機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還

登録日:2011/05/13 Fri 01:42:16
更新日:2024/02/18 Sun 20:22:34
所要時間:約 11 分で読めます





ジオン公国突撃機動軍 特別編成大隊――

『キマイラ』

…ご存じかな?


機動戦士ガンダム」を題材とした漫画作品。月刊ガンダムエースにて2010年から2023年まで連載。単行本全26巻。
作者はArk Performance。同作者の漫画作品「ギレン暗殺計画」、「ア・バオア・クーの光芒」とは設定を共有しており、一部密接にリンクしている。
また、作者がキャラクターデザインを担当した「機動戦士ガンダム Twilight AXIS」の前日譚にもあたり、同作のキャラクターも登場する。

タイトルにある通り、MSVの顔役とも言うべき「深紅の稲妻ジョニー・ライデンにスポットを当てた作品。「ガンダム」本編には登場しない、事実上設定のみの存在である彼と「キマイラ隊」の謎に迫ると共に、それらを巡る連邦政府の陰謀劇を描いたミステリー色の強い作品となっている。

また、MSVを元にしたガンダムエース誌上での企画「MSV-R」に基づいており、やたらマニアックなMSが多数登場するのが特徴。
過去作ネタも多く「ジオニックフロント」「コロニーの落ちた地で…」あたりを知っているならばニヤリとできる話も多い。

なお、本作はあくまで「機動戦士ガンダム」を「元にした」漫画作品であって、作中で描かれるストーリーや謎が「史実」であるとは限らない。

ただ、角川書店の公式サイトでは「MSV公式続編」と紹介されているので、「映像作品に登場したら公式」としているサンライズ*1にとっては「準公式」といえる。
また、「MSV-R」自体は公式である。
最近だとパーフェクトファイルのギャプランの所にジョニ子のことが書かれていた。

ちなみに、ジョニー・ライデン自体は「ギレンの野望」や「PS2版ガンダム」等のゲーム中のアニメに登場している。(声は井上和彦氏)

戦場の絆」参戦記念のコラボ漫画では『愚連隊』のユージと共演した。


オッサン尽くしの謀略戦が基本だったギレン暗殺計画と比べると、女性キャラの登場が多い。
特に『美少女ジョニー・ライデン』と単行本で言われたイングリッド0は作者の代表作「蒼き鋼のアルペジオ」もかくやなあざとさである。
濃いオッサンたちも暗殺計画以上にたくさん登場するがな!


以下、単行本20巻までのネタバレを含みます





《あらすじ》
一年戦争から10年後、第一次ネオ・ジオン抗争における戦傷も冷めやらぬUC0090年。
地球連邦軍の外郭組織「FSS」に所属するパイロット、レッド・ウェイラインは、調査対象のMSの戦闘シミュレーション中、データには存在しない謎の青いゲルググと遭遇する。
「彼」は「レッド」に向けて語りかけた。

「我々はあなたの帰還を歓迎する」
「ジョニー・ライデン」

これをきっかけとして、ジョニー・ライデンに関する調査を始めたレッドは、いつしかキマイラ隊の遺産をめぐる争いに巻き込まれてゆくのだが……。



《主な登場人物》

◆レッド・ウェイライン
本編の主人公。「FSS」調査チーム所属のMSパイロットで、MSのテストを担当している。
所属自体は連邦軍だが、現在はFSSに出向扱いである。

一年戦争開戦時は戦闘機乗りで、ア・バオア・クー戦においてはジム・インターセプトカスタムに乗っていたが、「ヘマをやった」とのことで、病院船で唸ってたら終戦を迎えたという。
現FSS会長のフーバーは一年戦争時の上官であり、彼に引っ張られる形でFSSに参加したらしい。

ぶっきらぼうな性格で口が悪いが、シミュレーションではFAガンダムを駆って単機で重巡洋艦を撃沈するなど腕は確か。
やや直情径行なところがあるが、テストパイロットを務めるだけあって基本的にインテリである。

