藤木遊作/Playmaker

登録日:2017/10/07 Sat 14:24:58
更新日:2024/01/15 Mon 19:04:34
所要時間:約 17 分で読めます





俺は自分自身の意志でやってる。俺は必ずあんたの弟と俺の過去を奪った奴等に復讐する!


藤木遊作はアニメ「遊戯王VRAINS」の主人公で、アニメ版「遊戯王」における6代目の主人公。
CVは石毛翔弥氏、幼少期は遊戯王ではモブキャラ担当でおなじみ大室佳奈氏が担当。


■藤木遊作としての概要



本作の舞台である「Den City」にある学校に通う16歳の高校生。
遊戯王の歴代主人公の例に漏れず、「一部ピンクが混ざった青」という奇怪な髪の色と、「前髪の一部を尖らせ、頭に板を張り付けたような形」という独特な髪形をしており、
一部の視聴者からは「ウミウシ」とか、歴代主人公のなかでは遊馬に似ていることから「青ザリガニ」とか呼ばれたりしている。*1
が、それ以外の服装などに関しては基本的に普通の学生であり、名前自体もごく平凡なもの。

性格はクールで目立つことを極端に嫌い、基本的には草薙以外の人物に対してはそっけない態度で接する。
他にも「3つ」という要素にこだわりがあるが、これは後述する「ロスト事件」内での出来事に由来している。

物事の分析が得意で、相手の性格などを冷静に分析して良い所、悪い所などを正確に見抜く。
ハッキングにも長けており、Ai捕獲の為の罠を簡単に作ったりしている。
また、上述したこだわりからか何かを説明するときは「3つ」の理由を挙げ、桃太郎侍のごとく「1つ」「2つ」「3つ」と話すのが特徴。

他にも「リンクセンス」と呼ばれる、Aiやハノイの騎士を感知したり、
現実世界にいながらネットワーク内を移動するリボルバーの姿を視認できる等の能力を(本人曰く)ずっと小さい頃から持っており、
ただの人間ではないではないことが示唆されている。そもそも歴代主人公で最後まで普通の人間だった存在など誰1人いない。

しかしその一方で、授業中に眠っていたと思われるような描写が1話で早々に出てきたり、
ハノイの騎士の情報を受けて無断で教室からいなくなったりと、学生としてはあまり褒められたものではない行動が見受けられる。

そんな彼の行動原理はなんと復讐
彼はある時間より前の記憶を失っており、それに関わっているとされるハッカー集団、「ハノイの騎士」に対して強い憎しみを抱いており、
草薙と共に彼らを追い、LINK VRAINSにて「Playmaker」のアカウントで行動している。

歴代の主人公達が「復讐」や「敵意」に対して基本的に否定的な考えを持っている事を考えると、これはかなり異質な側面である。
特にVRAINSのシリーズ構成の吉田氏は前々作ZEXALにてデュエルによる復讐を最後まで否定した主人公を描いていたので猶更である。

第1話でハノイの騎士に対抗するべく、彼らが「イグニス」と呼び、その存在を抹殺せんとしているAIを自らの下へと誘導して自身のデュエルディスク内に捕獲。
以後彼に「Ai *2」と名前を付け、事実上の人質として行動を共にさせている。

上記の性格もこれら復讐のための行動を隠すためのもので、
「Playmaker」の正体であると悟られないように普段は弱小デッキ*3をダミーのデッキとして持ち歩いている。

また作中の登場人物の大半が電子化されたカードとサポートAIを搭載した新型デュエルディスクを使用する中で、
彼は紙のカードのデッキを手動でセットし、サポートAIも搭載されていない旧型デュエルディスクを使用している。
しかしその実態は、プログラム干渉をブロックする機能やプログラムを収容するスペース設置(Ai捕獲に使用された)などの徹底的なカスタマイズが施されており、
ハノイの騎士が彼とデュエルで戦わなければならないのはこれが理由になっている。???「俺のディスクは手作りでね!」

ちなみに上述した通り、遊作は基本的には誰に対してもそっけないのだが、
Aiに対しては輪をかけて酷く、彼が遊作を煽る様な軽口を叩いたり人前で喋り出そうとすると、
「黙れ」「スピーカーをオフにするぞ」などの冷たい言葉を彼にぶつける。

そして19話では「俺とお前の間に友情などない」という、主人公らしからぬ発言をしている。
もっともな話なのだが。





■Playmakerとしての概要





ハノイの騎士! お前たちがはびこる所には必ず俺が現れる。


俺の名は、Playmaker !



