ダイレクトアタック(ポケモン)

登録日:2018/01/20 Sat 20:11:53
更新日:2024/04/07 Sun 22:12:12
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いいぞ。その調子でボルテッカーだ!!


出典:ポケットモンスター ベストウイッシュ、2話『アイリスとキバゴ!』、
10年9月23日~12年6月14日まで放送。
OLM、テレビ東京、MEDIANET、ShoPro、
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon


ゲーム『ポケットモンスター』関連の作品では、ポケモンが自分の持つ技をポケモンではなく、
ポケモントレーナー……すなわち人間に直接食らわせる行為が度々見られることから、トレーディングカードゲーム(TCG)におけるプレイヤーへの直接攻撃に類する「ダイレクトアタック」という俗称が付いている。
ちなみに、ポケモンが絡まず人間同士が直接争う状況については「リアルファイト」と呼ばれる。
無論、両者とも公式用語ではない。



ここから先は子供向けゲームにあるまじき内容が多数あります
そういうのが苦手な人は注意!







【概要】


システム上、当たり前だが、ポケモンバトルにおいて自分のポケモンが相手トレーナーを、相手のポケモンが(野生であろうと)主人公自身を攻撃することはない。
それはポケモンを持たずに入る「サファリゾーン」でも徹底しており、
ケンタロスサイホーンあたりは逆上して襲ってきそうなのだが、どんなに石をぶつけられようとも襲って来ることはなく逃亡してしまう。

ただ、図鑑を見る限り、人間に危害を加えたことのあるポケモンは多数いるらしく(ゴーストタイプが顕著)、「イシツブテ合戦」なるダイレクトアタック上等な競技があるらしい。
イベントでもダイレクトアタックを行われている描写は僅かながら存在し、ワタルロケット団の用心棒だったからておうに対してカイリューはかいこうせんを放ったり、
ゲーチスキュレムの「こごえるせかい」を主人公に向けて使わせたり、ヒガナがシガナ(ゴニョニョ)に攻撃させたり、
野生のスリーパーが人間の女の子を直接襲撃していたりする。

本来ポケットモンスターというのは、『モンスター』の表記からも想像できるように、人間に比べ身体能力が高く、非常に多彩で強力な技を持って戦うことができる。
野生のポケモンなら自衛のため、トレーナーのポケモンならばそれを駆使して相手のポケモンと戦うわけだが、もしそれが何の力もない人間に向けば、たちまち脅威と化すことは想像に難くない。
その危険性は初代シリーズのオーキド博士が、ポケモンを持たない主人公が草むらに入るのを必死になって止めることからもうかがえる。
序盤に出現するコラッタビードルの毒針ですら、致命傷となるであろう。下手をすればあのコイキングの「たいあたり」でさえも……。
フィールドワーク中に野生のポチエナジグザグマに追いかけ回されてオダマキ博士が助けを求める姿は、決して微笑ましい光景ではないのだ。ポケモンを持っていても襲われる時は襲われる。

そして、「サン・ムーン」では、ついに「ポケモン人間にダイレクトアタックしたことが発端となる大事件」が発生した。


【ゲームでの扱い】


既存シリーズ


ポケモン同士を戦わせる既存のシリーズにはダイレクトアタックしてくるポケモンや、ダイレクトアタックをポケモンにさせるトレーナーは存在しない。
また、非常に希な例ではあるがポケモンコロシアムに登場するダークポケモンがハイパー状態*1になった場合、戦闘中にトレーナーを攻撃する*2がある。

ポケモンレンジャー


トレーナーがおらず、ポケモンレンジャーが「キャプチャ・スタイラー」と呼ばれる道具を使って活動する「フィオレ地方」での活躍をえがく外伝作品では主人公に対して野生のポケモンが攻撃を仕掛けてくる。

