鉄刃(YAIBA)

登録日:2018/01/14 (日) 09:57:05
更新日:2024/04/11 Thu 13:14:48
所要時間:約 11 分で読めます





鉄刃、日本一のサムライでぃッ!!

鉄刃とは、漫画『YAIBA』の主人公である。
名前の読みは「くろがね やいば」。


●目次


人物

日本一のサムライを目指している少年。いつも道着のような着物とゲタを身に着けている。
背は低くパッと見は小学生だが、本当は中学2年生の峰さやかと同い年。
小柄なので帯剣する時には大体背負っている。

父・剣十郎やハゲタカの庄之介と共に、幼い頃からジャングルの修行を行っていた。
そのため父親譲りの剣の腕前と、ジャングルで培った常識破りのパワーと野生の勘が自慢。
ゲロ左衛門からは「剣が無いヤイバなんかただのアホだゲロ」呼ばわりされていたが身体能力はやたらと高く、
焼き菓子のプレス機に押し潰されても自力でプレスを破って抜け出してきたほどの怪力を持つ。
戦いの際のひらめきもピカイチで、相手の弱点や癖を瞬時に見抜いたり、普通では考え付かないような奇策を用いて幾度となく窮地を脱している。
戦いの最中に新たな技を編み出す事もあり、相手の技を真似た事もある。
戦いで大敗を喫しても諦める事はなく、強敵に勝つためならばどんな修行にも耐え、必ずリベンジをしている。

野生児」という言葉がよく似合う豪快かつ大胆な性格で、とにかくやる事が型破り。
礼儀と言うものを知らないので基本はため口。初期の頃は正々堂々とはほど遠い汚い手を使っていた事もある。ムサシが弟子に取るわけだ
人一倍仲間想いでもあり、戦いで仲間が傷ついていく事には耐えられない。
中でもさやかに対する想いは特別で、戦いを終えた後とかにたまにいい雰囲気になるが、照れくさいのか決まって刃のほうが茶を濁すためなかなか進展しない。

今までジャングルで育ったため一般常識がまるでなく、当初は日常でよく見る物の名前や使い方もほとんど分からなかった。
日本に来たばかりの時にはタクシーの運転手に「こいつ(タクシー)もお前が倒して家来にしたのか?」と尋ねたり、
さやかと一緒に中学校へ登校した時には「そーとーすげーヤツが住んでいそう」などと言って不安になっていた。
戦い以外で頭を使うのは苦手であり、計算はしょっちゅう間違え、人の名前もなかなか覚えない。
チキチキグランプリでスフィンクスにクイズを出された時には2万8459問連続で間違えたので「頼むから当ててくれ」と泣きつかれていた。
ちなみに日本に来るまで女性を見た事がなく、さやかと初めて会った時には彼女の体をあちこち触り、会う女性に片っ端から抱きついていた
そんな出自故に最初の頃はスケベな本には無関心であったが、徐々に女性の裸にも興味を持つようになり、
いつしか武蔵や小次郎共々嫌らしいスケベ顔を披露するようになった。
本人曰く嫌いなのは猿とゴリラ。因果関係はないが鬼丸軍団の中で一番苦しめられたのも日本猿と合体した松尾芭蕉だった。

父の剣十郎は刃をそのまま大人にしたような人物で、剣の達人ではあるがいい加減な性格。
母親は剣十郎曰く「ジャングルでライオンに食われた」そうだが…


活躍


  • ジャングル~学園編
剣十郎と共にジャングルで暮らしていたある日、パイナップルを詰め込んでいた木箱の中に剣十郎、カゲトラ(この頃にはまだ名前がない)と一緒に落ちてしまい、
そのまま梱包・空輸されて日本の成田空港に降り立った。
そこでたまたま来ていたさやかと出会い、剣十郎の一存で峰家に転がり込む事となる。
数日後にはさやかの通う中学校に行き、そこで早速問題を起こすもなんやかんやで入学した。
そしてそこで剣道の達人の鬼丸猛と出会い、剣道で叩きのめされた後は彼を一方的にライバル視するようになる。
しかし鬼丸に相手にしてもらえなかったので、彼の防具を盗んだり落とし穴に落としたりして彼を怒らせる。
戦いの中でも、土管を投げつけたり彼の頭に噛み付いたりするなど卑怯千万な事をするが、勝負はつかず終いとなった*1

