角田六郎

登録日:2017/10/15 (日) 17:16:06
更新日:2024/01/06 Sat 17:32:22
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暇か?


角田六郎とは、テレビドラマ『相棒』の登場人物である。

演:山西惇


人物


警視庁組織犯罪対策部組織犯罪対策5課課長で階級は警視。
かつては生活安全部の薬物対策課の課長だったが、警視庁の組織変更に伴い現在の役職となった。
『相棒』に詳しくない人には「「暇か?」の台詞と共に特命係にちょくちょく顔を出すおじさん」と言ったほうが分かりやすいかもしれない。愛称は「暇課長」。

年中着ているニットのベストと黒縁眼鏡がトレードマーク。シリーズ初期は眼鏡をかけていなかった。
既婚者で息子が最低でも1人おり(その他の家族は不明)、京都府警には婿に行った双子の兄・一ニ三がいる。ちなみに兄弟仲はあまりよくない。
特命係の良き協力者の1人であり、「人手が足りないから」などの理由でよく捜査協力を頼んだり、逆に頼まれたりする事もある。
普段は「暇か?」の台詞と共に特命係に顔を出しては、そこにあるコーヒーサーバーを使ってコーヒーを飲んでいく。ぶっちゃけ特命係よりこの人のほうが一番暇に見える。

フレンドリーで気さくな人柄から忘れられがちだが、杉下右京よりも階級は上なため、
右京からは「課長」呼びと敬語を遣われ、逆に角田側は基本的に「お前」や「杉下」と呼び、タメ口で接している。
特命係、特に右京から面倒な頼まれごとをされることも多く、「オレ、偉いんだよ?」と愚痴る事もあるが、
右京の推理力は素直に認めており、煙たがることはあるが右京や特命係に対してかなり好意的に接している。

ノンキャリアの叩き上げで、これ以上の出世を諦めているような節がある。
それでも上昇志向は一応あるようで、事件によっては捜査一課と手柄の奪い合いをする事もある。
ドラマではこのような扱いだが、「ノンキャリアで本庁の課長」というのはおよそ最大級の出世であり、
それを考慮すれば、角田課長はノンキャリアとしては間違いなく出世頭であると思われる。

なお、厚労省の麻薬取締部(通称マトリ)の事は捜査一課よりも嫌っている。
だがマトリには組織犯罪対策部には出来ないような捜査も許可されているので、その事だけは羨ましく思っている。

趣味はカメラと釣り。
流行りものやメディア情報に目がなく、お天気キャスターの八木沼リカやラジオDJの伊沢ローラのファン。
パンダ柄のマイカップ、ランチョンマット、シガレットケースなどを所持している事からパンダ好きと思われる。
ちなみに中学時代には、恋人(現在の妻)のお手製のパンダ柄のベストを着ていたらしい。
特命係の部屋にも取っ手にパンダが乗っているマイカップを置いてあるが、
今あるのは2代目(最初のパンダ柄のやつは亀山薫が子供に勝手にあげてしまった)。


性格


平時は至って温厚で飄々とした人物で、ふらっと特命係の部屋に入ってきてはコーヒーを飲んでいる。
おしゃべり好きでもあり、家族や家庭に関する出来事をよく話す。薫曰く「平凡を絵に描いたような人」

うっかり屋なところがあり、離婚経験のある右京の前で「女房に逃げられたらおしまいだよ」と言ってしまったり、
おしゃべり好きが高じて捜査一課に特命係が掴んだ情報をうっかり漏らしてしまった事も。
さらに、若干ながら考えが愚直でプラス思考気味なところもあり、そのせいで警察官ながら詐欺に遭いかけてしまった事もある。

このようなコミカルな言動から、先述の「暇か?」のシーンも合わせてコメディリリーフ的役割を担っている。
シリアスな話も多い本作においては貴重な存在。

そんな普段の様子からはとても想像がつかないが、ヤクザ嫌いを公言しており、組織犯罪には厳しく対応する。
麻薬や拳銃絡みの事件を捜査する際には、容疑者に対してすごい剣幕で怒鳴りつけるなど態度が一変する。
ある事件では捕まえようとした暴力団員に「メガネザル」と呼ばれた事でキレてしまい、我を忘れて暴力を振るった事もある。

