電伝虫

登録日:2017/12/02 (土) 15:07:04
更新日:2024/03/04 Mon 23:35:16
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プルプルプルプルプルプル・・・ガチャ


電伝虫(でんでんむし)とは漫画及びアニメ作品『ONE PIECE』に登場する生物(兼アイテム)である。

●目次

【概要】

念波を飛ばして仲間と交信できる、その名の通りカタツムリのような生物。
その性質に人間が目を付け、受話器やボタンを取り付けて通信手段として用いられている。
フランキー曰く「簡単に作れる」。
どうやら個体ごとに念波の周波数が違うようで、ちゃんと電話番号も存在するようだ。

電伝虫側でもそれは好意的に見られたのか、「生活と安全が保障される」として好き好んで人間に捕まる傾向があり、凶暴な生物の多い本作としては珍しく人間との共存には成功しているといっていいだろう。
とはいえ受話器等を除去されれば野生に帰ってしまうこともあるようで、そこまで人間の言いなりにはなっていないようだ。
知能も比較的高く、『SBS』によれば、エサや躾次第でマナーモードや音量を下げた状態でのコールを覚えさせることも可能とのこと。
ちなみに受話器を壊されても何ともないらしい。

人間が受話器に喋るとその人間の感情を再現して相手に伝え、使用していない時では眠っている。
また所有者に似た装飾品を身に着けていることが多い。


驚くべきはその通信範囲の広さであり、作中の使用例を確認するだけで
  • リトルガーデン~アラバスタ王国
  • 「赤い土の大陸」の頂上にある聖地マリージョア~「西の海」の島の1つであるオハラ
  • 「東の海」の辺境フーシャ村~「偉大なる航路」の中盤にある海軍本部マリンフォード*1
  • 水深1万mにある魚人島~新世界の海上にあるホールケーキアイランド
と通常の個体でもほぼ世界全域をカバーできるほどである。
見聞色の覇気涙目*2

このため電気動力機械のない上に島から島への移動も難しい本作では非常に重宝している。
まぁ、生物なので寿命もあるしエサ代や排泄物の処理、衛生面の管理など現実の電話より維持費がかかりそうなので、「一家に一台」というレベルまでは行かないよう。
緊急性の高い情報は電伝虫を通じて拡散されることはあるものの、情報の統制や取捨選択といった理由からか、基本的に世界の様々なニュースは世界経済新聞を通じて周知されている。
ちなみにONE PIECEの世界には新聞はあるけど、テレビやラジオはない、当たり前だけどスマホやネットもない。
有効範囲は広く一部種類では動画配信可能なものもあるとはいえ、「街の電伝虫ラジオで民衆にニュース配信」とまでは上手くいかない様子。

また電話だけあって盗聴される危険もある。
そのため、
  • 海賊では電伝虫で伝えるのは場所といった最小限の情報だけやり取りし、後に対面で重要な情報をやり取りする
  • 海軍は盗聴されにくい専用の電伝虫だけを使う
などあくまで会話のやり取りの一手段として考えていないようだ。

ちなみに装置を取り付ければファックスにもなり、街中には「公衆電伝虫」なるものも置いてある。
緊急信号を受信すると号泣するが、海賊の間では海軍が使う罠の可能性もあるため信憑性は50%以下らしい。

ゾウのように電伝虫を使う文化の無い地域もあるが、生息自体はしているため世界的に簡単に捕まえられる生き物なのかもしれない。

なお大雑把なシルエットは現実のカタツムリに似るが身体部位の配置や形状は全くの別物になっており、頭一つとっても目や口は人間のような構造で瞼やまつ毛、唇も存在し、口が胴体の前面についているなど大きく異なる。
触覚らしき部位が側頭から腕のような形で生えているのもかなり異質。
また、殻の巻き方も現実のカタツムリとはあらゆる点で差異がある*3


