バーチャルYouTuber

登録日: 2018/02/02 Fri 00:17:36
更新日:2024/02/05 Mon 15:20:36
所要時間:約 5 分で読めます



バーチャルYouTuber(VTuber)とは、その名の通り仮想空間上にいるYouTuber…なのであるが、
ここではまず「YouTuberってなんぞや?」という所から説明する。


そもそも「YouTuber」って?

もともと、YouTubeというのはPayPalの社員だったチャド・ハーリー氏らによって産まれた動画投稿サービスであることはご存知であることと思う。
チャド・ハーリー氏らは、友人たちにパーティの動画を簡単に共有できるサービスがあればいいのに、と思ってYouTubeを作ったのである。
こうしてはじまったYouTubeは当初、テレビ番組のアップロードや既存動画コンテンツの集積場といったノリが強かった。

しかし2011年、アップロードした動画を収益化*1出来るようになってからは、自前で面白いコンテンツを作ってそれを再生させるという投稿者が産まれてくるようになる。
そして、YouTube上で収入を稼ぐ彼らのことを、「YouTuber」というようになった。
彼らの中には問題行動などで世間を騒がせる人もいた(今もいる)が、
大概は音楽の演奏や講座、商品紹介などといった親しみやすいコンテンツをアップロードして注目を集めた。  

そして2016年12月、世界初のバーチャルYouTuber・キズナアイが登場する。

バーチャルYouTuberとは?

キズナアイを草分け的な存在として、基本的に「仮想空間上にいる、3Dモデル(アバター)を使ったYouTuber活動」を行う者をバーチャルYouTuberという。

例えば、普通のYouTuberといえば、HIKAKIN氏のように、顔出しして「ブンブンハローYouTube」といった感じで挨拶して、
そのまま部屋やスタジオでなんかする、というものだが、
バーチャルYouTuberは自身を始め、スタジオ、小道具などそれらすべてを3Dモデルで代用している。
つまりキャラは架空のもの…なのだが、彼女たち自体が割と自分たちが架空であることに平気で言及してしまう(メタネタ)。
それどころか、最近ではねこます氏や届木ウカのように、
「バーチャルYouTuberなら理想の自分になれるよね!」というスタンスの、「3Dモデルを被った人」というアップロード者もいる。

当初は好事家の間で知られる程度だったが、2017年冬に突如としてバーチャルYouTuberブームが到来。
バーチャルYouTuberというコンテンツが爆発的に知名度・人気を獲得したことを皮切りに、新たなバーチャルYouTuberも次々に誕生した。

海外でも知名度を獲得し、彼女たちの動画には複数の海外語版字幕がボランティアで用意されるほど。
もはやYouTubeシーンは彼女たちを抜きでは語れないだろう。
彼女たちって言ってるけど男性のバーチャルYouTuberもいるからね。ばあちゃるとかげんげんとか。

段々と数が増えてきたため、最近では個人で新規参入して大当たりできる可能性は極めて低いが、
トップランカーは比較的安定しており、専用のウェブサイトが開設されている者もいる。

現在では10,000を超える数のVtuberが参入しているだけあり、コンテンツの質、方向性、作風は千差万別。
キズナアイや電脳少女シロのようにプレイ動画をメインとする正統派実況者もいれば、
「歌ってみた」などに特化したバーチャルアイドル
特定の専門分野について語る謎めいた知識人
のじゃロリおじさんのように「外装」としてアバターの姿を借りているというスタンスの技術者
げんげん等のような動画それ自体をひとつの物語にしてVtuberをその登場人物に据えるクリエイター
果ては活動の場をYoutubeに限定していないために「バーチャルYoutuber」の定義に入らない配信者すら存在する。
もはや一括りにするのは難しい。


バーチャルYouTuberの歴史


黎明期/Vtuber四天王時代


「キズナアイ」を名乗る3DモデルのYoutuberが、自らを「バーチャルYoutuber」と定義したことでVtuberの歴史は始まる。
しかし、キズナアイ登場からしばらくの間はキズナアイ、電脳少女シロ、ミライアカリ、輝夜月といった、ごく少ないメンツが配信しているのみだった。

