伊丹憲一

登録日:2017/10/07 (土) 09:41:24
更新日:2024/04/09 Tue 14:52:41
所要時間:約 7 分で読めます





元・特命係の亀山ぁ~!!


伊丹憲一とは、テレビドラマ『相棒』の登場人物である。

演:川原和久


人物


警視庁刑事部捜査一課の刑事で階級は巡査部長。自分を含む三浦信輔芹沢慶二からなる「トリオ・ザ・捜一」のリーダー格。
(S12では三浦信輔が退職し、S19からは出雲麗音が加わる。)
強面で目つきが悪く、「悪人面」「怖い顔した人」と言われる事が多い。
独身でトリオ・ザ・捜一の中で唯一恋人がいない。なのでクリスマスや正月に予定が無く、1人で過ごす事がほとんどらしい。
口調は乱暴でやや短絡的。芹沢がうっかり特命係に情報を漏らした際には彼の頭をよくはたいている。
組織のルールを平気で無視する特命係を厄介者で迷惑な存在なのだ扱いしているうちの1人で、階級が上である杉下右京の事も「警部殿*1」と呼んで鬱陶しく思っている。だが右京の捜査能力は認めているようであり、「特命係を利用する」という名目で協力関係になる事もある。
口は悪いが内には熱い正義の心を秘めており、筋の通らない事を嫌い、
右京からもその点を評価されているのか、伊丹が過去に不正を働いたという疑惑が浮上した時は、
「彼はそのような事を行う刑事ではありません」とフォローされた事もある。

ノンキャリアであり、元々所轄署勤務だったが叩き上げで警視庁刑事部へ配属となった。
亀山薫とは同期の間柄で、彼が捜査一課にいた頃からのライバル。薫が特命係へ異動となった後も何かといがみあっている。
現在は巡査部長だが、将来的には警部になる事を目標としている。ちなみに角田六郎からは「真面目にやりすぎるから出世出来ない」
見ず知らずの子供からも「多分出世しないね」などと酷評されていたりする。頑張れイタミン。

好物はにんにくたっぷりの博多とんこつラーメンその大好物で事件に遭いかけたコトあり…。苦手なものは、子供の扱い、美女など。
過去のある事件で薫に腰を踏まれた事が原因で腰痛気味らしく、誰かに噂されると背中がムズ痒くなるという変わった体質。また催眠術にもかかりやすく、右京が軽度の催眠術を行うとそれに簡単にかかり奇妙な踊りをやっていた。
元タレントの野崎春菜が現役だった頃は彼女の熱狂的なファンであり、現在は女優の桜庭かなえの大ファンである。
ファンやスタッフからの愛称は「イタミン」で、後に裏相棒などで公式化された。ちなみに伊丹本人はこう呼ばれる事を嫌がっている。

スピンオフ映画『X DAY』では主役に抜擢され、サイバー犯罪対策課の岩月彬と共に国を揺るがしかねない大事件に立ち向かっている。
また伊丹役の川原氏はこの作品で映画初主演を務める事となった。

家族関係も不明だが、「母方の伯父さんの、いとこのいとこのはとこの甥っ子のいとこ」が
4年に一度のスポーツの祭典の柔道で金メダルを取って滅茶苦茶喜んでいた事から、案外家族や血族に関しては優しいのかもしれない。
上記のスポーツ選手*2が彼を認識してるかは不明であるが。


