新幹線変形ロボ シンカリオン THE ANIMATION

登録日:2018/01/15 Mon 19:06:13
更新日:2024/04/07 Sun 19:47:20
所要時間:約 35 分で読めます





少年の夢を乗せた新幹線は、シンカリオンにチェンジする!




概要

新幹線変形(しんかんせんへんけい)ロボ シンカリオン THE ANIMATION』とは、2018年1月6日から放送を開始したテレビアニメである。TBS系列で毎週土曜日の朝7:00~7:30に放送されていた。
前番組である同じくタカラトミーのロボットアニメ『トミカハイパーレスキュー ドライブヘッド~機動救急警察~』から放送枠を引き継ぐ形でスタートした。
制作会社はアニメ『ポケットモンスター』『妖怪ウォッチ』などを手がけるOLMを中心に、制作協力として亜細亜堂(第52話まで)→SynergySP(第53話以降)が参加している。
シリーズ構成は『手裏剣戦隊ニンニンジャー』のメインライターを手がけた下山健人氏。

タカラトミーの人気玩具シリーズである「新幹線変形ロボ シンカリオン」のアニメ化作品である。
「新幹線変形ロボ シンカリオン」とは、テレビ東京が2003年から2015年まで放送していた「のりスタ!」(2012年4月から2013年3月までの「のりスタMax」時代)で、「しんかんせん」というタイトルの新幹線が走行するシーンや車両基地での様子などを紹介するコーナーがあり、チビッ子たちの間で新幹線が突出した人気を持つのを受けて、同番組に携わっていたジェイアール東日本企画と小学館プロダクションが立ち上げた企画である。
2014年の東京おもちゃショーで「Project E5」の名前で発表されて以来一躍話題になり、それに後からタカラトミーが加わって「プロジェクトシンカリオン」という現行のデザインになった。

シンカリオンは元々2015年よりプラレールの系列商品として販売されていた製品であり、玩具版はプラレールと同一規格で設計されている。モーターを搭載していないので自走することはできないが*1、プラレールと連結したり、プラレールの線路上を手転がしで走行したりすることはできる。
なお、プラレールは以前にも列車がロボットに変形する電光超特急ヒカリアンシリーズを展開していたが、SD体型だった「ヒカリアン」と異なり、こちらは見事なスーパーロボット体型になっている。

内容を簡単に説明するならば、新幹線から変形するロボ「シンカリオン」のアニメである。
それも、新幹線好きな小学5年生の少年を中心に、全国の運転士たちとともに人類をおびやかす未知の敵に立ち向かい、ついでにオペ子が妙にかわいいという、超王道スーパーロボットアニメである。
勇者シリーズは記憶の彼方になり、子ども向け作品といえば『超速変形ジャイロゼッター』(2012年~2014年)が最後、残りは深夜枠かガンダムシリーズ程度というロボットアニメ冬の時代にあって、新幹線で言えばドクターイエロー並みに貴重なド直球スーパーロボットアニメであり、古きよきロボットアニメファンから熱い注目を浴びている。
「新幹線が変形するロボ」は『勇者特急マイトガイン』をはじめ勇者シリーズで何度も使われたモチーフであり、その懐かしいコンセプトが最新の車両と技術で現代に蘇った点もアツい。

また、第1話で最初に出てくる鉄道車両が新幹線のような人気のある車両ではなく「マルチプルタイタンパー*2だったり、第2話で主人公が「盛岡~秋田間をE5系が走行するくらい無理だよ*3などと何かと鉄道に例えた話をしていたりと、妙にディープな鉄道ネタも多いので、鉄オタの皆様にもぜひご覧いただきたい。
実在車両がきちんと登場することでも分かるように、新幹線を運行するJR各社(JR北海道JR東日本JR東海JR西日本JR九州)も公式に協力しており*4、車両だけでなく実在の駅や博物館といった鉄道関係施設も多く登場しているほか、各車両のロゴマークもしっかり描かれている。

当初は1年の予定だったが、プラレールなどの関連商品の好調ぶりからTBS系列のロボットアニメでは『ゾイド -ZOIDS-』以来となる4クール以上の延長が決定した。
……が、新章に突入した4月からわずか1クールで終了。途中から話の展開が駆け足気味だったことや放送終了後は朝アニメの枠そのものがなくなることが判明し、ユーザーからは「TBS側からの編成の都合によるものでは?」という憶測が流れていた。
その後タカラトミーの株主総会で、ゾイドともども9月までの放送を予定しJRなどともコラボなどの準備を進めていたが、TBSの都合で終了になったことが説明された*5
放送終了後に劇場版の公開が告知された。

放送後にYouTubeで配信、数日遅れでニコニコ生放送でも配信している。
ニコニコでは第1話のみ無料。第2話以降は有料である。

放送終了から半年後の2019年12月27日に、劇場版である『劇場版 新幹線変形ロボシンカリオン 未来からきた神速のALFA-X』が公開された。ゲスト出演者は釘宮理恵氏や伊藤健太郎氏、吉田剛太郎氏や辻本達規氏(BOYS AND MEN)など。
ファンサービスやパロディに特化し、エヴァコラボ回の掘り下げや誰も予想できなかったであろうゲストも登場したお祭り作品になっている。
「全車集結!」と銘打ってはいるが、実際にはアイアンウイング・500・ドクターイエローは未登場である。もっとも、同型他機はいずれも登場しているのであながち間違いでもない。

そして、2021年4月9日から続編である『新幹線変形ロボ シンカリオンZ』が放送開始。枠はテレビ東京系金曜日19:25~19:55(ポケモンの直後)になり、2022年3月18日まで全41話で放送された。
本作の数年後を舞台に、再び出現した巨大怪物体に新たな運転士たちと「シンカリオンZ」が立ち向かう。『Shinca』がモバイル化されていたり、在来線の通勤・特急型車両などをモデルにした強化支援メカ「ザイライナー」が登場したり、合体システムもシンカリオンとザイライナーとの合体が中心になったりする点などに差異がある。
旧来のシンカリオンは、「テツドウダー」なる正体不明のロボットとして都市伝説化されている模様。
第1シリーズとは異なり「TVer」での見逃し配信が実施された。

第2シリーズ終了後から1年9か月過ぎた2023年12月26日、第3シリーズとなる新作『新幹線変形ロボ シンカリオン チェンジ ザ ワールド』の制作開始が発表され、2024年4月からテレビ東京系で放送開始予定。


あらすじ

新幹線超進化研究所は「漆黒の新幹線」が生み出す巨大怪物体から日本の平和と安全を守るため、「新幹線変形ロボ シンカリオン」を開発した。
シンカリオンとの高い適合率を持つ子供たちが運転士となり、研究所員たちと力を合わせて強大な敵に立ち向かう!
果たして「漆黒の新幹線」の目的は…。子供たちは日本の平和と安全を守れるのか…。

チェンジ! シンカリオン!

