UFOロボ グレンダイザー対グレートマジンガー

登録日:2018/02/05 Mon 10:25:30
更新日:2023/12/10 Sun 19:06:50
所要時間:約 5 分で読めます








甲児君、こっちへ来ちゃいかん! グレートじゃ無理だ!!





『UFOロボ グレンダイザー対グレートマジンガー』とは、1976年3月20日に東映まんがまつりで上映された映画作品。
アニメ『UFOロボ グレンダイザー』の映画化第2作であり、初の映画オリジナル作品である。

なお、タイトルに「対」の字が入っているが、やはり本作にはグレンダイザーとグレートマジンガーの対決は…ある


……そう、あるのである!


今作では「対」シリーズで初めてOP・本編含めてグレンダイザーとグレートマジンガーの両者が戦うシーンが存在するのだ!
無論、グレートの操縦者は剣鉄也ではない…というか、今作では兜甲児の回想シーンの鉄也以外『グレートマジンガー』の登場人物は登場しない。
今作での戦いはあくまで敵の手に落ちたグレートマジンガーとグレンダイザーの闘いとなる。

上述したように『グレートマジンガー』の登場人物はでないため、
従来のクロスオーバー作品とは雰囲気が異なり、『UFOロボ グレンダイザー』の外伝的なエピソードとなっている。
作画の良さにも定評あるグレンダイザーであるが本作でも素晴らしい出来で、グレンダイザーとグレートマジンガーの戦いは大変見応えある作品となっている。

本来では『マジンガーZ対デビルマン』ように枠を超えて同じく永井豪作品である『鋼鉄ジーグ』との共演を考えられたが頓挫してしまい、
その代わりとしてグレートマジンガーとの共演となった経緯がある。

コミカライズ版石川賢によるものが存在。大都社の単行本では「魔神の挑戦」の題で収録されている*1
漫画独自の脚色がかなり強く、バレンドスが映画本編が優しく見えるほどの鬼畜生な極悪人として描かれているのが最大の特徴。



あらすじ

ベガ大王によってスカルムーン基地に派遣されたバレンドス親衛隊長は兜甲児を捕らえ、
自白装置で情報を聞き出した際に無敵のロボット「グレートマジンガー」の存在を知る。

そしてロボット博物館に展示されているグレートマジンガーを強奪し、バレンドス自ら操縦して円盤獣と共にグレンダイザーに襲いかかる。

今、悪魔の使者となったグレートマジンガーとグレンダイザーの闘いが幕を開ける。


登場人物


デューク・フリード / 宇門大介
CV:富山敬

UFOロボ グレンダイザー』の主人公にしてフリード星の王子。
冒頭で馬たちとひかるを連れて谷川まで散歩に出かけていた。

その際、気のゆるみで通信機を外していたため、連絡が遅れてしまう。
その後はグレンダイザーに乗り込み、バレンドスたちと戦いを繰り広げる。

ちなみに冒頭のセリフは甲児がグレートマジンガーでグレンダイザーの援護に来た時のセリフ。
確かに弱点が敵にバレてしまってはいるのだが、これの前の闘いでグレートマジンガーにかなり苦戦していたり、
その後グレートマジンガーの助けを借りなければ危なかったシーンが何度かあるため、若干、失笑を誘うセリフである。



前々作『マジンガーZ』の主人公にして、『UFOロボ グレンダイザー』準主人公及び今作のヒロイン。
大体尺の何割かは囚われてからの拷問シーンで出来ている。
嫌な予感がしていたため、宇宙科学研究所に待機していた。

博士に頼まれ大介を呼びに行くが、
吾郎に大介とひかるがイチャラブ散歩で愛しあってるから邪魔しちゃダメと言われたのもあり、
俺一人で十分だとTFOで先走るがミニフォーを倒したものの円盤獣ジンジンの登場で捕まってしまう。

対魔忍もびっくりな速さで自白装置を使われすぐ操られてしまい自身の闘いを回想するのだが……

  1. 甲児が初めてマジンガーZに乗り込んだのは祖父である兜十蔵の別荘地下であったが、本作では「光子力研究所で」と語っている。
    また十蔵がマジンガーZを作ったのも「光子力研究所で」とも言っている(博士は光子力研究所の所長ではあったが、光子力研究所でマジンガーZを作ったわけではない)。
  2. マジンガーZがジェットスクランダーなしで空を飛んでいるカットがある。一応、スクランダー・クロス前の跳躍状態と見れば問題ないが。
  3. Dr.ヘルの最期がテレビ版と異なる。本作では、自ら搭乗した機械獣にマジンガーZが投げたブレストファイアーの放熱板を受けて爆死している。
    ……もしこれが可能なら『インターバルピース』の最終話であそこまで光子力研究所の面々が悩むことはなかっただろう。
    しかもこの回想の中のマジンガーZは頭部も尖り気味な上に両太股にグレートのマジンガーブレード収納部位のような意匠がある。やはり自白装置による甲児の妄想なのか…??
  4. グレートが闇の帝王を前にして正体不明の戦闘獣と戦う場面がある。

