名探偵コナン 特別編

登録日:2017/12/26 (火) 07:02:18
更新日:2024/04/25 Thu 14:49:53NEW!
所要時間:約 8 分で読めます





名探偵コナン 特別編』とは国民的推理漫画「名探偵コナン」のスピンオフ作品である。


【概要】

本作は当初小学館の学年別学習雑誌(所謂小学〇年生という雑誌)の4・5・6年生で連載されていたが、3誌とも休刊となったため、現在は「月刊コロコロイチバン!」にて連載されている。

犯人安室のような人気キャラを主人公に据えたものではなく、内容的には「別の作家が描く『名探偵コナン』のアンソロジー」といった感じである*1
スピンオフながらかなりの長寿作であり、テレビアニメ放送開始の年から連載されている。
現在既刊として47巻まで出ており、44巻以降は複数のエピソードに跨がった長編シリーズとなっている。
ただし、月刊誌での連載の為、ひとつの長編シリーズを完結するには約1年かかる。

児童誌での連載という事もあって、表現は原作よりマイルド…かと思いきや、それらの表現は内容によって大きく異なり、遺体や殺害方法の凄惨さが原作以上どころか学習雑誌で連載しているとは思えないほどの事件も存在する。
原作やアニオリでもほとんど扱っていない動機や、未成年者の加害者及び被害者も登場しており、消防署や刑務所などのように原作では事件の舞台にならなかった場所が事件現場になった例もある。

なお、「犯人が推理で追い詰められて自殺する」という結末に関しては原作と同様に扱っておらず、犯人の自殺を食い止めようとするエピソードも存在するが*2、殺人事件ではなく実は自殺だったというエピソードは存在する。
また、主要キャラクターの設定が原作と異なる事もしばしある。

ゲストキャラの特徴として、名前に関しては原作とは違って法則性はほとんどなく、某推理漫画のように苗字や名前を当て字風にした人物が多く、名は体を表すような人物もいる。
話によっては前編で名前が出ず、後編開始時のあらすじでいきなり名前が判明する場合もある。
また、未成年者、マフィア、政治家、外国人キャラも本編以上に登場している。

原作に比べて季節ネタの制約が緩く、バレンタインデーやクリスマス、雛祭りや七夕などの季節イベントが何度も繰り返されている。
原作と異なり、単行本未収録の話もわずかながらに存在している。
一例:コナンが子供の姿のままで台湾に行く未収録話が存在する。原作でも言及されているが、偽名である故に戸籍のないコナンではパスポートを発行できない。ただし、学習まんがシリーズではスイスやエジプトに行っており、灰原も一緒にスイスに行っている。
その一方で、蘭に正体を疑われたコナンに代わり、読者が犯人を推理するという、未収録でもおかしくない懸賞用の漫画までもが加筆・修正された上で収録されている。
また、スポーツネタに関してはサッカーネタが圧倒的に多い。

地名や建物に関しては、基本的に架空のものが多いもののイニシャルだったり実在するものが登場した例もある。
また、原作にも登場する杯戸町が読者の年齢に合わせてかハイド町とカタカナで表記されたこともある。


【作者と作風】

第1巻、2巻、6巻、11巻、14巻、19巻、22巻、25巻の計8巻を担当。

青山のアシスタントであり、原作でもモブキャラを描いている。
その為か初期の原作に負けず劣らずの遺体のグロ描写がされていたり、事件そのものや人間関係も複雑なもの、陰惨でドロドロした展開が目立つ。
その一方で、被害者が生存しておりその命を救うために奔走するというエピソードや、家族の絆を描いた感動ストーリーもあり、ギャグ的な表現もわりかし多い。
サブタイトルについては「消えた男」「殺意」等、単語のみ等のシンプルなものが多く、原作漫画のサブタイトルの付け方に近い。
中には「誘拐」等、2回使われたサブタイトルもある。
しかし連載後半になってくるとアニメ版のようなタイトルが多くなっていった。

