ヘル・スラッシュ

登録日:2018/02/19 Mon 16:47:10
更新日:2023/02/25 Sat 22:34:33
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骨を斬らせて、心を断つ。



《ヘル・スラッシュ》はデュエル・マスターズの呪文である。
ここでは、関連カード《フューチャー・スラッシュ》《ロスト・チャージャー》《ギガザンダ》も合わせて解説する。


概要

ヘル・スラッシュ 闇文明 (8)
呪文
相手の山札を見る。その中から3枚選び、持ち主の墓地に置いてもよい。その後、相手は自分自身の山札をシャッフルする。
※プレミアム殿堂
闇文明の8マナの呪文。
デュエマの山札破壞呪文としては初である。

8コストというのは登場したDM-06環境ではトンデモなく重い(今でも踏み倒しに特化したデッキでないとそうそう容易には撃てないが)ものの、
DM-06当時は今のような高速で重量級を叩きつけるようなデッキも少ないこともあり、コントロールで嵌めてしまえば撃てなくはなかった。
今もしこのカードが解禁されたとしても、《"龍装" チュリス》→《蒼き団長 ドギラゴン剣》とか、
《轟速 ザ・レッド》→《轟く侵略 レッドゾーン》とかの異様な速さには追いつけないかもしれない。
また、かつては「数枚の切札を他のカードでサポートする」というスタイルを取るデッキは非常に多く、
サブプランを持たないデッキのほうが多いためにキーカードさえ叩き落とせば相手はどうしようもないという自体も多かった。
そのため、決まれば現環境でもそこそこは強いとは思うが、当時はより脅威があったといえるだろう。
まさにヘル・スラッシュ。

《恵みの化身》と《ミスティック・クリエーション》でこのカードを回収しつつ撃ち続ける【化身コン】や、
除去とブロッカーで相手の攻撃をしのぎつつ、ヘルスラを撃ち込む【白青黒赤ライブラリアウト】のキーカードになる。
猛威をふるったこともあり、2006年に関連カード《ロスト・チャージャー》ともども殿堂、
そして《ロスト・チャージャー》およびもう1枚の関連カード《フューチャー・スラッシュ》の2枚とともに2007年にはプレミアム殿堂入りと相成った*1

なお、相手のデッキからカードを見て捨てるという都合上、相手のデッキに必然的に触ることになる。
昔はプレイヤーがデッキにスリーブをつけるというのは一般的でもなかったので、カードの取扱で揉めることも多かった。
更にデッキを確認するという呪文で相手のデッキがどんなデッキタイプかを分析しようとするのも当たり前で、
必然遅延行為になりかねないようなプレイングになってしまう。
今もスリーブをつけるようになったもののその辺の話は変わらない。
殿堂ゼロでは使えるので、トラブルが起きないように丁寧に相手のデッキを扱おう。
というかこのことがあるため、「今後解禁されることは二度とないだろう」と考えられている。
小学生は基本デッキにスリーブをつけないし輪ゴムで束ねて管理するからね…。

地味にアンコモンである。リアルファイトやらトラブルに発展しうるようなカードがザクザク手に入ったというのもなかなか恐ろしい時代やでぇ…
ちなみに【化身コン】自体も ほとんどのパーツがコモンやアンコモンで構築されていた ため、とんでもない貧乏デッキであった。
(レアも《デーモン・ハンド》や《バザガジール・ドラゴン》程度で、フォイルも0枚で十分)
幸いにもネットが今ほど普及してなかった上コロコロなどでも紹介されていなかったため当たり前だ、組むにはそれなりの情報収集力が必要だったが、
実際に組もうとするとストレージをあされば冗談抜きで 夏目さん1枚で組めた ほどである。
当時にネット環境がもっと整っていたならば、今以上に害悪デッキとして大きく名を残していたかもしれない……



関連カード


切り取るのは夢か現実か?それとも、魂か?

フューチャー・スラッシュ P 闇文明 (7)
呪文
相手の山札を見る。その中から2枚まで選び、墓地に置かせる。その後、相手は自分自身の山札をシャッフルする。
※プレミアム殿堂

海外で先に登場した、ヘルスラの調整版。日本ではプロモーション・カードとしての登場であるため、
地味にヘルスラより手に入りにくいのは難点か。

ヘルスラより1コスト軽いものの2枚しか墓地に置けないので、主に殿堂入り後のヘルスラのリペアとしての起用がほとんどである。
ただこれでも十分強く、【白青黒赤ライブラリアウト】は2007年の一斉規制までこのカードを主力として生き残った。
むしろ当時のプレイヤーからすると「1マナ減っている分テンポアドの点からこちらにも分があった」とのこと。