VRChatやゲーム制作などに触れている人ならピンとくるだろうが、彼女らのような配信をするためには、見た目のデザインを考案するデザイナー、専用の3Dモデルを作るモデラ―、VR撮影機材の準備、動画作成・編集をするスタッフ、動画の「ネタ」である企画、そして当然ながら元となるモーションおよび声を担当する「中の人」が必要となる。
ぶっちゃけていえば、本来Vtuberとしての設備を立ち上げるためには多大な金銭的コスト、労力、技術力が必要とされるため、個人一人で手を出すのは難しいのである。当然ながら、キズナアイらのバックにも企業がサポーターとしてついていた。

のちに、上記4名は「Vtuber四天王」とされ、Vtuberの走りを支えた立役者として呼び表されるようになる。


「個人勢」時代


そんな中、それらを全部個人の手でどうにかしてしまった「ねこます」氏のような者、通称「個人勢」も現れるようになる。
当然、3Dキャラクターとしてのクオリティは犠牲となってしまい、動きはカクカク、表情は虚ろ、声はおっさん...と、金がないのが一目で分かる寂しげな作りであった。
が、その独自性の光るコンテンツによって人気を集め、「資金力がなくても面白ければウケる」ということを示した。
この時期に登場したVtuberは、上述した「ねこます」のほか、音声認識システムを利用し、システムの誤認識による迷言をイジられながらも愛された「のらきゃっと」、3Dであることを潔く放棄した「あっくん大魔王」などがいる。

Live2D時代


Vtuber業界に進出してきたのは個人だけではなかった。
いくつかの企業が、「Vtuberのためのアイドル事務所」や「Vtuber動画を手軽に制作できるツール」といった仕組み(プラットフォーム)が登場しはじめてきたのだ。
例を挙げれば、バーチャルキャスト、ホロライブ、にじさんじがそれにあたる。
とは言っても3D用の機材やモデルをいちいち用意するのはお金も手間もかかってしまう。
その代替として彼らが考えたのが、「Live2D」(カメラの顔認識機能で一枚絵を動かす)という形式のVtuberだった。
顔だけが上下左右に寄ったり伸び縮みしたりするように動くVtuberは2018年以降よく見られるようになってきたが、それらはこのタイプである。
このLive2D方式は運営にとっても配信者にとっても敷居を下げるメリットがあり、それでいてコンテンツ性を損なわなかったためか、2018年ごろからVtuberの数は爆発的に増加。2018年7月の時点で4,000人を突破するまでに成長した。
反対に、Vtuber四天王のように「3Dモーションキャプチャー」(全身にVR撮影機材をつけ、専用の設備が整えられた部屋で撮影する)というスタイルのVtuberは少なくなり、伸び悩むこととなる。


「ライバー」時代


2019年から2020年にかけてチャンネル登録者数の変遷に変化が起こる。
企画やゲームの様子を無編集でそのまま垂れ流す「ライブ配信」というスタイルが主流となり、一方でかつてのような、手間暇かけて編集してからアップロードする「動画勢」は伸び悩むようになった。
配信形式であれば手間が掛からず回数を稼げることや、配信はYouTubeのシステム上ピックアップされやすいことなどもライブ勢を有利にする要因となった。
ライバーをアイドルとして打ち出すアイドル事務所の「ホロライブ」と、ライバー支援事業を撤退しライバー事務所へ舵を切った「にじさんじ」はこの流れの中で一気にシェアを伸ばし、Vtuber界隈の二強と呼べる巨大企業へと成長する。
この時に台頭した彼らはVtuberではなく「ライバー」を名乗っているが、Youtube以外にも配信を行っていたこと、ライブ配信を中心にしていたことがその由来である。
上述の通りライバーたちは基本的にライブ配信した動画を無編集のまま流しているのだが、それを見た有志が面白い部分を切り抜き演出や字幕がつけて「切り抜き動画」としてさらに別の動画を上げ、その切り抜き動画の広告収入が有志の懐にも入る、という、一種の経済圏のようなものも出来上がっている。


海外展開

当初は正式な海外向け展開がなかったが、キズナアイなどの動画で有志がユーザー翻訳機能で海外向け字幕を提供しており、海外にもその存在が認知されるようになって行った。
英語ネイティブのVTuberとしてエイレーンのプロデュースした夏実萌恵などが多国籍展開を行う古参の部類として上位にいた程度だった。
2020年前後からはホロライブやいちからが海外展開へと力を入れるようになり、各国でVTuberが誕生している。


