グレートマジンガー(桜多吾作版)

登録日:2018/02/09 Fri 22:29:13
更新日:2023/08/20 Sun 12:45:43
所要時間:約 14 分で読めます





本項目では、『グレートマジンガー』の数ある漫画版……その内の一つ、桜多吾作氏によるコミカライズ版を紹介する。


概要

TVシリーズ展開当時、秋田書店の70年代コミカライズの核実験場とも名高い『冒険王』誌にて連載されていた作品で、
俗に言う「桜多吾作版マジンガーシリーズ」の第二弾。

前作『マジンガーZ』以上に著者の作風が炸裂した漫画となっており、その内容は一言で言い表せば「ハード」の一言。
とても児童向け漫画とは思えない……それこそ後発のリアルロボット諸作品を凌駕するレベルのリアリティ全開なストーリー展開、
漫画連載当時の70年代社会情勢を躊躇することなく反映した風刺描写の数々、そして容赦の欠片もないグロ描写等々、
前作ではまだ50%程に抑え目だった桜多氏のエンジンが、それこそ100%フルスロットルと言わんばかりに全力を発揮した作品に仕上がっている。

機動戦士ガンダム』で例えると、桜多版『マジンガーZ』がTVシリーズと劇場版くらいの差だとすれば、
桜多版『グレート』はそれこそTVシリーズと『THE ORIGIN』程の差があるだろうか。

つまるところ、TVシリーズのストーリーラインにはある程度沿いながらも、その逸脱ぶりがかなり目立つという意見もまた然りであり、
特に人間の心の「負」の部分がかなり執拗に描かれている事から(この傾向は次作『グレンダイザー』ではさらに顕著)、
TVシリーズに思い入れが強い読者からは少なからず難色を示す意見も挙がっている。
反面、そのTVアニメのコミカライズという枠を飛び越えた作品の総合的な完成度、並びに重厚なドラマ性から一作品としての評価は非常に高く、
連載当時からメインターゲット層から高年層まで決して少なくはない読者を惹き付け、多くの支持を受けているのも事実である。

過去刊行された単行本はいずれも絶版だが、90年代後半に双葉社のアクションコミックスより全4巻で刊行されたものが比較的入手し易いだろうか。
このAC版、先述した作品の評価の高さからか、前作『マジンガーZ』に先駆けて第一弾として刊行スタートしているおいおい。

ちなみに桜多氏は『グレート』本筋以外にも、劇場映画『グレートマジンガー対ゲッターロボ』のコミカライズも手掛けているが、
前作『マジンガーZ』における『対デビルマン』『対暗黒大将軍』のエピソードとは異なり、
どう考えても本編に挿話を挟む余裕がないためか本筋のストーリーに挿入される形ではなく、独立した外伝長編としての形式となっている。
こちらはアクションコミックス版の第4巻に本編とは別枠として収録。


物語

Dr.ヘルとの戦いを終え、海外へと旅立った甲児とさやかの後を継ぎ、
新たなる敵・ミケーネ帝国を迎え撃つべく任に付いたグレートマジンガーの操縦者・剣鉄也。
執拗に襲い来る戦闘獣、人々に紛れて鉄也達を陥れんがと目論むミケーネ帝国のスパイのみならず、
グレートに秘められた超技術を狙う兵器産業、自分達の都合で日和見を決めこむ「守るべき人々」等々、
武力だけではどうしようもない「敵」と対峙することとなる科学要塞研究所の面々は、それでもなお日本の平和のために戦い続けるものの、
暗黒大将軍に代わる新たなミケーネ帝国の指揮官・かつてのDr.ヘルこと地獄大元帥の着任により、次第にどうしようもない逆境に追い詰められてゆく……


登場人物

科学要塞研究所


剣鉄也
主人公にしてグレートマジンガーの操縦者。
永井豪の漫画版ではTVシリーズに比べてシンプルなヒーローとして描かれたのとは裏腹に、本作の鉄也は比喩表現抜きでの「戦闘のプロ」の権化。