(公式より引用)


登場人物

北は北海道から南は九州まで日本全国が舞台になるため、特に各地方のキャラについては地元出身者がキャスティングされることが多い。
また、運転士以外の人物の名字は実在する駅名、名前は現在使われていないものも含めた列車名になっていることが多いが、下山氏によれば「これは意図的なもの」であるとのこと。
詳細はこちらを参照のこと。


シンカリオン

突如出現したファースト・エネミーに対抗すべく、日本の最先端技術の結晶である新幹線の技術を流用して新幹線超進化研究所が開発した戦闘用ロボット。起動するためには車両ごとに適合する運転士が必要になる。
詳細はこちらを参照のこと。


主な用語

公式サイトにて、各話に出て来た用語の解説がある。

  • 新幹線超進化研究所
表向きは「国家戦略に基づき、官民合同で新幹線に関する最先端技術(新幹線コア技術)の研究・開発を行う」組織になっているが、その実態はシンカリオンを開発・運用し、巨大怪物体の研究を行う特務機関である。単に「超進化研究所」と呼ばれることも多い。
略称は「S.U.E.I.」(Shinkansen Ultra Evolution Institute)。
公式サイトや劇中では「日本のみならず世界中にも支部がある」と言及されているものの、長らく全く登場しておらず、その実態は不明だったが、『シンカリオンZ』ではイギリスのヨークに支部*6があることが示唆されている。
本部は東京駅丸の内口広場の地下にある「総合指令部」で、全国の支部を統括する中央本部の役割を持つ。壁の色は東京駅らしく緑色。
最前線でシンカリオンを運用する実働部隊として、各地方にJR各社の名前を冠した指令室があり、その指揮下にシンカリオンを運用する人員と設備を備えた支部がある。トップは指令長で、主なスタッフは指令員・指導員・整備員・研究員・医師など。戦闘時の指令所(オペレーションルーム)には各支部の管内を走行する新幹線の路線図と思しきものがある。
その名称から、指令室はエリアごとの各支部を管轄するような存在に見えるが、実務上では指令室と支部は統合されており、実際に各指令室ごとに支部は1か所ずつしか置かれておらず、劇中でも名古屋支部が「東海支部」と言及される場面もある。同様に各支部のトップも「支部長」ではなく「指令長」で、公式サイトでも「支部指令長」という表記が見られるなど、指令室の長も兼ねていると思われる。
劇中では新函館北斗駅*7、鉄道博物館、リニア・鉄道館、京都鉄道博物館、九州鉄道記念館の大深度地下にそれぞれ支部が設けられており、職員たちは表向きにはそれぞれの施設勤務という体である。施設内の壁伝いには支部ごとにJR各社のコーポレートカラーが描かれているが、指令長室は総合指令部も含めて決まってJR四国と思しき水色になっている。
この他、東日本指令室のみ山形に分室が置かれ、フル規格新幹線車両をベースにしたシンカリオンが入線できない山形新幹線を補完するための局地戦専用シンカリオン「シンカリオン E3つばさ」を特別に配備させている(E6が大宮支部に所属する関係上、秋田県側には設けられていない)。作中では詳しい描写がなく、具体的にどこに設置されていてどれくらいの組織規模なのか、トップも「指令長」と呼ばれるかは不明。
もちろん、新幹線が走っていない沖縄県には当然支部はない。
また、運転士が入る職員寮や名古屋には附属病院も設けられている。

意外にも設立から日は浅く、原点たる今の大宮支部が発足してホクトがスカウトされたのはハヤトが生まれて間もない2007年頃で、鉄道博物館が開館したのとほぼ同時期である。元々は超進化速度をはじめとする鉄道輸送速度の革新的向上を目的とした研究機関だったが、突如出現したファースト・エネミーの襲来により、これまでの研究をベースに巨大怪物体との交戦を想定した人型機動兵器「シンカリオン」の開発・運用に方針転換された。
なお、超進化研究所とシンカリオンの存在は重要機密で家族にも公言してはならないが、出撃の際は特別ダイヤを使用するために新幹線および在来線指令所に連絡する場面があるなど、作中のJR各社とは緊密な連携がある模様。
そして、オーガの都庁襲撃によってその存在が明るみに出てしまい、一時は政府から出動禁止命令が出てしまうも、最終的にはアズサの機転によって事なきを得た。

『シンカリオンZ』では、次期シンカリオン開発プロジェクト「Z計画」を推進するための施設として、群馬県安中市にある碓氷峠鉄道文化むらの大深度地下に東日本指令室横川支部、愛媛県西条市にある四国鉄道文化館の大深度地下に西日本指令室伊予西条支部*8、そして鹿児島県の桜島の大深度地下(キトラルザスの本拠地の一部)に総合指令部直轄の秘密試験場が新たに設けられている。


  • Shinca(シンカ)
超進化研究所の職員に支給されるIDカードで、各支部の建物や研究所へ自由に出入りできる。デザインはJR各社のICカード乗車券に近いがかなり厚みがあり、むしろかつてのPCカードに近い。
これに加え、シンカリオン運転士には各機体の名称が記された『Shinca』も支給されており*9、シンカギアにかざすことで発進の認証を行うほか、合体時には相手の『Shinca』がシャショットから排出される*10。また、N700Aには「モードチェンジカード」も併せて支給されている。
なお、キトラルザス用の『ブラックShinca』も存在しており、セイリュウはブラックシンカリオン用の『ブラックShinca』とイザから託された2枚の「モードチェンジカード」を、キリンはオーガ用の『ブラックShinca』と「モードチェンジカード」を所持している。
また、スザクはシャショットを洗脳するために別の『ブラックShinca』を所持していたが、こちらは何も書かれていない。

『シンカリオンZ』では、シンカギアをモバイル端末化した「超進化モバイル Zギア」のアプリ『モバイルShinca』としてインストールされている。また、テオティ用の『ダークモバイルShinca』も存在している。


