増殖するG

登録日:2017/10/25 (水) 10:55:08
更新日:2024/01/23 Tue 17:18:51
所要時間:約 3 分で読めます





《増殖する》(英語名:Maxx"C")とは遊戯王OCGに存在するモンスターカードである。通称「増G」。
公然の秘密をあえて言ってしまうと、モチーフはそのものずばりゴキブリである。
海外版の「Storm of Ragnarok」で初登場し、日本では「EXTRA PACK Volume 4」で来日した、いわゆる海外出身カードの一つ。
その後は需要があるためちょいちょい再録されている。

そのイラストは、テレビ台やたんすの隙間から光る眼がうじゃうじゃとこちらを見つめているという、マスターガイド3に曰く「見るもおぞましい」もの。
らしいと言えばらしいが…。

効果説明


効果モンスター
星2/地属性/昆虫族/攻 500/守 200
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できず、相手ターンでも発動できる。
(1):このカードを手札から墓地へ送って発動できる。
このターン、以下の効果を適用する。
●相手がモンスターの特殊召喚に成功する度に、自分はデッキから1枚ドローしなければならない。
手札からこのカードを捨てることで、そのターン中相手が特殊召喚する度に自分が1枚ドローするという効果を持つ。
ほぼいつでも発動できるため、相手のカードの使用にチェーンして発動することも可能。

多くのTCGにおいてハンド・アドバンテージの取り合いは勝敗を左右する重要な要素。
マナのようなカードの使用コストがルールで設定されていない遊戯王OCGにおいてはそれが特に顕著。
現在ではカードプールの増加により、多くのデッキにおいて何度も特殊召喚をする傾向が強くなっている。
それを踏まえると、相手の動きを牽制しつつ状況次第で大量ドローを行えるこのカードは非常に強力といえる。

手札に握ってさえいればいいのと、発動自体を潰されない限りそのターン中は効果が続く(残存効果)のも利点。
不意打ちで発動できるうえに、たとえば《スキルドレイン》をフィールド外の効果で除去するように、影響を取り除く方法は基本的にない。
例外は「デッキからカードを手札に加えること」自体を封じる《ドロール&ロックバード》で、適用後はいくら特殊召喚されてもドローはできなくなる。
ただしこれは使用側もドローやサーチができなくなる諸刃の剣なうえ、その場の消費だけ見るなら1枚損前提のドロバに対してドロバの条件で最初のドローが許される増Gでは後者の側が有利である。

特殊召喚であれば何でもいいので、エクストラデッキからの特殊召喚時にもドローが可能。*1
これらの召喚法は素材を用意するために特殊召喚を連発することも珍しくないため、相手が1体出しただけで3枚4枚のドローということもよくある。
たとえ相手が展開を止めたとしても、その時点で相手の計画が台無しなのは確実。手札1枚でエース降臨を止められるのであれば、現代の遊戯王においてはあまりにも安い。
また《死者蘇生》のようなチェーンブロックを作る特殊召喚を行うカードにチェーンすれば確定で1枚は引くことができる。
この場合、そこで展開を止めたとしてもこちらは手札を消費せずに優位を得ることができる。

ただし、相手の行動に依存するためドローソースとしては本質的に不安定。
なので基本的には「特殊召喚したらカード引くで~」と警告することにより相手に展開をためらわせる抑止力として使われる。
つまり、手札を増やすためというよりは相手に特殊召喚を躊躇わせることによって1ターンを無駄にさせるという時間稼ぎの側面が強いということである。

効果を使った時点で仕事は終えているものの、ステータスもなかなかに優秀。さらなる展開の糧にしてしまうのもまた一興。
蘇生からシンクロ召喚やリンク召喚に繋いだり、昆虫族であることを活かして《デビルドーザー》のコストにするなど様々に活用できる。


このように牽制用のカードとしては非常に強力であり、大量展開型のデッキに対して有効。
ただし、あくまで牽制にすぎず相手の行動を完全に縛る効果は一切ない。
相手が「構うか!このターンで決める!」とためらわずに連続展開を決行した場合、いくら手札を稼いでも使う機会が来ないまま押しつぶされかねない。
あくまでドローするだけのカードであるため、いくら手札が増えようとも相手の勢いに対処できなければ意味がないのである。
本格的に止めたいのならば、ドローによってデッキを掘り進めて《灰流うらら》や《エフェクト・ヴェーラー》など引き込む必要がある。