【種類】

あまりにも人間に都合が良すぎる機能を持つ種族も多いため、品種改良もされているのかもしれない。
中には「通信を盗聴するもの」「その盗聴を妨害するもの」「そもそも通信自体を妨害するもの」まで存在する。
「電伝虫」という括りに入らずとも、電波の送受信ができるよく似た動物は複数確認されている。

子電伝虫

電伝虫の子供、手乗りサイズ。
持ち運びに便利で、現代で言う携帯電話やスマートフォン(画面はないけど)に当たる存在。
小さいため通信範囲は狭いが島1つ分くらいは届くのでそれほど問題はない。
そういう意味では携帯よりはピッチや無線機に近いか。
ただ生き物(しかも軟体動物)なのでポケットとかに入れて持ち運ぶには結構勇気が要りそうである。
とはいえ麦わらの一味ナミは直接地肌に当たる(非常にけしからん位置)部分に入れていたので、案外感触は問題ないのかもしれない。

黒電伝虫

他の電伝虫の電波を盗聴できる種、海軍が海賊や犯罪者の通信を盗聴すべく用いる。
着用者は身の丈3m以上の大男ではあるがブレスレットに乗るほど非常に小さい。
目的がアレなので恐らく一般には出回っていないものと思われる。
蓋を閉じた時の見た目はウ○コ。

ゴールデン電伝虫

全身が金色の希少種。
色以外の見た目は普通とほぼ同じだが、全体的に角張り気味、生きてるのか?
「海軍本部中将5名」「軍艦十隻(搭乗員はほぼ大佐、中佐以上の海兵)」を出撃させ、対象物を完膚なきまでに粉砕する指令「バスターコール」を発動させる指令を出すのが仕事。
殻に付いてる安全装置もない丸出しスイッチを押すだけで指令は出るのだが、位置的にも暴発しやすそうである(実際ある所有者はうっかり押してしまった)。
まぁ、実際は海軍大将のみが所有するシロモノなのでそんなうっかりは起こさないのであろう。
押したとしても力づくで止められそうだし。
押したときに必要人員や物資が足りてないときはどうするのか不明。

シルバー電伝虫

上記のゴールデン電伝虫の電波受信用の電伝虫。銀色ではなく髭を生やした老人のような姿をしている。
シルバーってそっち…

映像電伝虫

大小2つが存在し、小さい「カメコ」が映像と音声を見て、それを大きい「プロコ」が受信して目からスクリーンに映し出す。
サンジが欲しそうな電伝虫…だが結構サイズがあって目立つため、盗撮には向かなそうである。
実際劇場版『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』では『自走式映像転送電伝虫』という巨大な亜種が登場し、あえて目立たせて監視対象にプレッシャーを与えている。
映像の中継のほか、インペルダウンのように設置式の監視カメラとしての役割が主流。
生物なのでボア・ハンコックの「メロメロの実」でカメコが石化するとプロコの映像が砂嵐になる。
ワンピースの世界には普通のフィルムカメラも存在するが、カメコも同等に用いられている。
無論、生物なので極寒の地域や海の中といった過酷な環境では使用できない。
パンクハザードのカメコは防護ケースの中からシノクニ実験を中継していた。
そういう点で普通のカメラと使い分けているのだろう。

また、映画『ONE PIECE FILM RED』では新種の映像電伝虫が登場。
SSG(Special Science Groupe)が開発したという特殊な電伝虫でベガパンク作の試作品。
ボタンと、頭頂部がアンテナのように伸びる大きな巻貝*4をつけたタイプで、不特定多数の電伝虫に映像と音声を同時に届けることが可能となっている。
エレジアの浜でウタが偶然これを拾ったことにより、彼女の曲が多くの見知らぬ人々へ拡散するきっかけとなった。
試作品という設定なのは40億巻によれば、尾田氏曰く「原作にこんな便利なものはありません(要約)」が理由。

白電伝虫

希少種。
通常の電伝虫に接続することで、黒電伝虫による盗聴を妨害する念波を飛ばす。
革命軍が情報保護のために用いている。
海軍もこの種の存在は把握しているようで、四皇同士の無警戒な会話を盗聴した際にも盗聴妨害について言及されている。