変わったところでは「別冊付録収録の懸賞用漫画」という、後年は日の目を見る事があまりないであろう代物に加筆修正して独立したエピソードとして成立させた作品も存在する*4
ゲストキャラに関しては外見的にも性格的にも個性的なキャラクターが多数登場している。なので劇場版やアニオリに負けず劣らずのトチ狂った犯人や豹変する犯人も出てくる。その中には回りくどい上にはた迷惑な方法で自殺する老俳優やピッチリスーツでナイスバディな女怪盗(残念ながら顔は暗視ゴーグルで隠れている。が、言動は結構カワイイ)に加え、中国マフィアのトップ直属の暗殺者という出る漫画を間違えてるんじゃないかという相手もいてバラエティー豊富である。

その他の特徴として、コナンが単独で行動し事件に遭遇→1人で解決する展開も多く、その為レギュラーキャラがコナン1人しか登場しない作品もある*5
また、犯人などのゲストキャラに名前が設定されていない作品もあり、後述する2作品はアニメ化された際に名前が設定されたゲストキャラがいる。
容疑者が1人しかいない倒叙ものが比較的多く、そのほとんどでコナンは容疑者の事を「お前」や「ヤツ」と乱暴に呼んでおり、事件が発生していない段階でも相手(ほとんど犯人)にやや乱暴な口調で接する事もよくあるものの、その一方で犯人の事情を汲んで無邪気な子供を装って自首を促すケースも存在する。
蘭がコナンの正体を疑うエピソードもいくつかある。

現在は『名探偵コナン歴史まんが 日本史探偵コナン』シリーズの一部の作品を担当している。

第3巻、4巻、8巻、9巻、12巻、15巻、17巻、20巻、23巻、26巻、29巻、31巻、33巻、35巻の計14巻を担当。

当初は少女漫画のような絵*6だったが、だんだんと原作に近い絵になってゆき、平次等の準レギュラーキャラも登場するようになり、学習まんがシリーズに登場したオリジナルキャラが特別編に登場したり、一度登場したオリジナルキャラが再登場した話もある。
その画風に違わず、新一と蘭のロマンスを思わせる描写も多い一方で、そんな絵柄からは想像も出来ないグロい殺し方やマジキチ犯罪者が跋扈する、山岸版とは別ベクトルのトラウマメーカーと言える。
22件以上の高級車連続放火事件を発生させて米花町を1エピソード内で世紀末都市化させたこともあり、「(じいさんに本気の愛を告白したのに)若くて美しい私をフったから殺した」と自画自賛しながら動機を語るヤベー女や、死体を薄切りにして本にしたコエー女、犯人と被害者の双方が未成年という原作やアニオリでは恐らくやらないであろう「特別編」ならではの事件もある。
黒の組織が登場するシリアスなストーリーや、環境問題や若者のマナーに対する批判等社会風刺ネタも多い。
その2つが合わさった結果、風邪がいかに危険な病気なのかをウォッカに解説するジンというシュールな光景が繰り広げられた事も。
比較的、科学知識を生かしたトリックが使われる傾向にある。
逆輸入と言うべきか、何気にココで使われたトリックと同様の物が原作で割りと重要な役所として登場していたりする。


現在は主に劇場版のコミカライズや学習まんがシリーズ*7を担当しており、『ルパン三世vs名探偵コナン』シリーズのコミカライズも担当した。
阿部&丸版には、かつて『ゴルゴ13』の脚本スタッフだった平良隆久氏もプロットとして参加している。

第5巻、7巻、10巻、13巻、16巻、18巻、21巻、24巻、27巻、28巻、30巻、32巻、34巻、36~48巻の計26巻と最も多くの話を担当している。
あの『名探偵コナン 推理ファイル 昆虫の謎』を描いているのもこのコンビ。