LINK VRAINSでは容姿が大きく変わり、青色主体だった髪が黄色と赤色の明るい髪色へと変化し、
服もモスグリーンの全身タイツ(!?)らしき服装へと変化。体格も本体の遊作に比べて細身だが少し筋肉質になっている。

基本的な顔の輪郭は遊作のそれとほぼ同じだが目は少し鋭く、黒目が小さくなっており、精悍な印象を受ける。
「Playmaker」とは英語で「(サッカー等における)司令塔」を意味しており、なおかつ「遊=Play、作=maker」と、彼自身の名前のもじりにもなっている。

テロ活動を繰り広げるハノイの騎士の前に現れ、彼らを倒しては何も語らずに立ち去っていく為、
「LINK VRAINSのヒーロー」と彼を称える人も多い一方でブルーエンジェルとの一戦での異変の件などで「プレイ売名カー」と罵倒する人もいたりする。

自身の目的が「ハノイの騎士への復讐」である為、
ハノイの騎士あるいは後述する「ロスト事件」に関連する人物とのデュエル以外は受けないのだが、
ハノイの騎士の変装を使ってデュエルを申し込んできたGo鬼塚のデュエルにおいては彼のデュエルへの熱意に心を動かされ、
離脱しようとすれば出来たデュエルをあえて離脱せずに最後まで彼と戦った。


復讐に無関係な人物に対しては優しさを見せたり自身の復讐に巻き込むまいとしており、
第1話ではアカウントを消されかけたブルーエンジェルを助けたり、第8話ではそのブルーエンジェルとのバトルで彼女が昏睡状態になった事に責任を感じ、
自身を誘き出す罠だと分かっていて敢えてLINK VRAINSに入ってくるなど筋を通している。

一方でハノイの騎士には時に冷徹に、時に憎しみを剥き出しにしたりと、激しい敵意を露わにしている。
他にも財前晃とのデュエルでは復讐を止める様に諭す彼が言った過去の話に激怒したり*4
財前がロスト事件の首謀者に関する情報を持っている事を聞いた際には普段の彼からは想像もできないような鬼のような表情になって詳細を聞き出そうとした


使用デッキ

使用するデッキはビートダウン型の【サイバース族】デッキ。
使用するモンスターは現状全てサイバース族である(デュエル外では悪魔族のクリボールをデコイとして使用しているが)。

スピードデュエルの場合は基本的に下記のスキルの関係上、自身のライフを可能な限り減らしてスキルを使用。
そこからの怒涛のリンク召喚による逆転という、所謂「肉を切らせて骨を断つ」のが彼の基本の手筋で、1ターンキルや1ショットキルによる勝利も多い。

恐ろしい時はフィールド・手札にカードがない状態から後攻1ターンキルをした事もある

ハノイの騎士と真っ向から向き合う気概を持つだけあってデュエルの腕はかなり高く、
攻撃・防御共にバランスが取れており、墓地効果やカウンターなども積極的に活用している。

また、デッキ内に「ビットロン」「デジトロン」といった通常モンスターも採用されており(主人公のデッキ内の通常モンスターは遊星の「アンサイクラー」以来。)、
「ドラコネット」や「リンク・スパイダー」を使っての展開に役立っている。

エースモンスターは「デコード・トーカー」、「ファイアウォール・ドラゴン」。
どちらも下記のStorm Accessにて獲得。

前者は所謂5D’sの「ジャンク・ウォリアー」の系譜、
つまり準エース格だが、自身の効果が強力な事とスピードデュエルでは高リンクモンスターが出しにくいからか、今も活躍の場はある。

後者は今の所マスターデュエル戦でしか使われていないが、どちらでもフィニッシャーになっている。
ちなみに上記2体を獲得する前のエースモンスターについては不明だが第1話冒頭のデュエルシーンでは「リンクスレイヤー」でハノイの騎士を倒していた為、
このモンスターが彼のかつてのエースだった可能性がある。


固有スキルは「Storm Access」。
自分のライフポイントが1000以下の時にデータストームの中にあるモンスター1体をランダムにエクストラデッキに追加、デュエル中に使用可能にする*5

