく社会生活送れてるよね」っていうレベル。

このため、端的に言うなら、「情けない・ウザい・ダサい・かっこ悪い」。
もし、「かっこいいヒーローのような探偵」というものを求めるのであれば、本作の視聴はやめたほうがいいレベル。
私生活の世話をしてくれるシャローナやナタリーがいないと、途端に不安がり、子供のように駄々をこねることもある。

だが、それと同時に彼にはすごい才能があるのである。
  • 超人的な記憶力を持ち、どんな些細なことも一度見聞きすれば絶対に忘れない(新生児の時に産科医に取り上げられた記憶まで残っていた)
  • 他人の言動の細部にまで気が回り、瞬時に言動の矛盾や嘘を見抜く
  • 米粒ほどの小さな物証までも見逃すことなく、そこから犯人の行動を推測可能
  • ほんの少しの汚れの染みからも犯人や被害者の行動をあらかた分析できる
  • その人の発言、身体的特徴、服装から、人物分析を瞬時にできる
などなど

つまり、犯罪捜査能力に関してだけいえば、かなりの天才なのである。実際に、モンクのことを「こいつただの、キ○ガイでしょw」なんて舐めてた事件関係者は、彼の隠された才能を身をもって知るというのが大方のパターンである。
このため、モンクに解決される前に、真犯人が口封じのため、モンクを殺害しようとする場面も少なくなく、意外と潜り抜けてきた修羅場は多い。
で、この天賦の才(本人曰く「難儀な才能」とのことだが)をもってして、難事件を次々と解決するもんだから、シーズン2あたりからサンフランシスコ市内では、ちょっとした有名人になっている。

休職中とはいえ現在はあくまでも民間人であり、私立探偵として一般人からの殺人捜査依頼も請け負っている。
しかしモンク本人はあくまでも警察官という職にこだわりを持っているらしく、身分を名乗る時はいつも「休職中の刑事」とか「元刑事(ex-cop)」と語っている。

探偵としては、心理分析よりも記憶力と観察眼を駆使して物証(clue)を見つけることを重視するタイプ。
現場の遺留品・容疑者の言動に矛盾を見つけてアタリを付けた後、事実ベースの手がかりから推理を少しずつ積み上げていく。
このこともあってか「違和感や矛盾で犯人はすぐに分かるが、手がかりが無いので犯行手口がなかなか分からない」ということも多く、
『手口は分からないが、あいつが犯人だ (I don't know how he did it, but he did it.)』はお決まりのセリフとなっている。

あとは、強迫性障害による潔癖症のためか、掃除のスキルおよび書類整理と文書推敲作業に関しては完璧。
学生時代に陸上競技をやっていたこともあって運動神経も悪くなく、強迫観念症の症状さえ出なければ犯人と格闘もするし、いざとなれば犯人を撃つことも厭わない(この点も『刑事コロンボ』のような他作品とは一線を画している)。

ただし、金銭管理に関してはだいぶルーズ。トゥルーディーにお金のことを任せっきりにしていたこともあってか、賃金に関してシャローナやナタリーと揉めることもしばしばある。
犯罪捜査でお金を得ようとすること自体を嫌がっている節もあり、無給で捜査を引き受けてしまうことも。
パソコンや携帯電話などの精密機械の扱いにも弱い。

強迫性障害のためか、小学生から大学生時代にかけては、ぼっち、いじめられっ子の二重苦だった。
このため、どこぞのひきたにくんのようにこういった過去を自虐するジョークも度々口にする。人によってはモンクに共感するかも…?
で、その反動からなのかリア充な世界にあこがれているため、「私、ひょっとしてリア充になれそうかも」と思う場面に遭遇すると、途端に我を忘れたり興奮したりする。

亡き妻のトゥルーディーのことはかなり愛していたため、5年以上たっても立ち直れていない。このことは現在のモンクに深い影を落としている。
元々トゥルーディーが亡くなるまでは現在ほど強迫性障害の症状はひどくなく、彼女の死のショックのせいで現在のような不安定な性格になってしまったらしい。

推理漫画「名探偵コナン」の単行本のおまけコーナー「青山剛昌の名探偵図鑑」の73巻収録分で取り上げられており、似顔絵付きで「いくら変わり者揃いの名探偵達と言えど、モンクの変人ぶりには敵うまい」と紹介されている。
ちなみに青山剛昌のオススメエピソードは、シーズン3第16話『評決に異議あり』。