性格


ぶっきらぼうで短気、そして短絡的な部分もあるため、すぐに怒鳴り散らしたりやつあたりで芹沢の頭を叩いたりしている。初期の頃は女性相手でも荒っぽい取調べを行っていた。薫曰く「勢いだけのヤツ」
薫と同じ熱血漢タイプだが薫と比べるとやや冷静であり、組織の枠をはみ出すような事をする事はない。
「長いものに巻かれて生きるに限る」と言った事もあるが、実直な正義感を持っているので、事実を捻じ曲げようとする上層部の方針に逆らって内村完爾刑事部長に「勝手にやりゃあいいだろ!」と啖呵を切ったり、「圧力ってヤツは俺らも嫌いでね」と語ったりした事や、
裏金作りに精を出していた県警の撲滅に手を貸し、裏切り者呼ばわりされた際には「あんたらみたいな(不正を行う)警察は大嫌いでね」と吐き捨てたりもしている。
取り調べでも強気な態度に出て犯人を脅しつけているが、実は突発的な出来事に弱く、参考人が突然暴れたり発作で倒れたりした時にはひどく怯えた表情を見せていた。
こんな風に根は結構臆病なので、週刊誌を読んでいた時に後ろから右京に声を掛けられた時には「びっくりしたー」と心底驚いていた事も。

薫とよく子供っぽい意地の張り合いをするが子供の扱いは苦手で、S5-12では子供に手錠を見せた際にそれを奪われ、いいように振り回されていた。
しかし扱いが苦手なだけで嫌いではないらしく、とある事件で親を奪われた少年には
「(犯人には)しっかり償わせてやる、こんなことしかしてやれなくてすまんな」と優しく、しかし熱く励ましたり、
殺害された被害者が、実は極貧生活を送る子供から金を巻き上げていた外道だと判明した際には
「ったく、なんて女だ!」と激高しながら吐き捨てたりする一面も。

また真面目かつ律儀で几帳面なところがあり、所轄署時代から事件の調書を事細かに書いている。
その調書が事件解決に役立った事もあり、右京から「冠城君も見習ったほうがいいですよ」とのお墨付き(?)をもらった。

初期は噛ませ犬的扱いもあり上記のようなウザい部分も多かったが、最近では特命係の活躍の裏で別の事件の犯人を捕まえたり人情を見せたり、肉弾戦で活躍を見せたりと見せ場が増えてきた。
S18辺りからは直接犯人グループのアジトに乗り込みそのまま確保する戦闘能力も見せている。
右京たちも彼らの能力を信頼して、情報を交換したり頼み事をすることも多い。

美女に弱いが恋愛下手であり、おまけに強面であるため女性になかなかモテない。作中ではお見合いパーティーに参加していた事もあるが、女心が理解出来ないのでなかなか進展しない。結婚相談所にもよく通っている。
ちなみに好みのタイプは「ちょっと叱ってくれる系の女性」で、格好つけている時は一人称が「僕」になる。


能力・特技


基本は特命係の引き立て役であるためそこまで推理力は高くなく、よく犯人を間違えたり重要な証拠や証言を見落としたりしている。
簡単に言えば刑事ドラマによくいる典型的な堅物刑事キャラ並の捜査能力である。
たまにしっかり推理して事件の真相に辿り着く事もあるが、そういう場合は大抵特命係に先を越されている。
また発想力は薫と同程度であり、S2-12では「汚名返上」を「汚名挽回」と言って薫にからかわれている。
しかし、S7-1では三浦と示し合わせて被疑者を殴る事で逮捕状を請求するなど、案外有能なところもある。
他にも、重要参考人物を「公務執行妨害」で逮捕してきたり*3
特命係無しで殺人事件を解決、その時特命係は別の事件を調べていたが互いの事件につながりがあることがわかり情報交換する。
立場上動きにくい状態の右京から頼りにされる事も増えてきた。
高校時代に剣道の全日本選手権を観た事がきっかけで元日本覇者の吾妻源一郎の道場に通うようになる。
そのため剣道の腕前はなかなかのものであり、実際に剣道で薫を叩きのめした事もある。

