ポーカー

登録日: 2018/02/11 (日) 06:01:58
更新日:2023/09/21 Thu 23:10:35
所要時間:約 10 分で読めます




ポーカーとは、トランプ遊びの一種。
基本的にはギャンブルとして遊ばれ、世界で最も人気のあるトランプゲームの代表格と言える存在。

元々がギャンブル前提のゲームなので、 何か賭けてやらないとイマイチ盛り上がらない ゲームである。
日本ではチップを使わず花札や麻雀みたいに単なる役見せ勝負ゲームになっていたり賭博やイカサマなどのネガティブイメージが強い事も有って
ゲーム本来の魅力がある程度スポイルされているのも流行ってない理由の一つではある。

なので、仲間内でやる時は人生ゲームのドル札などを配って賭け札にするといい。
もちろん、持っているなら玩具のカジノセットのポーカー用チップなどを使った方が臨場感は増す。

あと漫画などの創作では一対一のケースが多いが実際は5人位の多人数戦の方が面白い。
一対一ではチップが対戦者間を行ったり来たりするだけだしカードも対戦者間の手札以外は山か捨て札にしかないが
多人数なら誰かの手札に役の構成札か外れ札かで紛れてる可能性も有り単純には読めなくなる。


日本で知られるポーカーのルール

日本で知られるチェンジポーカー(ドローポーカー)の遊び方は以下の通り。
まずトランプのデッキを1セット準備し、メンバー一人々々に掛け金であるチップを大体1の単位10枚、5の単位10枚分配る*1

  1. 参加者全員が参加料としてのチップ(アンティ)を1支払う。
  2. 参加者にディーラーから手札が配られる。
  3. 手札の中から「捨てる札」を選択する、そのままでいいなら交換しなくても良い。ディーラーは捨てられた数と同じだけ新しいカードを配る。*2
  4. 手札を見て「レイズ」「コール」「ダウン(「ドロップ」「フォールド」とも呼ばれる)」、「チェック」のいずれかの判断をする。
  5. 「レイズ」は賭け金を引き上げることで先にレイズしたプレイヤーより必ず上乗せするチップ数は上回らなければならない*3、「コール」は引き上げられた賭け金での勝負に乗ること、「ダウン」は勝負に出られないと判断してその勝負を降りること、「チェック」は掛け金0でパス(≒コール)することを意味する。
    ダウンした場合、それまでの賭け金(アンティ含む)は返ってこない。ダウンは手順3.の時点で行う事も有る。
    掛け金が手持ちより上の場合「オールイン」を宣言すれば全額賭けとして参加できる。ただし自分が出した分しか手に入らず、余剰はサイドポットとなる。
  6. 全員がコールかダウンのいずれかの判断を下したら、手札を公開し、それぞれの強さを比べ合う(後述)。一番強い参加者が賭け金を総取りし*4、次のゲームへ。
  7. ゲーム終了は前もって決めたゲームの回数をこなすかプレイヤーの誰かかチップを全て失った時点で決められる。その時点で一番多くチップを持っているプレイヤーの勝ち。

日本では身内の遊びだったりする事も有って胴元である「ディーラー」の役割を使わないかプレイヤーの誰かに任せる場合が多いが
こちらもチップ同様本格的にやるならプレイヤーではない専業のディーラーを立てた方がよい。
ただしディーラーをやる以上は公正を重視する事。人間関係周りの事も有って身内贔屓のトラブルも起きがちなのに注意。

このゲームにおける一番の特徴は「心理戦」である。
「弱い役だが、強気にレイズしていくことで強い役だと思わせるブラフを行って相手をダウンさせる」のは基本戦術。
単に「強い役が手の内に有れば勝てる」という単純なゲームではない。
先述の通り日本では賭博要素を嫌ってチップ類を使わず単なる役見せ勝負ゲームになってしまっているので忘れられがちであるが
あくまで役は「その場の勝敗」を決定する「表の主役」であって本当に勝敗を決するのは
最後に手元に残るリソースである「賭け金(チップ他)」であり「裏の主役」でもある。
一方で「勝てる時には勝って、負けそうな時はできるだけ被害を小さくする」というのも重要な考え方。
1,2回ドカンと勝って、あとは少額ベットなりダウンなりで逃げ切りを選ぶのも立派な戦術というわけである。
ただし、露骨に逃げ切りにばかり走ってもそれはそれで対戦相手にとっては興醒めであることは留意しておこう。