前述のFAガンダムの戦闘シミュレーション中に謎の青いゲルググと遭遇したことで、「ジョニー・ライデン」について独自に調査を進めていくが、物語が進むにつれ、彼が「ジョニー・ライデン」本人ではないかという疑惑が浮上する。

彼がジョニー・ライデンではないか、という材料としては
  • 本人曰く前後左右に動かすくらいしかできないはずのジオン製MSで、FCS(射撃管制装置)が認識しなかったジオン製武器を、咄嗟にマニュアル変更を自然に行って使用可能にした
  • 彼に接触した元キマイラ隊の関係者が、口をそろえて彼がジョニー・ライデンである、あるいはそうであるかもしれないと証言
  • 操縦時の癖やバイタルパターンをジョニー・ライデン本人のデータと比較した所、約9割が一致
等が挙がっているが、本人は否定している。
曰く「地球で健在お袋に確認してくれ」とのことだが、言った相手が女性のリミアだったためにそういう意味に受け取られるのを嫌がられたまま現在に至る。
当初はジョニーと呼ぶ相手のことは誰であろうとぶん殴っていたが、最近は目的のためならジョニーを演じることも辞さなくなりつつある。

+ その正体
不明
少なくとも「ジム・インターセプトカスタムに乗って一年戦争を戦ったウェイライン」はフーバー自身であることが判明しており、レッドの前歴ではない模様。
元キマイラ隊が初接触した際、瞳の色は同じだが顔も声も違うと言っていたので、一年戦争時のジョニー・ライデンとは違う容姿であることが分かってる程度。
なぜそうなったかというと、彼が1年戦争末期に病院船で移送された際、その病院船が戦闘に巻き込まれ被弾。
彼を収容していたブロックにいた者たちは個人を特定するのが困難なほどの肉体損傷を受けて、誰が誰だか全く分からなくなり、彼自身も記憶が混濁してしまったためである。
ちなみにその収容ブロックにはジョニー・ライデンもいた。

因みに名前は「Led Wayline」と書き、「道を導かれる者」という意味らしい。


◆リミア・グリンウッド
FSS調査チームの一員であり、チームの技術担当兼エンジニア。工科大学院生。小柄な女性だが勝ち気な性格で、チームのまとめ役。優れた分析力を持つが、内心が表情に表れやすい一面も。
サイド3の出身で、連邦政府との「人材交流プログラム」に基づく留学生でもある。
レッドの「ジョニー・ライデン」調査に協力する中で、次第にFSSの、更には連邦軍の「暗部」を巡る謎に近づいていく。

グリンウッドという姓でわかるだろうがMSVでお馴染みジオンのエースパイロット、ロイ・グリンウッドの娘。
MSVでの設定通り父親は未だに行方不明らしい。

技術者としては非常に優秀であり、宇宙に打ち上げられた慣性航行に入ったサングレ・アスルの融合炉を始めとしたシステム立ち上げを単独で行える程。


◆アシュレイ・ブラウン・ブランドン
FSS調査チームの一員。通称ボブ(リミアが初対面時に雰囲気で命名)
大柄な黒人だが、温厚でマイペースな性格。元軍人で、見かけによらず身のこなしは素早い……らしい。
チームでは各種バックアップを担当する。


◆アイシュワリヤ
FSS調査チームの一員。中盤に登場。
インド系のメガネ美女で、優秀なハッカーだが天然。
自作のコンピュータウィルスを試す機会を日に日に伺っていたりする危険人物。
物語の鍵を握るザンジバル級戦艦サングレ・アスルを宇宙に飛ばした際に、
座標書き換えてあの事件の後に放棄されてたコンペイトウ宙域に送り出すというぶっ飛んだこともしてる。

