ユナ(SAO)

登録日:2017/10/14 (Sat) 16:56:32
更新日:2023/08/01 Tue 01:43:18
所要時間:約 10 分で読めます




※この項目はネタバレを多大に含みます。閲覧にはご注意下さい。


みんな準備はいい? さぁ戦闘開始だよ、ミュージックスタート!


ユナとは、ライトノベルソードアート・オンライン』を原作とした劇場アニメ『ソードアート・オンライン - オーディナル・スケール - 』の登場人物。このエピソードのメインヒロインの一人。

CV.神田沙也加、松田利冴(2023年以降)
声を担当した神田氏の逝去に伴い後任を松田利冴が務めることになった。
ただし歌唱については神田氏の歌をできる限り用いる模様。


◆ユナ/YUNA



◆概要

世界初の「ARアイドル」にして、ARMMORPG《オーディナル・スケール(OS)》のイメージキャラクター。肉体を持つ人間ではなく電脳存在たるAIだが、その挙動のあまりの自然さに「実は生身の人間が演じているのでは」という噂がある。

帰還者学校の面々の為の無料招待席があるとはいえ、新国立競技場で開催された3万人を動員する1stライブのチケットが即日完売するなど、OSプレイヤー(劇中では呼称されていないが《アダプト》という)は勿論一般にも絶大な人気を誇る。*1
シリカも彼女の大ファンの一人で、リズベットにユナの楽曲である『Ubiquitous dB』をカラオケで流されると人目をはばからず熱唱してしまう程入れ込んでいる。

OSには一部のステージに「応援」に駆けつけ、彼女が歌い始める事でプレイヤーにバフが付与される。付与されるバフは以下の3つ。
  • 《攻撃力上昇》
  • 《防御力上昇》
  • 《HP最大値上昇》
ARの為《移動能力強化》や《命中率上昇》のようなプレイヤーの動きに関する強化は出来ないので、いずれも単純で基本的な数値の強化にとどまっているが、ある程度RPGをプレイしたことのある方々にはこれらがどれだけ重要かお分かりいただけるだろう。後述の「MVPボーナス」と併せ、プレイヤー達からは重宝されている存在。
また《旧アインクラッドボス出現ステージ》には高確率で彼女のライブステージが組み込まれており、SAOボスは獲得できるポイントが多いこともあって、場所が告知されてから30分程度で人が大勢集まる程の賑わいを見せている。

ステージ衣装は黒と紫を基調に、所々赤が使われた近未来的なワンピース。左腰のリボンは実はマイクだったり。

言動はまさに「小悪魔」という形容が似合う様子で、投げキッスだったり戦闘でMVPを取ったアスナの頬にキスしたりと、行動がコケティッシュ一歩手前。
担当編集「MVPが男の場合? デコピンです」
まぁARだから感覚はないんだけどね。残念。ちなみにMVP所得で入るボーナスポイントは10000程度。ワグナリアの「パックマン」クリアの報酬ポイントが100程度であることを考えるとこの額はかなりデカいので、二重の意味でオイシイ。

アイドルとしての活動の間以外はOSランク2位のプレイヤー・エイジと行動しており、彼に《SAO事件記録全集》を読んでもらおうとするなど、彼にだいぶ懐いているように見える。
本来彼女の人格設定には《大勢の人の前で歌いたい》という動機付けしかされていないのだが、この通り歌うこと以外にも関心を持つようになっている。
開発者の重村徹大は「自己保存プログラムの影響」と推測しているが…?

ちなみに彼女のスケジュールは《アリオルーム》という芸能事務所とオーグマーを製造した《カムラ》が共同で請け負っていることになっているが、実際にアリオルームとカムラが行っているのはマネジメント業務だけで、スケジュール管理は実質重村とエイジが行っている。

また彼女に似た白いフード姿の「幽霊」がプレイヤー間で噂になっているが、その関係性は…



◆アイン/AIN



◆概要

ユナの周りを飛んだり転送したり、1stライブで足場になったりしているアイツ。性別は女の子らしい。
コイツもコイツで人気があるようで、シリカはどうやら自作らしいピナのマスコットと一緒にアインのキーホルダーを通学用カバンにつけている。

劇中では本当に「なんかユナの周り飛んでるなんかよくわかんないやつ」程度の印象だが、実は彼女の正体は…

因みに「アイン」という名前は当初存在しておらず、入場者特典の「SAO劇場版 "裏"記録全集」での座談会中に急遽決まったもので(しかもその座談会は劇場公開後に行われたもの)、それまで制作陣からは「おまんじゅう」だの「ブタまん」だの言われていた。
正式名称の由来はドイツ語の「1」。ユナの名の由来もラテン語の「1」なので、その場しのぎその場のフィーリングで決まった割にはしっかりとしたネーミング…のような気もしないでもない。