  • 超進化マスコン シンカギア
CV:じんぼぼんじ

シンカリオンを操縦する際のマスコン型コントローラー。単に「シンカギア」と呼ばれることも多い。外観は機体を問わずN700Aに似たデザインである。右側面後部には上下2段のスロットが設けられており、機体の状態を示すスクリーンも設けられている。
通常は運転席にセットされており、運転士専用の『Shinca』をタッチすることで発進の認証を行い、前方上部のディスプレイに「この車両は、○○行きです」と表示されるとともに応答する。その後、「シンカリオン○○、出発進行!」と喚呼してレバーを下げることで出発する。起動時は、運転席のロックが解除されてシンカギアが迫り上がると、「シンカギア、装着!」と喚呼しながらシンカギアを運転席から取り外し、左腕へ装着することで起動。
指令員による「シンカギア起動確認。超進化速度、突入準備!」のアナウンスの後、「超進化速度、突入!」の喚呼とともに「超進化速度、加速しまーす」と応答して超加速を開始し、到達後は指令員の「超進化速度、到達!」の後に『Shinca』を下部スロットに挿入し、「チェンジ! シンカリオン!!」と喚呼することで「○○、シンカリオンに変形しまーす」と応答し、モードシンカリオンに変形する。その際にスクリーンの色が各機に応じた色に変化し、連結器のような部分も開かれる。
各種合体時はシャショットから排出された相手の『Shinca』を上部スロットに挿入し*10、2人で「○○! シンカリオン!!」*11と喚呼することで「○○、△△、~合体しまーす」と応答して合体する*12
各種モードチェンジ時も同様で、専用のモードチェンジカードを上部スロットに挿入し、「チェンジ! ○○モード!!」と喚呼することで「○○、モードチェンジしまーす」と応答してモードチェンジする。
表示のシンカリオンはE5のシルエットになっており、リンク合体時は下半身が合体相手に応じた色に変化する。また、クロス合体時はE5 × 500、オーバークロス合体時はE5 MkII X 紅をはじめとする一般的な合体機で表示され、いずれも追加部分は合体相手に対応した色に変化する。
必殺技発動時にも音声が流れるほか、各グランクロスやトリニティーストライク発動時にはレバーを一番上まで起こしてエネルギーをチャージし、一気に下げることで発射する。各種合体時は他の運転士と呼吸を合わせて放つ。
また、キトラルザス用の『ブラックシンカギア』も存在しており、基本的な使い方はオリジナルと同様だが、ブラックシンカリオンのアナウンスはオリジナルよりも禍々しい音声で、「加速」「ブラック、変形」などアナウンスも簡潔になっている。バーサーカーモードやライジングモードの表示はオリジナルのクロス合体と同様。ただし、紅では通常のアナウンスに戻るほか、オーガは最初からオリジナルと同様である。
また、ヴァルドルにもシンカギアのようなものが装備されているが、音声は不明。

玩具版ではシンカギア・ブラックシンカギアともに発売されているが、元々の放送計画の関係もあってか700シリーズ・紅・アイアンウイング・E5 MkII・923ドクターイエロー・ブラックシンカリオンオーガ・500 TYPE EVA・ALFA-Xおよび各強化モードやオーバークロス合体の音声は収録されていない。

『シンカリオンZ』では、シンカギアはモバイル端末化されて『超進化モバイル Zギア』(CV:じんぼぼんじ)になり、運転士が常時所有する形式になった。劇中では単に「Zギア」と呼ばれることが多い。アナウンスは、『モバイルShinca』がインストールされている場合は前作のシンカギア、『ダークモバイルShinca』がインストールされている場合は前作のブラックシンカギアと同一である。


  • 超進化速度
シンカリオンが変形するために必要な速度。最低でも時速1100km/h以上に達する必要があり、基本的には音速である時速1225km/hを標準値としている。
元々は、1971年に世界で初めてリニアモーターカーの試験走行が行われて以来40年経っても実用化の目途が立っておらず、陸上軌道輸送速度の向上に対して停滞感を持っていたホクトが大学院生時代に書いた修士論文で提唱した概念であり、リニアを超える次世代の移動手段として航空機輸送に対抗しうる速度への到達を構想していた。
劇場版ではさらに、少年時代の彼が空想として考えたものが全ての始まりであることも判明している。

『シンカリオンZ』では、これを大幅に超える「第2超進化速度」の開発が進んでいる。こちらの標準値は時速40300㎞/h。


  • 適合率
シンカリオンの能力をどれだけ引き出せるかを表す数値。適合率が高いと専用の武器や必殺技が使えるようになる一方、低いと操縦することすらままならないため*13、基本的には車両ごとに適合した運転士が必要になる*14。なぜか大人よりも子どもの方が高い数値を出す傾向にあり、現状シンカリオン運転士は大半が未成年の子どもだが、逆に言えば解析が進めば今後大人でも高い適合率を得られるようになる可能性もある。
また、気分が高揚したり連携がうまくいったりすればどんどん上昇していく一方、運転士の動揺や連携の乱れが生じたり攻撃を受け続けたりするとみるみる内に低下して機動や合体に支障が出てしまうなど、戦闘中のコンディションによっても数値が大きく増減するが、それらの理由は不明。
一部の機体や合体では、適合率が一定の高さを超えていないと使用できないものがある。

100%に達すれば機体の性能を完全に引き出すことができる。なお、劇中で適合率100%を突破したのは速杉ハヤトとセイリュウのみで*16、『シンカリオンZ』では100%を超える運転士は現れなかった。


  • 鉄分
シンカリオンとの高い適合率を見せる運転士に共通している要素。
名前の由来は鉄道オタクの使う「テツ分」と思われる。


  • 捕縛フィールド
出現した巨大怪物体を閉じ込め、被害を最小限に食い止めるためのフィールド。宇宙に浮かんでいる人工衛星から発射される。
フィールド内ならどんな激しい戦闘でも被害を最小限に抑えることができ、光学迷彩機能で外から認知されることはない。
ただ封鎖するだけならかなり長時間展開でき、任意の物体のみを出入りさせられる他、内部の環境のある程度のコントロールも可能と多機能だが、内部から攻撃を受けるとそれだけ展開時間は削られてしまう。
また、水中に展開することはできず、低気圧などの気象条件によって展開可能な時間は左右されるほか、出力自体にも限界があるため、複数展開する必要がある場合はそれぞれのフィールドの出力を絞らなければならない。
フィールド中央の最上部には穴があり、飛行能力がある巨大怪物体やシンカリオンはここを通ってフィールド内外を行き来することも可能。
超進化研究所に敵が侵入した場合は、万が一に備えてシンカリオンを退避させるシェルターのような役目も持つ。


  • グランクロス
E5に搭載された高出力粒子ビーム砲。シンカギアのレバーを最大限に引き上げてから胸部ノーズカバー(実車の併結運転用の連結器部分)を展開してエネルギーをチャージし、一気に下げることで発動する(各種合体時は他の運転士と呼吸を合わせて放つ)。キントキによればただのビーム砲ではなく、微量の粒子が含まれているという。
さまざまな強敵を撃破した実績を受けてか、後継機のMkIIはもちろん一部の後発機*17にも搭載されている。
さらに、キトラルザスが所有するブラックシンカリオンにも強化された形で搭載されている(オーガにも設定上は存在)。
『シンカリオンZ』ではE5(Z)およびダークシンカリオンが装備するが、前者は前作とは違って(超)Z合体しないと発射できない裏設定がある。
名前の由来はE5系およびH5系の新函館北斗方先頭車両(10号車)、E7系およびW7系の新潟・金沢方先頭車両(12号車)に導入されているグリーン車を上回る特別車両「グランクラス」と思われる。