「怖いですよ~~ウィルスは。ボブさんも気軽に使っちゃダメです」

「怖いですよ~~会長は。ボブさんも気軽に使っちゃダメです

何をした何を。


◆ジャコビアス・ノード
MSV-Rの登場人物。民間軍事会社「テミス」社長のヒゲのおじさま。オクスナーの「猟犬」として、ジョニー・ライデンを、そしてミナレットを巡って暗躍する。
実は元『キマイラ隊』の一員であり、ジョニー・ライデンの小隊に所属しており、部隊随一のスナイパーだった。作中では自身専用の狙撃仕様にカスタマイズしたゲルググキャノンを駆り、参戦している。

環境改善プラントにおける戦闘の最中、自分が元キマイラ隊であることを明かし、キマイラ隊の概要についてインタビューに答えた。

「やはり撃ち慣れたライフルでないと!」


◆オクスナー・クリフ
地球連邦政府首相補佐官。一年戦争時代はレビル将軍の幕僚を務めていた、老練な政治家。ゴップの後援の元、次の選挙で首相の座につくと目されている。
現実的な視野を持ち、権力闘争に傾倒するゴップを苦々しく思う一方、彼の「政治家」としての辣腕ぶりを高く評価している。
FSSの前身組織の初代委員長でもあり、本作の裏事情の全てを知る人物の一人。何らかの目的の元、ジャコビアスを使ってジョニー・ライデン捜索を行っている。

ア・バオア・クー戦の直後、キマイラ隊を捕獲したのは彼の部隊である。
そのためキマイラ隊に関わるデータを所有しており、ゴップの要求でその一部を提供した。


◆ブロイ・リゲラ
連邦軍第100MS飛行中隊に所属するパイロット。作中ではアッシマーを駆る。
一年戦争時代からの古参で、当時は機雷散布型ボールを駆って工作活動を行っていた。その際、とある戦闘でジョニー・ライデンの駆る深紅のザクR-2と遭遇し、部隊を殲滅させられた。

彼もまた、レッドを「ジョニー・ライデン」と呼び、また出現した青いゲルググを「ユーマ隊長」と呼びかけるなど、何かを知っている模様。
それもそのはず。実のところ、彼もキマイラ隊関係者である。
前述の話は作り話ではなく事実であるが、彼は殲滅させられた方ではなく殲滅した方にいた。

現在ではそれらしい話を巷に流し、それに引き寄せられてやってきた人間がジョニーでないか評価するいわば窓口役である。
ブロイ・リゲラという名も実在していた連邦軍人のものであり本名は不明。

「あなたの帰還を歓迎しますよ…」


ユーマ・ライトニング
最新鋭の技術と機材によるカスタマイズを施された謎の青いゲルググを駆るMSパイロット。元「キマイラ隊」所属。ずば抜けた操縦技術を持ち、ジョニー・ライデンと互角に渡り合ったらしい。
シミュレーションに現れた青いゲルググと、メッセージを残した人物。
謎に包まれた『ミナレット』と呼ばれる存在を巡り、元同僚のジャコビアス、ひいてはオクスナーらと対立している。
その実態はものすごいアホの子。ジョニー大好き青年。

詳細は彼の項目を参照。

「嘯(うそぶ)くなよオッサン!」


◆ジル・ブロッケン・フーバー
「FSS」会長。肩書の割には気安く振る舞う壮年の男。
一年戦争時代は連邦軍パイロットとしてMS大隊の隊長を務めていた。レッドの上官でもあり、彼をFSSへと引っ張り込んだ人物らしい。
隊長という立場ゆえか生来の性格か、当時の軍の裏事情や表沙汰には出来ない「裏技」に精通している。

彼自身もあれこれ後ろ暗いことに手を染めていたらしいが、飄々とそれを明かす食えないオヤジ。

実は彼こそがア・バオア・クー戦においてジム・インターセプトカスタムを駆り、ジョニー・ライデンを捕まえたウェイライン少尉であることが判明。
両腕を破壊されたゲルググを保管している。