普段は右京に嫌味っぽいことを言われても、階級が下の人間に失礼な態度を取られてもあまり腹を立てないが、
冠城亘が暴力団を利用して捜査をしていたと知った時には流石に怒り、連帯責任として右京と亘を厳しく叱り付けるなど、
特にヤクザや暴力団絡みとなると、普段の飄々とした態度が嘘のようにピリピリする。
それでも根がいい人なので、その後も右京からの頼まれごとには素直に応じている。


能力


うっかりしたところもあるが、ノンキャリアで警視にまで上り詰めているだけあってなかなかの切れ者。
彼の何気ない一言が事件を解く重大なヒントになる事もよくあり、その度に右京に感謝されている。
また右京が違法ギリギリの捜査を行っているのを知った時にも「見なかったってことで」と言って不問にするなど話の分かる人物。
伊達にいつも特命係で油を売っているわけではないのだ。

流行りものは大体把握しているのでその辺の事はやたら詳しく、
現在流行している店やデビューして間もない若手小説家の顔などもいち早くチェックしている*1
ミーハーな一面もあり、芸能関係には明るい。特命係の部屋のテレビで女優の不倫会見を見ようとしたこともある。
相棒世界でのサブカルな趣味の説明が米沢さんの役目だとしたら、
メジャーな芸能、政治、流行関係の説明は彼の役目となるだろうか。

一方で味覚音痴気味であり、コーヒーの挽きたてとインスタントの区別がつかなかったり、
皆が口を揃えて「微妙な味」と表現する亀山美和子特製の美和子スペシャルを「奥さん、あんた天才だ!」と絶賛して完食した事がある。
ちなみに好みのコーヒーは薄めのもので、濃いめのコーヒーを亘に出された時には「いつもの薄いのでいいや」と言って断っていた。

組織犯罪を扱う警察官としての実力は凄腕らしく、裏社会ではかなりの有名人。
その筋の人が「角田課長がよろしく言っていた」と聞いただけで顔を引きつらせたシーンもある。
卑劣と卑怯が上等の暴力団を追っていることもあり、じっくりねっとりと時間をかけた捜査能力に関しては折り紙付き。
だが、意図しない部分の回答をいきなり求められたり、相手が思わぬ行動に出たりすると戸惑ってしまうなど、咄嗟の行動力や勘に欠ける部分がある。
例えば暴力団のアジトを襲撃した際、リーダー格が2階の窓から飛び降りる奇策を使ったせいで危うく逃がしかけてしまう事もあった。(特命係のおかげでなんとか確保できたが)
尤も特命係の勘や臨機応変さが異様すぎる為、若干それらに遅れを取っているように見えるだけで実際角田本人は優秀な警察官と言えるだろう。


特命係との関係


プレシーズン2で初登場。この頃から「暇か?」と言っては特命係に入り浸っていた。
特命係の直属の上司というわけではないが、特命係の部屋が組織犯罪対策課の隣という事もあり、
便宜上は特命係の上司、あるいは監督者のような立場となっている。

大体は特命係に置いてあるコーヒーサーバー目当てで顔を出し、
時にはそこで居眠りをしたりおやつを食べたりテレビを見たりとやりたい放題やっている。
ちなみに自分の課にもコーヒーサーバーはあるが、「こっちの豆のほうが美味いから」という理由で特命係のものを使い続けている。
上述の通り味覚音痴なので、味はよく分かってないっぽいけど。

特命係の能力を高く評価しているので、彼らを信用して事件の情報を教えたり、
逆に対策課が抱えている難事件の手伝いをさせたりと、持ちつ持たれつの関係となっている。
神奈川県警との合同捜査の時には、右京の活躍で面目が保たれた事で事件解決後には右京の肩を嬉しそうに揉んでいた。

たまに特命係の電話に勝手に出る事もあり、右京やその相棒に呆れられることもある。
勝手に出た電話の相手が刑事部長の内村完爾だった時には思わず慌てふためいていた。

立場上本人は陰ながら協力しているつもりであるが、特命係との関係は結構表立っており、
大河内春樹に「特命係と仲良くしすぎだ」と釘を刺された事がある。
その際には「暇つぶしを装って彼らを監視している」と誤魔化し、特命係には「オレの目は盗みやすくていいだろ」と笑っていた。