  • インターロック
運転士と車掌ロボット(シャショット)のイメージを連結させること。運転士の負担を軽減させる役割も持つ。
イメージを強く連結できれば思いのままにシンカリオンを動かすことができるようになり、適合率も上昇していくが、彼らが仲違いを起こして溝が深まればそれだけ適合率も低下し、最悪機能も停止してしまう。
諸刃の剣と呼べる機能であるため、搭載されているのはE5およびE5 MkIIのみで、他のシンカリオンは安定性を重視してオミットされているため、シャショットの同型機は存在しない。そのため、システム上は他の運転士が彼を連れて搭乗してもインターロックされないはずだが、劇中ではそのような描写はない。
ただし、ブラックシンカリオンに関しては機体の特殊性もあってか、超進化速度を超えて3倍の速度に加速した際にシャショットが取り込まれている。
また、適合率次第ではインターロックなしでもシンカリオンを動かすことが可能。
池添監督は他のシンカリオンにもシャショットがいるアイデアを出したものの、「うるさい」という理由で没になったらしい(『アニメディア』2018年4月号より)。

『シンカリオンZ』では、運転士と「Zギア」の試作器(機)でもある車掌ロボット(スマット)とのシステムになっており、搭載されているのはE5 (Z)のみで、他のシンカリオンZは安定性を重視してシステムをオミットされている。


  • 巨大怪物体
10年前のファースト・エネミーを皮切りに、日本各地で現れるようになった未知の存在の総称。これらとの交戦を想定して開発されたのがシンカリオンである。
使われている技術・目的・その他もろもろ分かっていないが、人類を脅かすということだけは判明している。
撃破されると素材になった物体に戻るため、残骸が残らず、活動の観測以外での解析も進んでいない。
逆に言えば、残骸が残る場合はまだ撃破が完了していないと言うことでもある。
姿形は個体ごとに異なっているがおおむね数10mはある巨体であり、攻撃方法もそれぞれ異なっている。
そのため、進化し続ける存在ではないのかと恐れられている。
出現時には個体コードネームが命名されるのがお決まりで、大宮支部の管轄内では基本的にアカギが命名している。そのどれもこれもが厨二っぽい。


  • クレアツルス
第36話から登場した、巨大怪物体に代わる新たな敵。キトラルザスと同様に地底世界に住む生物たちで、「黒い貨物列車」に載せられて地上に運ばれる。いずれも古代に生息した生物をイメージしており、地上世界の生物や現代社会の構造物をベースにした巨大怪物体とは一線を画す。
攻防ともに圧倒的な能力を持っており、ゲンブ曰く本来は地上には出られない存在だが、体に黒い球体を取り込むことで地上でも活動が可能になる。球体が破壊されると元の世界へ還される。


  • 東京駅・中央迎撃システム
有事の際に備えて用意されたシステム。東京駅および丸の内エリア一帯を封鎖して地下深くに沈ませ、シンカリオンが敵と戦うためのバトルフィールドを出現させる。捕縛フィールドとは別の手段を用いるため、出力の低下を最小限に抑えられるが、東京駅付近一帯に多大な影響を及ぼすため、起動には本部である総合指令部の許可を得なければならない。
第63話にて、カイレンを迎え撃つために東日本指令室からの要請を受けたスバルによって起動の許可が下り、ウェポントレインで到着したナガトやキントキを始めとする大宮支部の整備作業員や東京駅員の尽力で一般人の避難を完了させ、ついにその姿を現す。その後、遅れて到着したH5と800も含め、地底世界に行ったE5と500を除く11編成のシンカリオンが新幹線ホームに集結し、カイレンを迎え撃った。
システムの稼働時間に制限はないが、フタバがスバルに対して東京駅の初電*28までにはシステムを解除して復帰させると約束していたため、実質的な展開時間はそれまでである。

集結時は20番線側から順に、H5(20)・アイアンウイング(21)・E6(22)・E7(23)・ブラックシンカリオン(14)・ドクターイエロー(15)・N700A(16)・700のぞみ(17)・みずほ(18)・800(19)という形で入線しており、全国を走るさまざまな新幹線が一堂に会する様は圧巻。一般人を退避させてよかった。
入線したホームから分かるように東日本組は東北新幹線ホームに、中部・西日本組は東海道新幹線ホームにそれぞれ入線しており、後者はその関係で後尾車両が映っている。なお、東北新幹線ホームは4線しかないため、ブラックシンカリオンは東海道新幹線ホームの14番線に入っているが、前述の通り郡山駅付近から来たため、作中世界では東北新幹線と東海道新幹線の線路がつながっている模様。
ただし、東京駅の新幹線ホームは14~23番線の合計10線しかないため、残念ながらひかりレールスターのみ描写されていない。
池添監督によれば、空からのレイアウトを作るためにわざわざ空撮したという。

劇場版でも登場しており、スバルの指示で展開してヴァルドルを迎え撃った。
続編の『シンカリオンZ』では、スバルの後任として総指令長に就任した出水の指示で展開してダークシンカリオンを迎撃した。


  • 黒い貨物列車
第43話から登場したキトラルザスの新たな戦力。超進化研究所の「超進化貨物列車(ウェポントレイン)」の色違いで、3編成所持している。
ブラックシンカリオンと同様に黒い粒子をまき散らしながら線路上を走行しており、牽引するコンテナ内部に地底世界の生物「クレアツルス」を積載しているほか、旧世代エージェントの3人が乗り込むこともある。


  • ルクスヴェテ
漆黒の新幹線などが散布する、黒い粒子体。超進化研究所が命名したコードネームは「ナノマシン」。
地底世界を構成し支える物質であり、付着した対象を変形・進化させる能力を持っており、巨大怪物体やキトラルザスの戦闘モードはこの能力を利用して生成される。
また、一度は機能を停止した各エージェントやシャショットを復活させるなどの蘇生能力も有している。
最終話では、人々が協力し合うことによって粒子の量やエネルギーが飛躍的に倍増することが判明。オーガとの戦いで地底世界に残っていたものは枯渇するが、かつて出水がビャッコと接触した際に採取して超進化研究所で人工培養した粒子の最後の1粒と、デヴィリッシュ・セルラーに残っていた1粒をスザクやアズサ、復活したゲンブとビャッコ、そして超進化研究所やその他多くの人々の協力で大量に増殖させ、逃走したオーガを追撃するために名古屋支部から光のレールを13線出現させた。
劇場版ではハヤトの提案を受けたスザクから送ってもらって光の粒子を増幅させ、シンジやゴジラといった異次元の力を借りてヴァルドルを倒した。


