週刊少年チャンピオン

登録日:2017/12/13 Wed 01:06:57
更新日:2024/01/30 Tue 14:56:31
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何でもありの無差別級まんが雑誌!




週刊少年チャンピオンは秋田書店が毎週発行している漫画雑誌。

1969年の創刊当初は隔週発売で、翌年から現在までは毎週木曜日に発行されている。定価は大体270円。
週刊少年雑誌の中では一番遅く書店に並ぶという形になるので「最初のジャンプと最後のチャンピオン」という所か。




【解説】

60年代末期に、週刊少年雑誌の波に乗って秋田書店が隔週雑誌(翌年に週刊化)として創刊した。

創刊当初から有力作家を並べ、70年代初期に名編集長の壁村耐三が就任すると一気にチャンピオンは転換期を迎える。
壁村は「全編1話完結方式」「他雑誌の若手引き抜き」「打ち切りの激化」といった大胆な政策を披露。
当初は小規模だったチャンピオンは一気に売り上げを伸ばし、天下の週刊少年ジャンプと王者決戦を繰り広げた。
最終的には70年代末期にジャンプを退き、週刊少年誌としては異例の200万部突破の頂点雑誌となる。

しかし、壁村の一時的な退任やヒット作の減少で80年代には一気に勢いが墜落した。
90年代にはヒット作を量産し、多少勢いを取り戻すが2000年代から再び低迷する(この時期を暗黒期と呼ぶ声も多い)。
2000年代後半から大規模な誌面改革が行われ、話題作やヒット作をそこそこ生み出す事に成功している。

現在は4大週刊少年誌の中では発行部数は最下位の位置に甘んじている。
この雑誌も発行部数が「公称」か「推定」だったりなので、正確な部数も分からないという所である。
コンビニなどでは置いていない店もあり、他の週刊少年誌より購入に苦労しがちな面も。

後述するが自由気ままな雰囲気の雑誌なだけに、読者層が変態扱いされることもある。
変態を称するチャンピオン読者にはチャンピオン紳士と称されることも。
かつては何だかんだで圧倒的に男性読者が占めた雑誌だったが、2000年代から一部の特定作品の影響で女性読者が増加。
ツチノコ並みの遭遇度と噂されたチャンピオン紳士の女性版であるチャンピオン淑女が増加した。

雑誌のロゴは、ツートンカラーの大きなシルクハットを被ったヒゲ(通称少チャン)である。


【作品の特徴】

雑誌構成する掲載作品のジャンルは、他週刊少年誌よりもかなりフリーダムな闇鍋

ジャンプやマガジンに比べて作品内容への編集部の介入が比較的少ないと言われている。
そのため、作家が好き勝手に作品を作りやすいと言われ、結果的に異色的な作品が生まれやすい土壌とされる。
先生、打ち合わせと違うじゃないですかァァ~!!!(担当)
先生!! 打ち合わせと全ッ然違うじゃないですか!!?(担)

チャンピオン自身も自覚があるようで、近年は何でもありの雑誌という風潮を作っている。
まぁそれでも何だかんだでジャンルの偏りが少ない雑誌構成が成立する。

雑誌の歴史を見ても、推されたジャンルがコロコロと変わっている。
80年代後半に熱い雰囲気の漫画を求めた結果不良漫画が増加し、現在までチャンピオン系列の雑誌で力を奮うことになる。
2000年代前半期には萌え漫画に力が入れられ、その方面の作品を多く生み出している。
また、これまでの歴史を通してギャグ漫画のジャンルは充実している。

一方で、極端なマニア向け作品は沢孝史編集長体制下以降は兄弟雑誌の方が目立つようになってきたとされる。
それでも変態雑誌なのは変わらない気もするが……。

雑誌に所属する作家は引き抜き作家が多いと言われていた。
壁村体制下の頃には、他誌出身で低迷していた作家の育成が上手いと称された時期もある。
2000年代からはこの傾向を辞めて生え抜き重視の方針に転換し、生え抜き育成に力を注いでいる。

メディアミックス方面は企業規模の問題から他誌より弱いが、2000年代以降はアニメ化作品も増えた。

2016年3月から電子書籍版も配信されている*1


【打ち切りに関して】

チャンピオンの打ち切り事情は修羅の世界であり、アンケート至上主義のジャンプの世界すら慄くとの評判。

まず本誌連載の打ち切りに関しては、あまり打ち切りまでの体裁を整えるための猶予期間は与えられない。
掲載順等の判断材料はあれど、読者も打ち切り濃厚の判断をしにくいという仕組みになっている。
読者のみならず、連載作家すらも突如終了カウントダウンを告げられたなどの話もある。

不人気漫画への追い打ちも容赦なく、不人気漫画に対する単行本発刊判定が厳しい。
単行本を最初から発刊しないor発刊しても最終巻まで出さずに投げるという手法を取っている。
せっかく1巻を出しても、その売れ行きが悪かった場合はお先真っ暗となっていく。
しかもこの単行本打ち切りに関してはコンビニコミックや文庫版すら対象になる。
ただし、単行本の続刊を電子書籍限定で救済措置を取ったというパターンも稀にある。

こう見ると、徹底的に単行本発刊の損を減らすという秋田書店の方針が際立っていると言えるだろう。
ちなみに、実績のない作家の作品の初巻の発行部数はかなり抑えるため、万が一人気が出ると品薄になるという障害が発生する。

打ち切り作品のファンは最後まで気が抜けない状態で見守らなければいけない。


【タイトル変更】

チャンピオンの漫画はタイトル変更をして連載を継続する作品が多いと言われる。

作品の内容に一区切りがつき、新展開を迎えるとタイトルごと変えて単行本の巻数もリセットする手法である。
チャンピオンの看板タイトルであるバキシリーズやドカベンなどが正にその代表例だろう。
これらの作品は漫画史にも残る長期シリーズながら、この手法の影響で見た目だけはそこまで巻数を積み重ねていないように見える。

勿論、このようなタイトル変更と単行本巻数リセットは他雑誌でも珍しくない。
しかし、ジャンプやマガジンと言った直接のライバル誌にはタイトル変更もなく巻数を重ねた長期連載作品が目立つためか指摘されやすい。

長期連載作品がタイトル変更するという事は、読者的にもある程度一区切りつけて読めるという点があるので、そこは良いかもしれない。


【掲載作品】

主な現行作品


過去の主な掲載作品






追記・修正はチャンピオン紳士かチャンピオン淑女にお願いします。

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最終更新:2024年01月30日 14:56

*1 ただし、当時連載されていたドカベン(ドリームトーナメント編)は収録されていない。