普段こそ孤児という出自を思わせない明るさや、歳相応の女性に対する思慕、顔面崩壊させてお道化たりするなどの表情豊かな青年として描かれる。反面、いざ有事となるとミケーネ帝国のスパイとはいえ女性の顔面を容赦なく吹き飛ばして射殺する、自らが生き延びるためなら民間人すらも平然と利用する、
そして場合によっては警備員やアメリカ軍の兵士など決して悪人ではない相手を殺害することすら厭わない非情さを見せつける、
……と、永井豪からも「面白みのないキャラ」と評されたTVシリーズとは裏腹に、兎に角多面的極まりないキャラクター造形が成されているのが最大の特徴。

TVシリーズ終盤のキーワードとなった「孤児としてのコンプレックス」も、桜多吾作版では見逃される筈もなく大きくピックアップされ、
甲児の帰国によってそれが爆発した事が、彼をTVシリーズ以上の窮地に追い込むことに……

ちなみにTVシリーズとは異なり、甲児が帰ってこようと最後の最後までブレることなく主人公のポジションが貫かれており
こうした点も桜多版グレートの高評価に繋がっていると思われる。


炎ジュン
本作のヒロインにして、ある意味ボス以上のコメディリリーフ担当
当初こそ前作の弓さやかと比較して姐御肌的なキャラクター造形が成されていたが、
物語のハードさが次第に増していくにつれ、それに反比例するかのごとくコメディエンヌとしての立ち位置を担うようになっていった。
物語終盤のゲリラ活動中には、率先してブティックに強盗を働くという破天荒さを見せている。
後述するようなラストを迎えるため、鉄也との関係は作中でほぼ全く進展しなかった。

TVシリーズにもあった混血児故のコンプレックスが描かれる回も存在。
ちなみに褐色肌を表すトーンはエピソードによって貼られたり貼られてなかったり。


ボス
前作から引き続ぎレギュラー枠として登場。
鉄也に対してはやっかみから当初は戦闘獣の側を応援してしまうも(曰く、タイトルも『ボスとボロット』に直してやるとのこと)、
その後ジュンがピンチに陥ってしまった事でボロットで出撃、結局グレートに助けてもらう羽目に。
しかし中盤以降のゲリラ活動では、誰よりもミケーネ帝国に対する戦意を燃やすなど、熱い一面も見せる。
残念ながら次作『グレンダイザー』には続投せず。他の面々にも言えることだが、果たしてあの大災禍を生き延びることができたのだろうか……


兜シロー
前作から引き続ぎレギュラー枠として登場。
鉄也とジュンにとっても弟分的な立ち位置で可愛がられている。
量産型グレートの事件の際には、鹵獲したGMFA1に搭乗してジュンやボス達と共に立ち向かう勇敢さも見せた。
何気に『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』に先駆けてのちゃんとした戦闘用ロボへの搭乗である。


兜剣造
鋼のボディを持つ、厳しくも心暖かな科学要塞研究所の所長にして、鉄也とジュンの義父とも言える存在。
概ねTVシリーズと変わらないのだが、物語中盤で日本政府に裏切られた際には自暴自棄になってしまった。
ゲリラ活動中にジュンが強盗行為を行った際には、被害にあった店の主人に丁寧に謝ったが、その直後に自身もノリノリで象牙の麻雀牌を盗み出すという暴挙を行った。ひでぇ。
最終的にはTVシリーズ同様の経緯で命を散らす事となり、指揮官である彼の死で人類の敗北は決定的になってしまうが……


平山与志夫(ひらやま よしお)
科学要塞研究所の職員。
金目当てにグレートマジンガーの設計図を新住日重工に売り渡してしまうが、その結果口封じのために殺害されてしまうという自業自得の末路を迎えた。


弓弦之助
『マジンガーZ』より続投。
自衛隊の攻撃にさらされた科学要塞研究所の面々を助けるべく、自棄になった剣造に激を入れて再起させると、彼らと合流する。
物語終盤の剣造たちの奔放ぶりを見て「近頃の正義の味方も質が落ちたと思われるだろうな」と至極真っ当な意見を漏らした。


