コピーロボット

登録日:2017/12/26 Mon 15:16:11
更新日:2024/04/05 Fri 19:29:05
所要時間:約 6 分で読めます




「パーマン」に出てくるよー
コピーロボットって ありゃ便利だよなあ~
いたらいいよなあーって思うよなあー




コピーロボットとは、複数の作品に登場するロボットの事である。


藤子・F・不二雄作品に登場するコピーロボット

◆『パーマン

恐らくこの世で最初にこの単語を使った作品。

パーマンはバードマン(連載時にはスーパーマン)によって地球人の子供たちがパーマンセットを与えられたことで変身するのだが、
当然ながら変身中に「その人物」は抜け出したことになるため、正体がすぐばれる危険性がある。
故にバードマンはパーマン変身者にはこれを与え、替え玉にしているのだ。

元々のコピーロボットは白い人形(白黒版OPでも「白いロボット頼んだぞ♪」と言う歌詞がある)で、小脇に抱えねばならないほど大型だった。
また、初期のコピーロボットは後述する鼻が黒く、変身後もウッスラ残ってしまうため、「鼻にスミが付いている」と勘違いされることもあった。
80年代に連載が再開された際には鼻は赤色に統一され、更に使わないときはリカちゃん人形サイズまで、
藤子作品で例えるとバケルくん一家より少し大きめくらいのサイズまで小さくなる機能も付属することになる。
03年版のアニメリメイクでは更に各パーマンごとに色違いとなった。

コピーロボットの使い方は極めて簡単で、鼻のボタンを押せば使用者の姿に変身する
押し方は何でもよく、足で蹴っても、棒きれで叩いてもそいつの姿に変身するのだから便利である。
押されたコピーロボットは押した者の姿や声は勿論、人格・記憶・運動能力を全て模倣する。
ブービー(チンパンジー)や動物園のゴリラであっても模倣は可能である。
また2人で同時に一つのボタンを押すと、不安定にどちらかの姿に変わったり、2人の特徴が混ざった姿の珍妙なコピーが誕生する。
変身を解除するには鼻を押せばよく、これは誰がどう押しても元に戻ってしまう。
そのため作中では事あるごとに勝手に鼻を押してしまったり、第三者に押されたりすることで元の人形に戻っており、
怪盗千面相に顔面パンチを2連続で受けた際には「みつ夫」→「人形」→「千面相」と瞬間的に切り替わってしまい、
千面相本人のあずかり知らぬところで醜態をさらすハメになった。
こうした被害を防ぐべく、80年版では電子ロックが開発され、本人以外が鼻のスイッチを開錠できないシステムが考案された…がロックキーはバードマンしか持っておらず、特別休暇の時しか貸し出していない。

使用者はコピーロボットの額に自らの額をくっつけることで、互いの記憶を交換することができる(平成映画版では「記憶をロードする」と形容されていた)。
これにより、パーマン活動を行っている間の出来事を完全に把握できるという寸法であり、なかなか良くできている。

だがなんでもコピー任せでいいのかというとそうでもなく、例えばコピーが食事を済ませていたら主人は腹が減っても食事をしづらくなるし、
コピーが勝手に遊んでいたら主人にとばっちりが行く。
なおパーマン4号(パーやん)は自分のコピーに新聞配達や運送業の電話番等独自の仕事を与え、自らの事業の共同作業者として働かせている。

あと、コピーロボット自体にも人格はある。
特に作中最多登場のみつ夫のコピーはかなり自我が強いようで模倣された疑似人格通りのしゃべり方はするものの、バードマンに対して「あの人はスーパーマンの中でもおっちょこちょい」とすぐに暴露、主人のみつ夫に対して割と口答えしまくる、記憶のロードを「僕だけの思い出にしたい」と拒む、みつ夫とは違う女子に惚れてしまう(83年版アニメのみ)などかなりふてぶてしい(みつ夫本人もふてぶてしい所があるのでそこをコピーしたとも取れるが)。
またパーマンが作中で実写映画化された際にはみつ夫が「なんで僕に主役のオファーが来なかったんだ」とぶぜんとしている所に
「お前が出たら喜劇になっちゃうよ」指さして爆笑するという腹黒振りを見せた。
ちなみにコピーとは「コピー」「みつ夫くん」と呼び合っている。
例えば二枚目俳優・半寒色男に変身した際には、本物の色男同様にケチで腹黒い性格になり、主人のみつ夫に対し
「いつもどおり押入れで寝ろだと? ぼくはスターだぞ! おまえが寝ろい!」と逆に押し入れに蹴り込んだりしている。
(エピソード終盤で元に戻された際には「やめろ! 恥ずかしい」と黒歴史扱いしていた)
一方『パー子の秘密』で1号がパー子(パーマン3号)を自分のロボットでコピーさせ「マスクを取りなさい!(=素顔を見せろ)」と命令した時は、みつ夫コピーの自我でもパー子の心全てを模倣したためマスクを取らなかった。