特に少年探偵団の出番が多く、殺人以外の事件や宝探し等といったゲーム感覚の謎解きが多く、殺人事件が一度もなかった巻も存在している。
その関係で怪盗キッドの出番も比較的多いが、長編シリーズとなった44巻以降は45巻を除けば毎回ではないものの登場頻度が急激に増え、登場キャラが同じだったり、似たような展開も多くなっている*8
話の数は多いが、基本的にひとつのエピソードを解決するのは2話以上かかり、短編エピソードが他2組と比べても少なめである。
強盗団や窃盗団といった感じの犯人グループが登場しやすく、男女の犯人グループも比較的多い。
ゲストキャラの特徴として、髪型やカイゼル髭等の特徴的な部分を持っている人物が多く、デザインも上記の阿部&丸版が原作に近い絵なのに対し、こちらはアニオリに近い絵といえる為、美人のゲストキャラが登場しやすい。
歩美が一軒家に住んでいたり、本来は捜査二課が担当するような事件を何故か目暮が担当など、原作とは乖離した設定が他2組の作品より多く組み込まれている。
また、主要キャラのそっくりさんが登場した事もある。
かつては元太、阿笠、目暮といったぽっちゃり体型のキャラを普通にぽっちゃり体型として描いていたが、徐々に細身の体型で描く様になった。(それでも他のキャラよりは太めの体型ではあるが)
特に元太は顔以外、他作品の元太の面影が無い程の痩せている体型となっている。こっちの方が小1男子の体型としては自然な形と言ってはいけない。

現在は主にコロコロイチバンでの連載を担当しており、現状明確に「特別編」の連載を続けている唯一の作者となっている。
なお、初期は太田勝と江古田探偵団名義であり、今の名義になったのは16巻からである。


【登場人物】

ご存知迷宮なしの名探偵。
主人公だからなのか基本的に原作からキャラはそこまでぶれていないが、他のキャラの呼び方が原作と異なる事がしばしある*9
自分から「俺たちは少年探偵団だ」と名乗る等、(メタ的に言うならば)低年齢層の読者を意識した行動をとる事もあれば、サッカーの日韓ワールドカップの時期に連載されていたエピソードでは、工場見学中にイヤホンをつけながらサッカー中継をラジオで聞くという某警察官のような行動をとるといった事もある。
また、状況によってはゲストキャラを眠らせ探偵役にする事もある反面、新一としての活躍は回想含めてほとんどないが、中学生の頃に単独で事件を解決したエピソードは存在する。これが最初の1ページじゃなかったのか?
最初からコナンとして活動しているので、そうなった経緯は単行本のあらすじでのみ語られている*10。一応、山岸版や阿部&丸版の第1話にあたるエピソードで高校生から幼児化してしまったと軽く触れられてはいる。

山岸版ではレーズンが嫌いという設定が、第2巻に収録されているおまけ漫画『名探偵の憂鬱』で描かれている。これは青山氏がレーズン嫌いである事が由来であり、それを理由に山岸氏はこの設定は間違っていないと確信しているとのこと*11
必死の形相でパンからレーズンをほじくり出したものの、それが見つかって残すことを咎められて結局食べさせられ、口の中に広がるレーズンの甘ずっぱい汁に苦悶の表情を浮かべる……という、コナンのリアクションは青山氏を参考にしたという。

なんでも食べないと大きくなれないよ。
(なるか!!こんなモンで!!)

今のところ、この設定は原作に逆輸入されてはいないが、アニメ版『サクラ組の思い出』ではこの設定を受けたような台詞が存在する。

ご存知ヒロイン。
キャラは概ね原作通りだが子供向けという事もあり、元々高かったパワーは更にオーバーな表現をされており、ビルの天井(床)を破壊した事もある。
太田&窪田版はアニオリでもあまりなかった格闘シーンがよく描かれていたり、阿部&丸版の学習まんがシリーズではコナンに蹴りを入れた事もある。
原作では毛利家の家事を任されているが、特別編の初期の頃に料理が下手と言われていたりしていた事もあるなど原作とは異なる部分もある。
原作では一回だけだった電話による探偵役をもう一度引き受けている。
また、命を狙われたり殺人犯として疑われるといった原作やアニメ版でもほとんどなかったような事も描かれている。
阿部&丸版の初期は言動が少し幼かった。