  • 風神剣、雷神剣登場~国会議事堂決戦編
鬼丸に勝つために剣の特訓をしているある日、風神剣によって鬼と化した鬼丸が現れ、圧倒的な力の前に敗れてしまう。
その後、剣十郎から雷神剣の事を聞くと、さやか達と一緒に天狗岳に向かい、そこで伝説の剣豪・宮本武蔵と出会った。
雷神剣に伝説のサムライだと認められ、それをあっさり抜いた後はすぐに鬼丸を倒すために鬼丸城へと向かう(すぐにUターンしたが)。
天狗岳に戻った後は、鬼丸の刺客を倒しながら東京へ向かい、ゲロ左衛門や佐々木小次郎などを仲間にしながら雷神剣の力に取り込まれないための修行を続ける。
鬼丸城での決戦では雷神剣の力と必殺技の雷斬りを駆使し、鬼丸の風神剣を折る事に成功。
だがその後で鬼丸に雷神の玉を奪われ、いずこへと逃げられてしまった。

  • 玉収集~富士山決戦編
鬼丸に雷神の玉を奪われ、空飛ぶ鬼丸城に乗り込む手段もなかったため、新たな力を得るために伝説の玉「龍神の玉」を探し求める旅に出る。
日本全国に散らばる玉を集め、その道中で新たに柳生十兵衛光厳も仲間に加える。
7つの玉を集めた後は富士山で龍神の試練に挑むが、そこで仲間が次々と死んでいき、遂には1人となる。
だがそれこそが龍神の与えた「心の試練」であり、その試練を乗り越えた後で仲間と再会し、龍神に認められてようやく龍神の玉を手に入れた。
その直後に鬼丸に決戦を挑み、互角の勝負を繰り広げるのだが…

  • 月の女王かぐや編
鬼丸との決戦時に、からかぐやが襲来。ある理由で龍神を目の敵にしているかぐやに追い回される。
かぐやが真の力を出す前に突然苦しみだしたため、その隙に東京まで逃走し、体力をつけるための修行をする事になる。
しかし、ひょんな事で鬼丸とかぐやが激突している事を知り、修行を放り投げて彼らの勝負に乱入した。
その最中、鬼丸がカーボンフリーズ砲で一瞬にして固められてしまい、彼を拾っている好きにかぐやを逃がしてしまった。
その後は東京に襲来するかぐや一味を次々と退けていくが、ベイブリッジでの戦いでゲッコーの持つ魔王剣の力に敗れ、さやかを連れ去られてしまう。
かぐやに対抗するために武蔵の意見を受けて鬼丸を復活させ、彼と協力してかぐやに決戦を挑む。
鬼丸との合体技「風雷波」でゲッコーを撃破し、囚われのさやかを救出しようとするが、
その前にかぐやがさやかのエキスを吸収してしまい、さやかは老婆の姿となってしまう。
変わり果てた姿となったさやかは「お願い刃…見ないで…」と涙するが、そんな彼女に向かって…


好きだぜさやか…

これからも
ずーーっと
ずーーっと、

大好きだからな!!


…と笑顔で言い、真の姿となったかぐやに最後の勝負を挑んだ。
途中でかぐやは地球と一体化してしまい、龍神の最後の力を使わなければ勝ち目がないところまで追いつめられる。
最後の力は地球をチリにしてしまうほどの強大な力であり、それを撃つ事を思わずためらうが、
鬼丸の「あれは地球ではない…きさまの女を老婆に変えた化け物だ…」という言葉で目を覚まし、本気の一撃をかぐやに打ち込んで遂に勝利を収めた。
その一撃でかぐやを封じ込める事に成功し、さやかも元の姿に戻る。
そしてさやかにさっきの言葉について詰め寄られるが、「武蔵も小次郎も十兵衛もゲロ左衛門もみーんな大好きだ」と言って誤魔化したので、
さやかからゲンコツとビンタを食らう事となった。

  • 中編連作時代
鼠に薬を盛られてさやか共々小さくなってドラ猫軍団と大捕り物を繰り広げたり(この時は天井裏を砦にして戦うなどかなり策謀を巡らせている)、
蕎麦屋の坊主…ではなく大和撫子と再会したり、ナマコ男と共に過去に飛んで若かりし日の武蔵に余計なことをして消滅しかけたり、
過去改変を防ぐために巌流島で小次郎と闘ったりと様々な冒険を繰り広げる。