特殊召喚を多用する近年の遊戯王環境においては半必須カードレベルで投入されることが多い。
が、当然と言えば当然だが刺さりにくいまたは全く刺さらない例外も無視できない程度にはいるため、どれだけ採用するかはケースバイケース。
過去・現在の環境テーマでは
  • 特殊召喚をあまりしない【真竜】
  • エース降臨までの特殊召喚回数が少なかった出たばかりの頃の【ABC】*2
  • 展開を繰り返すが効果の誓約で特殊召喚を一切せず全てが召喚扱いの【ふわんだりぃず】
  • モンスターはEXゾーンに1体出して終わりの【神碑】
に対しては牽制としてすら効き目が弱かったり全く効かなかったりした。
まあ【ABC】の場合は最悪2ドローぐらいはできるのだが…【ふわんだりぃず】相手には本当に腐る。

またドローは強制であるため、デッキによっては無限ループなどで使った側がデッキ切れに追い込まれる危険性も潜在的にある。*3*4
インフェルニティ】などの大量展開・ループを得意とするデッキが相手と分かっている場合はよく考慮してから発動しよう。
2戦目以降はサイドデッキから別の対策カードを用意するのも重要。

ちなみに「手札から墓地に送る」のが発動コストであるため、《マクロコスモス》などが発動しているときには使用することすら出来ない。
よく一緒に採用される《灰流うらら》とはテキストの記述が違うのでよく読んでおこう。

来日当初から1ターンキルへの抑止力として存在し、一種の「必要悪」として規制を免れてきた。
しかし展開した側がトドメとして相手ターンで使うこともあり、2017年10月の制限改訂でついに準制限となった。
大量展開デッキが環境上位を占め続け、このカードの採用率も高い状態が続いていたために「デッキ構築の自由度を高める」側面もあった思われる。
ただ規制のタイミングが先攻でリンク召喚を連打し大暴走する【SPYRAL】来日直後だったため、【SPYRAL】一強を助長する結果となった。
結局3ヶ月後の2018年1月にあっさりと制限解除。
「『抑止力』であるこのカードを規制したところで、1キルが加速するだけで良いことはない」と判断されたか。
【SPYRAL】全盛期の3か月間だけ規制するとか嫌がらせか。

同じく採用率の高い《灰流うらら》や《幽鬼うさぎ》なども、同じ理由で規制されることはないだろう。
…と思われていたが、2018年4月改訂においてあまりにも採用率が高すぎる(ほぼ100%に近かった)ためか《灰流うらら》が準制限となった。
実際の所KONAMIが何を考えているかはよくわからない。

ちなみに海外では2016年に準制限、17年3月に制限、18年2月にはなんと禁止にまでなっている。
海外では展開の抑止力の面より、引いた方が圧倒的に有利になる面が際立ったようである。
向こうは昔から除去に寛容でドローに厳しいので、その影響もあるだろうか。
このカードが禁止ということは、このカードを意識した展開をする必要が無く最初からフルスロットルな展開が実行できてしまうということであり…
その結果海外は日本より展開デッキが凶悪な場合が多々ある。その余波で他の規制も厳しくなりがち。


漫画での登場

通常のアニメ・漫画では、テーマ所属でもないこの様な汎用カードは特例を除くと基本縁がなく登場しなかった。
しかし遊戯王OCGの現実のデュエルを題材とした漫画『遊戯王OCGストラクチャーズ』にてサイキック天道が使用することで初登場を果たした。

超雷龍-サンダー・ドラゴン》を立てた返しの相手ターンで、尚磨が大量展開をする準備をしていた所に発動された。
発動された側の尚磨は目論んでいた大量展開を諦め、《ゴッドフェニックス・ギア・フリード》の特殊召喚のみにすることで被害を1ドローに抑えた。

天道は場を崩されてダイレクトアタックを浴びる事になってしまうが、相手の展開を最小限に抑えることに成功する。
そして返しのターンに1ショットキルを決める事に成功したのだった。
このカードの厄介さや、それよる駆け引きが詰め込まれたシーンと言える。