◆アマリア・グリンウッド
リミアの実姉。サイド3在住。
妹以上の技術者で、穏やかだが非常に恐ろしい人物らしい。ていうか大戦艦級メンタルモデルかなんかにしか見えない。
序盤から名前が挙げられたり妹の夢に出てきたりしていたが、単行本20巻にてついに登場。
このとき、グリンウッド姉妹が前前作ギレン暗殺計画の主人公レオポルド・フィーゼラーの義娘であること(とレオポルドが未だにエリースと籍を入れていないこと)が判明した。


◆ゴップ
元地球連邦軍大将にして、地球連邦議会議長。一年戦争後に軍を退役して政界へと進んだ。
知る人ぞ知る、ガンダムシリーズ内における 無 能 者 の代名詞的存在。
……もっともこれはギレンの野望の初期シリーズによる二次イメージであり、当時のアニメ本編では無能を思わせる様子はなかった。
それどころかホワイトベース隊の知名度を巧みに利用して囮として有効活用し、ティアンム提督の第二連合艦隊を無傷で打ち上げ→ルナツー合流に成功させた*2、むしろ優秀な策略家であった。
また、ジオリジンではV作戦の総責任者。
そうした原作由来のエピソードを踏まえてか、政治・陰謀色の強い本作においてはますます巨大化。
一年戦争以降数々の政変を切り抜け、台頭した軍閥(グリーン・ワイアットエゥーゴティターンズ等)が軒並み崩壊の憂き目に会う中で自らの派閥を保ち抜いた、老獪にして底知れない有能政治家として描かれている。

次期連邦政府首相選挙にあたり、オクスナーの後援者として画策する一方、彼もまた「ミナレット」を巡る一連の事件に関与しているようだが……。
イングリッド0やヴァースキとの会話では茶目っ気を見せる。

レッドの操縦データを入手し、ジョニーの操縦データの比較を依頼したのは彼である。

「『パプテマス・シロッコ』は どんな男だったかね?」


◆イングリッド0
金髪ツインテールのロリ強化人間。元「キマイラ隊」所属。ニュータイプ。
ジョニー・ライデンと呼ばれているため、レッドからは「ジョニ子」と呼ばれている。

一年戦争終戦直前にジョニーによってコールド・スリープで眠っていて、目覚めたのはつい最近であり、ユーマとは同い年である。
そのためか現在の世界の状況についての情報を余り持っておらず、また自分の本名すら覚えていない。
現在はゴップ議長の養女という立場で、彼の命令で動いているが、言動は反抗期真っ盛り。議長は議長で「お前が嫁に行くまでは面倒を見る」とさらっと言ってのける親バカ。

パイロットとしての実力は高くヴァースキから「末恐ろしい」と評されている。

パーソナルマークはリボンのついたハートに目が×になったユニコーン
初登場時はジャブローで戦っているユーマとジャコビアスのいた座標に対地ミサイルを撃ち込むようガルダ級に命令。
コア・ブースタープラン004の飛行試験中のレッドを改造した紅いギャプランで襲撃するが、相打ちとなり環境改善プラントへと墜落した。
その後はレッドと行動を共にし、騒動の収束に協力しつつ、彼がジョニーであると確信。
別れ際に「ジャブローへ」とメッセージを残した。
その後は専用のサイコミュ搭載ヘビーガンダムを受領。やはり義父の指示のもと、主にヴァースキが率いるナイトイェーガー小隊と行動を共にしている。ヴァースキ曰く「姫様」で、彼女はヴァースキのことを「おっちゃん」と慕っている。

「私も ジョニー・ライデンって呼ばれてるよ!」


◆ヴァースキ
連邦軍の特殊部隊、「ナイトイェーガー」の隊長。知性と凶暴性を兼ね備えた野獣。
容姿や発言内容からあの男だと思われる。というか単行本帯ででかでかと旧名で呼ばれている。
理由は不明だがかつての名前で呼ばれる事を嫌う。
主にジム・ナイトシーカーの改造型*3に搭乗していたが、とある戦いで機体が大破した後は、ゴップ議長の手配で冗談が過ぎる機体に乗る羽目になってしまった。