先にも述べたようにアクションアドベンチャーとして製作されたことから、初めてプレイヤーへの直接攻撃が明確に表現されているタイトルである。

しかし、この作品ではキャプチャ中のスタイラーへのダメージでエネルギーが減り、エネルギーが無くなるとゲームオーバーなのでフィールド上で幾ら野生ポケモンから攻撃を受けてもダメージを受けてゲームオーバーになる事はない。
ノックバックが発生し下の階に落とされる、
ウツドン/ウツボットは飲み込まれるしかし、そのフィールドのスタート位置に戻されるだけ(厄介ではあるが)なのでご安心を。ブラウザ(図鑑)によると飲み込まれたあと飛ばされているらしい。

続編「バトナージ」「光の軌跡」ではフィールド上で攻撃に当たるとスタイラーのエネルギーが減る様になったので、エネルギー切れ=ゲームオーバーなので実質ダメージを受けていると言える。
当然フィールド上でも野生のポケモンの攻撃でもダメージを受ける様になり、強いポケモン程ダメージも大きい。

LEGENDS アルセウス


自然の化身としてポケモンを畏れていた時代を描く「ヒスイ地方」が舞台の本作には人間を見ても平気で襲ってくるポケモンが存在する。
世界観的にみても、この設定はフィールドアクションにおいて重要な駆け引きであり、
主人公も攻撃を受けるとダメージが蓄積して目の前が真っ暗になってしまうため、回避行動を取れるようにもなっている。


フィールドで野生ポケモンが行ってくるダイレクトアタックは以下のような具合。
具体的にどのようなわざを放っているか不明ではある(ヒスイ地方には登場しないわざもあるため)が、ここでは暫定的な呼称を使用する。

  • 突進攻撃系
様々なポケモンが使用。普段は無害な種のオヤブンが使う事も多い。
風を切って勢いよく突進してくる。予備動作と音が聞こえるので、動き出した瞬間に回避をすれば直線行動なので凌ぐのは難しくない。
ただし他のポケモンたちに絡まれている状況だとなかなか厄介。
シンプルなたいあたりに加えて10まんばりきやアクアジェット、ワイルドボルトにすてみタックルのようなエフェクトもある。

  • さいみんじゅつ系
フワンテなどが使ってくる。SEと共に目の前にエフェクトを発生させ、命中すると時々動けなくなる「ねむけ」状態となってしまう。
特にフワンテはゴーストらしく瞬間移動で不意打ちしてくるうえ、複数現れる事も珍しくないので下手に囲まれると嬲り殺しになってしまう。

  • 粉系
パラスなどが使ってくる。まひ状態になるしびれごな、毒状態になるどくのこな等を近距離へ撒き散らす。
まひになればねむけ同様動きが鈍り追い詰められやすくなり、毒はしばらくスリップダメージを受けダウンの危険性が強まる。
どういうわけか今作のパラスはやけに獰猛で執念深いのでライドポケモンでの離脱も考慮したい。
電気タイプのポケモンはドーム型にでんじはを展開してくる。

  • エアカッター系
竜巻状の弾を複数方向に打ち出してくる。ムクバードやズバットなどが使用。
攻撃範囲や射程に戸惑うかもしれないが、距離を取れば弾同士の間隔は広いため落ち着いて回避するといい。
あまり無いとは思うが至近距離で受けると確実に目の前が真っ暗になる。(検証済み)

  • 追尾攻撃系
凄まじい追尾性能を有する攻撃。
その追尾性能は1部の攻撃を除きウォーグルで飛んで逃げようが異様な誘導で追いかけてくる。
アヤシシ等で加速して逃げるか、急な方向転換には対応出来ないので一度上空まで逃げた後あえてウォーグルを解除して急降下で誘導を切るといい*3
近くに岩場や樹木があれば障害物を盾にするのも有効。
タイプ事に技が異なるためやたらとレパートリーが多いのが特徴。
ちなみにリオルとルカリオははどうだんを使う。