なお、コピーロボットは服まで全く同一に変身できるため、変身者が何か片手に持っている状態でボタンを押すと、その所有物ごとコピーされる。
みつ夫はおつかいで渡されたお札を持ったままコピーした際に、そっくりそのまま渡されたお金がコピーされたのを見て大金持ちになれる!と大喜びして大量に増やしまくったことがある*1
ただしあくまで複製品なため、パーマンに変身した状態で(6600分の1まで力を抜いて)押したとしても、
いざ窓から飛び出そうとすれば何の飛翔力も無いまま投身自殺してしまうことになる。
これを利用して、パーマンセットをよこせと要求する爆弾魔にコピーされたセット一式を渡して事件を解決したことがある。
(もっともこれは80年版の設定であり、旧作では「オリジナルセットが弱体化する」という全く逆の設定になっていた。また1983年版アニメでは、パーマンに変身した状態で使用してもパーマンセットはコピーされなかった)

ちなみにコピーロボット自体は100%機械部品で構築されているため、肉体強度はロボットそのものである。
よって、注射しようものなら針がひん曲がり、胸に耳を当てれば歯車の音や起動中のパソコンのようなノイズが聞こえることになり、すぐばれてしまう。



最終回「バード星への道」では、みつ夫のバード星への留学が決まり、1号用コピーロボットは半永久的に替え玉となることが決まった。
果たして彼の任が解かれ、みつ夫が帰ってくる日は来るのだろうか?
答えは誰にもわからない。


◆『ドラえもん

あまり知られていないが、『ドラえもん』は『パーマン』の10年後が舞台である(共通して登場するアイドル星野スミレの年齢と彼女の秘密から)。
ドラえもんが生産された22世紀では宇宙の他の惑星との交流も盛んになっており(2040年代が舞台の『21エモン』もドラ・パーマンと同一世界である)、
もしかしたらバード星とも交流があるのかもしれない。

そんなわけで未来デパートでも地球産のコピーロボットが販売されており、
『ドラえもん』ではカラー作品集第2巻掲載『うらないカードボックス』にドラえもんの出したひみつ道具として登場している。
本エピソードが「小学1年生」に掲載された1981年はちょうど『パーマン』が連載されていた頃であり、いわばお遊びとして投入されたわけである。
作中でものび太が「パーマンが使ってる奴」と言っている。

また映画では『ひみつ道具博物館』にほぼ全ての道具が登場した為こちらの道具も登場している。が、どんな使われ方をしたのかはここには記載しない(ネタバレの為)。

原作ではあまり登場しないが、何分とても知名度が高いため、二次創作では頻繁に登場する。
『ドラえもん 発明発見大探検』ではママが「ありったけ出して」とドラえもんに頼み、3体もの複製を作ってのび太を叱っていた(笑)。
他にも日能研監修の『学習シリーズ』では『図形がわかる』と『マンガで覚える英語大辞典』*2に登場。


なお、未来デパートでは他にも「ヒトマネロボット」(命令した相手の人格・外見を完全模倣する。第三者が「アイツに化けろ」と言っても可)や
「変身ロボット」(キツネ型のとノッペラボーなのの2タイプ)が販売されている。
…なんだかいかがわしい気分になるのは立項者だけであろうか?