以降尚磨はこのカードがかなりのトラウマになった模様で、やたら警戒する等良くも悪くも話題に上がりやすい。

後の再戦においても天道が尚磨の展開を牽制しようと効果を使用した。
尚磨が無視して展開を強行したため9枚ものドローに成功…したのだが、手札誘発モンスターを引き込めずそのまま押し切られて敗北を喫している。

このように「《増殖するG》によって展開を躊躇させられ敗北する」「《増殖するG》の適用中にもかかわらず展開を続けられて敗北する」
ということは実際の対戦においてどちらもよくあることなので、共感したプレイヤーも多いだろう。

なお月子は強力なカードと認識はしているが「ゴキブリ嫌い」と言うことでデッキに入れていない。気持ちはわかる。

その後、今度はストロング十九が天道相手に使用。
墓地に送られた《応戦するG》の効果でサーチ、更にその直前に《デビルドーザー》の効果で次のドローで引けるはずだった《墓穴の指名者が墓地に送られており「見えている手札誘発」としてプレッシャーを与える。
この時点で天道は「十九が手札誘発を引かなければ」という前提ながらリーサルを取れたのだが、彼が取った戦法は展開を最小限にし妨害を構えること。
更に増Gを発動したため発動条件を満たした《三戦の才》で逆に十九を慌てさせるが、結果的にその2枚のドローが勝敗をわける事とあった。



お仲間達?

突如飛来しては多くのデュエリストを苦しめてきたこのゴキブリだが、仲間というかシーン違いのカードがいくつか存在する。
どのカードも相手の行動に対して発動、カウンターを行うものばかりであり、徹底的に邪魔をしてやろうという意思が見て取れる。
なおこの「G」シリーズは、日本での初収録のパックにおいて全てノーマルレアでの収録となっている。

海外版の英語名は「G」の部分が「"C"」になっている。
「ゴキブリ」を意味する「Cockroach」の頭文字を取ったのだろう。


  • 《黒光りする》(英語名:Shiny Black"C")
効果モンスター
星1/地属性/昆虫族/攻 200/守 500
相手フィールド上にシンクロモンスター1体のみが特殊召喚された時、
墓地のこのカードをゲームから除外して発動できる。
そのシンクロモンスターを選択して破壊する。
この効果は相手ターンでも発動できる。
シンクロキラーのG。「ANCIENT PROPHECY」で収録された「G」シリーズの一番手。
公開情報の墓地から発動するため、シンクロへの牽制という面が強い。

ただ破壊するだけで特殊召喚を無効にする訳ではないため、《ブラック・ローズ・ドラゴン》などのシンクロ召喚成功時の効果は素通ししてしまう。
使用タイミングはシンクロ召喚時に限定されていないため、墓地などから特殊召喚された場合にも発動できる。
エクシーズやリンクなどそれ以外を主力とするデッキには全く役に立たないため、サイドデッキ向けのカード。
ただ、良くも悪くも1体破壊するだけの効果なので、当時ならともかく現代だと仮に相手がシンクロ軸でも手札誘発でシンクロ召喚に至る動きを妨害するなりした方が汎用性も高いし有効なことが多い。

「G」シリーズ唯一の非手札誘発かつ墓地から発動する効果なので、登場当時は墓地肥やしを多用する【ライトロード】などで使われていたこともある。

なおゲーム作品ではTF6でルドガーが使用してくる。
TF6当時はシンクロ全盛期であるためこちらの主力もシンクロになりやすく、必然的にこのカードが刺さる。
肝心なところでシンクロを潰されてしまうと「地縛神」に対処できないことも。


  • 《飛翔する》(英語名:Flying"C")
効果モンスター
星3/地属性/昆虫族/攻 700/守 700
相手がモンスターの召喚・特殊召喚に成功した時、
このカードを手札から相手フィールド上に表側守備表示で特殊召喚できる。
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、このカードのコントローラーはエクシーズ召喚できない。
エクシーズキラーのG。「JUDGMENT OF THE LIGHT」で登場。
こっちはエクシーズ召喚そのものを封殺する。