  • ビーム系
オクタンなどをはじめ、他にもオヤブンが使う事がある。
おなじみのSEから強烈なレーザーを放つ。
特にはかいこうせんは2発喰らうだけで目の前が真っ暗になるため要注意。
曲げ撃ちも使いこなすためエフェクトと音にビビらず落ち着いて回避行動を挟むかウォーグルで急上昇しよう。

  • 召喚系
でんき、いわ、じめん、どくタイプのポケモンが使用。
追尾攻撃系同様ウォーグルで飛んでようがこちらの位置を特定して当ててくる。
いわなだれやかみなり等はまだ理解できるがガブリアス等が使うだいちのちからはツッコミ所満載である。




【アニメでの扱い】


基本的にダイレクトアタックとは、ポケモンに対して人間が人間を攻撃対象に指示した場合を指す。
特に有名なのが「サトシピカチュウがロケット団3人組に10まんボルトを浴びせて吹っ飛ばす」であろう。

また、野生のポケモンたちもトレーナーがポケモンを出している出していないに関わらず攻撃してくる場面も多数ある。
戦闘不能になってしまったポケモンをトレーナーが庇っていたらトレーナーごと攻撃するなんてことも割とある
リーリエは幼い頃とあるポケモンにダイレクトアタックされたことが原因でポケモンに触れなくなるほどのトラウマを負ってしまった。*4
とはいえ、自分の身は自分で守るしかない野生のポケモンに人間のルールやマナーを押し付けるべきでなく、この場合ダイレクトアタックと呼ばれることはあまりない。
細かな所では「リザードンがサトシに火炎放射を浴びせる」「コジロウのポケモンがトゲや牙があるにもかかわらず抱き着いてくる」、
シロンリーリエを氷漬けにする」といったものもある*5が、あくまでも人間がポケモンに人間を攻撃対象に指示した場合を指す。

劇場版では知能や攻撃性の高いポケモンたちがメインを務めることが多く、野生ポケモンの行動からは逸脱した状況でのダイレクトアタックが起こることが多々ある。
劇場版一作目ミュウツーは「ポケモンがポケモンを使うのはおかしい」と言ったウミオをねんりき(あるいはサイコキネシス)で吹っ飛ばし、
ルギアを除いたアーシア島の守り神たちは、直前に人間に囚えられていたとはいえ、救出したサトシたちも敵とみなし、情け容赦なく攻撃した。

人間不信に陥っていたルカリオアルセウスボルケニオンらも被害者(主にサトシ)からすると結構理不尽な理由で攻撃している*6
ギラティナキュレム超フーパは大規模攻撃を行ったため、間接的にダイレクトアタックを仕掛けたともいえる*7とはいえ、ギラティナやキュレムは大きすぎる力しか持っていない故に、といった感じだった。
そもそもポケモンなのか不明だが『メタ・グラードン』や破壊の化身『イベルタル』などは己の習性に従って思いっきりダイレクトアタックを仕掛ける*8
これらはポケモンたちが自らの身を守るためではなく、しかし自らの意思で人間たちに攻撃を仕掛けているという点で、上述のポケモンたちとは異なる。

なお、劇場版以外でも暴走したポケモンを止める際にサトシが「俺ごと攻撃しろ」というのはわりとよくあることで、
それ以外でも技を完成させるための修行の一環であったり、ポケモンの調子を確かめるためだったりと目的は様々だが、自分に技を撃つよう指示することもある。スーパーマサラ人

新アニメ版ではオーベムヒロインの記憶をいじくるというより薄い本案件なえげつない手法も出てきてしまった。*9

【漫画作品での扱い】

穴久保先生の作品

ポケモンが人間並みの知能を持ち、人語を話し、人間との境界がほとんどないためか、そういう意識はほとんどない。
それどころかポケモンだけで組織された強盗団が存在するくらいである。
何より徹頭徹尾ギャグ漫画であるこの作品にそういった定義をするだけ野暮というものだろう。