以下物語の根幹に関わるネタバレ
























◆ユナ/重村悠那




もしかしたら、全部夢かもしれないよ? デスゲームをクリアしたのも、現実世界に戻ったのも


◆概要

プレイヤー間で噂になっていた「白い幽霊」。キリトの前に幾度となく現れては「探して」という言葉を残し去って行く謎の少女。
キリト達はこちらを「白ユナ」、アイドルの方を「黒ユナ」と呼び分けている。

その正体は不明だったOSランク1位の存在にして、重村の一人娘で鋭二の幼馴染だったがSAOで死んでしまった「重村悠那」を、SAO帰還者から抽出した記憶データの中にある悠那の記憶を結合させ再現したデジタルゴースト。「トップダウン型AIの究極形」とも称される。
黒ユナはSAO帰還者をOSに呼び込む為の客寄せパンダに過ぎず、SAOボスが高いポイントを持っていたのも、1stライブに帰還者学校の生徒全員が無料招待されたのも、全てはSAO帰還者の持つSAOの記憶からユナ/悠那の記憶を集めるため。
しかしライブ会場内に飛んでいるドローンによってワイヤレス給電が行われ出力が上がったオーグマーで記憶スキャニングを行うと、共鳴効果で電磁パルスが増幅し3万人の脳を破壊――つまりナーヴギアと同じ効果をもたらしてしまうため、それを止めさせるためにキリトに助力を仰いだ。*2

SAOでの悠那は「ユナ」という名前でプレイしており、数少ない《吟唱(チャント)》という「歌を聴いたプレイヤー全員にバフを付与する」というスキルの使い手で、NPCの楽団が演奏する曲に合わせて歌い、多くのプレイヤーから《歌エンチャンター》として親しまれていたが、吟唱には「効果範囲内のMobから集中的にターゲットされてしまう」という致命的な欠点があり、それを知る由も無かった悠那は鋭二の目の前で命を落としてしまった。黒ユナの歌にバフが付与される効果があるのも、悠那の死で《吟唱》の危険性を知って使おうとしなかった《攻略組》へのエイジなりの意趣返しかもしれない。
ナーヴギアによって破壊された悠那の脳は修復不可能だったが、重村は前述の通り「SAO帰還者から悠那の記憶を集め、それらを結合させて悠那を再現・蘇らせる」という計画を建てた。

なお、この「第三者が持つ特定の個人に関する記憶をもとにその個人を復元する」という行為は、(ユナ自体が劇場版オリジナルのため後付けではあるが)アリシゼーション編への布石ともなっている。

白ユナはとあるMobの言語化エンジンのリソースの一部で動いているため、復元に成功してもそのMobが倒されれば初期化されてしまうのだが、OSランク1位=オーディナル・システム版SAO1位の特権である「不死」によって無敵の存在になっているため、《オーディナル・スケール》で彼女に敵う相手は存在しない。


◆劇中での活躍

ユイの奨めで嫌々ながらOSの練習をしていたキリトの前に現れ、ある方角を指さすと消え去ってしまった。実体がないのでNPCかと思われたが、NPCであることを表すタグがない。
その後も何度かキリトの前に現れ、アスナの記憶を取り戻す為に奔走する彼をスマホのナビに行き先設定をして博物館に呼び寄せると、オーグマーのフルダイブ機能を一時的にアンロックさせてアインクラッド第100層《紅玉宮》に招く。
そこでキリトに「アスナさんの記憶を取り戻したいならランクを上げる必要がある」と助言。その日のボスを可能な限り全て斃すという荒業で9位にまで到達したキリトはライブ会場地下駐車場でエイジと対決し、どうにか彼を倒した後は次にライブ会場に突如出現したボスを斃そうとするが、74層ボス《グリームアイズ》やあの75層ボス《スカルリーパー》、果てには90層クラスとまでされた《フェイタルサイズ》までもが現れていた。
勿論こいつらを記憶スキャンが行われるまでに倒し切るのは不可能なため、次善の策としてプレイヤー達からオーグマーを外させようとするが、既にSAOボスが大量のポイントをもたらすことを知っていたプレイヤー達は聴く耳を持たない。

そこで悠那はキリト達一行のオーグマーのフルダイブ機能をアンロックし、1位に設定された100層のボス《アン・インカーネイト・オブ・ザ・ラディウス》をキリトに倒させて彼を1位にさせ、無敵になったキリトの力で会場のボスを一掃させるためにOSランクが意味を持たないカーディナル・システムで運営されているアインクラッドに送り込む。