ご存知迷探偵。
こちらも原作通りヘッポコぶりを発揮する。
話によっては、運動音痴になっていたり、パソコンの電源の入れ方すら知らなかったり、歯の治療でジタバタするなど原作以上に頼りない一面を見せる事もあるが、やるときはちゃんと決めてくれる所も原作と同じ。
しかし、家族である蘭や英理がピンチの時に能力を発揮しなかったり、初期のエピソードでは40代にされたり、一人称が「ワシ」になってたりと原作とキャラが大きくぶれている。
阿部&丸版ではコナンからの評価がやたらと辛辣な他、呼び方が「おっちゃん」*12、蘭からは「父さん」と原作と異なる呼ばれ方をしていたり、警察学校時代の同期がFBIにいたというエピソードもある他、刑事時代に捕まえ損ねたという、詐欺師から宝石泥棒に転職した伝説の怪盗と顔見知りだったりする。刑事時代は当時警部補だった目暮と共に捜査一課に在籍していたはずなのだが。
また、同級生に某推理作品の主人公と同姓同名の人物がいる。

ご存知天才発明家。
子供向けということで原作以上のトンデモ発明を披露。中でも第1巻『誘拐』に登場した「ノート型電子マップ」は時代を先取りしすぎと話題に。
「なんでもあけーる」という、名前で察せられる通りの使用目的と方法で、言い逃れ不可能なレベルで犯罪としか思えない発明品も登場
また、阿笠の学生時代の親友が殺された事件では口パク無しで事件を解決する活躍をしたこともある。

ご存知少年探偵団。
読者の目線と最も近いからか、コナンと共に主役級の活躍をすることが多く、元太と光彦に至っては本作オリジナルの黒の組織のメンバーの撃破に貢献するという偉業を成し遂げている*13
また、歩美と光彦がほとんど登場せず、コナンと元太のコンビで事件を解決するエピソードもいくつかある。
しかし、光彦にはダイイングメッセージが「光」だった為、殺人容疑が割りとガチにかけられてしまうという*14、色々な意味で恐ろしいエピソードも存在する。
特別編独自の設定として、山岸版の円谷家は別荘を所持していたり、太田&窪田版の歩美は沖野ヨーコのファンだったりする。

ご存知哀ちゃん。
太田&窪田版には16巻から本格的に登場しているが、阿部&丸版での本格的な登場は23巻と後半のほうであり、山岸版には登場していない*15
クールな性格は相変わらずだが、黒の組織の出番も少ない事もあり、作風もあって原作よりも表情は穏やかである。
扉絵では他の探偵団メンバーと共にコスプレしてる姿が印象的。
また、コナンに対する恋心を明確に描かれている*16

阿部&丸版の学習まんがシリーズでは「コナン&蘭&小五郎&灰原」や「コナン&阿笠&灰原」の組み合わせで遠出(旅行)というアニメ版では描かれた事がないエピソードもある。

ご存知蘭の親友。
そこそこの頻度で登場しているが、初期の頃は知り合いにおねだりをするなど性格が原作と異なる点もある。
初期の頃は彼氏探しに熱心だが、後に原作通り京極と恋仲になっているが、京極と全くの別人だと知らずに格闘技イベントのチケットを取った事も。

ご存知西の高校生探偵とその幼なじみ。
平次は太田&窪田版でそこそこの頻度で登場し、阿部&丸版にも登場した事がある。
原作ではコナンから「服部」と呼ばれているが、太田&窪田版では「平次」と呼ばれている事が多い。
たまに一人称が「ワイ」となり*17なんJ語コテコテの関西風になる事もある。
逆に平次とのセットで原作に登場する和葉は殆ど登場せず*18、阿部&丸版で数回登場したくらいである。