  • 光の粒子
劇場版に登場。黒い粒子と対をなす、ヴァルハランが操る白い粒子。ルクスヴェテのような正式名称があるかは不明。
現在と過去・未来・異次元をつなぐという時空超越能力を持つが、セイリュウによれば制御不能な危険な側面もあるといい、実際に次元を超えた際の記憶は残らない。
ナハネたちの手元には十分な量はなかったが、太古の時代から地底に埋まっていた大量の粒子が北海道新幹線の延伸工事中のトンネルから偶然発見されたことで補給し、チーム・シンカリオンやホクトを別の時代に飛ばした。
ヴァルドルの動力源にもなっており、ハヤトはこれを利用してルクスヴェテで増幅させ、シンジやゴジラといった異次元の力を呼んだ。


  • 光のレール
シンカリオンが捕縛フィールドに突入する際に現れる、超硬質金属製の緑色のレール。通常の新幹線の軌道から分岐する形で出現し、超進化速度まで加速しつつモードシンカリオンへと変形する。
ブラックシンカリオンやオーガも紫色をした同様のレールに乗っており、特に前者は大鳴門橋の下層部や鹿児島市中心部上空といった、本来線路が存在しない場所でも出現させて走行することができる。
オーガとの最終決戦では、アズサやスザクたちが増幅させたルクスヴェテによってチーム・シンカリオンの数だけ上空に出現。左から700のぞみ・みずほ・ひかりレールスター・H5・E3・ブラックシンカリオン・E5 MkII・E7・ドクターイエロー・N700A・800・923ドクターイエローの順に走行しており*29、オーガに追いついた際にE5 MkIIから順に変形した。線路の色は出発時は緑色だったが、変形後はそれぞれのカラーリングをイメージした色に変化している。
劇場版ではメトロポリタン・ヴァルハランから東京駅に向かうべく、左から700のぞみ・みずほ・ひかりレールスター・E5・ブラックシンカリオン・E3・E6・E5 MkII・E7・923ドクターイエロー・N700A・H5・800の順に走行し、空中で変形してそのままフィールドに降り立った*30。ここでは通常通り全機緑色のレールである。


  • チーム・シンカリオン
「チームシンカリオン」とも表記される。元々は突如出現したファースト・エネミーとの交戦を想定した人型機動兵器「シンカリオン」の開発プロジェクトを指す言葉だが、現在では完成したシンカリオン全機(またはその運転士全員)の総称になっている。


主題歌

オープニングテーマ

  • 進化理論」(歌:BOYS AND MEN)
作詞は予言者と定評のある藤林聖子氏。「進化理論」と「シンカリオン」をかけているが、曲名は「しんかりろん」と読むのに対して歌詞は「シンカリオン」なので注意。戦闘時や必殺技発動時の挿入歌としても頻繁に使用される。
歌っているBOYS AND MENは、アニヲタ的には駆紋戒斗/仮面ライダーバロン役を務めた小林豊氏の所属するアイドルグループと言えば分かるか。
第1話と第64話ではエンディングテーマとして、第57話では短縮版として、第76話ではエンディング後にそれぞれ使用。定期的に変更された下記のエンディングテーマとは異なり、こちらは最後まで使用され続けた。

映像の変更が頻繁に行われており、特に新しいシンカリオンやモードチェンジ・合体が登場することが多かった第27話まではサビの部分が当該変形シーンに差し替えられていた。スタッフの皆さんお疲れ様です。
第28話からは大きく一新され、EDで先行披露されたトリニティー組、およびスザク・イザや各支部の指令長が新登場*31。第38話ではドクターイエローの登場によってリュウジの『Shinca』が変更され、第39話以降はパイロットスーツも同様に更新されたが、各機の必殺技披露シーンはドラゴンナックルのままである。第52話以降はエージェントがカイレンたち旧世代に変更され、第58話からは1カットのみブラックシンカリオンが紅になったほか、第52話~第59話のみ最後の超グランクロスにエフェクトがかかっている。
第66話以降は新学期に合わせてハヤトたちの衣装が変更されており、新たにキリンと謎の新幹線(オーガ)が登場。サビ前の部分が初期に戻ったほか、E5がMkIIに、セイリュウおよびブラックシンカリオンが全て紅仕様に更新され、2人が対決から共闘に変わったほか、ようやくタツミが加わってドラゴンナックルからマクラギヌンチャクに変更された(捕縛フィールド内のシンカリオン集結シーンはリュウジ機のまま)。
その他、第48話では王子駅近くの「北とぴあ」で行われた大宮支部の忘年会にてフタバとハヤトたちが余興として歌っており、その後出水がサプライズゲストとして招いたボイメン本人が登場して歌の続きを披露している。
また、上記の通り辻本氏は劇場版と『シンカリオンZ』にもゲスト出演している。

『シンカリオンZ』では、最終話でアラバキを撃破した時に挿入歌として使用された。


エンディングテーマ

クレジットは基本的にハヤトが先頭に来るのはほぼ共通しており、各回ごとに主要な役割を担ったキャラクターは2番手に来る傾向にあるが、それ以外のキャラの順番はあまり一定していない。

  • 第2話~第25話・第76話「Go One Step Ahead」(歌:村上佳佑)
第18話・第22話・第28話・第43話・第45話では挿入歌として使用。映像ではデフォルメされた5両編成のE5・E6・E7・E3が順に走るが、第17話からはN700A・H5・800・E5の順に変更されている。また、窓の部分には下を走っている車両や路線にちなんだものが描かれている。
第76話ではエンディングテーマとして使用され、フルサイズが再生された。
ジャケットの風景は実際にアニメスタッフが現地に行って撮影したという。

  • 第26話~第38話「I WANNA BE WITH YOU」(歌:TETSUYA)
トリニティー組が本編に先駆けて登場。この3機を加えてE5から800までの各シンカリオンの車体デザインがメインに描かれている。放送時期もあって夏をイメージした曲になっている。
第37話と第76話では挿入歌として使用。

  • 第39話~第51話「Go Way!」(歌:SILENT SIREN)
本作では唯一の女性グループ。アズサがメインで登場しており、彼女の動画の映像や過去に劇中で活躍した場面の写真も描かれている。ドクターイエローが初登場したほか、EDでは唯一500が登場している曲でもある。
第76話では挿入歌として使用。

  • 第52話~第63話「STARTRAiN」(歌:天月-あまつき-)
タツミと人間態のセイリュウが初登場しており、旧世代のエージェントが登場した放送時期から、セイリュウが仲間に加わることを示唆するような映像になっている。また、OPでも変更されなかったアイアンウイングがシノブの搭乗機として唯一登場している。
第59話・第61話・第64話・第74話では挿入歌として使用されたほか、第60話ではセイリュウとスザクが来店したカフェからインストゥルメンタルバージョンが流れている。