みさと
弓教授共々、レギュラー陣として続投。美人ゆえの災難は本作でも相変わらず。
ゲリラ活動時にはグレートマジンガーを操縦して支援するなど活躍したが、
物語終盤に拠点に攻撃を仕掛けてきたヤヌス攻爵に捕まり、鉄也への見せしめとして惨殺されてしまう


兜甲児
帰ってきた前作主人公。サイボーグ化した設定は本作以降ほぼ忘れられている。
地獄大元帥の氷塊レンズ破壊作戦に際して科学要塞研究所の一行と合流する。
その後の鉄也との確執は概ねTVシリーズと同じ。


弓さやか
甲児と共に合流するが、本作ではあまり目立った出番はない。彼女の発揮しなくてもよかった真価は次作『グレンダイザー』に持ち越し。


ミケーネ帝国

暗黒大将軍
ミケーネ帝国初代総司令官。
わざわざ日本という国家の侵略に固執する理由について、「海や山岳に覆われた天然の巨大な要塞は絶好の前進基地になりうる」
「国際的立場の微妙さから、日本だけが目当てと嘯けば米国も『極東における弾除け』など手放すだろう」と思索している。
闇の帝王の口から自身の知らない「直属の部下」……もとい、地獄大元帥の存在を知り、僅かながら嫉妬する場面も。


地獄大元帥
暗黒大将軍亡きあとに着任した、ミケーネ帝国二代目総司令官にして、戦闘獣に改造されたDr.ヘル本人。
前作であしゅら男爵にブロッケン伯爵と、部下にとことん愛想を尽かされた経験からか、
ミケーネに拾われた後も7大将軍を信頼せず、勝手に戦闘獣を出動させるなどのスタンドプレイを行う。
将軍たちからは不服を示されるも、「闘え!!Dr.ヘル」で描かれた半生の中で嫌というほど人間の醜さとその弱点を見てきた経験を活かしてか、
日本攻略作戦では人間心理を徹底的に利用した作戦を敢行し、日本政府に科学要塞研究所を見捨てさせるまでに追い込んだ。
そして科学要塞研究所が破壊されたと同時に、日本政府との密約を反故にして進撃を行うなどやり口も周到にして卑劣。
一方、詰めの甘さが致命的な弱点として残ってしまっており、最後の最後で戦勝に酔いしれたばっかりに……


怪鳥将軍バーダラー
デザインがTVシリーズよりも簡略化されており、ぶっちゃけニワトリっぽい。
グレート達と戦って倒される見せ場がある分、7大将軍の中ではかなり恵まれている。


超人将軍ユリシーザー、悪霊将軍ハーディアス、妖爬虫将軍ドレイドウ、大昆虫将軍スカラベス、魔魚将軍アンゴラス、猛獣将軍ライガーン
ほぼガヤ要員。
この内ユリシーザーは、グレート決死の特攻の際にも立ち会っていたが、命辛々生き延びていたのか次作『グレンダイザー』にも登場。


ゴーゴン大公
前作から引き続き登場。
暗黒大将軍の部下として暗躍、新住日重工の開発した量産型グレートを10億ドル分の宝石で買い取り、科学要塞研究所に進撃するが……
その最期は、TVシリーズや永井豪の漫画版と比較すると、非常に呆気ないものであった。ある意味桜多版らしいとも言えるが。


諜報長官アルゴス
諜報部の親玉で、暗黒大将軍とは折合があまり良くなく、見てないところで愚痴る一面も。地獄大元帥からもあまり信用されていない。
おとなってのは自分のみたものしか信じないんだ ましてビジョンすらもたない日本人は自分の身にふりかかってはじめて動き出す……そのときはすでに手遅れさ」の台詞は、
ある意味桜多版マジンガーシリーズ全編を通して貫かれる日本人に対する皮肉を象徴する言葉。


