バイオレンスジャック(漫画)

登録日:2018/03/05 Mon 00:54:30
更新日:2024/03/02 Sat 17:28:22
所要時間:約 106 分で読めます




現在この項目は 【提案所】肥大化項目記述独立・簡約化等議論所 において、
記述の独立・簡約化の議論対象となっています。本項目に詳しい方のアイディアを募っています。




筋肉はゴリラ!


牙は狼!


燃える瞳は原始の炎!


二メートル二十の


全身に


闘争エネルギーが


みたされていた!






バイオレンス


ジャック




【概要】

『バイオレンスジャック』は永井 豪の漫画作品。
前年(1972年)に終了した『デビルマン』から続くテンションを引きずった衝撃的なバイオレンス作品で、後に月刊誌、更には青年誌に掲載を移したことで、エロスも極まった作風となった。
※耐性の無い人は見ない方がいいレベル。

また、本作最大のトピックスは『マジンガーZ』や『キューティーハニー』といった、他の永井豪作品のキャラクターが登場してくること。

凡て自作であることや、改変されているとはいえ、他の漫画の主人公やヒロインが惨たらしく殺されたり、凌辱される様は衝撃的の一言。
『あばしり一家』や『ドロロンえん魔くん』の様に、元がギャグ漫画やメルヘン調の作品でもバイオレンス改変を受けて、悲劇的なバックボーンを背負わされたり、邪悪な笑みを浮かべて登場してくる。

後述のように、本作は凡るジャンル(・・・・・・)に於けるPost apocalypse(文明崩壊系)*1を示した、世界でも初めての作品であるともされる。

これらの要素から『スーパー豪ちゃん大戦』や『スーパー永井大戦』…etc.と呼ばれることも。

1973年から1974年まで『週刊少年マガジン』に約1年間連載されたのを皮切りに、
休止期間を経て『月刊少年マガジン』に1977年から1978年まで約2年間に渡り掲載されて一旦終了。

その後、出版社を変えて『週刊漫画ゴラク』にて1983年から1990年まで、約6年半に渡り連載され、初登場から実に17年を掛けて完結された。
傑作として名高いのは永井がバイオレンスをすっかりと持ち味とし*2、画力も磨かれた時期に描かれたゴラク版だが、ストーリーはちゃんとマガジン版からの続きとなっており、世界観にも殆ど齟齬は無い。*3

多数の記憶に残る傑作を残してきた永井にとっても、休載期間や出版社の変更を挟みつつも最も長期間に渡り連載された作品であり、永井作品としてはマガジン版7巻、ゴラク版31巻と単行本の数も最長となる。

1996年に中央公論社から完全版と称してマガジン版とゴラク版を合わせた形態が全18巻で発売。
1998年には同じ内容が文庫版としても纏められている。
2019年7月からゴマブックスでのコンビニ本まで発刊している。

また、作品自体はゴラク版の時点で完結しているものの、2006年から『週刊コミックパンチ』にて、外伝的作品の『新バイオレンスジャック』が不定期連載され、2巻が発売されている。

この他、1986年に『ハーレムボンバー』*4、1988年に『地獄街』、1990年に『ヘルズウインド』として、OVA化も果たしている。
『ハーレムボンバー』はオリジナルストーリーで、大地震の発生理由を宇宙から降り注いだ隕石とするなど、アニメのみの独自設定がある。
時代もあってかアニメ版『北斗の拳』の影響も見られるような、原作とも雰囲気が違う部分もあるが、同じく破壊や殺人、レイプなどを含む過激な内容の為に成人指定作品となっている。
主人公のジャック役は制作順に玄田哲章、小林清志、石塚運昇が演じており、石塚は翌91年に発売された『CBキャラ永井豪ワールド』でもジャックを演じている。

永井豪のバイオレンス系作品の文字通りの集大成であるために、本作の強烈なイメージが後代に与えた影響も大きく、近年の永井豪ワールドを元にした作品の中でも『真マジンガー 衝撃! Z編』や『マジンカイザーSKL』などでも、本作に由来するキャラクターやモチーフが登場している。

【作品解説と歴史】



【物語】

……一九七X年九月十日。
関東一円をマグニチュード八・九の激震が襲った。
この地震を学者達は昭和大震災と名づけたが、人々はこれを関東地獄地震と呼んだ。
この未曾有の大地震は火山噴火をも引き起こし、三週間にも渡る地殻変動の末に活断層にヒビを入れ、関東を孤立させた。
地震は一ヵ月、二ヵ月を経ても関東を揺さぶり続け、止まない余震により近づくことも困難となった関東を日本国政府は見捨て東京復興を断念した。