ただし召喚されるのは相手フィールドであるため、現在では下手に出すとリンク素材にされるのがオチ。
《幽鬼うさぎ》などと一緒にシンクロ素材にされたり、効果のコストにされたりすることもあるので投げるタイミングが重要。
手札から送り付けやすいモンスターとして扱うのも一つの手だろう。

リンク召喚実装前はエクシーズメタとして有力なカードで、【十二獣】対策などに使われていた。
同じくエクシーズメタが利きやすいはずの【EMem】相手にも使用されていたが、あまり効果はなかった模様

ただし、EXにエクシーズ以外入れられないレギュレーションで開催された遊戯王マスターデュエルのイベント「エクシーズフェスティバル2023」ではなぜかこのカードが規制されなかったため大流行。
互いに《飛翔するG》を送りつけ合い、最終的には「どうせ止められるなら最初からエクシーズしない方が良い」と言う事でEXデッキを使わないデッキが流行ると言うイベント全否定の事態が発生したため、イベント中に《飛翔するG》が禁止になると言う珍事が引き起こされた。

ちなみに、実際の屋内に住んでいるゴキブリは飛行能力が退化しており、飛翔どころか滑空がせいぜい。
なので名前の通り飛んでいるイラストのようなことにはまずならない。


  • 《応戦する》(英語名:Retaliating"C")
効果モンスター
星4/地属性/昆虫族/攻1400/守1400
(1):相手がモンスターを特殊召喚する効果を含む魔法カードを発動した時に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
(2):このカードの(1)の効果で特殊召喚されたこのカードがモンスターゾーンに存在する限り、墓地へ送られるカードは墓地へは行かず除外される。
(3):このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキから「応戦するG」以外の攻撃力1500以下の昆虫族・地属性モンスター1体を手札に加える。
マクロコスモス》を内蔵したG。「クラッシュ・オブ・リベリオン」で登場。

自身の効果でフィールドに出す必要があり、簡単にモンスターを展開する魔法カードは確かに多数存在するが、モンスター効果だけで展開を行ってしまうことも多い。
しかも除去されると効果が切れてしまうため、普通の特殊召喚魔法に反応したところで除去効果を挟まれて大した意味もなく退場することもある。
刺さるのは「効果でカードを墓地へ送りながら特殊召喚を行う魔法カード」を基幹とするデッキ、ということになる。
つまり、融合召喚や儀式召喚メインのデッキや、《名推理》や《モンスターゲート》を多用する【インフェルノイド】などが仮想敵。登場時期*5からしてインフェルノイドは明確に意識していたと思われる。
融合/儀式デッキに関しては全てではないが、(効果で)墓地へ送ることや墓地から使える効果をアドに繋げるというパターンは多く、
例えば初動の《ジェムナイト・フュージョン》や《影依融合》にチェーンし、効果を発動するはずの素材と使い回す予定の魔法カードがもろとも除外された場合、その時点でかなりの大損害となる。

リクルーター程度なら相討ちに出来る攻撃力も備えており、除去された場合は範囲こそ狭いもののサーチ効果を備えているため消費はとんとんにできる。
《増殖するG》が対応しているため、最低限サーチ先の確保は容易であり、手札に加えておけば相手の展開ににらみがきく。
また、自分でフィールドから墓地へ送ってもいいので、機会があればシンクロ・リンク召喚などの素材に使っても優秀。
増Gを除く「G」の中ではメタ対象が安定して存在し、(3)の効果でポテンシャルも高い部類ながら、微妙な信頼性不足のためか採用率はあまり高くない。
【昆虫族】だと一転してメタカードを兼ねた《クリッターの如き存在になるため汎用性が跳ね上がり、よく見かけるカードとなる。


  • 《対峙する》(英語名:Confronting the"C")
効果モンスター
星5/地属性/昆虫族/攻1100/守2500
(1):相手がエクストラデッキからモンスターを特殊召喚した時に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したこのカードは、このカードを対象とするモンスターの効果を受けない。
「G」シリーズでは初の上級モンスター。海外版「Judgment of the Light」で登場し日本では「GOLD SERIES 2014」で来日した。
エクストラデッキからの特殊召喚に反応して手札から現れ、対象を取るモンスター効果を受けなくなる。