なお、「特命係に異動=左遷」という固定観念があるからか、
新たに右京の部下となった人物に「何やらかしたの?」と尋ねるのは恒例となっている。


主な人間関係



特命係係長。
彼の頭脳を高く評価しているので、よく「流石、物知り警部殿」などと言って囃し立てている。
今でこそ右京のよき理解者かつ協力者であるが、初期の頃は半分嫌味混じりで「警部殿」と呼んでいた。
というか今でも基本どこか見下している所がある。
右京も右京で、普段は割と角田課長を適当に扱っている節があるが、
警察官としての彼の実力や人格は認めており、根っこのところでは互いに感謝と信頼を寄せている。
事実、S.17-4にて一触即発状態になった時には、
「今まで散々助けてやったから今回は目を瞑ってくれよ(意訳)」という角田からの言いがかりに近い要求に対し、
右京は「それとこれとは話が別です」と話を逸らした。つまり、助けてもらっていることは否定しなかった
角田「お前は最後まで…俺に付き合えよ」
右京「わかりました」


右京の初代相棒。
彼が特命係にいた頃はよくコーヒーを用意してもらっていた。
薫が一時的に運転免許試験場勤務となった時には、
「オレとお前の仲じゃないか」とシートベルト違反を見逃してもらおうとわざわざ面会にやってきていた事も。

薫以降の右京の相棒達。
薫が特命係を去った後は、彼らにコーヒーを淹れてもらっている。
新しく特命係にやってきた彼らに対し「何やらかしたのよ?」と聞くのは定番。
右京同様に、彼らに対してもフレンドリーかつ親切に接しているが、
彼らとて自らの領域に手を出したら激怒して上司の右京も交えて説教することも。

捜査一課の刑事3人組。通称「トリオ・ザ・捜一」。
捜査一課との合同捜査になった時には、彼らを出し抜いて手柄をあげようとする。

  • 大木長十郎
  • 小松真琴
組織犯罪対策5課の刑事で角田の部下。
角田との関係は良好で、プライベートでも付き合いがある。
上司と3人揃ってコミカルな印象を与えるが、ヤクザからしたら天敵らしく、
挨拶するだけで大体のヤクザはビビっている。
よく一緒に釣りに出かけており、ある事件では3人で変死体を釣り上げてしまった事もある。
特命係が暴力団や元暴力団の相手をする際は助っ人として同行する事もある。

警察庁長官官房室長。
あまり関わった事はないが、相手が小野田だと知らずにうっかりタメ口を利いてしまったり、
特命係で碁の対局をして全力を出したにも関わらず小野田に10戦全敗した事がある。


余談


相棒唯一のゲーム作品にして、ファンからの評価が極めて高い傑作『相棒DS』には、
何と彼が主役のミニゲーム、その名も、
「組織犯罪対策5課課長角田六郎のザ・特命係のコーヒーサーバーからコーヒーを頂いちゃおう!ゲーム」
なるものが収録されている。
ゲームとしてはシンプルで、角田課長を操作し、特命係の小部屋で談笑している右京と薫に気付かれないように、
特命係のコーヒーを盗んで飲むというしょうもなさすぎるゲームである。
どう見ても右京に気付かれるだろうとか、そもそもいつも堂々と勝手に飲んでるだろうなどとツッコミどころは満載だが、
ミニゲームとしての出来はそれなりに良く、意外と楽しめる。

「刑事コロンボ」ほどではないものの、割と奥さんに関する話を角田課長がするシーンは多いのだが、
件の奥さんが劇中に登場したことはなく、実際にどのような人物なのかは謎に包まれている。
「相棒22」では、奥さんと旅行に行った角田課長からの写真を特命係が見るシーンがあったが、
奥さんの顔の部分は(視聴者目線では)薫の手で隠れてしまっており、不明のままに終わっている。
なお、この際奥さんの顔を見た右京はなんとも言えない顔をしている。



「追記・修正してくれって?オレも暇じゃないんだけどなぁ~」

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最終更新:2024年01月06日 17:32

*1 若手小説家の場合はその作品までは読んでいなかったが