スキューバダイビングによる捜査中に犯人の妨害工作で岩に脚を挟まれ、身動きを取れなくなった和葉に口移しで空気を送りドヤ顔を決めた事もあるが、その後の原作でのヘタレ&ヘッポコ具合を誰が想像できたであろうか。

ご存知、月下の奇術師で平成のアルセーヌ・ルパンにして令和の魔術師(ウィザード)というサザエさん時空最大の被害者
彼も太田&窪田版でそこそこの頻度で登場し、原作と同じく抜け目ない人物として描かれている。
宝石とは別に相手の悪事を暴く為に現れることもあれば偽物の挑戦状でわざわざ現れる場合もあり、長編シリーズとなった44巻以降だと45巻『神の名はK』シリーズ以外に登場している。アニオリより特別編のほうが出番の多い珍しいキャラ。まあ本当の意味での原作も止まってるけど。
変装しても割とボロが出てバレるが、コナンにヒントを出してわざとバラしているところも多く、正体を明かすのは大体解決編が終わってから。
また、脱出する時は変装しながら逃げる事もあり、中にはクリスマスツリーに仮装しながら逃げる事もある。
体型が似ているからか平次に変装する事も多いが、蘭や園子に変装する事もある*19

ご存知警視庁捜査一課の刑事達。
アニメオリジナルエピソードと同じく、事件が起こると出てくるのは大抵この2人だが、大抵はどちらか片方が登場する場合がほとんど。
太田&窪田版の紹介でも述べたが、たまに課を飛び越えて事件の捜査に当たったり、他県の捜査に当たったりした事もある。
目暮は高級車連続放火事件の現場付近で不審なパトカーが相次いで目撃された為、犯人が警察官なら責任を取らねばと辞表を胸に忍ばせて捜査に当たった事も。何故かその辞表を他の人に代わりに出してもらおうとしていたが。

山岸版での出番は少なく、代わりにオリジナルの刑事が捜査を担当する事が多い。

ご存知警視庁捜査一課のマドンナ。
登場頻度は少なく、太田&窪田版にたまに出てくるくらい。
高木とのコンビで登場しており、それぞれが花婿と花嫁の衣装で犯人を確保した事もある。
なお、白鳥任三郎千葉和伸などのメンバーは出てこないかモブ役での登場が殆どである。

ご存知警視庁捜査二課の警部。
阿部&丸版では原作通りキッドの事件の担当だが、太田&窪田版では出番を目暮に取られており、特別編43巻に収録されている『氷塊の奇術師』でようやく登場した。
娘の青子は特別編に登場した事はないが、山岸氏が作画を担当した「歴史まんが」に登場した事がある*20

ご存知群馬県警のヘッポコ警部。
太田&窪田版では地方へ行くと何故かよく出てくる。つまり、群馬での事件も発生しやすい。
本作では原作以上のヘッポコとなっており、コナンに心の中で「お前」と呼ばれるなど原作よりやや扱いが悪い。原作でも扱いがいいと思えないとか言わない。

大阪府警のメンバー。
大阪を舞台にした事件で登場するが、隣の京都で発生した事件でも捜査責任者として登場している*21

ご存知法曹界のクイーン。
登場頻度は多くないものの、主に太田&窪田版に登場している。
トリック再現のためにスーツのボタンを外して使用し、その結果胸が露になるという、掲載誌の対象年齢的に大変けしからん大胆な真似をしたことも。
小五郎に惚れ直すも、最後は小五郎の失態でいつもの関係に戻るのがお約束となっている。
小五郎と英理が寄りを戻してそのまま話が終了した場合は原作に影響を及ぼしてしまうという理由だろう。
秘書の栗山緑も登場した事がある。

ご存知帝丹小学校1年B組担任。
英理と同じく登場頻度は多くないが、コナン達の担任である為、出番はそこそこある。
特に阿部&丸版の実質最終巻といえる35巻には連続して登場した事もある。
山岸版での性格は、原作初登場時に近かった。
帝丹小校長の植松竜司郎も登場した事がある。