デジタル音痴であり、IT業界が現在流行していると思っていたり、スマホのアプリが何なのかすらもよく分かっていなかった。
その音痴っぷりがたたり、劇場版Ⅳでは落ちていた持ち主不明のUSBメモリを不用心にも対策室のPCに差してしまい、トラブルを巻き起こしてしまった。
だが最近は時代の流れからか無謀にも携帯電話からスマホに買い換えている。
最低限は使いこなしているらしく、食事のインスタ映えを装って重要参考人の密会を盗撮したりしている。
世情に疎く、有名企業のトップやニュースキャスターなど有名人の顔もあまり知らない。
今流行りのロックバンドの名前を知らない事を米沢守に突っ込まれ「喧嘩売ってるのか?」と返した事も。
ニュースもあまり見ないので三浦に「もっとニュースを見ろ」と文句を言われた事もある。
ただし前述の通り女優の桜庭かなえだけは別格で、彼女に会う前には緊張してたり、携帯電話の待ち受けにしてたりする。
他にも別の女優の大ファンだったり様々な女性に心惹かれる事もあるが、そういう女性に限って脛に傷持つ人間が多い
ある意味刑事の嗅覚のなせる業だろうか…。知り合いがほぼ全員犯人か犠牲者の芹沢とどちらがマシだろうか。


特命係との関係


右京の事は「警部殿」と呼んで敬語を使っているが、特命係には捜査権がないので初期の頃は何かと目の仇にして現場から追い出そうとしていた。
だが右京の実力を「ヤツは侮れない」と内心では認めており、「意味のない事は絶対にしない人だ」と語った事もある。
特命係との付き合いが長くなってくると「相変わらず鼻がききますね」などとイヤミを言いつつも協力するようになっていき、薫が不在となった時には一時的に右京の相棒になったりもした。
また厄介な来訪者がやってきた時には、その人物をよく特命係に押し付けている。
S8以降は特命係を信頼している素振りを見せるようになり、S14で「暴力刑事」と報道された事で自宅謹慎となった時には、処罰覚悟で特命係と協力し真実を明らかにして辞職の危機を免れている。

事件のない平時には、雑用を押し付けようとダンボールに入った大量の書類を持ってきたりしている。
今でも手柄を取り合ったり、特命係を事件現場から追い出したりはするが、
その後互いに情報交換したり、警察上層部等共通の敵が現れた時は抜群のコンビネーションを見せたりすることも。
亘時代になってからは、特命係が事件現場に現れても悪態をつき出ていけとは言うが本気で追い出そうとしておらず、素直に話を聞いてからお帰り願うことが増えている。
当初に比べてよく言えば仲良くなった。悪く言えば上手く使っている関係である。
そして地味に角田とならんで最初期からずっと出続けて未退場の人物である。


主な人間関係



特命係係長。
彼との関係は大体前述のとおり。
芹沢からは彼と伊丹を併せて「女心分からないブラザーズ」と呼ばれた事がある。

右京達が捜査中に現れると「捜査の邪魔」と称して露骨にウザがったり邪険にしたりする一方で
右京の方が階級が上なので基本的には最低限の一線は弁えた対応をするものの、
前述の自身の師である吾妻が殺害された事件に対して右京が「興味深い」などと漏らした際には
「興味本位で首を突っ込まれると不愉快です!」と激怒し、
右京すら一瞬怯ませたこともある。

右京の初代相棒。
捜査一課に在籍していた頃からのライバルで、彼が現場に現れる度に追い返そうとする。
「特命係の亀山ぁ~!」は伊丹の代名詞的な台詞で様々なバリエーションがある。


「健康ランド会員の亀山ぁ~」
「特命係の島根県の県庁所在地は松山さんよぉ~」
「運転免許試験場の亀山ぁ~」
「所轄の亀山ぁ~」
「『元』・特命係の亀山ぁ〜」
「警察庁の亀山様」
「かめや~まぬけ!」
「おい、亀!」
「特亀!」
「亀山亀吉」
「亀虫」
「元特命係の亀山ぁ〜」