口癖は以下の通り。どれも言う頻度が高く、他の登場人物に真似されたりすることもある。
  • 「天賦の才です。...難儀なね (It's a gift...and a curse.)」:自身の非凡な能力を褒められたり皮肉られたりした時に返すセリフ。高校時代の、知り合いのカフェテリアの店員の口癖だったらしい。
  • 「後で感謝しますよ (You'll thank me later.)」:他人の物を勝手に整理した時に言う。元々は母親の口癖だったらしい。
  • 「経緯はこうです (Here's what happened.)」:決めゼリフ。事件の推理を披露する時に使う。

モンクの関係者


●シャローナ=フレミング(演:ビティ=シュラム)
声:三鴨絵里子(NHK版)/勝生真沙子(WOWOW・スターチャンネル版)

モンクの初代アシスタント。看護師の資格を持つ。

肝っ玉母さんという感じの姉御肌であり、モンクのことをぐいぐい引っ張る。
シングルマザーで、ひとりで長男のベンジーを育てている。

ストットルマイヤー警部に看護師として雇われ、トゥルーディーを亡くして引きこもっていたモンクの元に派遣されたことで彼と出会う。
モンクとは長い付き合いで、モンクの言動に辟易しながらも、なんだかんだでモンクを支える。

異性関係には開放的なほうで、異性(無論モンク以外の)に積極的にアプローチするが、いい関係になりそうな感じだった相手の男の正体がロクでもない男か真犯人というケースも多かった、というとんでもない男運の悪さを持っている。

シーズン3中盤で元の亭主とヨリを戻したため、モンクのアシスタントを辞めサンフランシスコを去る(シャローナを演じたシュラムが番組制作陣とギャラについて揉め、降板したためだとされる)。
その後も名前がちょくちょく出てきていたが、ファイナルシーズンでゲスト的に再登場した。


●ベンジャミン="ベンジー"=フレミング(演:ケーン=リチョット)
声:田谷隼

シャローナの一人息子。シーズン1からシーズン3中盤まで登場。

モンクの言動には呆れつつも、ちゃんと付き合ってくれるいい子。父子ほど年が離れているが、健常者と行動基準が違うモンクのことは、友達感覚で接している。
もっとも、モンクがくれる誕生日プレゼント(「石磨きセット」などのおもちゃ)にはさすがに毎年辟易していたが。

シーズン1からシーズン3中盤においては、両親が離婚中ということで、父親が常にそばにいないことに不安や寂しさを覚えたり、父親がたまに面会にくるとかなり嬉しがっていた。


●ナタリー=ティーガー(演:トレイラー=ハワード)
声:藤貴子

モンクの2代目アシスタント。シーズン3中盤から登場。

シャローナと同じくシングルマザー。前任者のシャローナ同様、子育てだけでなく、並みの子供より手のかかるモンクのお守りで右往左往する毎日を送る。

もともとは、ある事件でモンクと知り合ったのがきっかけで、アシスタントに採用される。
伴侶を失った者同士ということでモンクにシンパシーを感じたこと、水商売勤務から足を洗いたかったことが理由で、モンクのアシスタントに転職。
だが、当初はモンクの言動そのものについていけず、早くもやめようとした矢先、シーズン3『激突』でモンクに命を助けられたことで、モンクへの信頼がわき、その後はモンクに付いていく決意をする。

美人なので、男に言い寄られたりすることがシャローナよりも多い。

実家は大企業(全米トップクラスの歯磨き粉メーカー)の社長一家。このためセレブファミリー特有の閉塞感と管理教育に辟易してたらしく、その反動でヤンチャで『ワル』な娘となる。これが原因で実家、特に母親と確執が生じていたが、ある事件をきっかけに和解した(シーズン3『花婿 危機一髪』)。
なお、そのヤンチャ盛りの時代には危ない遊びも色々やってきたようで、その経験が調査に役立つこともあった。
また、実家への反発の影響かかつては不安定な生活を送っていて、モンクのアシスタントになるまでに17回の転職をしており、その経験も調査に役立つこともあった。

意外と度胸が大きく、大の男に襲撃されても果敢に立ち向かったり、時には犯人を制圧したりすることもある。おそらくヤンチャだったティーンエージャーのころに、数々の危ない橋を渡った経験が生きているのであろう。