  • 第65話~第75話「スタートライン」(歌:ベリーグッドマン)
E5 MkII・紅の参戦やE3の復帰のほか、第65話のみ一部の作画が多少異なっており、ラストシーンはGo One Step Aheadにシノブとセイリュウを加えたような感じになっている。
第69話のネット配信版・ABS・BS-TBS・CS・DVDではそれぞれ挿入歌として使用。


挿入歌

  • チェンジ! シンカリオン」(歌:山寺宏一)
アニメ放送前の玩具展開時から使われていたイメージソングである。主にN700Aやトリニティーの必殺技発動時、中の人らしくスバルが指揮をとる際に使用されることが多い。
第17話ではインストゥルメンタルバージョン、第24話ではBGMが使用されたほか、劇場版ではミクがカバーしている。

『シンカリオンZ』では、第25話でE6(Z)の追加武器「VVVFハナビ・スペシャル」の発動時にE6(Z)の運転士である大曲ハナビがカバーしている。


エヴァンゲリオンとのコラボ

シンカリオンは『新世紀エヴァンゲリオン』とコラボした500系新幹線「500 TYPE EVA」をシンカリオン化した『新幹線変形ロボ シンカリオン 500 TYPE EVA』をアニメ放送前に発売しており、本作の第1話はエヴァンゲリオンを彷彿とさせる*32からか、「親子関係が良好なエヴァ」などと視聴者に言われていた。おい聞いてるかゲンドウ。
さらに、その反響を受けてかエヴァンゲリオンスタッフと交渉し、テレビアニメにも「シンカリオン 500 TYPE EVA」の登場が決定。コラボ新幹線の運転終了間際だった第17話で登場し、ハヤトがゲンドウのようなポーズと言動をとったり*33、ナレーションで「汎用500型決戦車両」と紹介されたり、シャショットが「これはまた、『逃げちゃダメ~』なカラーリングでございまーす」と叫んだりするなどのファンサービスが行われ、態々レコード会社に頭下げて地上波放送のみ『残酷な天使のテーゼ』や『DECISIVE BATTLE』を流すなど粋なことをしたことで話題になった*34
その後、公式から第31話でコラボ回を放送することが告知されたが、地上波放送の次回予告ではなんと三石琴乃氏とエヴァの次回予告曲を使い、タイトル表記もエヴァと同じものにするという徹底ぶり。
ネット配信では権利の関係でBGMが差し替えられることが多い中*35、特別にYoutubeでも地上波放送と同じものが配信され、200万再生を記録した。
さらに、1週間限定で公式サイトもエヴァ風のものに差し替えられるなど、その本気ぶりが凄まじかった。
そして、Blu-ray BOXでも地上波版と配信版が同時収録された。

満を持して放送された第31話では、先述の2曲以外にも多数のエヴァ楽曲が使用され、登場キャラはいずれもオリジナルキャストを起用し、実車の運行によってビジュアルが判明したコダマとノゾミが本編に先駆けてアニメーション作品に初登場。
運転士のシンジも本編とは違い、よき兄貴分なキャラになっており、A.T.フィールドも力技で破るなど男前、あまりのたくましさに『親子関係が良好なシンジ』と言われた。おい聞いてるかゲンドウ。
音声のみではあるがオペレーターとしてミサトも登場するほか、ダブルヒロインもわずかながら出演しており、Q公開直後に一時期呂律が回らないほど病状が悪化していた宮村優子氏も違和感のない演技を見せた。
500 TYPE EVAも500の変形シーンに第1話発進直後の顔を上げる・OPの手を広げる動作などを追加、戦闘では普段のシンカリオンではまず見られないエヴァ走りを見せるなどの細かいネタを反映させて双方のファンを満足させ、関東限定で3日後の深夜に再放送が行われたほどであった。

今回巨大怪物体として登場した、作中に登場する使徒を結集させたような「キングシトエル」の原案者は、エヴァンゲリオンの版権を一括管理するグラウンドワークス代表の神村靖宏氏。
番組側は当初、第3の使徒サキエルを登場させるつもりだったが、グラウンドワークスは思い切って「新しい巨大怪物体を作りましょう!」と提案。これにはウルトラ怪獣世代である神村氏の強い希望があったといい、「せっかくだから合体怪獣にしたかった」「たいてい名前に『キング』がつくからキングシトエル」と熱弁をふるっていた(東洋経済オンライン2018年11月23日版より)。
また、下山氏はコラボする以上本気でやらないと恥ずかしかったが、熱意が行き過ぎて「やりすぎだ」と言われ、キングシトエルのデザインもテレビシリーズから劇場版に寄せてもっと使徒らしくしていき、名称も「ノリカエル」だったものを先方が難色を示して二転三転したという(2018年8月11日にパセラ上野公園駅前店で行われた「超進化研究所がおくる!夏のシンカリオントークショー」より)。

作中ではあくまで「ハヤトが見た夢の中」ということになっているが、カメラには第3新東京市やヒカリたちの写真が残っており、シンジやダブルヒロインがハヤトたちのいる現実世界にも登場するなど、彼が実際に別世界に行ったとも取れる展開になっている。
ちなみに、作中世界は原作の設定通り東京都心が爆弾攻撃によって消滅しているため、東海道線の起点が国府津駅になっており*36、それより東側は「KEEP OUT」として路線図には何も描かれておらず、JR東日本の路線も確認できる限りでは伊東線以外存在しない*37
また、熱海駅の券売機には東日本のロゴとSuica対応の記載が確認できることから、現実と同様に駅は同社が管轄し、東海道線も同駅を境に会社が分かれていると思われる*38
このため、熱海および第3新東京市から大宮へ行くには山梨県を経由しなければならず、かなり遠回りで半日以上もかかるらしい。
東海道新幹線も健在で、「のぞみ」「ひかり」「こだま」の各種別やN700系の存在、最高速度の270km/h→285km/hへの上昇についても言及されているが、もちろん東京駅は存在しないため、現実とは異なる設定になっている可能性がある。

さらに、放送終了から半年後の2019年12月27日に公開された劇場版においても、第31話の流用を中心に一部新規カットを追加する形で全員が特別出演している。

そして、『シンカリオンZ』でも引き続きコラボ回が発表され、第21話で実現した。「シンカリオンZ 500 TYPE EVA」の運転士は前作に引き続きシンジが担当し、ザイライナーとして「500 TYPE EVA」と同じく初号機をモチーフにした名古屋鉄道の特急列車「エヴァンゲリオン特別仕様ミュースカイ」、さらに京福電気鉄道の「嵐電 初号機バージョンラッピング電車」も登場し、エヴァコラボ車両のうち3種が作中で登場した。
だが、今回はダブルヒロインの出演もさることながら、シンジの父・ゲンドウが満を持して登場したことが最大の特徴で、京都支部の指令室の指令長席に座って巨大怪物体のコードネームを命名*39し、原作さながらに指揮をとり、果ては超進化ブレーカーを作動させてシンジとともにZ合体の喚呼をするなど超進化研究所を完全にジャックするやりたい放題ぶりであった。