  • 地底人出現編
さやかと買い物をしている時に大地震に遭遇。その直後に岩男に襲われ、全治一ヶ月の怪我を負う。
岩男を十文字斬りで撃破した後は、謎の少女灰原哀エメラルドと遭遇。彼女に導かれて関東平野に突如現れたピラミッドに行く事に。
ピラミッドの主である地底人の目的は地上の制圧であり、それを阻止するために刺客を倒しながら地下帝国へと突入した。
戦いの最中でエメラルドを失った後で、地底人と手を組んで巨人を操っていた黒幕が鬼丸であった事が発覚。
鬼丸に裏切られた地底人を救うため、そして二度とエメラルドのような悲しい戦士を生ませないために、鬼丸の残していった巨人・ゴールドに戦いを挑む。
戦いの最中で風神剣と雷神剣が融合し、覇王剣が誕生。ゴールドを撃破した後は地底人に感謝され、地上に現れたピラミッドも地中へと戻っていった。

  • ヤマタノオロチ最終決戦編
久々に中学校に登校するが、初日に鬼丸の新たな刺客と遭遇。
峰家で別の刺客と戦った時に、鬼丸が日本各地の8つの封印を解除していっている事を知り、それを阻止するために再び旅立つ。
その旅で自分がスサノオの血を引いている事が判明するが、力及ばず封印を全て解かれてしまい、日本列島が巨大なヤマタノオロチと化して襲い掛かってくる。
ヤマタノオロチに敗れた後は地底人に助けられ、対抗するために地球に封じ込めたかぐやを復活させ、さやかに封じ込める事になる。
かぐやと化したさやかの協力でヤマタノオロチの上に舞い戻り、そこで待ち受けていた鬼丸と最後の決戦を繰り広げる。
覇王剣と魔王剣がぶつかりあったため激しい戦いとなり、覇王剣が砕け散った後も自らの闘気を刃に変えて魔王剣にヒビを入れる。
しかし全力で戦っているうちに徐々に限界が近づき闘気も小さくなってしまうが、それでも諦めずに鬼丸に立ち向かう。
それに驚愕した鬼丸に「なぜそうまでしてオレにたち向かってくる!?」と問われると、傷つきながらも笑みを浮かべてこう答えた。

オメーが強えーからだよ…

そして闘気を一瞬消すことによって鬼丸に隙を作り、鬼丸の角を斬ってようやく勝利する。
その後はオロチの角を斬って日本を元の姿に戻し、かぐやが抜け出したさやかと無事再会。鬼丸もこの戦いによってようやく正気に戻った。
最後の仕上げに覇王剣を大地に突き刺してオロチを封印するが、オロチの向きを全く考えていなかったので日本が逆さまになってしまった。

  • 織田信長御前試合編
日本剣道選手権大会に出場し、危なげなく優勝して全国制覇を果たす。
その後、目の前に諸羽という少女が現れるが、諸羽に「あなたは本当のサムライじゃない!」と断言され驚く。
諸羽はとある財閥のお嬢様であったが、なんと彼女は刃の妹でもあった。
そして死んだと思っていた母親が実は生きていた事を知り、大グループの跡取りであった事も発覚。
しかし諸羽が「あなた(刃)は父の名を騙るその人(剣十郎)に攫われて育った」
その母親・美智子が「あなた(諸羽)の父親はあの男(剣十郎)に殺された」などと剣十郎の事を罵ったため、
彼に確かめるまで諸羽が実の妹である事や母親が生きている事を信じようとはしなかった。
そして剣十郎に会えるという諸羽の話に乗り、織田信長御前試合への出場を決意。後に美智子と再会するが、彼女が止めるのを振り切って屋敷を出て行こうとする。
その時に彼女から剣十郎(美智子の死亡したとされる夫)が愛用していた木刀を譲り受け、会場のあるヨロイ島に向かった。

大会では世界中から集まった様々な戦士達と対決。六代目沖田総司やかつての仲間である十兵衛などの強敵とも戦い、辛くも勝利を収める。
そしてようやく剣十郎と再会するが、決勝戦の相手は永遠のライバルである鬼丸であった。
鬼丸にはかつてのような鬼の力は残されていなかったが、剣十郎の元で修行を積んでいた事もあり、(純粋な剣技は)これまで以上に強くなっていた。
鬼丸のすさまじいパワーの太刀を目の当たりにした事で、初めて真の強敵が目の前に立ちはだかる事への恐怖を覚える。
恐怖を感じた途端戦意を喪失して逃げるようになり、終いには誰と戦っているのか分からなくなるほどまでに錯乱するが、
さやかの応援を聞いた事で闘志に火がつき、極限まで闘気を上げてそれを鬼丸に叩き込み、純粋な剣の腕だけで遂に鬼丸に勝利した。
その後剣十郎に「強くなったな…」と認められ、美智子が自分の母親である事と剣十郎が諸羽の父親である事が判明する。
そしてさやかといつものように喧嘩しながら、家族と一緒に自分の生まれた鉄の屋敷へ帰るが……