●ジュリエット="ジュリー"=ティーガー(演:エミー=クラーク)
声:佐藤香織

ナタリーの一人娘。シーズン3中盤以降に登場。

かなり人懐っこいせいか、シーズン4時点ではやくもモンクと打ち解け、モンクと友人のように接することができる。

母親のナタリーとも基本は仲良しこよしな関係であるが、作中では思春期であったことに加え母親ゆずりの頑固さと無鉄砲さも加わり、ナタリーに反抗することもザラではなく、ナタリーの制止や忠告も聞かずに自分で突っ走ってしまうこともしばしば。


●アンブローズ=モンク(演:ジョン=タトゥーロ)
声:津村鷹志

エイドリアン・モンクの兄。

彼もまた、弟のエイドリアンと同じく精神的疾患の患者。というか、エイドリアンが可愛く思えるほどのレベルである。
彼は広場恐怖症。つまり、家から外に出ることすらできない。重度のひきこもり。条件さえ満たせば、外出や遠出ができるエイドリアンとは雲泥の差である。

ちなみに、そんな彼が何でメシを食ってるかというと、「マニュアル(商品製品の解説書や注意書き)ライター」。マニュアルライターなら、外に出る必要は無い。マニュアルライターとしてのこだわりはすさまじい。

買い物とかはどうしてるかと思うかもしれないが、シーズン4『モンクの父帰る!?』を参照する限り、それらは近所のショッピングモールの配達サービスで賄っており、おそらく配達サービスや通信販売なんかを利用することで何とかやっているのであろう。

彼は彼でエイドリアンとは別方向に優れた頭脳を持っていて、10ヶ国語近くを習得しており、エイドリアン同様記憶力も凄まじい。

エイドリアンには一種の劣等感を感じており、「アンタはいいよな、外出もできるし、キレイな女性とも結婚できたしな(#^ω^)ピキピキ」とシーズン2でその鬱屈した思いをエイドリアンにぶつけたことも。


●トゥルーディー=モンク
演:ステリーナ=ルジッチ(シーズン1)→メロラ=ハーディン(シーズン2以降)
声:佐々木優子

モンクの愛妻だった女性。モンクとは大学時代に知り合った。

まさに良妻賢母。モンクとは相思相愛で、モンクの強迫性障害が原因の奇天烈な言動も全く意に介さず受け入れたほど。

文字通り太陽みたいな女性で、モンクはもちろん、大学生時代は男女問わず他の学生たちからも絶大な人気を誇っていたほど。

職業は新聞記者であり、誰が相手であろうと不正には「ペンの力」で毅然と立ち向かう勇敢で優秀なジャーナリストだった。
が、それが災いして、何らかの事件(モンクも把握していなかった)を取材中に、自動車爆弾で爆殺される。

彼女の死がこの後何年にもわたって、モンクを苦しめることとなってしまった。

トゥルーディーの両親も強迫性障害患者のモンクを違和感無く受け入れて、素直に二人の結婚を認めたため、彼女の性格の良さは両親譲りなのかもしれない。

サンフランシスコ市警


●リーランド=ストットルマイヤー警部(演:テッド=レビン)
声:坂部文昭(NHK版)/有本欽隆(WOWOW・スターチャンネル版)

モンクの元上司、現在はモンクのビジネスパートナー、そして数少ない友人。
というか、モンクの同世代(おそらくモンクの2個上くらいか)で同性の友人は間違いなくリーランド以外にいない。

テンプレ的な「アメリカの白人オッサン刑事」と言える。このテンプレ的なキャラ付けを強調した立ち回りをすることが多い。

モンクの犯罪解決のための能力を大いに買っているが、それに劣等感を抱いていたのも事実で、モンクの奇天烈な言動に振り回されそれに疲れ果てていた過去も蘇ってか、シーズン1(モンクが犯罪コンサルタントとして復帰直後)ではモンクを煙たがっていた。
また、モンクが完全に精神の健康を取り戻した上で警察に戻ることを望んでおり、モンクの復職が決定しかけた時には、自ら上層部に進言して復職を取り止めさせたことも。

でも、なんだかんだで、モンクは信頼できる部下であると同時に仲の良い友人であったのも事実で、シーズン2以降はモンクへの態度がかなり軟化し、モンクのために職を失う覚悟で行動したこともある。
それと同時に、ランディのことは年齢差もあってか、息子のような想いを抱いており、頼りない一面に呆れつつも、彼のことも大事にしている。