遊戯王における「鉄壁(ライフ1000以下の通称)」と「カード創造」をスキルによって表現。
所謂「主人公補正」を能力として具現化したようなスキルである。

データストームの侵入そのものが危険な上に手に入るモンスターが何かは分からないので、普通に使うにはギャンブル性が高すぎるスキルだが、
Playmakerはこれを巧みに使いこなしており、手に入れたカードの多くはそのスピードデュエルでフィニッシャーになっている

その性質上自分のライフポイントを減らす必要があり、
Playmakerは防げるダメージをわざとを受けたりライフポイントを大量に支払うようなシーンが多い。
歴代の主人公も「残り僅かなライフからの逆転」という構図はよくあるが、基本的には相手からの(防ぐことができない)ダメージによってライフが減ったものであり、能動的にライフを削ろうとするのは珍しい。

反面スキルの条件が「ライフを減らす必要あり」「データストームを自分の近くにないと発動できない」など比較的受動的な為、
スキルを知っている相手に「遊作のライフを1000以下にしない」という対策を取られうるという欠点もある。


以下、PlaymakerがStorm Accessを用いて手に入れたモンスターの一覧
  • 『デコード・トーカー』
  • 『リンク・バンパー』
  • 『エンコード・トーカー』
  • 『ファイアウォール・ドラゴン』
  • 『エクスコード・トーカー』
  • 『ベクター・スケア・デーモン』
  • 『パワーコード・トーカー』
  • 『トランスコード・トーカー』
これらのカードはデュエル終了後に実体のカードとして出力*6され、現実世界でも使用できるようになっている。





■アニメ「VRAINS」での藤木遊作



ハノイの騎士を追っていく中で、リボルバーが接触してくる。
先のデュエルで昏睡状態となったブルーエンジェルが感染したウィルスの除去プログラム、そしてAiをかけたデュエルを開始。

スピードデュエルで始まったバトルは一度引き分けという名の中断でマスターデュエルへ移行。
全体を通してリボルバーにペースを握られていたが、Playmakerはスピードデュエル直前に手に入れていたファイアウォール・ドラゴンで形成を少しずつ逆転。辛くも勝利を獲得し、事態は収束した。

しかしデュエル中にリボルバーが放った「意思を持つAI」の言葉が彼には引っかかっていた…。

その後、遊作と草薙は更なる事件の情報獲得の為、SOLテクノロジー社のデータバンクに目を付ける。
紆余曲折を経てデータバンク中枢部に到達するも、そこには彼とを囮にすることで先に辿り着いたゴーストガールと財前晃がいた。

復讐を止めさせたい晃と自身の進退をかけてマスターデュエルを開始。
何重にもロックをかけられ、追い詰められていくも、怒涛のリンク召喚により勝機を掴み、逆転勝利に成功。

データを手に入れて帰還した遊作は、早速草薙とAiの手を借りてデータを解析する。
その中からロスト事件の首謀者と思しき人物を探り当てた草薙だが、直後に彼らは驚愕に襲われることになった。

その人物とは、リボルバーの協力者であり、彼から「父さん」と呼ばれていた鴻上博士。
だが解析したデータの中には、博士はとうの昔に亡くなっていたことが同時に記されていたのだった……。


19話にて、ついにPlaymakerの口から「ロスト事件」についての詳細が語られた。



■作中での主な発言


Aiへの冷たい態度から主人公とは思えないような鬼畜発言もなかなか多い。


遊作
お前には人質になってもらう。」(アニメの予告PVでの発言。開始前の段階でこれである)
「お前には救世主になってもらう。」(第1話で実際に言った台詞。流石に「人質」はまずかったようだ)
「メインモンスターゾーンが3つのレギュレーションってあったか?」
「答えないならお前のプログラムをバラバラにする。当然今のお前は消えるがな」
「ハノイの騎士とのデュエルは命がけになる。そんなデュエルにあいつを巻き込みたくはない」
「黙れ」(恐らく口癖である「1つ」「2つ」「3つ」よりも多く言っている)
「お前…誰だっけ?」