「あれは……グリプスで見たΖの光だ……」


シャア・アズナブル
誰もが知ってる3倍の赤い人。ネオ・ジオン総帥。
スウィートウォーターで3年後の決起に向けて暗躍する。
ホルスト(逆シャアの登場人物)が追うザビ家の復讐装置を悪趣味と断じ、
「それでは私の戦う目的は達せられんのだ」とサイコフレームの資料を見つめる。やっぱりアムロと決着付けたいだけ だがネオ・ジオンの組織の規模などの現状も理解しており、現状のネオ・ジオンの規模では自身のやろうとしているアクシズの地球降下作戦が成功する確証が無いことやなどから、ザビ家の復讐装置の使用も検討しており、その事に関してはホルストに一任している。
その後、周りにネオ・ジオンの総帥と言う自身の立場を鑑みない行動に対してイヤミと文句を言われるのを聞き流しながら、戦火を確認すると、周囲の静止を振り切ってサイコ・フレームを搭載したネオ・ジオンで使う武装のテストをするための試験機である専用ディジェに乗って前線に参戦。MSV漫画なのに本編キャラとして有象無象(内訳はレッドやヴァースキ、ジャコビアスにイングリッドなど)を蹴散らす。パイロットとして生き生きと迷いを感じさせない戦い振りには、イングリットから相手がシャアだと聞かされたヴァースキ曰く「本当にあの金色乗ってたヤツと同じ人間か?」と言う程。
たぶんΖの頃以上に人生をエンジョイしている。パイロットとして前線に出ることを止めようとしない行動には、様々な人間から文句を言われている。色んな意味で立場考えてください総帥……。


◆アルレット・アルマージュ
一年戦争の頃からのシャア専属エンジニアチームのフィッターエンジニアであり、ニュータイプ。
下記のダントンと共に『Twilight AXIS』では主人公を務めている。
若い見た目をしているが、それはフラガナン機関に収容されてた頃に様々な人体実験による影響で老化しにくい体質となったから。
シャアとは一年戦争時代からの長い付き合い故かシャアとは高い信頼関係があり、物怖じせず、ネオ・ジオンの総帥の立場に関係なく、シャアに対して辛辣な意見や苦言を述べられ、シャアのことを今でも大佐と呼べる数少ない人間でもある。
本人によると昔からシャアには様々な無茶振りをされているとのことで、劇中でも、シャアから出撃するのが決まったから、それまでに自身が半壊させたディジェの修復作業を終わらせろと言う無茶振りをなんとか達成している。


◆ダントン・ハイレッグ
一年戦争の頃からのシャア専属のフィッター(テスト)パイロット。アルレットの相方的存在。
一年戦争当時にシャアのスカウトによってジオン軍の士官学校から強引にシャア専属チームの一員となっており、シャアからは気に入られており、一年戦争時代には、シャアから信頼の証として、マスクを取った本来の顔を素顔を見せている程。
アルレットと同じくシャアに対して平然と辛辣な意見を述べるなど、高い信頼関係があり、シャアにはアムロへの拘りが未だ残っていることをアルレット共々理解している。


《組織・用語》

◆FSS
正式名『Federation survey Service』。一年戦争時代に連邦軍主導で発足した『兵器群調査委員会』を母体とする外郭組織で、一年戦争時のジオン・連邦の兵器群を調査分析し、開発経緯を系統立てることを目的としている。一方で、連邦内の様々な極秘事項(いわゆる暗部)を収集・管理する保管庫としての裏の顔も持つ。
ちなみに前々作「ギレン暗殺計画」前作「光芒のア・バオア・クー」にも登場している。
+ 最終巻のネタバレ
最終巻のエピローグでは、ゴップがFSSの今後について語っているが、その内容と組織としての存在意義を照らし合わせることでこれのデータベースの始まりであることが匂わされている。