ヤヌス侯爵
中盤より登場。「アルゴス長官とならぶ新幹部」になっており、さりげなくTVシリーズから昇格している。
初登場時には民間人を装って科学要塞研究所に保護され、ジュンとボスに毒を盛り戦闘不能にした。
火山島に乗り込んできたグレートマジンガーに両足を斬られる重傷を負わされ、火山島を破壊される屈辱を味わうも辛くも生き残り、
終盤、その恨みを返すかのごとく、みさとを殺害した。


ミケーネ人
ミケーネ帝国の臣民達で、戦闘獣としての改造手術を受けていない生身の者達。
関係者のふりをしてシローを誘拐したり、自衛隊幹部に扮して策謀を巡らすなど、世間のあちこちに食いこんでいる模様。

闇の帝王
ミケーネ帝国の支配者。その実態並びにTVシリーズでも描かれなかった最期は、次作『グレンダイザー』において扱われることに。


その他

藤獰(ふじどう)
日本でも指折りの兵器産業「新住日重工」の社長。科学要塞研究所から奪った設計図を基に、グレートマジンガーの量産計画を目論む。香織理という一人娘がいる。
紛れもない悪人ではある事には違いないが、一方で彼なりに衰退に歯止めの止まらない日本の産業を真摯に案じていたのも事実であり、
彼がグレートの量産・輸出計画を断念した結果、日本に未曽有の大不況が訪れる事を暗示する締めを迎えてしまう事となった。
後々の展開からして実際に訪れたのが不況どころでない災禍というのがまた救いようがない。

ダイナミックプロ繋がりか、2018年放送のアニメ『Cutie Honey Universe』第5話にキャラデザインまんまの人物がパンサークローとつるんだバイヤーとしてカメオ出演した。


岡部指揮官
桜多版オリジナルキャラクターであり、前作『マジンガーZ』からの登場人物。
自衛隊の指揮官さんであり、『マジンガーZ』ではDr.ヘルの勢力相手に光子力研究所の面々と共同戦線を張っていたが、
本作では図らずとも、ミケーネ帝国と密約を結んだ日本政府の命により科学要塞研究所を襲撃せざるを得ない運命に陥ってしまう。
この時、部下の松尾に洩らしたやるせなさを吐露した一連の言葉は作中屈指の名言。
最終的に自衛隊から離脱して科学要塞研究所の面々と合流、行動を共にするが、米軍からのミサイル奪取作戦に際して命を散らす。


用語

科学要塞研究所
概ねTVシリーズと同じではあるが、中盤で地獄大元帥の策略により日本政府から切り捨てられる事態に陥ってしまう。
以降は研究所を放棄し、ミケーネに占領されていない工業地帯から物資を略奪するなどのゲリラ活動を行いながら強大な敵に立ち向かう事となる。


ミケーネ帝国
概ね原作同様だが、桜多氏の作風ゆえに映像作品に輪をかけて狡猾な作戦を仕掛けてくる。
本作ではかつて地上から追いやられた背景に「新興勢力」の台頭があるとされている(この「新興勢力」の詳細は不明*1)。
次作『グレンダイザー』において、その文明の源流はフリード星並びにベガ星同様「シグマ文明」にあることが語られた。


新住日重工(しんすみにちじゅうこう)
日本屈指の兵器産業。社長の藤獰の策略のもと、量産型グレートマジンガーの製造・輸出計画に乗り出す。

なお、『スーパーロボット大戦α』では原作とは違い、科学要塞研究所から量産型グレートの製造を正式に委託されていたのだが、
あろうことか科学要塞研究所から提供された超合金ニューZをミケーネ帝国に売り渡してDr.ヘルに量産型グレートを作らせる*2という、アナハイムもドン引きな所業を行った。
アナハイムが政府側反政府側両方と別々に契約を取っているだけなのに対して、こちらは完全に契約違反である。
しかし当のミケーネ側から暴露されてしまったため、世間的な信頼は完全に失ったと思われる。