――ボスを斃せば、悠那自身も消滅することを伝えぬまま。

彼らが100層で戦っている間キリト達の現実の身体を大盾を召喚してボスから守っていたが*3、遂に盾を弾き飛ばされた所を、ボスを斃し1位になったキリトが戻ってくる。彼の促しでプレイヤー達を鼓舞するべくSAO時代のように吟唱、勝利へ導いたが、そこで完全に100層ボスのデータが初期化されてしまったため、アスナから抜き取られた記憶を彼女に返すと、鋭二と重村に最期の言葉と思いを伝え、「泡沫の記憶」のように消えていった。

●TVアニメ本編にて
アニメ第3期「アリシゼーション」ではOP映像にチラっと映るだけで、本人の登場はなかったものの、クラインが車の中で彼女の曲を聴いているシーンがあった。
しかし最終章である「War of Underworld」にてエイジと共に登場。ALO内ではナビゲーション・ピクシーの姿で彼と行動を共にしていた。
アンダーワールドへは旧SAOサーバーから「ユウナ」名義でコンバートすることでログインをし、PoHとの戦いに挑むエイジにバフを掛け、中韓プレイヤー達を歌で正気に戻す。
その後はPoHに惜敗したエイジを労う様に共にリタイア。一瞬だけだが、SAOでの「悠那」としての姿になり、在りし日の二人を思わせる光景を見せたのだった。

◆ユナ悠那の歌一覧
  • Ubiquitous dB
    「鳴らせ Hi-Fiな思いと 次元を超え胸打つメロディー」
 冒頭のオーグマーとユナの紹介をする情報番組のシーンなど、端々でユナが登場するシーンで流れているアップテンポな曲。やけに印象に残るイントロが特徴。

  • longing
    「彼方に輝く星が導く場所へ 誰よりも早く辿り着くよきっと」
 《カガチ・ザ・サムライロード》戦ほか、SAOボス戦で流れている曲。おそらく「戦闘BGM」的な扱いと思われる。
 間違いなくSAOの劇判で最も梶浦節全開の楽曲。

  • delete
    「何処にも届かず君の声は潰えた 消え行く事さえ誰も気付かぬままに」
 《風林火山》VSエイジのシーンほか、SAO帰還者の記憶が奪われるシーンで流れている曲。これが流れるシーンは演出と併せて絶望感がヤバイ。
 …歌詞は悠那の死を嘆く鋭二の心情を表しているかのように暗く、曲調もかなり重い。

  • the first town
    「空を照らす星よ 丘に吹く緩い風よ 古の都市を征く 旅人にどうか加護を」
 キリトと悠那の紅玉宮での会話の際、彼女が口ずさんだ曲。キリトも聞き覚えがあった事を見るに、SAOでNPC楽団が演奏していた曲に歌詞をつけた物だと思われ、実際に歌詞のないこの曲はアニメでも日常シーンでよく流れている。
 残念ながら劇場版のサントラにもBD・DVD限定版特典のボーナスサントラにも収録されていない。

  • Break Beat Bark!
    「僕の刻んだ記憶(メモリー)を 君と創り上げてきた現実(リアル)を イレギュラーになんて奪わせるな」
 ユナの1stライブにて、キリトとエイジの決戦のバックに流れている曲。
 《ノーチラス》時代のエイジと《オーディナル・スケール》のキリトの覚悟を歌った曲の入りと共にOSを起動しぶつかり合う2人は非常にカッコいい。

  • smile for you
    「消えて行く春の 名残のような 温もりだけをその胸に そっと」
 キリトが《紅玉宮》で手に入れた剣で会場のボスを斃し、悠那がプレイヤー達を勇気づける為に歌った曲。
 「delete」がエイジの嘆きを歌った歌なら、こちらは悠那から鋭二、重村へ向けた歌だろう。



追記・修正は最高の歌を披露してからお願いします。

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最終更新:2023年08月01日 01:43

*1 余談だが、冒頭の情報番組のシーンに居たユナの大ファンのコメンテーターは《SAO帰還者》。アニメ1期第1話のネカマ組の片割れである。

*2 重村もこのことは把握しているが、「悠那を蘇らせる為なら、喩え茅場と同じ道を歩んだとしても喜んで悪魔に魂を売ろう」とまで言っており、最早言葉で止める事は不可能だった。

*3 フルダイブ中は現実の身体を動かす事はできないが、相変わらずOSのバトルには参加している扱いのため、攻撃を受ければ記憶スキャニングが発動してしまうおそれがあったため。