◆キマイラ隊
ジオン公国突撃機動軍・特別編成大隊。キシリア・ザビの指揮下、エースパイロットのみを集めて編成し、最新鋭の装備を与えられた、一年戦争における最も有名な部隊の一つ。にも関わらず、極端に戦場での目撃例や出撃記録が少ないこと、そもそも「エース部隊」自体が軍事的には不可解な存在である*4ことなどから、「一年戦争で最も謎の多い部隊」とも言われる。
その正体はいずれ現れるであろうシャア・アズナブル率いるニュータイプ部隊へのカウンター部隊とされている。


◆ミナレット
キマイラ隊が所有していたとされる巨大プラント船。高度なMSの開発支援システムと生産設備を有する。
キマイラ隊はパイロットだけでなく設備、資材、人材その他あらゆるものの「エース」達が集められた。
高校生でも歩くくらいのMSを設計できてしまう設計ソフト、MSの部品を指定された素材で出力しちゃう立体プリンター、企業を問わず集められた技術者、熟練の整備兵達・・・
エースパイロットによる潤沢なデータとそれをフィードバックするミナレットによって
キマイラ隊はモビルスーツバリエーションの最前線、「ジオン脅威のメカニズム」の具現となっていたのである。

一年戦争当時はその優れた技術力を遺憾なく発揮し、パイロットが提案をすれば次の日にその提案が設計図となり、その二日後には試作品が完成、そしてその試作品を実戦で使用した元に兵士が新たな改良案を・・・というAGEシステムも真っ青の超スピード開発と運用が行われていた。
一年戦争から10年ほど経った時代においては陳腐化しているかと思われるが、当時ジオンの技術は連邦の10年先を行っていたとされる上、内部に蓄積されているのはアナハイムと連邦に二分割されてしまった旧ジオン軍の完璧なMS基礎開発資料+他に類を見ないエース部隊・キマイラ隊によって実戦で収集された超一級の資料であることから、未だに価値を有すとされる。

◆ザビ家の復讐装置
ミナレットとともに眠る、キマイラ隊が守っていたもう一つの財宝。
+ ネタバレ
その正体はドリームキャスト版『コロニーの落ちた地で……』に登場した環境破壊兵器『アスタロス』
コロ落ちでは地球環境を殲滅するためという名目であったが、それを公国と敵対するスペースコロニーの環境を壊滅させる目的で転用が目論まれていた。



一つ伺ってもよろしいですか?
あなたはなぜ 「キマイラ」を?


…………

兵士達の間に 噂がありましてね

「キマイラ」は――――

「ザビ家の財宝を守っていた」と…
「ザビ家の復讐装置を守っていた」と…


「やった!これで良項目だ!」
「おめでとう」

チュドーン!!!

「wiki籠りがやられたぞ!」
「どこからだ!」

「追記・修正を止めるからだよヘタクソ」

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ガンダム
  • 漫画
  • Ark-Performance
  • キマイラ隊
  • ガンダムエース
  • MSV-R
  • ジョニー・ライデン
  • ボールこそ漢の機体
  • キマイラ
  • リミアたん
  • ゲルググ無双
  • カツ丼
  • エースパイロット
  • ゴップの野望
  • ゴップと愉快な仲間たち
  • 逆襲のヤザン
  • ジョニー・ライデンの帰還
  • ガンダム漫画リンク

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年02月18日 20:22

*1 近年は『THE ORIGIN』『サンダーボルト』のようなパラレル作品の映像化、バンダイ・サンライズ合同の設定調整部署の設立などで曖昧になりつつある。

*2 この際ティアンム艦隊の打ち上げ直後を狙える位置にいたはずのシャアは、木馬に気を取られるあまり無双のチャンスを逸した。しかも、気付いてから引き返そうともそのときには木馬がシャアの背後を衝ける位置にいたため、手が出せなくなっていた。

*3 ジムIIIをベースに開発中のジェガンのパーツを使っている。

*4 長い戦いを生き残ったエースは、各地で後進の教導に当たるべき存在である。