ポケットモンスターSPECIAL

ある意味この作品が「ダイレクトアタック」という概念をファンの間で広く認識させた作品であるといっていいだろう。
連載初期は「基本的にポケモンは脅威」という認識をされていたのか、第1章のサファリゾーンは捕獲禁止の見学施設になっていたり*10第3章で音楽に誘われて野生のポケモンが町にやってきた時は「下手すれば大惨事」と言われたこともある。

基本的に悪役の描写が濃密なこともあり、悪役は積極的にポケモンよりトレーナーを狙ってくる。
打撃や電撃は勿論の事、氷漬けや丸焼き、水責め、触手による締め付け、刃物による切り裂き、爆撃、洗脳等多岐に渡る。
悪人に人間への攻撃を命じられる心情や如何に。

イエロー「ポケモンは人殺しの道具じゃないんだよ!!」

そもそも通常のポケモンバトルでも、トレーナーは背後で立っているだけでなく、適切な指示を出すため、あるいは死角を補うため、戦闘中に近付いたり騎乗したりする場面が度々登場する。
特にダイレクトアタック狙いでなくとも余波を受けることも多く、その状況すら考えて自らの身を鍛えるトレーナーもいる。
また、アニメの様にギャグとして処理されることも少なく、弱小技の「したでなめる」ですら一時行動不能になるなど、
食らった人間は大抵苦痛を味わい、「技をポケモンが食らってもすぐに回復するが、人間が食らうと後遺症が残る」ことが明確に表現されている。
試験に受かったレッドジムリーダーを辞退したのはこれが原因。
(ここまでの後遺症が残った原因は四天王クラスのカンナのポケモンによる技だったこともあるが)。

さらにダイレクトアタックに限らず、トレーナーが何らかの負担を受ける描写が多々あり、中には「伝説級のポケモンを強引に使役し過ぎると命を削る」というものがある。
明確な理由は不明だが、それほど伝説のポケモンが高位の生物だということなのかもしれない*11
それらの要因が重なり、第4章終盤には多数の死傷者を出す(最終的に復活したが)こともあるなど、他の作品と比較しても非常にシビアな描写がなされている。

ただ、忘れてはいけないのが、ダイレクトアタックは必ずしも悪人の手で行われているわけではなく、全ての人間に起こりうるということである。
そもそもゲーム本編でもポケモンを戦争で使用していることを明言している。軍隊として戦闘に加わる以上、攻撃対象は同じポケモンに限らないと考えるのが普通であろう。
ダイレクトアタックを行うも回避するも人間一人ひとりの心次第……といった所であろうか。
現実世界でもそうであるように、力を得た人間が皆正常な判断を下せるわけではないのだ。

なお上記では公式用語ではないとしているが、ポケスペでは剣盾編にて、初めて「ダイレクトアタック」という用語が作中で使用されている。


追記・修正はダイレクトアタックに耐えてからお願いします。

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最終更新:2024年04月07日 22:12
添付ファイル

*1 この状態のダークポケモンは「ダークラッシュ」以外の命令を一定確率で無視してトレーナーに攻撃するという演出が入る

*2 この行動による実害は1ターン行動不能になるのみ

*3 墜落ダメージは着地直前で再びウォーグルを呼び出すことで回避可能

*4 更に隠蔽工作の為記憶を封印されてしまったため、助けてくれたシルヴァディに自分を襲った嫌疑をかけてしまった。

*5 これらはあくまで愛情表現であるため、本人に悪気はない

*6 原因の根幹に人間がポケモンに何かしたというのがあるため、批難は受けにくい

*7 超フーパはサトシに対して『いじげんラッシュ』で狙い撃ちした

*8 『そういう習性』を持った存在であるので『悪』とは言い難い

*9 彼女が持っていた目的のものを奪う以外は何もしていなかったが、あのまま放置しておけばどんな事故に巻き込まれるかわかったもんじゃないことを考えると非道ではある

*10 第9章にて登場したジョウト地方のサファリゾーンは、原作通り泥を投げてポケモンを弱らせて捕まえる施設となっている。

*11 それを何の負担もなく操る一部のトレーナー達もいるが