役の強さ

同じ役同士では「その役を構成するカードの中で最も大きい数字」を比較して勝敗を決める。
A(エース)に限り、一番上か一番下の数字の両方、つまりストレートを狙う時は「2の前」もしくは「Kの次」として使い分ける事ができる。
このときA・2・3・4・5のストレートが最弱であり、10・J・Q・K・Aが最強である。
ストレート、ストレートフラッシュ以外の役では基本的に2が最弱、Aが最強となる。

なお、「スペードが一番強いスート」という誤解もあるが、
基本的にポーカーではスートに意味はない。

同一役かつ構成数字が全て同一数字ならば、構成していない数字(キッカー)を比べて高い人が勝利。
キッカーも同じなら第二キッカー(キッカーで次に大きい数字)を比べて行き、最後まで同じなら引き分けとなる。
極稀にタイブレーク(引き分け防止)用に他のトランプゲームでのスート序列(大抵スペードが一番強い)を採用する場合が有るだけという事である。
その場合はスペード>ハート>ダイヤ>クラブとなる。


ロイヤルストレートフラッシュ

実はこういう名前の役は本来のポーカーには無く、
後述の「ストレートフラッシュ」の中で一番強い役である「同一スートの10・J・Q・K・A」を慣例的に「ロイヤルストレートフラッシュ」と呼んでいるだけである。
海外ではもっぱら「ロイヤルフラッシュ」と呼ばれる様子。

例えばジョジョの奇妙な冒険Part3のオービーくん…もといダニエル・J・ダービーの、
「Kのフォーカードに勝てるのはストレートフラッシュとAのフォーカード、それとジョーカーを入れたファイブカードしかないぞ」というセリフに、
「あれ?(ジョーカーを含んだ)ロイヤルストレートフラッシュは?」という声が一部で上がることもあるが、これもストレートフラッシュに含まれているためである。

「ロイヤル」の名称は絵札であり貴族を意味する「K、Q、J」が全て入る事から。
実際よく見れば単なるストレートフラッシュの一形態に過ぎないことがわかる(組み合わせ上、ストレートフラッシュで一番強くなっているだけ)。

なおこの役が揃う確率は 64万9740分の1
麻雀の 天和(33万分の1) より出にくく、 先攻初手エクゾディア(65万8008分の1) よりは出やすいと言える*5
まずありえないと言えるが、二つ以上ロイヤルストレートフラッシュが成立した場合はストレートフラッシュ同様にスート序列が採用される場合がある。

見た目が美しいゆえに、フィクション作品でポーカー勝負が行われる際の決め手は、たいていコイツである。
またイカサマでロイヤルストレートフラッシュを出す場合はジョーカーありが多い(ジョーカー無しよりはイカサマを疑われ難いため)。
ちなみに、沢田研二はベスト盤や節目々々のライブなど、ここぞという時に「ロイヤルストレートフラッシュ」というタイトルを使うことが非常に多い。

ストレートフラッシュ

というわけで本来はこれが一番強い役。
「手札のスートを全て1種類(例えばハートのみ・スペードのみ等)に揃え、さらに番号も連番(例えば5・6・7・8・9等)にする」という極めて難易度の高い役である。
同一役の場合は最上位の数字が大きい人が勝ち。同じなら引き分け。

フォーカード

本来は「フォー・オブ・ア・カインド」でフォーカードは日本での呼び方。悪魔の妹のスペルカードの名前の由来。「クワッズ」ともいう。
「手札に4枚同じ数字を集める」という難易度の高いものだが、スリーカードができていると案外あっさり出来上がることも。
同一役の場合フォーカードの数字が大きい人が勝ち。同一数字ならば残りの1枚の数字が大きい人が勝ち。一緒なら引き分け。

フルハウス

ワンペア+スリーカード。
大体素人同士のプレイだとこの辺が出来上がると盛り上がる。
フルハウス同士の場合はスリーカードの数字→ワンペアの数字を見て、大きい人が勝ち。完全に同一なら引き分け。

フラッシュ

手札のスートをいずれか1種類で統一する。数字はバラバラでもOK。
同じスートが4枚揃っていれば、比較的作り易い役である。そのため逆に勝負に挑むかの判断が難しいとも言える。
同一役の場合、最上位数字同士から順番に比較して大きい方を持っている人が勝ち。5枚とも同じなら引き分け。