ご存知黒の組織のメンバーにして最大の宿敵。
だが、原作との整合性があるためか殆ど出番がなく、それ以外の組織メンバーもベルモットがコナンのイメージ内で1コマだけ登場したくらいである。
その代わりオリジナルの組織メンバーや、意図せず彼らに似た格好をした偽物がよく登場している。
オリジナルの組織メンバーは劇場版と同じく、生き残った場合は原作に大きく影響を及ぼしてしまうので、最後は死亡するか完全な記憶喪失かになっている。


他にも、沖野ヨーコ榎本梓といったサブキャラクターも多数登場しており、推理力が作中でもトップクラスの工藤優作が登場したエピソードもある。
ただし、アニメオリジナルエピソードと同様に登場不可能な赤井秀一世良真純などの重要人物は未登場となっているものの、例外として安室透は黒の組織の「バーボン」や公安警察の「降谷零」じゃなければ問題ない為か、特別編ではなく「歴史まんが」に登場しており、赤井の弟で世良の兄である羽田秀吉も棋士である為かこちらも「歴史まんが」に登場している*22

また、小五郎の麻雀仲間のような原作で一度しか登場していないマニアックなキャラクターも登場している。


【主なエピソード】

○山岸版

  • 消えた男(第1巻収録)
特別編に収録されている記念すべき最初のエピソード。
コナンが小五郎をうまく誘導してペンションで発生した殺人事件を解決させている。

  • 誘拐(第1巻収録)
アニメ版『誘拐現場特定事件』の原作となったエピソード。
光彦がレシーバーで他人の電話を盗み聞きしたり、時代を先取りした発明「ノート型電子マップ」が登場したりと見どころが満載。
ちなみに電話の会話をレシーバーでただ聞くだけなら犯罪にはならないらしい。悪趣味だけど。

  • 切り札(第1巻収録)
アニメ版『白い砂浜殺人事件』の原作となったエピソード。
鉄壁のアリバイを持つ医師のトリックにコナンが挑む。

  • 復讐(第2巻収録)
閉鎖的な孤島で巻き起こる連続殺人。全体的に不気味な雰囲気。
コナン作品では初の刑務所での面会シーンがある。

  • コナン絶体絶命(第19巻収録)
前中後編に分かれているエピソード。
現金輸送車襲撃時や仲間割れ(襲撃が済んだ為か、犯人曰く「お荷物に降格」)で合計4人も射殺し、犬2頭も殺しの道具に利用したり、阿笠も銃撃されるなどその凶悪さは『コナン』全体でもトップクラスの犯人が登場する。
特別編の中でもタイトル通りコナンが最大のピンチを迎えるエピソードである。
コナンと犯人との対決だけでなく、阿笠を救うための探偵団の決死の行動も必見。

  • 名探偵vs完全犯罪(第19巻収録)
犯人が最初から判明している倒叙もの。
自宅マンションの部屋に備え付けられたミニサウナ内で住人が亡くなっているのが発見されるが、その死に不審な点は見当たらず事故としか思えない状況であった。
だが、それは実は前夜に住人を部屋まで送った犯人による殺人であった。
事件前夜の花見の席で、犯人がポイントを押さえれば完全犯罪はできると語るのに対し、コナンは探偵がその場にいられさえすれば不可能だと言っており、まさに対決系ものと言える。

  • 犯人は背番号10(第19巻収録)
サッカーワールドカップの日本戦開始前に強盗事件が発生し、多くのサポーターの中から代表のユニフォームを着ていた犯人をコナンと高木が探すエピソード。
なお、連載時は日韓ワールドカップが開催されていた。

  • 闇に蠢く影(第22巻収録)
『コナン絶体絶命』と同じく、こちらも前中後編に分かれているが、前編終了間際までコナンが登場しない異色の作品。
タイトル通り全編通して暗闇の中でストーリーが展開する陰鬱な空気の中で頭をかち割られた遺体の描写はかなりのインパクトがある。