等々、当時の環境とスタッフの違いがモロに出た『マジンガーZ』や『グレートマジンガー』本編を知っていると謎過ぎる描写となっている。
一応、自白装置で無理矢理聞き出した為ごちゃごちゃになったと言う説もある。

その後はバレンドスの母艦のエネルギールームに損害を与えた後自力で脱出し、バレンドスが乗り捨てたグレートマジンガーに搭乗。
数多の武装を駆使して、円盤獣グビグビを破壊し、グレンダイザーとともに母艦とコアコアを対処する。
『グレンダイザー』本編でロボット禁止になったのが頷けるレベルで無双したりピンチのグレンダイザーを助けている。

なお、後述したように『第3次スーパーロボット大戦』にて『第2次』でグレートが出て剣鉄也が出なかった事で苦情を受けたという本作の事にも触れたメタ発言がある。


宇門源蔵
CV:八奈見乗児

宇宙科学研究所の所長。
冒頭でバレンドス戦闘母艦を発見する。


牧葉ひかる
CV:川島千代子

ご存知本編メインヒロイン。
大介さんとイチャラブする。
彼女の発言で大介は自身が気が緩んでいたことを自覚する。


牧葉吾郎
CV:沢田和子

甲児に二人を邪魔しないよう進言する。


林明
CV:山田俊司

観測室勤務でレーダーを担当している宇宙科学研究所所員。



ベガ星連合軍


バレンドス
CV:柴田秀勝(マジンガーシリーズではあしゅら男爵男サイド、兜剣造、闇の帝王も担当)

ベガ星連合軍の親衛隊長。
ベガ大王の命令で、地球に降り立った。

兜甲児に自白装置をしかけグレンダイザーの戦力を聞こうとするが、
お前が初めて戦ったのはいつどこだ」と戦歴の長い歴戦の勇士にそんな聞き方をしてしまったため、
グレンダイザー側の戦力を聞く前に『マジンガーZ』から『グレートマジンガー』最終回までの闘いを語られてしまう。

その結果、グレンダイザーの戦力を聞く前に甲児が自白装置で疲労してしまい、
仕方なく代替案として無敵のロボットであるグレートマジンガーを盗むよう部下に指示する。アンソロジーでも言われていたけどマジンガーZは完全スルー

そしてグレートマジンガーに乗り込みグレンダイザーを圧倒するが、
甲児のアドバイスで弱点を知ったグレンダイザーの一撃で機能が一時停止したグレートマジンガーを乗り捨ててしまう。
最終的に母艦でグレンダイザーに挑むも、コアコアの特攻に巻き込まれ爆死するという呆気ない最期を迎えた。

グレートマジンガーがかなり性能が高くマジンガーZと比べれば操縦しやすいとはいえ、
何のレクチャーも無しにブレーンコンドルを起動・ファイヤーオンを一発成功させ、グレンダイザーを圧倒するなど、卓越した操縦技術を誇る。


石川賢のコミカライズ版では極悪非道さが映像作品を遥かに凌駕しており、
フリード星の侵略戦争ではデュークの弟や妹を含めた数多くの子供たちを人質に残虐極まりない形で全面降伏を迫り、
止むを得ずフリード星人たちが武器を放棄したと見るや人質を全員空から解放して転落死させるという暴挙を敢行。
更には地球においても人質にした子供達や宇宙科学研究所の面々をグレートのボディに括り付けて盾にし、
その状態でグレートをグレンダイザーと戦わせる(その中で人質の子供が数名潰されて死亡している)という非道の極みを発揮している。
当然、この事から大介からは絶対に許すことのできない最大級の仇敵として認識されており、
最期はグレートのコクピットから放り出されたところを、グレンダイザー怒りのダブルハーケンを生身で食らってミンチにされた。

なお、この漫画が出た際にはまだグレース・マリア・フリードは登場していなかったため、
上記の妹にマリアが該当しているかは不明。……してたら彼女のファンから怒りのサンダーブレークを食らうかも。


スーパーロボット大戦では劇場版シリーズがフィーチャーされた『MX』で初登場。
マジンガーZも奪って甲児に搭乗させる、メインキャラ並に長い生存期間かつブラッキーを謀殺、量産型グレートマジンガーに搭乗して引き続き戦う、
原作とは違い鉄也がいる*2のでグレートを散々弄んだ事に激怒される、巴武蔵を死に追いやった張本人であるためゲッターチームと因縁がある、攻撃時に技名を叫ぶ、
等々、原作に比べ明らかに活躍と出番が増えている。