ストレート

手札が全て連番になる。スートはバラバラでもOK。
狙って作るのはかなり難しい。特にチェンジポーカー系では。「フラッシュやフルハウスより目にしない」という人もいるだろう。
実際問題「既に4枚分形ができている」という状況からならフラッシュの方が遥かに作り易いのは事実である。
確率論的には確かに上2つよりでき易いので強さ自体は妥当なのだが……
同一役の場合最上位数字が大きい人が勝ち。同一数字なら引き分け。

スリーカード

「スリー・オブ・ア・カインド」。手札に3枚同じ数字があり、残り2枚が揃っていない状態。
この辺から若干負け組臭が漂ってくる。
同一役ならば構成数字が大きい人が勝ち、同一数字の場合キッカー勝負。

ツーペア

手札に同じ番号の組が2組できている状態。
これができていれば、フルハウスも狙いやすい。
スリーカードとの強弱関係がイマイチピンとこない人が多いだろう。

ワンペア

一組だけ同じ番号の組ができている状態。
非常に作り易い役だけあり、強弱関係は最弱。
ドラクエのポーカーテーブルでは実質ブタ扱い。

ノーペア

あるいはブタ、ノーハンド。ハイカードとも呼ばれる。何の役もできていない状態。
ノーペアで相手をブラフで引きずりおろして勝ったらとてもカッコイイ。でも見破られて負けたらとてもカッコ悪い。
全員ノーペアの場合数字が大きい人が勝ち。この場合「7ハイ」が最弱となる。

ジョーカー

本来のルールではジョーカーを除いた52枚で行うが、
ワイルドカード(好きなカードになれる)としてジョーカーを1枚投入する事も有る(トランプのカードセットには2枚入ってる事も有るが2枚は入れない事が多い)。
この場合、「フォーカード+ジョーカー」で同じ数字5枚扱い、つまり「ファイブカード(ファイブ・オブ・ア・カインド)」を作れるため、これをストレートフラッシュの上に持ってくることも多い。
このとき純粋なロイヤルフラッシュ(ナチュラルロイヤルフラッシュ)とファイブカードの序列は決めによる。
またジョーカーは役が同じ場合のタイブレークの際も「一番強い札」として扱えるケースが多い


派生ルール

クローズドポーカー(ドローポーカー)

最も基本的かつ日本国内で一番遊ばれているだろうポーカー。
実は本場の欧米では「一番古いポーカールール」としてほとんど行われていない。
日本で有名なのはクラッシックな洋画・洋ドラなどで目にする事が多い(大半が現金を賭ける賭博ポーカーだが)為だろう。
「見えない様にプレイヤーに5枚カードを配り、その手札を交換(カードを引く「ドロー」)して役を作る」というもの。
参加者が少ないなら、一人に7枚カードを配り、その中から各自が5枚選んで役を作る「セブンカード・ドロー」もおススメ。
ド派手な役が飛び交うため、特に素人同士で遊ぶ時はこの方が楽しめるだろう。
ギャンブル漫画「嘘喰い」では亜種として「数字のみが書かれた手札を基に頭の中で役を作り競う」というとんでもないゲーム「エア・ポーカー」が登場する。

スタッドポーカー

交換がない代わりに手札が5枚以上配られるポーカー。
最初の2枚だけ裏向きに配られ、以降1枚ずつ表向きに配られるのが大きな特徴。
各カードが配られるタイミング毎にベットができるため、相手のカードをよく見て乗るか下りるかを判断する戦略眼が重要になるゲーム。
有名なのは7スタッドポーカー。最初の2枚が伏せ、3枚目以降が公開で最後の7枚目が伏せで7枚中5枚で役を作る。

フロップ・ポーカー

「各人の手札」と「場に置かれた共有札」で役を作るゲーム。
このジャンルの一つ「テキサス・ホールデム」は世界で最も遊ばれているトランプゲームであり、海外カジノのポーカーも大半はこの形式。
この世界大会WSoPの優勝賞金はなんと2億ドルである。日本円で200億円。
ただ, 参加費は1万ドルなので甘くはない。
アニオタ民には「やる夫がポーカーに挑戦するようです。」を読むのが面白さを理解するのに手っ取り早いだろう。
悲しいことにこのゲームを真面目に遊んだ作品は殆ど無い。

そもそも日本で紹介されている「チェンジ(ドロー)ポーカー」は先述のチップ部分のスポイルの他にも心理戦というか運勝負なところが大きい。
それはアクションラウンドの回数が少ないことによる。
はじめに紹介されていたルールではアクションの回数は交換前と交換後の2回しか存在しない。
これでは十分に相手のハンドを知ることはできないし、自分のハンドを相手に推し量らせる事もできない。