○阿部&丸版

  • ポルターガイスト殺人事件(第3巻収録)
ポルターガイスト現象を扱った話。
孤島の小さなホテルで、ホテルのオーナーが天窓から外に放り出されて亡くなってしまうが、のちに誰かが仕掛けた殺人事件だと判明し……。
阿部&丸版の最初のエピソードであり、特別編最初の前中後編エピソードでもある。

  • 消えた恋愛小説家(第12巻収録)
病院内で突然失踪した恋愛小説家を捜す話。
とんでもない方法で犯人が遺体を隠していた事で有名。

  • 幽霊の棲む島(第12巻収録)
コナン達がインターネットで集まったメンバーと幽霊が出るという無人島に行く話。
他のメンバーにアリバイがある中、死亡推定時刻に被害者と一緒にいた蘭に容疑がかかり……。
見張りをしていた高校生が体を真っ二つに切断されて殺害されるという、色々な意味で原作やアニオリではまず考えられないシーンが登場している。

  • さまよえる銃弾(第17巻収録)
白昼堂々と行われた狙撃事件。
しかし、容疑者はその時銃弾が飛んできた方向にはいなかった。
特別編どころか『コナン』全体を見ても間違いなく最上位に入るサイコパスの被害者が印象に残る。

  • 密室の人体爆発事件(第17巻収録)
阿笠の友人である科学者の体が爆発するという衝撃の事件。
トリックもさることながら、体が破裂して死亡した遺体の描写がかなりグロテスク。

  • タイプOからタイプAへ(第17巻収録)
輸血と骨髄移植にまつわる事件。
被害者が一欠片も同情の余地がない人物だった。
ちなみに骨髄移植の話はその後、原作でも登場している。

  • もう1人の自分(第26巻収録)
コナンによく似た少年が登場する事件。
その少年の命を狙っている人物にコナンが誘拐されてしまい、命の危機にさらされる。

  • 黒の組織…現る(第26巻収録)
灰原と同じく幼児化した黒ずくめの男性が登場。
偽の記憶を植え付けるガス状の薬品を持ち、灰原を狙う。

  • 豪華客船をウイルスから守れ(第35巻収録)
黒ずくめの組織に関与する細菌学者が登場。
豪華客船を舞台にコナン、灰原、阿笠がウィルス・パニックを未然に防ごうする。
今回でコナンは事件解決の為とはいえ、女性を誘拐している。普段の麻酔銃も誉められたことじゃないとか言わない
大真面目に風邪のウィルスについてウォッカに解説するジンのアニキがなんともシュール。


〇太田&窪田(江古田探偵団)版

  • 飛び降りた男(第5巻収録)
太田&窪田版最初のエピソード。
ひとりの男がマンションから酒に酔っての転落死をするが、屋上には酒を飲んだあとはなく……。
犯人自体は前編で判明しているが、使ったトリックがアニオリ並にかなり凄い。

  • バレンタインの悲劇(第5巻収録)
バレンタインデーに大学で起きた殺人事件。
太田&窪田版には珍しく、撲殺された被害者の顔がかなり怖い。

  • ロケットの秘密(第7巻収録)
歩美が作ったペットボトルロケットにはある秘密が……!?
この話では歩美は一軒家に住んでいる事になっており、歩美の両親も登場している。

  • 迷宮の京都 名探偵対決(第21巻収録)
コナンと平次が京都を舞台に、カルタにまつわる謎で推理対決を繰り広げる。
劇場版『迷宮の十字路』のタイトルを元にしたエピソードで、以降も劇場版のシーズンになるとそのタイトルを元にしたエピソードが描かれるようになる。

  • 沈黙の理由(第38巻収録)
殺人事件が発生し、遺体の傍には小五郎が佇んでいた。自分に疑いがかかっても沈黙を続ける小五郎の思惑とは?
特別編では珍しいシリアスな小五郎が見られるエピソード。

