ヘヴィメタル/ライトメタル(ポケモン)

登録日:2018/03/10 (土) 04:15:00
更新日:2023/12/21 Thu 19:46:38
所要時間:約 5 分で読めます




ヘヴィメタル・ライトメタルとは、ポケットモンスターシリーズに第五世代(ブラック・ホワイト)から登場したポケモン特性である。

■概要


どちらもポケモンの体重を変化させる特性。
その名の通り『ヘヴィメタル』はポケモンの体重を倍化させ、『ライトメタル』は逆に半減させる。
由来は「重金属(heavy metals:比重の値が大きい金属)」と「軽金属(light metals:比重の値が小さい金属)」だろう。
ヘヴィメタルは同名の音楽のジャンルもあったりする。
初代のパッケージで『Sepultura』を捩ったと思わしきニックネームが登場していたり、増田順一氏が『SLIPKNOT』などを好きなアーティストとして挙げていることから、こちらも元ネタとなっている可能性は十分に考えられる。

「メタル」と名がついているだけあり、これらの特性を持つポケモンは全てはがねタイプとなっている。
第五世代~第七世代では隠れ特性限定だったが、第八世代では通常特性として『ヘヴィメタル』と『ライトメタル』を持つポケモンが登場した。


■使い方


◆『ヘヴィメタル』のメリット
  • 自分が相手より重いほど威力が上がる技「ヘビーボンバー」「ヒートスタンプ」を強化できる。
  • 相手から「ヘビーボンバー」や「ヒートスタンプ」を使われた際には威力を下げることができる。
  • 体重が200kg以上になった場合「フリーフォール」を無効化できる。
基本的にははがねタイプの物理技「ヘビーボンバー」を使うポケモンの火力を補強するために使われる。
「ヘビーボンバー」の威力は相手の体重が自分の体重に比べて1/5以下なら120、1/4以下で100、1/3以下で80、1/2以下で60、1/2を上回ると40になる。
さらに「ちいさくなる」使用中の相手には必中+威力2倍となる。
「ヒートスタンプ」と同じ効果だが元々あちらより重いポケモンが多い上、特性の補正も付くので使い勝手は大きく勝る。
「アイアンヘッド」と同等の命中率100でありながら「アイアンテール」の威力100を超えることも珍しくない。

ちなみに「ヘビーボール」の捕獲率を上げるために使うことはできない。
これはヘビボの効果がポケモン図鑑の体重設定を参照しているため。


◆『ライトメタル』のメリット
元々防御が高いとは言え、弱点であるかくとう技かつ重いだけに効果の面でも脅威となる「けたぐり」を弱められるのは嬉しい。
「くさむすび」については元々くさ技は半減で受けられ、意外と特防が高いポケモンも多いのだが、あって損はない。


逆に言えば『ヘヴィメタル』持ちは「けたぐり」等、『ライトメタル』持ちは「ヘビーボンバー」等に弱くなるということでもある。
それらを主力技とするポケモンとの対戦時、特に『ヘヴィメタル』持ち vs「けたぐり」持ちには注意が必要となる。


■対戦環境での位置づけ


上記の通り、体重の変化は対戦において様々な影響を及ぼす。
そんな特性2種だが対戦環境においてはハッキリ言って

不遇

である。
ぶっちゃけこの特性を持つポケモンと対戦することは極めて稀。
それも環境の変化によって使えなくなったとかではなく、登場してから現在まで一貫して不遇である。

では何故使われないのかと言うと、

・受けられる恩恵が極めて少ない
・いずれも他により有用な特性を持っている
・上記の通り、デメリットにもなり得る

活かせそうな奴もごく少数いるが、それでも他の有用な特性が優先されやすい。
ゲーフリも需要の無さを理解しているのか、メガシンカ形態でこれらの特性を持つポケモンは存在しない。

リトルバトルだと全体的に軽量級が多く体重依存技が使いづらいため、なおさら影が薄い。

以下にこの特性の持ち主について紹介する。


■ヘヴィメタルの持ち主


タイプ:はがね/いわ 通常特性:がんじょう/いしあたま 隠れ特性:ヘヴィメタル
HP:70 攻撃:110 防御:180 特攻:60 特防:60 素早:50
体重:360.0kg(「けたぐり」「くさむすび」の威力120)

主力技「ヘビーボンバー」を強化でき、素で「けたぐり」等のダメージが最大なので実質デメリットもない。
しかし通常特性が便利すぎるため、殆どの場合はそちらが優先される。
鈍足かつ4倍弱点持ちという点で『がんじょう』に救われる場面は多く、『いしあたま』はもう一つの一致技「もろはのずつき」の反動を無くせる。
耐久力を確保し次の攻撃に繋げられるこれらの特性に比べると、『ヘヴィメタル』は相手や状況によってどの程度の恩恵が受けられるか不安定。
メガシンカ型ならなおさら『がんじょう』一択となる。

タイプ:はがね/エスパー 通常特性:ふゆう/たいねつ 隠れ特性:ヘヴィメタル
HP:67 攻撃:89 防御:116 特攻:79 特防:116 素早:33
体重:360kg(「けたぐり」「くさむすび」の威力100)

弱点を補う『ふゆう』『たいねつ』が優秀すぎるため、まず使われない。
そもそも「ジャイロボール」を使えるため、特性を犠牲にしてまで「ヘビーボンバー」を強化する必要性がない。
強いて言えば鈍足型のフェアリー等に対して火力を出せるが、現環境では中速~高速型のフェアリーが主流なのでやはり微妙。
スキルスワップ」で相手に渡せば「けたぐり」「くさむすび」で大きなダメージを与えられるが、手間に見合うかは疑問。