また何かしらのトラウマでもあるのかと勘繰りたくなる程、「力」に固執しているセリフ群が多々ある。


ガンダル
CV:富田耕生
ブラッキー
CV:緒方賢一

本編同様、スカルムーン基地にいた。
失敗続きなこととベガ大王の勅命でバレンドスが地球に来てしまい、
「この作戦が成功した暁には貴様達は揃ってクビだ! 生きたまま棺桶に詰めて宇宙に放り出してやる」とバレンドスに言われてビビっていた。
クビどころか死確定なのでビビってもある意味しょうがないが。漫画版ではもう少しマシなものになっている。


登場機体


グレンダイザー
光量子エネルギーによって駆動し180万馬力のパワーを誇る「宇宙の王者」。
今作ではバレンドス操るグレートマジンガーに苦戦を強いられる。


グレートマジンガー
動態保存されていたところをバレンドスに奪われて悪魔の使者となってしまう。
『スクランブルダッシュ基部を攻撃されると、予備装置が作動して復帰するまでの数秒間全機能が麻痺する』という最大の弱点が初めて明確に描写された。

バレンドスの操縦によって、ほとんどの主要武器を繰り出してグレンダイザーを追い詰める。
マジンガーブレードでダブルハーケンと切り結んだり(二刀流も披露)、ネーブルミサイルで崖を崩して落石による攻撃を仕掛けたり、
円盤獣グビグビと対峙するグレンダイザーの背後に回ったり、サンダーブレークで攻撃したりと、なかなかの凶悪ロボットぶりを見せる。
バレンドスに乗り捨てられた後は、なんと甲児が搭乗。
スパロボ以前ではかなり珍しいグレートマジンガーの技を叫び使いまくる甲児が見られる。マジンガーZに乗ってたらまた主役奪いそうなレベルで

だから、前回、鉄也さんが出てこないせいで、オレに文句言うやつが、いっぱいいたんだぜ。オレだって一度はグレートにのったことあるのによ!!


マジンガーZ
同じくロボット博物館に保存されていた。
バレンドスには完全スルーされた。
甲児の回想シーンにも登場するがよく見るとこちらは細部の意匠が異なる。…甲児の妄想??

TFO
序盤に甲児が乗り込みミニフォーを撃破するが、ジンジンに捕らえられ、
母艦内でビームにより全壊させられてしまう。


ベガ星連合軍の兵器


バレンドス戦闘母艦
飛行船のような何とも言えない形をしたバレンドスの専用母艦。
ミニフォーも多数搭載している、

円盤獣ジンジン
兜甲児をTFOごと捕らえた。
その後、バレンドスの指示でグレンダイザーとも対決するが、組み付いたところを反重力ストームで上空へ吹き飛ばされ、地面に激突して爆発した。
何気にスパロボ参戦経験あり。

円盤獣グビグビ
バレンドスが操縦するグレートマジンガーを援護するために出撃。
グレンダイザーのスクリュークラッシャーパンチで片腕をもがれ、甲児が操縦するグレートマジンガーのアトミックパンチとブレストバーンで倒される。

円盤獣コアコア
母艦の球型巨大ビーム砲の中にいた3基ある核に空中のエネルギーが集まってできた円盤獣。
体は空中にある蓄電エネルギーで構成されているため、実弾兵器では効果が無い。
ブレストバーンと反重力ストームでエネルギーを吹き飛ばされた後にグレンダイザーに体当たりを敢行するが失敗し、母艦もろとも自爆する。


用語


光子力研究所
ロボット博物館が映るシーンでちょっとだけ登場。

ロボット博物館
ダブルマジンガーを(有事の際に使用できるよう整備して)動態保存していたが、セキリュティ及び警備が一切なく
そのせいでバレンドスにグレートマジンガーをあっさり奪われてしまう。
いつ奪われるかもしれないマジンガー自体動力が光子力で実質半永久的*3にもかかわらずガバガバ展示である。

なお、『グレートマジンガー』最終話ではビューナスAとダイアナンAもロボット科学博物館に寄贈されたことになっているが、
本作のロボット博物館にはマジンガーZとグレートマジンガーのみが展示されており、上記二体は見当たらない。



追記・修正はグレートで大丈夫という人がお願いします。

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最終更新:2023年12月10日 19:06

*1 大都社の単行本では同じく石川賢によるエピソード「双魔人の恐怖」も収録されているが、単行本の名義は永井豪の名義で纏められてしまっているため、書籍を探す際には注意。

*2 グレートが盗まれた時は療養中のため不在だった

*3 戦闘していなければ光子力消耗による超合金の経年劣化もまずない。