自衛隊
前作では光子力研究所とDr.ヘル相手に共同戦線を張っており、本作も序盤では科学要塞研究所と協力関係を結んでいた。
……が、第十雄洋丸事件*3の醜態を繰り返したくないという理由で科学要塞研究所からの応援要請を断る様子も見せた他、
中盤には科学要塞研究所を切り捨てた日本政府の指示のもと、心ならずも研究所を攻撃する事となってしまう。
その上、本来の敵であるミケーネの戦闘獣との戦いには、「ビル郡に戦車砲が遮られる」というあんまりな理由で敗れてしまうという悲惨な末路を遂げた。


アメリカ軍
序盤に暗黒大将軍から「ミケーネが日本を征服すれば、極東の弾除けなぞあっさり手放すだろう」と評され、
事実、地獄大元帥が日本制服を成し遂げた際には、その予見通りに米軍を安全地帯に撤退させる有様だった。
その後、ミケーネの氷塊レンズ破壊作戦に際して、ミサイルを巡り科学要塞研究所と激突することに。


登場メカ

グレートマジンガー
概ねTVシリーズと変わらないが、本作では「自爆装置」が搭載されている設定。
本作では鉄也だけでなく、彼が物資調達任務に付いてる際にみさとが操縦する場面も。
甲児とマジンガーZの復帰後は霞んでしまったTV版とは異なり、本作では対ミケーネ帝国の切り札として最初から最後まで見せ場を欠かすことなく活躍した。
グレート軍団出撃の際には量産型との区別のため、ボスにより股間に「元祖」のマーキングがされた。
スパロボMX』ではベガ星連合軍に量産されたグレートマジンガー軍団との区別のために1シナリオだけこの状態になったのだが、
股間に「元祖」と付いている間は強化パーツスロットが一つ増えるという謎仕様がある意味有名*4


ビューナスA、ボスボロット
TVシリーズと大きく変わらず。


ロボットJr.
TVシリーズ同様にシローが搭乗する……が、影が薄い。
初陣の相手はよりによって自衛隊であり、次の戦いでは戦闘獣の攻撃で破壊されてしまい、その後登場せず。
(修理する余裕が無いから、そのまま放棄されたと思われる)


マジンガーZ
日本に帰還した甲児が搭乗するも、本作では後述するようなラストを迎えるため、TVシリーズ最終話のような無双はしない。


GMFA1
新住日重工がグレートマジンガーを模して開発した「超近代兵器」戦闘用ロボット。まあ要するにグレートのパチモンである。
パチモンとはいえ戦闘能力は決して低くはなく、戦車隊の攻撃や国産ミサイルにびくともしない堅牢性、指からの怪光線にミサイルといった武装を有する超兵器。
だが、その価格は3千t級護衛艦5隻分という莫大なものであり、各国の買い手からは難色を示されてしまった。
挙句、名誉挽回とばかりにグレートマジンガーに挑むも、あっさりと返り討ちにあってしまう。
しかし、その実態はデモンストレーション用の機体に過ぎず、藤獰社長は直後に「本当のメイン商品」……量産型グレートをお披露目する。
その後は科学要塞研究所に鹵獲され、シローが有人操縦して量産型グレートや戦闘獣に立ち向かい、戦い終わった後は量産型グレート共々日本海溝に投棄された。
さすがに直接スパロボに出たことがないが、名前だけは『スパロボα』に出てきている。


量産型グレートマジンガー
新住日重工の製造したグレートマジンガーの量産機。科学要塞研究所を裏切った職員から設計図を盗み出すことで完成した。
戦闘能力はスクランブルダッシュを装備していない以外は本家グレートと全く遜色ない。
だが一方でソフトウェア系統には重大な難があるようで、GMFA1や本家グレートが自身らと同じ電波を発することで友軍だと誤認し、攻撃対象としなかったという欠点も露呈している。
世界各国の死の商人が互いに殺し合いを始めるほどまでに垂涎の商品であったが、最終的にゴーゴン大公が10億ドル分の宝石で買い取り、自動操縦で科学要塞研究所の攻略作戦に動員されることに。
……が、科学要塞研究所目前まで迫ったところでグレートのサンダー・ブレークで自動操縦をオーバーヒートさせられてしまい、敢え無く研究所の戦力に。
その後は襲い来る戦闘獣相手に使い潰された後、残った機体も全て日本海溝に投機された。