守備力もそこそこあるため壁としては結構有用。
しかし、攻撃を防ぎたいだけなら《速攻のかかし》なり《ネクロ・ガードナー》なり色々とある。
「相手のターンに出せるモンスター」として活用すべきだろう。

初登場時は【ヴェルズ】が環境にいたため「オピオンに戦闘破壊されるし、そもそもオピオンが出たときにはもう特殊召喚できないじゃん…」と評価が散々だった。
既に特殊召喚条件もそんな難しくなく守備力も耐性もより堅い《機動要犀トリケライナー》が存在したのも痛い。

イラストの人物は新聞と鍋のふたを構えて対峙しているが……。


  • 《接触する》(英語名:Contact"C")
効果モンスター
星6/地属性/昆虫族/攻1500/守2200
(1):相手がモンスターの召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。
このカードを手札から相手フィールドに守備表示で特殊召喚する。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、このカードのコントローラーは融合・S・X・リンク召喚を行う場合、このカードを素材とした融合・S・X・リンク召喚しか行えない。

「EXTREME FORCE」で登場した上級「G」その2。
いわゆる「時の任意効果」であるためタイミングを逃すものの、緩い条件で特殊召喚することができる。
送り付けた後、そのコントローラーはこのカードを素材に含めないとエクストラデッキからモンスターを呼べないという縛りが課せられる。

緩い召喚条件のリンクモンスターを擁する【サイバース族】などには効果が薄いが、属性や種族を召喚条件に指定するリンクモンスターを用いる相手には展開を遅らせる働きが出来る。
エクシーズに対してもランク6軸デッキでない限りはかなり刺さる。シンクロに対しては相手のチューナーとシンクロの素材指定次第。
融合に対しては緩い素材指定の融合が可能な場合も多いので相手を選ぶ。

イラストは恐らく《対峙するG》の続きで、鍋蓋を突破して左腕にGがとりついている。
このモンスターの攻撃力は「G」シリーズ中最大の1500であり、多分イラストの人物*6は死んだと思われる。南無。
ちなみに、鍋蓋にとりついているGには一応モザイクがかかっている。バレバレだよ!?


  • 《潜伏するG》
効果モンスター
星7/地属性/昆虫族/攻1300/守2500
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):相手がモンスターの特殊召喚に成功した場合に発動できる。このカードを手札から裏側守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードは、このターンのエンドフェイズに表側守備表示になる。
(2):このカードがエンドフェイズにリバースした場合に発動する。フィールドの特殊召喚されたモンスターを全て破壊する。
「PHOTON HYPERNOVA」収録の最上級「G」。
相手の特殊召喚成功時に裏守備で現れてエンドフェイズのリバースを予約し、エンドフェイズにリバースすると特殊召喚されたモンスターを全滅させる。

要するに特殊召喚に反応して時限爆弾になる効果を持つ。
場合の任意効果なので出すタイミングは逃さないが、いかんせん起爆がエンドフェイズと遅いため、その前に除去することが容易い。
そのうえ、エンドフェイズ前にリバースしたら爆発しないため戦闘でも阻止できてしまう。
逆に言えば「エンドフェイズに全滅させるぞ」と脅迫することで除去カードを使わさせる囮としての役割が強いだろう。
一応不発で表側になった後も《皆既日蝕の書》を使えばもう1回爆破させることができる。
《ギブ&テイク》で送りつけつつ使えれば、アドバンス召喚でもできない限り相手のモンスターを問答無用で殲滅できる。

レベルの高さとステータスの中途半端さからこれまで以上に取り回しは難しいので事故には注意。
そのうえ全体除去効果は特殊召喚されているならば自軍も巻き込む。(1)の効果で出している場合自身も爆死する

イラストはどうも《接触するG》のさらにその後らしく、押し入れの中に潜むGがふすまを破ろうと暴れている。
部屋の主がサーモグラフィを向けているが、それで見る限りでは押し入れ一つ分のデカさを持つ、目を光らせたGが正体の模様。潜伏とは一体。
ちなみに本来サーモグラフィに目の光は写らないし、そもそも昆虫はサーモグラフィに映らない。じゃあこいつは一体何なんだ。
デュエルモンスターに生物の常識を当てはめるのが無粋と言われればそれまでだが…。