バーチャルYouTuberの特徴・文化・世界観


  • 絵または3Dモデルで姿を表現し、中の人はスタッフ含め姿を見せない
Vtuberの最大のアイデンティティ。
3Dモデルが生身の人間のごとくなめらかに動いて喋るのは今やVtuberの代名詞だろう。
少し難しいことを言うと、バーチャルYouTuberは中の人となる人間が喋って動いており、中の人の動きをモーションキャプチャーで捉えて3Dキャラクターに転写している。つまり、実際に中の人がああいう動きをしているのである。

しかし、全員が全員3Dモデルというわけでもなく、中には手書きの絵やLive2D(一枚絵を3Dモデルのように動かすソフト)を用いて画面上に現れるVtuberもいる。そして、3Dモデルを用意する技術もお金もないんですという世知辛い本音を漏らすVtuberもいる。


  • 「キャラクターとしての」パーソナリティ(設定)を持つ
ほとんどすべてのVtuberに共通するが、彼らは「3Dで作られたバーチャル空間にいて、そこからYouTubeに動画をあげている」「宇宙からやってきて電波をジャックした」といった、Vtuberとしてではなくそのキャラクターの出自・立場に関する設定を持っている。
電波な設定の持ち主といえば"ウサミン星"出身のアイドルがいたが、Vtuberはある意味それを極めた存在ともいえるだろう。
ただ、前述のねこます氏のようにその設定を必ずしも守るわけではなく、平気で中の人の存在に言及したり自らメタネタを振ったりするなど、バーチャルであることをかなぐり捨てていくVtuberも多い。

完全な「バーチャルアイドル」として確立された存在には先駆者の初音ミクが存在していたこと、および上記の性質から、
Vtuberは単なる「バーチャル・アイドル」としてではなく、「バーチャルの外観と中の人の人間性が合わさって初めて成り立つコンテンツ」として認知されている。


  • 専用のファンネーム/ハッシュタグを持つ
上記のパーソナリティの延長か、ファンのことを単純に「視聴者」「リスナー」と表現することの多いYoutuberに対し、Vtuberはファンを独自のあだ名で呼ぶ傾向が強い。
たとえばシロなら「お豆腐」、ときのそらなら「そらとも」など。
ただし、これに関しては各配信者のスタンスにより、そういったファンネームを付けずに単に「視聴者」「リスナー」「皆様」などと一般名詞で済ませるVtuberもいるため、一概には言えない。

また、(検索の容易化のために)それぞれ固有の検索用タグ(キズナアイなら「#きずなーぽすと」、電脳少女シロなら「#SiroArt」など)を持っており、そのハッシュタグをTwitterの検索欄に打ち込むと関連するトピックやイラストのみを絞り込めるようになっている。




主要なバーチャルYouTuber

キズナアイ

VTuber四天王の一角であり、バーチャルYouTuber界の草分けにしてレジェンド的な存在。
「バーチャルYoutuber」を名乗りだしたのは彼女が初であり、この業界・ジャンルそのものを確立させた立役者(?)である。*2
インテリジェントなスーパーAIを搭載しているという設定だが、正直どうみてもポンコツ。
生まれたての双葉をイメージしたというハート型のカチューシャや、ピンクのメッシュが入った髪が印象的。
毎日何かしらの動画をあげていることもあり、170万登録を誇るぶっちぎりのトップ。
それでいて後続の同業者との関係も良好で、後輩たちを蹴落とすみたいな方向性に話が進展することは殆どない。
輝夜月のことを「つきちゃん」と呼び、彼女のおやぶん愛のキスで無事圧縮されたりしている。

毒舌ながらも放送禁止用語はあまり使わないように心がけていたものの、バイオハザード7の実況プレイ動画にて
主人公*3のクランシー・ジャービスが放った「Fuck you!!(イカレ野郎)」につられるようにしかめっ面で
「ふぁっきゅー!ふぁっきゅふぁっきゅ!ふぁ↑っきゅー!」
とどこか気の抜ける発声でFワードを連呼したことが話題となった結果、彼女の第一印象に「ふぁっきゅー」を上げる人が多数発生した。今では格好のMAD素材。
ただ、上記のようにあまり使わないように心がけておりFワードをはっきりと連呼したのはここだけなので要注意。たまに小声でつられて言ってしまっているシーンはあるが。
本人的には「わっきゅう」と言っていることにしたいらしい。

YouTuberの大御所HIKAKIN氏とのコラボも果たし、双方のファンに衝撃を与えた。


輝夜月

VTuber四天王の一角。その美貌やスタイルとは裏腹に凄まじいハイテンションをセールスポイントとし、元気でうるさいトークを繰り広げる。
人を笑わせるのみならず本人も笑いの沸点が異様に低く、唐突にツボに嵌って笑い出すこともしばしば。その様は、まるで自分の毒で中毒を起こしているかのようですらある。
日本では「ストロングゼロの擬人化」、海外からは「コカインちゃん」とも呼ばれている。おきてええええええええええええええ!!