奇天烈で超潔癖症でわがままなモンク、自由奔放で心は少年のままのランディという二人の問題児を抱え、彼らのツッコミ役兼保護者役なため、気苦労も多い。
モンクとランディが二人同時に問題行動や問題発言をかますこともしばしばあり、その際はツッコミが追い付かず、イライラが頂点に達することもざらではない。

気が短く、よく物に当たり散らすことが多い。

カレンという20年以上連れ添ってる妻がいるが、育児方針・価値観・行動規範がリーランドとまるで正反対なため、よく夫婦喧嘩も勃発。そのため、家庭内でもリーランドは気苦労が絶えないことが多かった。もっともカレンとは子供のころからの幼馴染なため、喧嘩は絶えなくても、カレンには特別な感情を抱いている。

仕事の場ではモンク・ランディという超クセ者2人を常に相手にし、家庭内では価値観と思考が真逆のカレンを常に相手にしている。
このため、本作においてリーランドのストレスの原因は八割方モンク、ランディ、カレンの言動が原因と言っても過言では無い。

良くも悪くも熱くなりやすく、細かいところは気にしない性格からか、犯人の巧みなアリバイ工作やミスリードや心理的誘導にひっかかることが多い。

以下ネタバレ
カレンへの想いはかなりあったものの、残念ながら結局シーズン4でカレンと離婚してしまった。

ちなみに、彼の階級は原語だと"Captain(キャプテン)"。これは日本語だと「警部」と訳されることが一般的で、本作の日本語版でもこれを踏襲している。
が、Captainは課長や所轄署の署長を務めるようなレベルの階級で、実は日本の警察における警部よりもかなり偉い役職である。
相棒』で言うと杉下警部というよりは内村刑事部長(警視長)に近いレベルの偉さだったりする。


●ランドール="ランディ"=ディッシャー警部補(演:ジェイソン=グレイ=スタンフォード)
声:関俊彦

リーランドの部下。
シーズン1の時点では、どこか頼りなく、リーランドに従順に従う青二才な刑事という印象しかなかった。

が、シーズン2中盤以降から、荒唐無稽な推理、自由奔放な言動に加え、子供っぽさが抜けきらない思考の人間というキャラが定着。
このため、シーズン2以降、モンクとは別の意味で周囲を振り回す、呆れさせることが日常茶飯事となる。
そのハチャメチャな言動ぶりは、時にモンクと同等レベルかそれをしのぐことすらあり、リーランドに「お前はモンクよりひどいな。」と時に言わしめるほど。

だが、自身の警察官としての捜査能力が誰よりも劣っていることや、難事件をいつも解決できてしまうモンクの存在などにはある程度のコンプレックスを抱いているフシがあり、「俺はピエロじゃない!!」とその鬱屈した気持ちを爆発させたこともあった。

シーズン3以降になると、リーランドは、上司としてだけでなく、父親のような存在になりつつあるのか、リーランドに認められたいという欲求が常にあり、すぐにモンクを依怙贔屓するリーランドに「なんでモンクばっかりなんだよ!!」と子供のように駄々をこねることもしばしば。
ちなみに、モンクに対してはコンプレックスはあれど、邪魔者扱いや敵対視はしておらず、リーランド同様モンクのことは友人として思っている。

シーズン3中盤までは、シャローナに気があったのか、度々シャローナを口説いていたが、そのたびにシャローナにあしらわれるというのがお決まりであった。

ちなみに、彼の階級は原語だと"Lieutenant(ルーテナント)"という。これは日本語だと「警部補」と訳されることが一般的で、本作の日本語版でもこれを踏襲している。
が、これは日本の警察に当てはめると警視クラスに相当する結構上の役職でもある。
ストットルマイヤー警部が内村刑事部長ポジだとするなら、ディッシャーは中園参事官(警視正)ポジと言ったところか。
コロンボ警部の役職も実はディッシャーと同じ"Lieutenant"である(『刑事コロンボ』では「警部補」ではなく「警部」と訳しているが、日本の警察に当てはめると「警部」の方がニュアンスが近い)。


モンクの知り合い


●チャールズ=クローガー医師(演:スタンリー=カメル)
声:池田勝(NHK版)/岡部政明(WOWOWおよびスターチャンネル版)