ツノ電伝虫

通常の電伝虫の念波を妨害して通信不能にすることができる種。
見た目は不明だが、おそらく妨害念波を出すようなツノが生えているのだろう。
アニメではファイアタンク海賊団がホールケーキ城に設置する描写があり、二本の角が生えていた。

ナワバリウミウシ

ビッグ・マムのナワバリ・万国(トットランド)の海に何万匹も生息しているウミウシ。
体は市松模様で、背中にアンテナのような器官が付随している。
ナワバリ内に侵入した船の電伝虫に「警告念波」を送る。
また、敵船などの位置情報の送信も可能と、ビッグ・マム海賊団のナワバリにおける素早い把握にも一役買っている模様。

タニシ

ワノ国で電伝虫の代わりに用いられている生物。
錦えもん達の生きていた20年前には存在しなかった文化。
筒状の殻を持った携帯用の「スマートタニシ(通称:スマシ)」の電波を各里に一体ずついる「親分タニシ」が集約してから各個スマシに送るという方式で通信している。
中継ポイントであるその里の「親分タニシ」がいなくなってしまった場合、他の里に連絡を取ることも、他の里からその里へ連絡を入れることも出来なくなってしまう。
親分タニシがなければ役に立たなくなることも含め、国民に情報統制を行う百獣海賊団にとって都合の良いものとなっている。

「タニシ」という名前ではあるが、親分タニシは、殻以外は電伝虫とさほど変わらない外観。
また、映像電伝虫に相当する「光画(ひかりえ)タニシ」という生物もいる。
ただし電伝虫に比べてノイズが多く性能が低い。
電伝虫を知る人から見ると全然スマートじゃない。
近未来的な言葉だったスマートフォンと時代遅れのワノ国の文化から洒落て名前を付けられた様子。

トンガリ電伝虫

「東京ワンピースタワー」オリジナルキャラクターとして登場した種。
東京タワーを模した縦に長いストライプの殻が特徴。
「トンガリ島」の長老で、能力は「遠くを見渡すことが出来るので、世界中の様子を知ることができ、麦わらの一味の動向や、世界の動静を島民に聞かせている。」(原文ママ)
プロフには他にも「チョウロウ」というニックネーム、年齢(115歳)、性格、好物、行動パターン、就寝時の服装などが記載されている。
そもそもコイツは自分の意志で言葉を話しており、種族名というよりは個体名?わけがわからないよ

その他

ジェルマ66の国土兼船となっている巨大カタツムリの外見も電伝虫に酷似しているが、通信能力の有無は不明。
ワンピースマガジンによる設定画やラフ案によると、ジェルマの科学力で電伝虫を改造したものである様子。
また、実写ドラマ版には「法螺貝のような殻の拡声器タイプ」と「小さな巻貝のような殻のイヤホンタイプ」の電伝虫が登場した。


【余談】

  • 巻き貝
カタツムリどころかウミウシやタニシに同様の能力がある事、また空島(ダイヤル)の存在も踏まえると、そもそもワンピ界の巻き貝類自体が特殊能力を持ちやすい生物である事がうかがえる。

  • 通信機器
現代をモチーフにしたサザエさん時空の作品は、「固定電話→ケータイ→折りたたみケータイ→スマホ」と急激な時勢の変化が描写されることもあるが、この作品では電伝虫という変化できる生物の存在により、派生種を登場させながらもそういった事態を防いでもいる。



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最終更新:2024年03月04日 23:35

*1 マリンフォードの方は断言できない

*2 ただしワノ国のタニシは現実の電話システムでいうところの基地局にあたる個体を経由する仕組みをとっているため、あるいは電伝虫も似たような事をして念波の通信距離を稼げるのかもしれない。

*3 具体的には、カタツムリの殻は体から後ろに向かい傾斜しながら巻いているのに対し、電伝虫は体の前方に向かいまっすぐ直立して巻いている。

*4 この巻貝が人工物で試作品である模様