  • ブラックホワイトデー(第43巻収録)
ホワイトデーに起こった事件。
ジンと思わしき人物と遭遇したコナン達だが…。


本家とはひと味違った追記・修正で、どうぞお楽しみください。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 名探偵コナン
  • 名探偵コナン 特別編
  • スピンオフ
  • 青山剛昌
  • 特別編
  • 子供向け
  • オリジナルストーリー
  • 山岸栄一
  • 阿部ゆたか
  • 丸伝次郎
  • 太田勝
  • 窪田一裕
  • 小学館
  • 学年誌
  • コロコロイチバン!
  • 外伝
  • 漫画
  • 子供向け←たまにグロも

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年04月25日 14:49

*1 このような他作家による模倣作品を指す「パスティーシュ」という形式がある。ただし、模倣と言ってもパクリという意味ではなく、広義ではパロディも含まれる。ちなみにアンソロジーの本来の意味は「作品集」で、同一のテーマで多くの作家による作品を集めたもの等を指す。Ex.古今和歌集

*2 自殺以外にも、推理後に犯人が高所から逃亡しようとして誤って転落するという自業自得の展開になったが、ボール射出ベルトを使って犯人の転落死を阻止した事もある為、どんな形であっても「コナンの目の前で犯人の死」は基本的にタブーだと思われる。ただし、逮捕後に病死した犯人もいる。

*3 山岸氏の「岸」の本来の字は「㟁」という"山"が編のようになっている特殊な字

*4 初出時は蘭に正体を疑われているコナンに代わり、読者が犯人を推理することが懸賞用問題となっていたので、短いながらも蘭が正体を疑い、それをコナンが切り抜けるなかなか贅沢な仕様。

*5 その場合はゲストキャラと協力しながら解決する展開もある。

*6 実際、阿部氏は少女漫画でデビューして「なかよし」等で活躍していた。

*7 学習まんがシリーズでは、作画担当が丸氏のみの作品もある。

*8 長編シリーズ以降は殺人事件の頻度も1巻につき1件あるかないかと少なくなり、キッドが一切登場しなかった45巻で複数の殺人事件を扱ったくらいである。

*9 後述の小五郎と平次以外にも、優作の事を「父さん」ではなく「親父」、有希子の事を「母さん」ではなく「お袋」と呼んでいるエピソードもある。

*10 このあらすじは各巻を担当する執筆者と関係なく山岸氏のイラストが使用されている。

*11 バーローの口癖、もといネットでコナンがそう呼ばれるようになった彼の口癖の「バーロー」は元々は青山氏の口癖である。

*12 モノローグでは「おっちゃん」だが、実際にコナンが小五郎を呼ぶ時は「おじさん」が基本である。

*13 無論、当人達はその事実を知る事はなかったが。

*14 密室でも子供なら小さい窓から入れるのではないかという理由もあった。

*15 山岸氏が描いた灰原が登場したのは、ゲームボーイ版ソフト「疑惑の豪華列車」の攻略本に収録されているおまけ漫画しかなかったが、近年は山岸氏が作画担当している「歴史まんが」に登場するようになった。。

*16 もっとも、コナンの方は全く気付いていないが。

*17 原作では基本的には「俺」

*18 原作では和葉初登場以降のエピソードで平次が単独に登場する事は少ない。

*19 なお、キッドは劇場版の新一を除けば、原作やアニメ版では基本的に同じ人物に2度変装する事はほとんどない。ただし、読者がキッドの正体を推理する必要のない「まじっく快斗」の方では青子に何度か変装し、度々姿を借りる事について内心申し訳なく思っている描写もある。

*20 なお、そのエピソードでは中森が腕時計型麻酔銃で眠らされて探偵役になっている。

*21 京都だと綾小路文麿がいるはずだが、エピソードが収録されていた当時は原作未登場キャラだった。

*22 秀吉登場エピソードには、宮本由美三池苗子も登場している。