ケロロ軍曹』に登場するコピーロボット

ケロン人サイズの頭にマークが付いたのっぺらぼうの人型タイプが時たま登場する。てかまんまドラえもんのモノをデフォルメした物。

前期では鼻の部分にパーツが剥き出しな以外は見た目を精密に再現していた性能だったが、後期では鼻のパーツが無くなった代わりに顔の再現度が何故か大幅に低下。

やけにつり目だったり頭が尖ってたり、共鳴の発音もやたら独特になっていたりしているが、代わりに行動パターンは(危ない方向に)向上しているらしく、至る所で迅速に侵略を働き、あのガルル小隊とも互角に渡り合う程。
ただしこの手の作品のお約束として基本偽物だとバレない。

ロックマン』に登場するコピーロボット

初代ロックマンのワイリーステージ2に登場するロボット。恐らく元ネタは前述のパーマンやドラえもんに登場するソレ。
悪の科学者ドクターワイリーによって作り出され、3次元コピーシステムでロックマン(携帯アプリ版ではロールも)の姿に変身する。
こちらが使用する武器を完全に模倣した上、威力は2~4倍に跳ね上がっている(!!)のだが、いかんせんAIが極めて単純なようで、
F作品のコピーロボットに比べると知能は低い。
また、投げるブロックがないスーパーアームは色を真似するだけで何もできない。こちらも何もできないけど。

後発の作品においても、『ロックマン3 Dr.ワイリーの最期!?』では改良型と思われるドクロボットK-176が登場しており、
こいつは内部データを差し替えることで今までのロボットたちの戦闘力を模倣できるようになっている(作中では『2』のボス達を模倣していた)。
また同作ではコピーロックマンの2号機とも言えるホログラフロックマンズも登場しており、めんどくさいことにホログラフの幻影を2体も伴っている。ただし、こちらは特殊武器は使用できない。


ロックマンロックマン』ではワイリーステージ3のボスとして登場。
一人称は「俺」あるいは「俺様」。
自身もコピーである事を自覚しており、戦闘前会話では「よう、オリジナル」と切り出してくる。
また記憶もコピーしているようで、「他のロボットから武器を奪うなんてずるくねーか?」といった、オリジナルが言わないような本音や皮肉を口にする。

ロックマン以外のキャラクターで行くとそのキャラのコピーが現れ、相手によって「バクダン投げるだけなら誰にでもできる技じゃねぇか?」や「オマエ 熱くてウザイって煙たがられてるぜ?」など会話内容は異なる。
ちなみにロールでは「はじめまして! オリジナルのあたし! ふぅ~ん そっか ロックのことをね…ふふっ…」と意味深な言葉が聞ける。

この"偽ロックマン"はロック以外のキャラをPCに選んでも登場し、そいつが本来担当するステージのボスとして君臨する。
その際のキャラクター名は「ロックマン?」表記。
こちらでは本物のロックマンより青っぽい外見をしている。また本物より目つきが悪い。
更に首には紫色のマフラーを巻いていたり、こちらも一人称が「俺」(本物は「僕」)だったり、他にもいくつか細部が若干異なっている。
こうなるとコピーと言うか"偽ロックマン"とでもいうべきか。
操作しているキャラをワイリー軍団に引き込もうとするが、偽物と見破られたり、 偽者とは気づかないが ワイリーに興味がないという理由で断られたりして戦闘になる。
一方カットマンは完全に騙せているのに、何故か自分から偽物と話して戦闘になる。

また、最終ステージのボスたちはいずれもコピーロボットの変身したダミーである。ボスラッシュってそういうことだったのね。

有賀ヒトシの漫画におけるコピーロックマンに関しては「史上最強の敵(ロックマンメガミックス)」を参照。


ロックマンエグゼシリーズ』には「コピーロイド」という類似品が登場する。
ネットナビをコピーロイドにプラグインすることでナビと同じ姿に変わり、ナビは現実世界で電脳世界と同じように振る舞うことができる。
ロックマンエグゼ6において、終盤にはあるキャラクターのバックボーンを語る上のキーアイテムだったり、大量のヒールナビが現実世界を占拠するなどシナリオ上でも重要なギミックとして活躍した。


「フー、パトロールは疲れるや」
「おかえりみつ夫、君に言われた通り追記・修正しておいたぞー」
「ありがと~…ってこれ既存のテキストの丸コピペじゃないか! ちゃんと真面目に追記・修正してよ!」

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最終更新:2024年04月05日 19:29

*1 (その後パーやんに「泥棒と同じこと」と言われて全部処分しているが。後作中では触れられなかったが「コピー」という都合上同じ番号の札ばっかりになってニセ札になってしまうだろう。

*2 なお本書はのび太たちが中学生に成長した設定。