  • エピローグ
屋敷へ帰った後、すぐに仲間達と新たな旅へ出る。
その後3年間何の音沙汰もなかったが、何の前触れもなくさやかの通う高校へと現れた。
この3年間で身長が急激に伸びたので、さやかを見つけて開口一番に「オメーずいぶんチビになったな」とボケをかます。
そして現在変な洞窟ですごい化物と戦っている事をさやかに伝え、「来るか?」と彼女を誘う。
さやかはを浮かべながらその誘いを了承。
旅で新たに見つけた魔剣クサナギ*2に乗って、化け物のいる火星へと向かっていった。


他作品において


番外編『刃vs快斗の巻』に登場。
世間を騒がせる怪盗キッドが峰家の宝刀を狙うと予告状を出したので、それを守るためにキッドと対決する。
得意の剣技でキッドと宝刀争奪戦を繰り広げるも、途中で鬼丸一味が邪魔をしたため勝負はつかなかった。それでも一応宝刀は死守している。

作中作の主人公として何度か登場。
そして『紅の修学旅行』File.1005「濃紅の予兆」では、顔ははっきり書かれていないが沖田が惚れている少女(諸羽)の兄として成長した姿で久々にサンデー本誌に登場した。
ちなみにOVA版では主人公の江戸川コナンと共演を果たしている。
余談だがDVD-BOXの外箱やコナンの単行本のおまけページで久々に描かれた時には、コナンの影響で頭のよさそうな顔つきになっていた(この事に関して作者自身もツッコミを入れている)。


主な技


  • 旋風剣
玉無し雷神剣に指を入れ、剣をクルクルと回す。
すっぽ抜けるとかなり危険だが、結構使い勝手がいいため序盤はよく使用されていた。
ちなみに名付け親は武蔵だが、最初は「扇風機みたい」と不評であった。
しかし好評だったゲロ左衛門案「ヤイバローリングサンダースペシャル」なる長い名前を刃が発音できなかったため定着。

  • 雷斬り
雷のようにジグザグに切りつける技。
玉の無い状態の時に使われる事が多い。

  • 土砂降り斬り
上から峰家にある大量の刃物を落とす。とてもヒーローの技ではない。にしてもなぜ峰家にそんなに大量に包丁ナイフがあったのか…。

  • 風車
剣を大きく振りかぶった後で剣を足で挟み、足を放す事で勢いをつけて手裏剣のように回転しながら突撃する。
水車に刺さった剣を引き抜く時に偶然生まれた技。

  • 風雷波
刃の雷神剣と鬼丸の風神剣を使って繰り出す合体技。
金棒博士曰く「銀河を貫くパワー」を誇り、一撃で大都市や島を吹き飛ばす威力を誇る
(本人のセリフによれば日本列島そのものを破壊可能な)ゲッコーの半月剣をも跳ね返した。

  • 十文字斬り
風神剣と雷神剣のパワーを剣先に集中させ、二刀流で十文字に切り裂く。
パワーを溜めるのに時間がかかるが、その威力はダイヤモンドすら砕くほど高い。
『からくり剣豪伝ムサシロード』というアニメで似たような技が出ていたのは禁句だ。

  • 横一文字
かつて鬼丸が生み出した居合の究極系。
腰だめに降りぬくと同時にかまいたちを巻き起こし射線上数mに渡って対象を切断する。
斬撃を飛ばす技ではなく間合いを伸ばす技のため避けるのが難しい。
魔王鬼丸が使ったのを見て御前試合決勝で使用したが、鬼丸や沖田のと比べるとどこか「飛ばす」ことに重きを置いているように見える。
青山先生が描くのが面倒だったからとか言ってはいけない

  • 闘刃
剣の道を極めた者が極限状態になった際に生み出すと言われている幻の刃。
幻なので実体はないが、相手が達人であればあるほどその幻に惑わされ、本物の刃を見失ってしまうという。
その正体は闘気そのものであるため、刃は土壇場で横一文字と組み合わせ、幻ではなく自身をブーストする使い方を編み出した。





「いくぜ必殺!!追記・修正剣!!」


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最終更新:2024年04月11日 13:14

*1 アニメ版では噛み付いた後に鬼丸の頭を竹刀で叩いている

*2 前述の通り日本列島=ヤマタノオロチのため、草薙剣そのものであるという説もある