グレートのグラを使いまわせるので仮にも原作者無関係のコミカライズ版初出にもかかわらず、一時期スパロボでは常連レベルで登場しており、その度にグレートの設計図が盗まれていた
科学要塞研究所のセキュリティガバガバすぎやしませんかね……*5
グレートのグラを使いまわす関係でスクランブルダッシュが付いていて、空を飛んでいたことすらある。

なお、後年発表された桜多吾作氏の短編漫画『マジンガーZ健在!?』にはマジンガーZの量産型も登場している。
また映像作品の方でも、『劇場版 マジンガーZ / INFINITY』にて本機同様にグレートの量産機と言える機体として「イチナナ式」の存在が設定された。


ブラック・グレート
量産型グレートのプロトタイプで、全身漆黒の機体色が特徴。
初出撃の際にはスクランブルダッシュを背負っていたが、いつの間にか無くなっていた。
トラブルがあったとはいえグレートに返り討ちに合ってしまったGMFA1とは逆に、他の量産型同様、本家グレートと変わらない凄まじい戦闘能力を有し、一度は鉄也を敗退にまで追い込んだ。
さらに性能のデモンストレーションとして自衛隊の駒門駐屯地を襲撃し、瞬時に壊滅させているが、その際にはオリジナルにはない光子力ビームのような武装を使用している。
その後は建造された量産型グレート共々ゴーゴン大公に買われ、科学要塞研究所の襲撃に動員されるが、他の量産型グレート共々鉄也達に奪取され、対戦闘獣戦で使い潰されることとなった。

量産型グレートとは違い、スパロボに登場したのは『MX』の1回だけ。むしろなんで出れたんだと言えなくもないが。
このブラックグレートは科学要塞研究所製で何故かスクランブルダッシュが最初からなかった*6
高性能かつ強化パーツの枠も多いため、バランス取りもあったのだろうか?


戦闘獣
ミケーネ帝国の戦力。
本作ではミケーネ帝国がかつて新興勢力に敗れて地下に逃げ込んだ際、数千年にも亘る地下生活の弊害から遺伝子構造に悪影響が出始めたため、
生き延びながら得るために機械の肉体となるしか無かった事が語られている。


61式戦車F-4ファントム
自衛隊の保有する兵器。
戦闘獣に蹂躙されたりブラック・グレートに壊滅させられたりと、いわゆるやられメカとして随所に登場。




追記・修正は量産型グレートなしで日本経済を立て直してからお願いします。

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最終更新:2023年08月20日 12:45

*1 ちなみに史実でミケーネ文明を滅ぼしたのは「海の民」なる謎の勢力(周辺地域の連鎖的経済崩壊により暴徒化した群衆との説が有力)。

*2 ややこしいが、量産型グレートの設計図は『ジャイアントロボ 地球が静止する日』のBF団が科学要塞研究所から盗んだものを提供。

*3 1974年に実際に起きた出来事。詳しくは各自で調べたし。

*4 「だったら常時元祖にしてくれ!」と当時プレイヤーの間でも言われた仕様だが、実はこの状態のグレートは宇宙適応が大幅に下がっているため、本当にこのまま通すと折角増えた強化パーツスロットは宇宙適応を上げるためだけに使われる可能性が高いという本末転倒なことになっていた。

*5 一応毎回盗まれているわけではなく、桜多版の原作再現で所員が売り払った作品や『グレンダイザー対グレートマジンガー』の展開でベガ星連合軍にグレートが盗まれた際にデータ収集されて量産された作品もある。

*6 シナリオ上でわざわざ「スクランブルダッシュはないが性能はオリジナル機と同等」と言われている。