タイプ:はがね 通常特性:ちからずく 隠れ特性:ヘヴィメタル
HP:122 攻撃:130 防御:69 特攻:80 特防:69 素早:30
体重:650.0kg(「けたぐり」「くさむすび」の威力120)

『ヘヴィメタル』補正で空前絶後の1300.0kgとなり、「ヘビーボンバー」「ヒートスタンプ」が『ソード・シールド』に登場するほとんどのポケモンに対して最高威力を叩き出せるようになる。
通常特性の『ちからずく』も非常に優秀なので迷うところだが、少なくともこの特性を一番活かせるポケモンであることは間違いない。
元から「けたぐり」の最高威力圏内に入る体重であるため、その辺りのデメリットは踏み倒せる。
なお、体重依存の技はダイマックスポケモンに効かないため、使うときはそこのフォローが必要。
しかしSVではそのダイマックスが廃止された為、思う存分1300㎏の「ヘビーボンバー」「ヒートスタンプ」を叩き込めるようになった。

タイプ:はがね/ドラゴン 通常特性:ライトメタル/ヘヴィメタル 隠れ特性:すじがねいり
HP:70 攻撃:95 防御:115 特攻:120 特防:50 素早:85
体重:40.0kg(「けたぐり」「くさむすび」の威力60)

40kgという、見た目にしては非常に軽い体重の持ち主。
それだけに『ヘヴィメタル』で80kgとなっても重い方とは言えず、「ヘビーボンバー」を扱うにしてもイマイチ火力不足。
それでいて効果抜群となる「けたぐり」の威力が上昇してしまうので、ぶっちゃけハズレ特性である。


■ライトメタルの持ち主


タイプ:むし/はがね 通常特性:むしのしらせ/テクニシャン 隠れ特性:ライトメタル
HP:70 攻撃:130 防御:100 特攻:55 特防:80 素早:65
体重:118.0kg(「けたぐり」「くさむすび」の威力100)

『テクニシャン』補正付きの「バレットパンチ」「でんこうせっか」等の先制技が使えないのは大きな痛手。
元々物理耐久力が高めかつかくとう等倍なので、「けたぐり」の威力を80まで抑える恩恵は少なめ。
『かるいし』と併用すれば威力を60にまで抑えられるがピンポイント対策にしかならず、持ち物枠を潰す割には微妙。
金銀時代のような耐久・サポート型として使うなら有用かもしれないが、今やコイツでやるメリットは少ない。
『ライトメタル』が真価を発揮するのはメガシンカ型であり、メガシンカで特性が変わるまでの『トレース』対策となり、相手の体重依存技のダメージも下げられる。
……のであるが、育成が面倒メガシンカさせずに戦う場合も考えて『テクニシャン』で育成されることがほとんどであり、
他にメガシンカポケモンがおらず『ライトメタル』が理想となるパーティでも実際に使われることは稀であった。
VC版金銀クリスタルを経由し「のろい」搭載型を使う場合はポケムーバーの仕様上、必然的に隠れ特性となる。

タイプ:はがね/エスパー 通常特性:クリアボディ 隠れ特性:ライトメタル
HP:80 攻撃:135 防御:130 特攻:95 特防:90 素早:70
体重:550.0kg(「けたぐり」「くさむすび」の威力120)

「けたぐり」のダメージは減らせず、「ヘビーボンバー」のダメージは増えるのでメリットがない。
同タイプのドータクンと違い、「スキルスワップ」も覚えない。
『かるいし』との併用でやっと「けたぐり」の威力を100まで落とせるが、ハッサム以上に無駄が多い。
メガシンカ型でも相手の『いかく』を無効化する『クリアボディ』の方が良いためなおさら。

タイプ:はがね 通常特性:クリアボディ 隠れ特性:ライトメタル
HP:80 攻撃:75 防御:150 特攻:75 特防:150 素早:50
体重:205.0kg(「けたぐり」「くさむすび」の威力120)

元々耐久が高めなので、威力20下がる程度では大した事が無い。
一応弱点である「けたぐり」による被害が減らせるが精々その程度。
むしろ「フリーフォール」で持ち上げられてしまうデメリットがくっついてくる。
耐久型や積み型としては『クリアボディ』の方が好相性である為、やはり採用はされづらい。

  • ジュラルドン
タイプ:はがね/ドラゴン 通常特性:ライトメタル/ヘヴィメタル 隠れ特性:すじがねいり
HP:70 攻撃:95 防御:115 特攻:120 特防:50 素早:85
体重:40.0kg(「けたぐり」「くさむすび」の威力60)

まさかの『ライトメタル』をも兼用。
こちらはゴツい見た目で20kgという何がなんだかよく分からない軽量と化す。
効果抜群となる「けたぐり」の威力を40に落とせる上、自身の物理耐久も高い。
元から致命傷になりにくい「けたぐり」の威力をわざわざ更に下げるのも微妙だが…
『ヘヴィメタル』が上記の通りで隠れ特性の『すじがねいり』もダブルバトル専用の効果なので、シングルバトルのみ運用する場合は消去法で『ライトメタル』一択と言えるだろう。ダブル用個体を流用すればいいとか言わない。



こうして見ると不遇とは言え、ポケモンによってはまるっきり使えないわけではないことが分かる。
やはり採用するにはもう一歩足りない、あるいは環境と噛み合わないという部分が大きいのだろうか。


追記・修正はダイマックスして重さを???.?kgにしてからお願いします。

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最終更新:2023年12月21日 19:46