後輩キャラを全面にプッシュしており、他のバーチャルYouTuberよりも実際後発なので同業者を「先輩」と呼ぶ。
でもばあちゃるは先輩なのに「馬刺しくん」。
キズナアイからは特に目をかけられており、めっちゃイチャイチャしている。

その独特な声質は「首を絞めたハム太郎みたいな声」と評され、「首絞めハム太郎」さらに略して「首ハム」「首絞め公」というあだ名が付けられることに。モノマネのネタにされる機会も多く、本人が直々に声マネを公募したこともあった。
また、彼女自身も芸達者で、モノマネ(主に同業者)のレパートリーは幅広い。似てないモノマネは勢いだけで強引に笑わせる。

投稿される動画はどちらかというと少数精鋭志向。
注目され始めた当初、彼女の動画数は計2本であった。

なお読みは「かぐや・ルナ」である。でもおやぶん(キズナアイ)からの呼称は「つきちゃん」。


ミライアカリ

VTuber四天王の一角で、二次元YouTuber「アニメ娘エイレーン」のチャンネルから生まれたバーチャルYouTuber。
エイレーン自体は2014年3月から活動していたが、「MiraiAkari Project」としてバーチャルYouTuberになったのは2017年10月27日となる。
明るく朗らかで元気が良く、全体的に身振り手振りが大きい。
ぶっ飛んだコント風の動画が多かったエイレーン時代に比べれば遥かにマイルドな芸風だが、ミライアカリも割と容赦なく下ネタを言う傾向が強い。
さすがにNHKに出演したときは猫をかぶっておとなしくしていたが…
Twitterでエゴサーチを行なって自分を話題にした人へ積極的にリプを飛ばしたり、ミライアカリの出てくるMMD動画をチェックしたり、その様子から「エゴサーの姫」とも呼ばれるほど。

特徴的なのが歌やゲーム。
歌は様々な声色を使い分けて可愛らしい雰囲気を出したり勇ましくなったり多彩。
ゲームはコツを覚えて上達するのが早く、一度慣れるとサクサク進めて行くことが多い。

なお、元のチャンネル主であるエイレーンもキャラクターをアバターとして活動するタイプのYouTuberで、Vtubrの先駆け的存在の1人である。
その後は別のチャンネルに引っ越して、バーチャルYouTuberヨメミ、萌実、エトラなどのプロデューサーとして活動している。
従来のエイレーンの芸風はヨメミのチャンネルで披露されている。


電脳少女シロ

VTuber四天王の一角。元々没になったソシャゲ「少女兵器大戦」のキャラのリメイクという一風変わったバックボーンを持つバーチャルYouTuber。
キャラ造形だけならキズナアイよりは早い。
また、衣装バリエーションが非常に多いことが特徴。

普段はゆるゆるの癒し系ボイスの女の子、性格もその声質に違わぬ天真爛漫な癒し系。
そう、「普段は」。

……彼女はDead by Daylight、ダークソウル、PUPGといった硬派なゲームを得意とするコアゲーマーでもあり、
コントローラーを握ると途端に「戦闘用AI」の血が騒ぎ始める。また悲鳴や引き笑いがイルカの鳴き声に聞こえる。

敵キャラや相手プレイヤーをプロの兵士と見紛うような手際で次々と屠りつつ、合間合間に「救済」だの「ここは始めて人をKILLしたので、聖地と呼びたい」だのと物騒な発言を挟むので視聴者からは「サイコイルカ」「戦闘用AIシロイルカ」「イルカアマゾン」などと恐れられることに。(本人も「殺人鬼の才能があるかも」と自称していたりする。)
そのうち後輩の委員長ともども『清楚系Vtuber』という二つ名も頂戴した。
もちろんその意味は清楚などではなく『清楚の皮を被った危険人物』を指す隠語のようなものである。

あとシモネタは苦手だが、ヤンデレネタは自らふる。
ホラーは嫌いらしいが、ゾンビが出てくると銃で“救済”しはじめる。


ばあちゃる

元々はシロの同門で、キズナアイに次ぐ業界2番めの古参。の馬。男。つまりシロを含め多くのバーチャルYouTuberの先輩。
キズナアイを女性Vtuberの始祖とするなら、男性Vtuberの始祖とはもっぱら彼のことである。