闇の甘言は耳に優しい。

ロスト・チャージャー 闇文明 (3)
呪文
自分または相手の山札を見る。その中からカードを1枚選び、持ち主の墓地に置いてもよい。その後、そのカードの持ち主は山札をシャッフルする。
チャージャー
※プレミアム殿堂

「デュエル・マスターズ最凶呪文は」と聞かれた場合、古参ならば《ミラクルとミステリーの扉》や《母なる大地》を差し置いても
これを挙げる人は多いだろう。

なんで3マナなんだよ。

1枚しか相手のデッキから捨てられないものの、そもそも3ターン目に相手のデッキを全部見てキーカードを1枚選んで捨てさせる上に、マナチャージするのは誰がどう見たっておかしい。
これ自体がマナブーストなので後々の《ヘル・スラッシュ》に繋がるし、
マナに行くことから《ミスティック・クリエーション》で回収まで出来てしまう。
よってヘルスラよりもこっちをメインにしたライブラリアウトデッキが産まれてしまったほど。

なんで3マナなんだよ。

このカードは自分の山札を対象に取ることも出来る。
当時はまだ《インフェルノ・ゲート》が現役だった頃であり、
ロスチャ→ゲート→《ボルメテウス・サファイア・ドラゴン》という、リアニメイトデッキの基本戦術が存在したほど。
所謂【茄子サファイア】の《ダンディ・ナスオ》の枠をロスチャで埋めているわけだが、
茄子と併用で8枚体制で使われることも多かった。
無論、墓地肥やしが必要ないゲーム中後半にはサファイアを止められる数少ない切り札を無慈悲に抜き取る活躍もした。

なんで3マナなんだよ。

もちろんデッキ破壊やサーチカードとして専用デッキを作らずとも闇が入るデッキで普通に使っても強い。
当時は自然以外のマナブースト手段が限られ、闇文明の3マナチャージャー呪文としては唯一の存在。
相手のデッキを把握するためでも、自分のデッキの不要なカードを一枚減らすだけでも十分強い。

なんで3マナなんだよ。

《ヘル・スラッシュ》《フューチャー・スラッシュ》からコスト論を逆算していくと、もしコスト5~6マナの呪文の場合は相手のみ1枚くらいが妥当だろうか?
それが「3マナ」で「自分と相手のどちらかを選択でき」おまけで「チャージャー」が1枚についてくるのである。
チャージャーのコスト論は2マナなので、「自分または相手のデッキを見てカードを1枚墓地に捨てる」効果が
1マナ分の効果ということになる。これもうわかんねぇな…。

なんで3マナなんだよ。

カットちゃん!みんなの悲鳴で踊りましょ! ---解体人形ジェニー

ボーンおどり・チャージャー 闇文明 (3)
呪文
自分の山札の上から2枚を墓地に置く。
チャージャー

そして暫くして登場した3コストの闇のチャージャー。
実質調整版ロスト・チャージャーといった感じの効果で「自分」の山札から「上2枚」を墓地に送るので、ロスチャのような悪用はできなくなっている。
これとロスチャを見比べるとほんとロスチャの凶悪さがわかることだろう。

ギガザンダ 闇文明 (2)
クリーチャー:キマイラ 1000
アクセル
AC-このクリーチャーが相手プレイヤーを攻撃してブロックされなかった時、相手の山札を見る。その中から1枚選び、持ち主の墓地に置いてもよい。その後、相手は山札をシャッフルする。

ロスチャより更に軽い2マナ…なのだが、アクセルというのが問題。
アクセルというのはクロスギアをクロスしているとき能力を得るという効果なのだが、
クロスギアは「場に出す(ジェネレート)」とクロスの両方でコストが掛かるカードであり、
はっきりいって使いづらい。

現在ではクロスギアを踏み倒したりノーコストでクロスできるカードも増えてきたものの、
それでもギガザンダをわざわざ運用するインセンティブが産まれにくい。
このためか、効果が効果ながら一斉規制に引っかからなかった。
そもそもブロックされれば終わり、それ以前に除去されたら終わり、
こいつでデッキを大きく削れるほど何度も攻撃が通っているならもう ライブラリアウトさせる前に普通に勝ってる わけで…。

むしろ2コストキマイラなので、《超幻獣グラザルド》《超幻獣ドグザバル》デッキあたりで考慮できるか。
《超機動魔獣ギガランデス》?アーマロイドにも軽量は多いからなあ…。




追記・修正はライブラリアウトされたことのある方がお願いします。

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最終更新:2023年02月25日 22:34

*1 《フューチャー・スラッシュ》のみライブラリアウト全規制の理由から一発プレミアム殿堂という形になっている。まあこのカードもヘルスラとロスチャが規制された直後普通に暴れまわっていたので無理もないのだが……。