Playmaker
「俺はスピードデュエルを知っているのか…?」
「奴を…奴以上のデュエルで倒す!それがデュエリストとしての俺の流儀だ!」
「勝っても負けても、いつまでも戦っていたい…。そんなデュエルもある。」
「俺が憎むのはハノイの騎士だけだ!」
「いくぞリボルバー。これがサイバースの新たな可能性だ!」
「あんたに俺の……何が分かるっていうんだ!!」
「いいや、お前は何もわかってない!正義を貫くデュエルだからこそ、勝つのは俺だという事だ!俺は自分の正義以外は何も信用しない!」
「俺の復讐に引きずられて闇に堕ちる必要はない。お前たちは光差す場所を歩いてくれ…!」



■余談


  • 高校生の主人公は遊城十代以来、実に9年ぶりである(年齢面では遊星は18歳だったが、彼は孤児であり施設育ちである為高校生ではない)。また、家族構成が全く謎である主人公も十代に続き二人目となっている。*7

  • 作中におけるデュエルの成績は20話終了時点ではリボルバー戦のスピードデュエルでの引き分け以外はすべて白星。デュエルの腕で言えば 遊星まででいったん止まっていた常勝タイプ。ただし、まだデュエルの事をよく分かっていなかったであろう頃のロスト事件における実験では相当数(作中で確認できる黒星の数は3~4回)の敗北を経ている。(この点も遊星と同様と言える)

  • 実は20話現在までのデュエルは全て彼が後攻。基本的に後攻は相手に基本的な布陣を整えさせられてから動き出す為、一部のデッキやデュエルリンクス等の一部の環境を除けば不利とみられることが多い(彼の様なビートダウン型デッキなら尚更である)のだが、それでも勝てるあたりは流石の実力である。
    メタ的な事を言うと、後攻は先攻よりも初手から1枚多い手札を持てるため、逆転を演出するための手札枚数を確保しやすいという事情もある。本作のスピードデュエルは初期手札がこれまでより1枚少ない上、Storm Accessはエクストラデッキが増えるだけで手札・場札を補充できないため、彼の手札はいつもカツカツである。

  • データバンク内のロスト事件の情報には誘拐された子供たちの名前は「国家のSランク保護プログラム」が適用されており、確認することが出来ない状態だった。遊作にはロスト事件以前の記憶がないらしい為、「藤木遊作」という名前も本名ではない可能性がある
    また、最終回を迎えても彼が記憶を取り戻した描写は存在していない為、上記の家族の扱い含め歴代主人公の中でも最も謎の多いキャラとなっている。

  • ロスト事件でデュエルを強要され、心が壊れそうになった時に聞こえた励ますような声と、遊作を監視していた謎の「目玉」の声が似ていることから、「励ましていた声の主は『ロスト事件』の首謀者或いは関係者の声ではないか。」という考察もある…。


俺にはこの項目を追記・修正しなければならない3つの理由がある!

1つ、この項目を見にwiki籠りが大勢やって来る。
2つ、そのwiki籠りの中に紛れてハノイの騎士が情報を見に来た場合、今後の活動に支障が出かねない。
3つ、仮にそうでなくとも俺の情報を見た事で閲覧者がハノイの騎士に襲われるかもしれない。

俺は絶対にハノイの騎士をこの手で叩き潰し、真実にたどり着いて見せる!


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最終更新:2024年01月15日 19:04

*1 髪型の経緯については本作で行われるスピードデュエルの形式から「主人公の頭にもスケボーを乗せよう!」という発想から来たらしい。何かおかしいのはきっと気のせいである。

*2 名前の由来は「AIだから。」というシンプルなもの。草薙からも「目玉だけだしな」と言われているので「eye」とかけていると思われる。

*3 2013年に無料配布された「ハーフデッキ 光」と同じ

*4 言っていることは正論だったが、遊作&草薙の逆鱗に触れてしまった。

*5 現時点ではサイバース族リンクモンスターしか出てきていないが他の種類・種族のモンスターがいるのかは不明。データストーム自体がサイバース由来なのでいる可能性は低い。

*6 《デコード・トーカー》を実体化した際、草薙が「驚いた」と言っており、データのカードなら普通に実体化できる訳ではない様子

*7 その十代も、最低でも両親の存在は示唆されている。それに対して遊作は、彼の家に家族らしき人物は一切見当たらず、回想シーンでも遊作から自身の家族について話したことが一切ない。もっとも『VRAINS』という作品自体が、今までと違って両親の扱いが軽薄になっている部分も大きい。(尊の場合だと、彼の祖父母の出番が多いのに対して、彼の両親は写真に光が指している等で不自然に顔が隠されていると言った具合)