ゴキブリモチーフのモンスター達

ゴキブリはなにも「G」シリーズに始まったことではなく、意外にも初期から多くプッシュしている悪癖がある

  • コカローチ・ナイト
効果モンスター
星3/地属性/昆虫族/攻 800/守 900
このカードが墓地へ送られた時、このカードはデッキの一番上に戻る。
遊戯王OCGの元祖ゴキ。
どこからでも墓地に送られるとデッキトップにとんぼ返りする曲者。
コンボに用いない限り延々と自分にドローロックをかけてくる正真正銘のクズカードであるし、然るべきデッキでもコンボが形成できない間の壁にもできないのが困りもの。

テキストが古いため読み取りにくいが、チェーンブロックを作って発動する誘発効果である。
このため《大逆転クイズ》で墓地に送って即座にデッキトップ戻し、確実に当てるというコンボは不可能。
このカードの効果が発動するのは《大逆転クイズ》の処理が完全に終わった後。
つまり肝心のデッキトップを言い当てる処理の時には墓地に置かれたままだからである。
もちろん事前に何らかの方法で墓地に送り、その後で《大逆転クイズ》を発動するのであれば問題なくコンボとして成立する。


通常モンスター
星4/地属性/昆虫族/攻1200/守1400
丸いゴキブリ。
ゴロゴロ転がって攻撃。
守備が意外と高いぞ。
OCGの代表的ゴキ。原作でHA☆GAが印象深い使い方をしまくったことや意外と高いステータスで多くの人々の印象に残る存在。

ちなみに当時は単なるコモンカードだったが、初収録の「Vol.6」以来再録されていないため、2018年現在では本当にレアカードと化している。
持ってる人は大事にしよう。


  • ゴキポン
効果モンスター
星2/地属性/昆虫族/攻 800/守 800
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、デッキから攻撃力1500以下の昆虫族モンスター1体を手札に加える事ができる。
サーチャーのゴキ。

サーチ範囲は意外と広く、「甲虫装機」や「電子光虫」は大体引っ張れる。
なお相方の《ダニポン》も同様にサーチャーで、あちらは守備力1000以下が対象となる。


  • インヴェルズ・ローチ/励輝士 ヴェルズビュート/覚星輝士-セフィラビュート
端末世界の監視者たるゴキとその派生形。
モチーフ的には仮面ライダーが近いか。


  • ゴキポール
星3/地属性/昆虫族/攻1000/守1200
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。
デッキからレベル4の昆虫族モンスター1体を手札に加える。
この効果で通常モンスターを手札に加えた場合、さらにそのモンスターを手札から特殊召喚できる。
その後、この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力以上の攻撃力を持つ、
フィールドのモンスター1体を選んで破壊できる。
「SOUL FUSION」収録のリメイク版ゴキ。
《ゴキール》にあらず、《ゴキール》。「BO」ではなく「PO」。
墓地送りをトリガーとしたレベル4昆虫族のサーチと、バニラをサーチした場合の特殊召喚と除去効果を持つ。

場所も方法も問わず墓地に落ちれば効果を発揮するので、展開のとっかかりとしては優秀。
特に海外で登場した《魔螂ディアボランティス》とのコンボは強力で、ほぼ確実にレベル12シンクロモンスターを出すことが可能。


  • (ジャイアント)・ボールパーク
フィールド魔法
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:ダメージ計算時に発動できる。その戦闘で発生するお互いの戦闘ダメージを0にし、自分のデッキからレベル4以下の昆虫族モンスター1体を墓地へ送る。この効果で通常モンスターが墓地へ送られた場合、さらにその同名モンスターを自分の手札・デッキ・墓地から任意の数だけ選んで特殊召喚できる。
②:自分フィールドのモンスターが相手の効果で墓地へ送られた場合に発動できる。自分の墓地から昆虫族の通常モンスター1体を選んで特殊召喚する。
昆虫たちの野球場。ボールは《ゴキボール》。

昆虫族専用のフィールド魔法であり、《ゴキポール》と合わせて除去+展開に使える。
バニラを落とせばそいつも含めて3体のモンスターが一気に並ぶため、展開補助としても優秀。
問題は戦闘を介する必要があることだが、よく読むとモンスター同士の戦闘に限定されていないため、ダイレクトを喰らった/喰らわせた場合でもOK。
《メタバース》でバトルステップに発動すればほぼ確実に通せる。