トークがまったくもってつまらないというエンターテイナーとしては致命的な弱点を抱えており、
ほぼ最古参でありながら「世界初しか取り柄がない」等と貶されることも多い。

仲間(後輩Vtuberも含め)から雑に扱われることの多い彼だが、一方で面倒見がよく大らかなガチの人格者でもある。
実際、後輩を含め仲間へのフォローは欠かさず、揉め事が起こると真っ先に身体を張って助けに行く主人公属性の塊のような人物であり、Vtuber間でも「いい人」としての人望は厚い。
どちらかというと名脇役として輝くタイプの人物であり、ファンの中には「自分の動画以外では面白い男」「肝心な時にだけ役に立つ存在」と評価する向きもある。

モデリング担当者が「表情作るの面倒だから馬の被り物にした」というエピソードは割と有名。
なのだが、キズナアイと違い別件(つまりシロ)に会社が傾注したことで活動が休止してしまう。
その後バーチャルYouTuber界が一気に盛り上がったことで復活し、今に至る。
なお先輩という立場があるからか、後輩のトラブルを全力でフォローアップしようとするなど面倒見がいい。
でも馬。
優しい性格なのにいまいち目立ってない気はする。ルナからは「馬刺しくん」とか呼ばれちゃう。
でも温厚。でも馬。

「面倒くさいから」という理由で頭を馬にされたばあちゃるであったが、
スーツを着て市販の馬のマスクを被るだけという再現性の高いルックスのおかげで、Vtuberでありながらタレント等と一緒にリアル舞台に登壇できるという唯一無二の個性を獲得。世の中何が起きるか分からないものである。

しょーもないことを延々と語るトークスタイルは相変わらずだが、その姿は「つまらない」と罵られながらも面白がられ、親しまれている。




バーチャルのじゃロリ狐娘YouTuberおじさん/ねこます

本名義はねこます氏。けもみみおーこく国営放送ののじゃロリなおじさん。

属性過多な名前ゆえ、登場前は感性のぶっ飛んだ電波キャラ、あるいは「不思議ちゃん」系の人物が出てくると思われていた。
……が、実際は愛らしいルックスの幼女がおっさんの野太い声で喋り、しかも喋る内容はおっさんの世知辛い悲哀という、別の意味で強烈極まりない存在感を示し、人気を博した。
というわけなので、のじゃロリおじさんの構成素材の大部分は冴えないおじさん。なのだが、そのギャップからか、配信後即座に四天王に上り詰めるまでの人気を博した。

他のバーチャルYouTuberはバックボーンに企業がいることが多く、そのためモデルもぬるぬる、声も女性といったことが多いが、
バーチャルのじゃロリ狐娘youtuberおじさんはモデル製作から企画からモーションから声まで全てたったひとりのおじさんが運営している、いわゆる全部俺プロジェクトである。つまりただのおじさん。たまげたなあ…。

曰く「もともとは中卒のコンビニバイト」とのこと。
さすがに一企業が本腰入れて制作している上記のメンツに比べればモデルは既存の転用、モーションはガタガタで表情も乏しい、
など動画は粗さの目立つつくりだったが、妙に中毒性のあるコンテンツとおっさんの声で喋る幼女という意外性で一躍人気を獲得した。
モデルのクオリティ自体も投稿のたびに向上していった為、徐々に感情豊かになっていくのじゃロリおじさんもの姿も見どころ。
チャンネル自体も「ズブの素人がモデリング業で夢を掴む成長物語」としての側面もある。

VRChatというVRを用いたアバターチャットにモデルなどを作って持ち込んでいる技術力豊かな人…なのだが、
残念なことに、本職(コンビニバイト)に全く結びつかない技術スキルなのであった。世の中世知辛い!…のじゃ〜!
そんなバーチャルのじゃロリ狐娘youtuberおじさんだが、割とキャラ付けを忘れて素で喋ることが多く、
その後思い出したように「のじゃ〜」と言い出すなどキャラが安定しない。


なお、3D制作職への転職を希望しており、動画はそのためのポートフォリオ(提出物)も兼ねていたそうな。
後にコンビニバイトを退職、夢だった制作職への転向に成功している。やったね!