モンクのかかりつけの精神分析医。

作中で見る限り、モンクには「手のかかる悪い息子」というような感じで接しており、彼の言動に呆れつつも父親のような態度でモンクのカウンセリングに当たってる。

とはいえ、やはりモンクは特別な存在なのか、無理難題要求しまくり・ワガママ放題のモンクを見捨てることも無く、時には自身のプライベートを投げ出しても彼のケアに努めるほどであった。
が、演者が作品の途中で亡くなった為、作中でも病死したことになりシーズン7から不在。


●ネーブン=ベル医師(演:ヘクター=エリゾンド)
声:稲垣隆史

クローガー医師亡き後、新しくモンクのかかりつけになった精神分析医。
医師としては優秀で、初対面にもかかわらずモンクがバイ菌を怖がることを見抜き、握手後に自ら除菌ティッシュを手渡している。
モンクは初めこそクローガー医師が亡くなったショックでベル医師を受け入れられていなかったが、後に打ち解けた。


●ケビン=ドーフマン(演:ジャレッド=ポール)
声:桐本琢也

モンクの上の階に住む、眼鏡をかけた公認会計士。
モンクとは違った意味で、こだわりの多い男。
かなりのお調子者で、モンクとは違った意味で空気が読めない言動をすることがある。シーズン7終盤で殺害される。


●ハロルド=クレンショー(演:ティム=バグレー)
声:村田則男

モンクと同じく、強迫性障害患者。
さらに、モンクと同じく彼のセラピストはクローガーである。

モンクとは違うベクトルの強迫性障害の症状があり、それが原因でモンクと初めて会ったときも、口論となった。
それ以降はこれに加え、クローガーへの想いの深さや、いかに自身がクローガーに優遇されているかをモンクと競っているフシがある。
これらが原因で、シーズン6まではモンクと出会う度にモンクといざこざを起こすことが日常茶飯事。このため、それに辟易したクローガーやリーランドがモンクとハロルドにブチ切れることもしばしば。

このため、モンクにはかなりのライバル意識を持っていたがファイナルシーズンで和解しモンクが専念できるようベル医師から手をひいた。

余談だが、モンクと違って、教育委員会委員を務め、なんと妻子持ちでもある。


その他


●カレン=ストットルマイヤー(演:グレン=へドリー)
声:宮寺智子

リーランドの二番目の妻。
リーランドは幼馴染で、幼少期のころからの付き合い。シーズン2の時点ですでに結婚生活が20年以上。

シーズン4でモンクが「彼女と警部はまるで違う」と述べたように、リーランドとは趣味・思考・価値観・育児方針から政治的イデオロギーに至るまで異なっている。このため、リーランドと夫婦喧嘩をすることも多かった。
が彼女自身もリーランドのことは深く愛しており、すぐに仲直りしていた。

以下ネタバレ
さすがの彼女もシーズン4のころになると、長年溜まったリーランドへの不満とストレスを抑えきれなくなっており、結局離婚した。


●デール=バイダーベック
演:アダム=アーキン(シーズン1)→ティム=カリー(シーズン2)→レイ=ポーター(シーズン6)。
声:銀河万丈

サンフランシスコでも有数の資産家。通称『クジラのデール』。

若いころから暴飲暴食の限りを尽くした結果、超肥満体となり動けないデブ。自身の豊富な資産で得た権力を笠に、悪行三昧を繰り返していた。

そんな彼に怒りを覚えたトゥルーディーは『ペンの力』によって大打撃を与えたのである。
が、サンフランシスコにおいてはすでに巨悪にまでのぼりつめたデールを相手に無傷では済まず、モンク夫妻も公私ともに大ダメージを食らった。このため、モンクにとっては因縁の相手である。

シーズン1では、自身と対決姿勢を見せた検察官を暗殺したが、その暗殺事件をモンクに解決され、あえなくムショ送り。だが、サンフランシスコきっての巨悪となっていたデールには地元司法当局の忖度が働いたのか、服役先の独房内でも悠々自適な生活を送っていた。

シーズン2では、自身の身勝手な要求でモンクにある事件を解決させるが、その取引材料として、トゥルーディー殺害事件の情報を提供した。


追記・修正はモンク先生が納得いくよう、パソコンをちりひとつないまでに徹底的に掃除した上で
手を雑菌がゼロになるまで洗浄し、
さらにパソコンのキーボードをABC順に並べ替えてから行ってください。

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最終更新:2024年02月19日 18:49