庵野秀明監督は「保線から始まる第1話の描写に、心がシビれました。男の子の善き夢が詰まった子ども向けアニメとして、すばらしいと思います。最終回まで遅延なく、無事故で走行しきって下さい。500系エヴァ新幹線の活躍も、ぜひ!」「車両同士の連結カットは、鉄心としてアップでじっくり、観たかったです」とコメントしていた。
ちなみに、上記コラボ回も夫妻で見ていたとのことである。
なお、庵野監督の鉄オタっぷりはエヴァやシン・ゴジラ本編を参照のこと。


余談

上記の通り「ヒカリアン」とコンセプトの似た「シンカリオン」だが、「ヒカリアン」もプラレールとの互換性のある製品であった。よって、ヒカリアン⇔プラレール⇔シンカリオンという形で互換性があり、「ヒカリアン」の一部製品と「シンカリオン」は非公式ながら合体可能である。
さらにに、ジョイントをタカラトミー製品で共有しているためトランスフォーマーの武器を持たせることができたり、あのカブトボーグに武器を装着できたりと、拡張性は異常に広い。フリーオプションだろ?

実はJR東海は、アニメ・ゲーム・映像系コンテンツなどへの協力を長年一切断っていた。しかし、2014年に柘植康英社長(2018年以降は会長)が就任して以降は方針を転換し、玩具展開の頃から協力するほど積極的になっており、往年のキャンペーンCMだった「クリスマス・エクスプレス」や「ファイト!エクスプレス」のパロディも、エヴァのように地上波限定ではあるが元のCMと同じ楽曲を流している。

速杉家の所在地は東北新幹線沿線の「新さいたま市」とされている。新=ネオと訳すと……アイエエエ!!

2019年6月24日、期間限定ながらスマホ向けゲーム「スーパーロボット大戦X-Ω」への参戦が発表。YouTubeにも記念PVが公開されている。さらに『勇者特急マイトガイン』や『勇者エクスカイザー』も同時に参戦することも明かされ、新幹線変形ロボットの共演が実現することになった。

上述の通り、テレビ放送は当初の予定よりも早く終了してしまったが、それでも放送話数は全76話になり、巨大ロボットアニメとしては非常に珍しい連続放送期間4クール越えを達成したのに加え、2019年時点で『マジンガーZ』の全92話、『鉄人28号(1963年版)』の全84+13話(途中に3か月の中断期間あり)に次ぐ史上第3位の放送話数という大記録を打ち立てた。
もちろん、TBS系列で放送された巨大ロボットアニメとしても『ゾイド -ZOIDS-』の全67話を抜く最多記録である。


海外展開について

上述のように、エヴァンゲリオンとのコラボレーションを実施するなどさまざまな層から高い支持を得た本作であるが、意外にも海外での知名度はほぼ皆無に等しい
これは決して誇張した表現ではない。実際に放送されたのは香港や台湾ぐらいで、その中でもどれだけ人気を得ているかは不明。
主な要因としては以下のような点が挙げられる。

  • 車両に馴染みがない
日本ではE5系やN700Aといった車両はごく当たり前のように身近に見ることができ、新幹線に興味がない人でもイメージしやすいが、海外においては当然ながらあまり馴染みがないため、相当日本の新幹線を熟知している人でもない限りなかなかピント来ない。
そのため、アニメを見ても「見たことのない列車がロボットになるアニメ」にしか見えないのかもしれない。

  • ミニ新幹線の説明ができない
海外のほぼ全ての高速鉄道は、日本の新幹線とは違って既存の在来線と同じ車体規格になっているため、「ミニ新幹線」に当たる車両は定義されていない。そのため、E6とE3の特徴の説明が困難になってしまう。

  • 車両の差し替えが困難
上記の課題を解決するために、「車両を現地のものに取り換える」という方法も考えられる。海外でも新幹線は幅広く運行されており、フランスのTGVやドイツのICEなどが挙げられる。また、ミニ新幹線についてもスペインで運行されているフリーゲージトレインの「タルゴ(Talgo)」に差し替えることで齟齬も解決できるかもしれない。
しかし、仮に現地の新幹線を登場させるとなると、フランス国鉄(SNCF)やドイツ鉄道(DB)など高速鉄道を運営するそれぞれの会社にキャスティングを依頼する必要が生じる。必ずしも全社から許諾を受けられるとは限らないし、複数の国で放送する場合はその都度行わなければならないため、かなりの手間と時間を要する。
もし公認を得られたとしても、今度は新たにビジュアル・設定・映像を一から作り直す必要も出てくる。
例えば、「E5はやぶさ」を欧米向けに「TGV inOui」に変更するとした場合、新たにモデリングをやり直して映像を変更するほかにも、その車両に合った設定を付加することが必要なため、それを全ての車両に行うとなると物語の整合性が合わないばかりか、最悪の場合ストーリーが成立しなくなる可能性もある。

  • 地名が具体的すぎた
前述の通り、本作は新幹線を運行するJR各社がキャスティング協力していることから、大宮や京都といった具体的な地名が数多く登場しているため、やはり海外の人にはなかなか伝わりにくく、かといって現地の地名に差し替えるのも難しい。
『きかんしゃトーマス』の「ソドー島」のように架空の地域という形で強引に進められなくもないのだが。

  • キャラクターの名前の置き換え
上記と同じ理由で、「男鹿」「清洲」「月山」など明確な地名の苗字の置き換えも困難になる。

  • JRのCMを置き換えにくい
上記に関連して、作中では「ファイト!エクスプレス」をはじめとするJRのCMをモチーフにしたネタが多く登場するため、海外向けに別の映像などに差し替えた場合はストーリーに綻びが生じる可能性もある。

  • 欧米からプラレールはすでに撤退している
アジア圏では今日でも発売されているものの、欧米ではかなり前に発売終了している。そのため、アニメに連動したメディアミックスを展開しにくい。

といったように、海外に展開する上では多くの問題が生じる。
そのため、初めから海外展開を見据えていない可能性もある。
上述のあらすじに「日本の平和と安全を守る」という文章があることも含めて考えると、そうとも受け止められる。


シンカリオン追記・修正、出発進行!