……こうして、荒野と化した関東に生き残った人々は誰も助けてくれる宛も無いままに文字通りの無法地帯で生きることを強いられ、関東は罪を逃れて入り込んできた凶悪な犯罪者も蔓延る、異様な世界へと化してしまうのだった。

……そして、地震発生から一年の後。
廃墟と化した関東の地に、一人のが立ち上がろうとしていた。


【主要登場人物】


■バイオレンスジャック


■スラムキング


■スラムクイーン


■人犬



【各章の物語】

※並びは完全版の収録順に従う為、発表、掲載順とは異なります。

■東京滅亡編/関東スラム街編



■地獄の風編



■激闘!門土編



■ドラゴンの砦編



■黄金都市編



■関東地獄街編



■疾風ドラゴン編



■関東地獄相撲編



■死神警察編



■野獣王編



■ハイパーグラップル編



■鉄の城編



■黒い森編



■魔王降臨編



■学園番外地編



■奴隷農場編



■アイアンカイザー編



■陽炎編



■ハニー編



■天馬編



■ズバ蛮編



■骨法編



■九龍編



■身堂編



■超高層の悪魔編



■ジャンヌ編



■炎の魔人編



■逆襲ハニー編



■魔王編



【番外編】

■新バイオレンスジャック


【余談】

単品でも未完で終わってしまうことも少なくない、永井 豪やダイナミックプロ系統の漫画の中でも、これ程のカオスでありながら完結した奇跡的な作品と言える。
事実、これからすぐ後に永井は『デビルマン』と並ぶ代表作である『マジンガーZ』を許に、同様の異常なテンションと広がりを持つ『マジンサーガ』を開始するも、此方は『デビルマン』や『バイオレンスジャック』の途中にもあった執筆上のプレッシャーに見舞われた末に、遂には連載不能となってしまい、書き下ろしによる続行も頓挫。
現在は後の再出版に併せて一部が加筆されたものの、物語自体は未完となっていることを惜しむ声は少なくない。
展開的に永井が最終目標として掲げる『マジンガー』VS『デビルマン』の一つの解答となった作品だったかもしれないのだが……。





筋肉はゴリラ!


牙は狼!


燃える瞳は原始の炎!


五万二千文字超の


項目に


追記修正


エネルギーが


みたされていた!





バイオレンス




ジャック


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最終更新:2024年03月02日 17:28

*1 絶滅後の世紀末な世界

*2 1970年代後半までは結局バイオレンスに雪崩れていってもギャグ漫画もまだ多かった。

*3 ただし、連載途中の方針転換により予告と変えられた箇所が見受けられる。

*4 ちな人名である。

*5 この為、仲間が殺されたり女性の場合は凌辱されてしまう場合も……早く助けてあげてください。

*6 本体である男ジャックは割と曖昧な反応だが、女ジャックと子供ジャックは“バイオレンスジャック”の名を使うことが多い。

*7 男ジャックの場合。女ジャックと子供ジャックは若干戦闘能力が劣ると思われる。

*8 破壊できるのはジャックぐらいのものだが。

*9 劇中でも言われているが宝塚が元ネタらしい。

*10 この為、仕えているガランはスラムキングが元ネタと思われる。

*11 この他、マッドザウルス配下のヒャッハー共はレイプの場面で獣のような姿になっていたが、イメージなのか本性なのかは不明。後の『デビルマンレディー』のデビルビーストのようなものだったのか?

*12 作者の言葉を信じれば中盤に当たるこのエピソードの発表時点ではラストの展開は考えられていなかった筈だが、ジャックと凄ノ王の会話は『バイオレンスジャック』のラストと、それによって纏められた世界の理由とリンクしたように読み取れるものとなっている。

*13 因みに、オリジナルも最初のラストは凄惨な全滅エンドだったりする。

*14 実際、原作『あばしり一家』の親父=悪馬尻 駄ェ門はギャグ補正付きだが永井作品でも五本の指に入る怪物である。

*15 このエピソード以降、大魔神サタン=ルシファーとゼノンの合体した姿という設定が定着し、ゼノンの複数の顔もまた魔王の別人格の顕れとされるようになった。

*16 つまりはご都合主義の公式化である。