2018年にリアルな生活の都合により実質的な引退を発表したが、ネットから姿を消したわけではなく、それ以降も時折バーチャルYouTuberの姿を見せることはある。いわば、「自身の個人チャンネルを持たないVTuber」と言ったところか。
引退を宣言するまでVTuber四天王と呼ばれるトップランカーの一角を担っていた。


げんげん(源元気)

バーチャルYouTuber…ということになっているが、実際にはコウノスケ氏がYouTuberをネタにした創作群という一面が強い。
当初は野球部のガチムチマッチョだったのだが、2作目以降様々な世界線を移り変わるようになった。
3作目の「雪山のペンション」で死亡フラグを乱立させたことから、「世界観リセマラ」という言葉が生まれるように。


ホロライブプロダクションにじさんじ

バーチャルYouTuber……ではなく、それらを束ねる団体名。いわば、「バーチャルYoutuber専門のアイドル事務所」。
どちらとも該当記事をただ読むだけで1時間は要するほど多数のそして個性に溢れすぎているメンバーが揃う大所帯。
活動拠点をYoutubeに絞っておらず、生ライブ配信がコンテンツの殆どを占めることから、彼らの場合は「Vtuber」ではなく「ライバー(ライブをやるもの)」と呼称されている。

「ライブ配信を中心に質より量と時間で勝負するライバー勢」は主に彼らのことであり、
動画の編集を最低限しか行わない代わりに頻繁(最低でも週一)にコンテンツをアップロードし、生放送も積極的に行う。
また、3Dモデルはあまり利用せず、カメラのモーションキャプチャ機能で済むペラペラの一枚絵を動かす方式で取っている。
ある程度の実績がつくと3Dモデルを事務所から用意してもらえるのが通例だが、そうして手に入れた自前の3Dモデルもダンス企画など特別な日にしか使わない、Vtuberの亜種のような存在。
登場以降、単純な物量でそれまでのVtuber達を押しやる人気を勝ち得ており、現在主流のスタイルはおそらく彼ら。



先駆者たち

「バーチャルYouTuber」を名乗り出したのはキズナアイなので、「バーチャルYouTuberの始祖」はキズナアイである。
しかし、彼女の登場以前にも似たような活動をしていた個人・企業は存在していた。

Ami Yamato

2011年から活動しているYoutuber。
Vtuberと名乗ってこそいないが、現在確認できる限りでは最古のVtuberであり、彼等の始祖と言える存在。
3DアニメーションはバーチャルYoutuberにありがちな萌え絵準拠のものではなく『トランスフォーマープライム』『カーズ』等に見られるようなリアル寄り造形で、また現行のVtuberがモーションキャプチャによる動作認識でアニメーションを自動生成しているのに対し、Ami Yamatoは手作業で3Dアニメーションを制作している等、制作姿勢は日本でよく知られるタイプのVtuberとは大きく異なる。
キズナアイとは交流があるらしく、「貴方によく間違えられる」と語っている。


ウェザーロイドAiri

天気予報を読み上げるキャラクターとして2011年より活動。
いわゆるお天気アナウンサーである。

2Dや3Dのキャラクターに声を当ててリアルタイムで動かすという形式で、ほぼ現在のバーチャルYouTuberの形式になっていたと言える。
ただし先駆者ならではの苦悩も多く、技術が確立されていなかったため、当初はめちゃくちゃな所作を引き起こす事故も多発した。

アニメ娘エイレーン

2014年頃からキャラクターをアバターとしてYouTuber活動を行なっていた。
海外の面白い動画を紹介するという形式で始まり、キャラクター同士の掛け合いを行うスタイルの動画へと発展して行った。
2017年よりMiraiAkari Projectを立ち上げてチャンネルを移譲。
従来のスタイルの動画は新しいチャンネルで再開させ、その後新しいVTuberヨメミらのプロデュースを始めた。


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実在の人物を題材にした項目であることから、「コメント欄を設置しても荒れない」と判断した後にコメント欄を設置します。

最終更新:2024年02月05日 15:20

*1 具体的には、動画につけるCMによる広告収入。TVと異なり過去にアップロードされた動画に対しても発生する為、収益は視聴数と投稿した動画の数に比例して増加する

*2 ただし、バーチャルの皮を着て動画に出る活動をする人自体はキズナアイ登場前から存在した。ウェザーロイド・アイリなどが該当する

*3 本編ではなくビデオテープ、DLC、VR体験コンテンツなどの番外編における主人公のポジション