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最終更新:2024年04月07日 19:47

*1 ブラックシンカリオンや超進化電動貨物は動力車が付属するため自走可能。また、動力車のシャーシに中間車両の外装を被せれば一部を除く車両でも自走可能。

*2 線路を整備する大型機械。車両としての籍がないため、鉄道図鑑にもあまり載っていない。

*3 山形・秋田新幹線は、狭く小さい在来線の設備のまま幅広な新幹線の線路軌間に改軌したいわゆる「ミニ新幹線」区間になっており、駅やトンネルといった各設備のサイズ(車両限界)も在来線基準にしなければならないため、フル規格の新幹線車両であるE5系などは入線することができず、E3系やE6系などといった在来線車両と同等サイズのひと回り小さい専用の車両が用いられる。

*4 トランスフォーマーなどは「車がバラバラになるのが縁起悪い」と協賛しないメーカーも多い。なお、新幹線の運行がないJR四国およびJR貨物は当然ながら参加していないが、前者については第35話で0系新幹線を模した予土線の「鉄道ホビートレイン」が登場した際はクレジット入りした。また、各支部の指令長室はコーポレートカラーの水色と思しき色になっている。

*5 ちなみに、この番組を最後にTBS系列は全日帯アニメの制作から一時的に撤退している。

*6 0系が静態保存されているイギリス国立鉄道博物館の大深度地下。ちなみに、第30話でのハヤトのナレーションで説明している通りさいたまの鉄道博物館と京都鉄道博物館とは姉妹博物館として提携している。

*7 本来なら小樽交通記念館の流れを汲む小樽市総合博物館本館になるはずだが、北海道新幹線が札幌駅に延伸するまでの暫定措置と思われる。

*8 前作を通しても新幹線が通っていない四国初の支部だが、これはミニ新幹線規格のシンカリオンZを在来線区間のみの地域で運用すべく、在来線軌間の専用台車の開発を目的としている。

*9 700シリーズでは「トリニティー」表記。なお、500 TYPE EVAについては変形シーンではシンカギアに『Shinca』を挿入するシーンがなく、玩具でも発売されていないが後に『シンカリオン超全集』の付録で登場した。

*10 なお、E6がE3とリンク合体する際はアキタがE3の『Shinca』を扱うシーンがないため、シャショットが存在しないシンカリオンではどうやって相手の『Shinca』を入手したかは不明。

*11 トリニティーでは3人で「チェンジ! トリニティー!!」。

*12 リンク合体ではスクリーンの下半身が合体相手の色になり、クロス合体ではスクリーン内のゲージとシンカリオン全体に追加パーツや下部にレールがつく。オーバークロス合体ではスクリーンは金色に輝くが、ゲージやパーツラインの形状が異なる。

*13 適合率が低い者が運転士専用の『Shinca』を持ってシンカリオンに搭乗しようとすると、「適合率が足りません」とシンカギアから応答して拒絶されてしまう。『シンカリオンZ』でもZギアに『モバイルShinca』がインストールされていても同様である。

*14 一応、形式や武装が似通っていればある程度融通は利くようで、第16話では乗り物酔いで動けなくなったミクがほぼ操縦系統は同じだからとH5の運転をハヤトに代わってもらおうとしており、第70話ではブラックシンカリオンを奪われて記憶喪失になったセイリュウに対してシノブが「ブラックシンカリオンも(ダーク)フミキリシュリケンを持っていたからE3を乗りこなせるはずだ」としてアイアンウイングに搭乗させていた。劇場版でも行方不明になったホクトに代わってリュウジが923ドクターイエローに搭乗することになったが、特に不具合なく動かしていた。

*15 そもそも、オリジナルのE5も一定の適合率がなければ起動することすら不可能な代物だったため、後継機の本機も100%未満の運転士の搭乗は想定していないと思われる。

*16 逆に言えば、機体性能が遺憾なく完全に発揮されたのはE5とE5 MkII、そしてブラックシンカリオン紅のみということでもある。

*17 ALFA-Xが該当する。その他、単独で発射する場面こそないものの設定上は923ドクターイエローにも搭載されている模様で、実際にトリプルグランクロスはデュアルグランクロスも含めた3連装である。

*18 もっとも、全エネルギーを消費するといってもフェイズシフトダウンのように無防備な状態になるわけではなく、発射後も問題なく動けるほどの余裕はある。

*19 第27話でのブラックシンカリオン バーサーカーモードとの決戦では万が一撃ち損じた際のリスク(シンカリオンの機能はもとより試験場のロックも全て解除される)も覚悟の上で大宮支部の全電力を集約し、何とか2発目の発射にこぎつけたほどだった。

*20 第30話ではバージョンアップ試験を行うために京都へ行ったものの、マオウノブナガの襲来によってうやむやになっていた。

*21 この際、レーザーブースターのみならず側面窓部分も光る演出がある。

*22 紅・923ドクターイエロー・ALFA-Xは自身もグランクロスを持つことから3連装になる。

*23 自力で捕縛フィールドを破壊・突破した、初にして唯一の巨大怪物体である。

*24 実際にはE5は墜落し、落下の衝撃で脚部を損傷した(ハヤトは無事)。

*25 公式サイトの用語集ではガイスト・パンツァーだったことになっている。

*26 現実においても、橋桁の下部空間は鉄道を敷設することが可能な構造である。

*27 公式サイトでは450m。

*28 放送当時においては、中央線が午前4時39分に最も早く初電が出ていた。

*29 ドクターイエロー2種は同一編成かつ外観も全く同じなので判別は困難だが、清洲兄弟はセットで行動することが多いことから、N700Aの隣にいるのがリュウジ機と思われる。

*30 E5とE5 MkIIは外観では全く判別できないが、ハヤトは主人公である以上必ず中央を走るはずである。

*31 一方で、一応はメインキャラであるはずのシノブは第31話まで歌い出しに登場していなかったため、監督がtwitterで謝罪めいたイラストつきコメントをしている。

*32 というかエヴァもシンカリオンもロボットアニメ王道の1話をやっているのが正しいか。

*33 下記の第31話では出水がやっている。

*34 このほか、画面下に運行終了の告知テロップが流れている。

*35 事実、第17話・第31話本編と第30話での次回予告は差し替えられている。

*36 ちなみに、開業当初の東海道線は現在の御殿場線を経由したルートになっていて、山越えのために補助機関車の連結や食堂車の切り離しを行っていた拠点駅でもあった。

*37 制作にあたり、下山氏はセカンドインパクト後の日本の状況を調べ、地形の高低差を考慮してこの路線図を描き起こしたという(『アニメディア』2018年9月号および「超進化研究所がおくる!夏のシンカリオントークショー」より)。

*38 路線図上は本来東日本の管轄である国府津~熱海間も御殿場線や身延線と同様のオレンジ色で表記されているが、これは現実でも同じであるため(東海道線は横浜以西はオレンジ色で表記されている)、単に路線カラーを意味しているだけに過ぎない。ただし、同じオレンジ色でも上記2線は東海の管轄であるため、あくまでコーポレートカラーとしての色である。

*39 「鬼エヴァ」と命名。東映太泰映画村の「エヴァンゲリオン京都基地」に展示されている初号機像が巨大怪物体化したもので、この回に限って東映太泰映画村が提供スポンサーに名を連ねた。