…など。
逆に薫から「捜査一課の伊丹ぃ~」と言われた事もある。
その意地の張り合いはもはや子供の喧嘩であり、薫がワケありの洋館を購入した時には「幽霊屋敷買っちゃった~♪」と歌ったり、現場にあった鎧を薫が倒した時にはここぞとばかりに「バカ」を連発したりしている。
犬猿の仲であるが一応信頼はしているようであり、張り込み中の薫に差し入れをしたり、薫の行動が問題になった時には「そこまでバカじゃないと思うけどな」と言っていた。
そして薫が特命係を去る時には「元・特命係の亀山ぁ~」と呼び、その後いつものように憎まれ口を叩きあいつつも最後には「とっとと行けよ…バカやろう」と言って背中を見せつつ手を振っていた。
本心ではそれほど嫌ってなかったようで、薫が去った後で会ったある人物の行動が薫に似ていたのを見て「お前のようなバカは嫌いじゃないぞ」と言った他、特命係で保護したリクガメを見つけた際に「特命係の…亀」と呟く、サルウィン関係の話が出たときは、遠回しに薫のことを意識する場面もあったりした。
S21ではまさかの…


右京の2代目相棒。
階級が自分より上なため「神戸警部補殿」と呼ぶ事もあるが、影では「尊」を音読みにして「ソン」と呼んでいる。

右京の3代目相棒。
彼が警察庁次長の息子という事もあり、最初は「お坊ちゃま」と呼んでいたが、ほどなくして「カイト」と呼ぶようになる。

右京の4代目相棒。
当初は法務省の人間だった事もあり「お客様」と呼んでいたが、彼が正式に巡査として警視庁に配属されると「冠城」と呼び捨てで呼ぶようになる。
「どうせすぐに出世して自分を追い抜く」と考えているので、そうなるまで徹底的にいびってやると宣言している。
ちなみに亘からは「執念の塊のような人」と評されている。

亘が警察を辞める際には他の一課メンツ共々電話を掛けて問い詰めるシーンがあるが、一番最初に掛けたのが伊丹だったりする。
なんやかんやで気に入ってたようだ。

捜査一課の刑事で「トリオ・ザ・捜一」の一員。
三浦は伊丹のフォローに、芹沢は伊丹によく叩かれているが、仲間意識は強い。
三浦が事件の後遺症により刑事を辞職せざるをえなくなった時にはかなりのショックを受け、人知れず涙を流していた。
芹沢の方は伊丹曰く「ぬるい取調べしやがって」との事だが、最近芹沢の伊丹への言葉も容赦ないものとなっている。良い意味で。
特命係の相手を押し付けることもあるが、三浦が辞職し出雲が来るまでは基本的に2人で行動していた。

  • 出雲麗音
新しく捜査一課に配属された、バイク好きな女性刑事。
配属の経緯が経緯なので内村からさっさと追い出すように指示されており厳しく接している。
…というか扱いに困っているのか話によって対応が二転三転している。
一応、S19の最終話で「油断ならない相手」として実力は認めている。

鑑識課鑑識員。
麻雀仲間であるが、米沢からは「無茶な事ばかり言うので困る」と苦手にされている。

  • 岩月彬
サイバー犯罪対策課の捜査官。X DAYにおける伊丹の相棒。
昔気質である伊丹とは度々反発していたが、なんだかんだ言いつつも共に協力しあって事件を解決に導いた。





「ちょっと警部殿!勝手な追記・修正をされては困ります!」


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 相棒
  • 伊丹憲一
  • 川原和久
  • 警察
  • 警視庁
  • 刑事部
  • 捜査一課
  • 巡査部長
  • 強面
  • 悪人面
  • イタミン
  • 特命係の亀山ぁ~!
  • トリオ・ザ・捜一
  • スピンオフ主役
  • 剣道
  • 短気
  • 熱血漢
  • ノンキャリア
  • ウザキャラ←の皮を被った萌えキャラ
  • ツンデレ
  • 正義感
  • 実直
  • 勢いだけのヤツ
  • 女心わからないブラザーズ
  • 独身
  • 実はいい人
  • 相棒登場人物項目
  • 警察官
  • 根はいい奴

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年04月09日 14:52

*1 初期の頃は「警部さん」。

*2 角田課長曰く法的には他人

*3 逃げようとする人物にわざとぶつかり痛がる振りをする「お坊ちゃん(甲斐)は真似をしてはいけない」行動