  • (ジャイアント)・ボール・シュート
永続魔法
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードを発動したターンの自分メインフェイズに発動できる。自分の墓地からレベル6以下の昆虫族モンスター1体を選んで特殊召喚する。
(2):手札の昆虫族モンスター1体を相手に見せ、相手フィールドの表側表示モンスター1体と、見せたモンスターより低い攻撃力を持つ自分フィールドの昆虫族モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスター2体のコントロールを入れ替える。この効果で自分がコントロールを得たモンスターは昆虫族になる。
まさかのボールスポーツ第2弾。今度はドッジボール。ボールはまた《ゴキボール》。

発動ターンのメインフェイズにレベル6以下の昆虫を蘇生できる。これだけでもだいぶありがたい。
コントロール交換効果は若干ややこしいが、要するに「相手の表側モンスター」と「手札の昆虫より弱い自分の昆虫族モンスター」を交換するもの。
昆虫族にはリクルーターが豊富なのでそいつらを送り付けてやるのがいいだろう。ただし、蘇生効果と同じターンには使えないことに注意。


  • G戦隊 シャインブラック
通常モンスター
星4/地属性/昆虫族/攻2000/守 0
黒光りするスーツを身にまとい、戦場を駆け回る"黒の閃光"・・・。
影あるところにG戦隊あり!
隠された飛行能力を駆使して巨大なモンスターにも立ち向かうぞ!!
JVC2018のプロモカードとして登場したバニラゴキ。

昨今の下級バニラの基本たる「攻撃力2000・守備力0・レベル4」の一体で、地属性はこれで《ゾンビーノ》《ライドロン》に続き3体目となる。


  • 超装甲兵器ロボ ブラックアイアンG
効果モンスター
星8/地属性/昆虫族/攻2400/守2800
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分の墓地に昆虫族の同名モンスターが3体存在する場合、その内の任意の数だけ対象として発動できる。
このカードを手札から特殊召喚する。
その後、対象のモンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備する。
(2):このカードの効果で装備しているモンスターカード1枚を墓地へ送って発動できる。
墓地へ送ったそのカードの攻撃力以上の攻撃力を持つ、相手フィールドのモンスターを全て破壊する。
ロボットのゴキ。《G戦隊 シャインブラック》の乗る兵器だと思われる。イラストのコアの部分をよーく見ると《ゴキボール》が動力になっている。

墓地に同名の昆虫族が3体いれば簡単に特殊召喚でき、さらに墓地から装備したモンスターをコストに全体除去をブチかませる。
《G・ボールパーク》や《苦渋の決断》で落とした《ゴキボール》でも良いが、低打点の昆虫がゴロゴロ落ちる【クローラー】との相性が良好。



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最終更新:2024年01月23日 17:18

*1 ただし、これらのチェーンブロックを組まない特殊召喚の成功時にこのカードを発動しドロー、という事はできないので注意。事前に発動しておく必要がある。

*2 当時は《フォトン・スラッシャー》+《ユニオン格納庫》の2枚からスタートして2回の特殊召喚で場が完成した。

*3 実際に2016年の選考会では、《レベル・スティーラー》を多用する【シンクロダーク】相手に使ってしまったがために連続ドローを強制され、挙句《手札抹殺》を喰らってデッキ切れで敗北した、という実例が存在する。実際にそこまで追い込めるほどドローさせられるデッキは多くないものの、全くあり得ない事態ではないということは肝に銘じておくべきだろう。

*4 2019年の世界大会予選では、【未界域】と【インフェルノイド】の対戦にて後攻側の【インフェルノイド】が1ターン目に使用。先攻側はデッキアウトを狙ったものの削り切れず、結局そのまま投了したことで後攻0ターンキルになる、という珍例が発生している。ただこの対戦では「未界域」共通のババ抜き効果を【インフェルノイド】側が片っ端から的中させて特殊召喚を防いでおり、これがなかった場合デッキアウトに至っていた。

*5 インフェルノイドが登場したのが2つ前のパックで、同パックに《インフェルノイド・ティエラ》も収録されている。

*6 モンスター世界では普通の人間の攻撃力は0ではないかというのが通説