3回交換のルールを採用すれば少しは面白くなる。
アクションの回数は4回になり、考えることが増えるからである。
しかし、まだ情報が足りない。
チェンジポーカーでは人々が交換した枚数だけがアクション以外の情報である。
1枚交換したのか、2枚交換したのか、交換したのか。
この情報を頼りにアクションをする。
しかし、相手が1枚交換をしたとき可能性は無数にあり、絞ることは難しい。

ローポーカーで3回交換をする「2-7トリプルドロー」はよく遊ばれている。
ローポーカーとは役の強さが完全に反転するポーカーである。
ブタであるほど強く、数が揃っているほど弱い。
最強は「75432」であり、例えば「76432」「J6432」「22567」「12345」と弱くなっていく
この場合、「1枚交換した」という情報はより相手のハンドを絞ることになる。

同様に、「テキサスホールデム」では、4回のアクションが行われる。
ここでは手札の交換は行われない。
はじめに配られた2枚をゲームを降りるか、決着がつくまで持ち続ける。
手札の2枚と場に配られる5枚の合わせて7枚から5枚を使って役を作り勝負する。

●はじめの2枚でアクションを行う。(プリフロップ)

A[25] B[A3] C[KK] D[T9]

Aダウン Bベット10 Cレイズ20 Dコール
Bコール

●アクションが終わったら全員に共通の3枚を場に公開する(フロップ)。そしてアクション。

B[A3] C[KK] D[98] 共通[A56]

Cチェック Dチェック Aベット30
Cコール Dダウン

●次に共通の1枚を場に追加する(ターン)。そしてアクション。

B[A3] C[KK] 共通[A56 7]

Cチェック Aチェック

●最後に共通の1枚を場に追加する(リバー)。そしてアクション。

B[A3] C[KK] 共通[A56 7 K]

Cベット50 Aダウン

C[KK] 共通[A56 7 K]

今回はCしか最後まで残らなかったため、勝者はCとなり、これまでの掛け金をすべて手に入れる事となる。
Cはスリーカードを手にした。Dはストレートとなる手札を手放したこととなった。

このポーカーでは4回のアクションの間に、手札からできる役の強さは目まぐるしく変化する。
それによってアクションから得られる情報は更に複雑となり、面白さを増すのである。

インディアンポーカー

ポーカー……なのか?
やることは確かにポーカーだが、使うカードはたったの1枚。
「他人の手札を見られない」のではなく、 「自分の手札を見られない」 というのが大きな特徴。
各プレイヤーに一枚だけカードを配り、そのカードを自分が見えないように自分の額に押し当てる(このカードがインディアンのモヒカンに見えるから「インディアンポーカー」である)。
後は普通のポーカーと同じように「コール」「レイズ」「ダウン」を行う。勝敗は数字が大きい方の勝ちというシンプルなもの。
ルール的にはポーカーというよりも「ビッグorスモールの様な感じ」と言った方が日本では分かり易いかもしれない。
他プレイヤーの手札は見えるが、自分は見えないという心理戦が熱い。
大して強くもない手札なのにグイグイレイズしてくる相手…さては自分の手札が相当に弱いものなのか? あるいは相手のハッタリに過ぎないのか?








追記・修正はロイヤルストレートフラッシュを決めてからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ポーカー
  • トランプ
  • ギャンブル
  • カジノ
  • ロイヤルストレートフラッシュ
  • ストレートフラッシュ
  • フォーカード
  • ストレート
  • フラッシュ
  • フルハウス
  • スリーカード
  • ツーペア
  • ワンペア
  • ブタ
  • 追記修正のハードルが高すぎる項目
  • 仮面ライダー剣
  • ラウズカード
  • ギルドラウズカード
  • キングフォーム
  • 仮面ライダーブレイド
  • ポーカーフェイス

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2023年09月21日 23:10

*1 慣れたらある程度初期チップの総数や配分は変更しても良い

*2 基本ではここのカード交換は無償だが交換枚数に準じたチップを支払うルールもある。

*3 例えば各プレイヤーで1枚ずつチビチビ賭けチップを足すという行為はNGである

*4 同じ強さの勝者が複数いる場合は掛け金を勝者で等分する

*5 なお後攻初手エクゾディアは63万9730分の1。後攻エクゾディアよりは出にくい