亀山薫

登録日:2017/10/01 Sun 09:24:04
更新日:2024/04/13 Sat 13:55:45
所要時間:約 8 分で読めます




何年、あの人と相棒やってると思ってるんですか


亀山薫とは、テレビドラマ『相棒』の登場人物である。

演:寺脇康文


人物


警視庁特命係所属。階級は巡査部長。
1966年7月23日生まれ。
MA-1をはじめとしたフライトジャケットとワークパンツをいつも着用しており、制服姿やスーツ姿になる事は少ない。上司の杉下右京曰く「背が高く、精悍な顔立ちの刑事」
実家は新潟県で造り酒屋を営んでいる(本人は家を継ぐ気は無い)。ちなみに一部データでは本籍は愛媛県松山市となっていたが、これは担当係官の入力ミスであるとのこと。
勇と正枝の間に生まれた長男で、姉が3人いる(うち一人は登場した)。また勇は市議会議員で地元の名士としても知られている。あだ名は「亀ちゃん」。右京からは「亀山くん」、美和子からは「薫ちゃん」と呼ばれている。

S4のラストで大学時代から付き合っていたフリージャーナリストの奥寺美和子と結婚した。

考えるより先に体が動く肉体派の刑事。
かつては捜査一課の刑事として活躍していたが、ある事件(後述)で失態を犯した事で「陸の孤島」と呼ばれる特命係へ左遷される。
初期の頃は正反対の性格である右京とよく衝突していたが、徐々に彼の考えを認めるようになり、いつの間にか彼の良き相棒となっていた。
長年特命係に在籍し、現在でも唯一無二の「頭脳労働が不得手な相棒」という点から人気が高く、今でも右京の相棒と言えば薫と答える人は多く、S21にて再登場する事が発表されるまでは彼の再登場を望む声は絶えなかった。

コーヒー党で、特命係にコーヒーメーカーを持ち込みそれでよくコーヒーを飲んでいた。ちなみに現在あるコーヒーメーカーは二代目(S14で壊れてしまったので、同型のものが角田六郎から贈られた)。
ちなみに異動直後は右京への反発もあって缶コーヒーを飲んでいた。
嫌いなものはひじきとアンパン。元喫煙者。
当初は世田谷区松原のマンションに住んでいたが、一時的に250坪の洋館に住んだ事がある。その後「シティハウス青山」というマンションへと引越し、美和子と結婚後もそこで暮らしていた。
海外移住に伴いそこも引き払ったが、帰国後はまた別のマンション住まいとなっている。

右京に負けず劣らずトラブル体質で、ジョギングをしていただけで2回も事件に巻き込まれた事があり、
右京からも「君のジョギングは考え物」と苦笑されている。
S21-3では出戻りも早々に殺人容疑をかけられ逃げ回る羽目になった。


性格


曲がった事が大嫌いな熱血漢で人情家。おまけに単純で分かりやすく何でも信じてしまうお人好しな性格。
会ってすぐの右京にも人柄はよさそうですが、すぐに頭に血が上るタイプですね。しかし一方であの能天気さは評価できますと看破されていた。
口が軽く、事件の情報をついうっかり他人に漏らす事もある。ウソをつくのが苦手で、ウソをついてる時には思わず敬語となるため、すぐにばれてしまう。
行動力はあるが、一度思い込んだら深く考えずに突っ走ってしまう困ったところがある。

面倒見はよく、人情に厚い。関わった事件で犯人に自首を勧めたり情を訴えたりする事も多く、周囲からも慕われている。
時には法を頑なに遵守しようとする右京に柔軟な解決法を提案する事もあり、ある事件では「君がいつもそばにいてくれて助かりますよ」と評価された事がある。
子供の扱いに長けており、会ってすぐの子供とも意気投合し、「亀」と呼ばれて懐かれていた。
また女児からゲイバーのママまで幅広く異性(?)にもてるが、学生時代から美和子一筋であったため、恋愛経験はそれほど豊富ではない。ちなみに苦手なタイプはピンヒールにスーツで決めたような頭のいい美人。

彼の人柄の良さは右京も認めており、特に真っ正直で人情家なところを高く評価されている。
一人称は基本的に「俺」。*1

能力・特技


大学の法学部を卒業しているがスポーツ推薦で入っているため頭を使うのは苦手。
一般常識がやや怪しく、シェイクスピアの作品「リチャードⅢ(さんせい)」「リチャードスリー」と読んだり、「ズッキーニ」キュウリと言ってみたり、小学生レベルの知識である島根県の県庁所在地を間違えて「松山市」と覚えていた(正解は松江市)。
そのため、それを見かねた角田に「これで勉強しなおせ」と一般常識に関する本を貰った事がある。
子供の頃は虫博士と呼ばれており、今でも昆虫の生態にはかなり詳しい。その知識量は右京をも上回る。

非常に敏感な味覚と嗅覚を持っており、あまり食べた事のないキャビアをひと口食べただけでベルーガでない事を見抜き、よほどの舌を持つ人ではないと分からないというウイスキーボトルの窒素混入の有無にもすぐに反応する。
超一流のソムリエからも、知識さえ伴えば一角のソムリエになれると絶賛されるほど。
この能力が事件解決に役立った事は多く、右京に「君の舌は時として君自身より有能ですねぇ」と誉められた(?)事もある。ちなみに美味しすぎるものを食べると思わず無口になる。
勘が非常に鋭く、神がかり的な山勘で右京の推理をサポートして事件解決に貢献している。また人間観察能力も優れている。
霊感もあり、女性の幽霊を目撃した事がきっかけで死体を見つけた事がある。ちなみに幽霊に会いたがっている右京に羨ましがられた事も。

推理力は高くないが、スポーツ推薦で大学に入っただけに運動神経は抜群。
劇場版ではその身体能力で護衛対象を守り抜いた事で、警視庁警備部への栄転も囁かれていた。ちなみに剣道以外の事なら、ライバルの伊丹憲一に何一つ負けた事がないらしい。
だが一方で護身術には長けていないので武道を嗜む相手には手玉に取られ、不覚をとって犯人に人質にされる事も多々あり、時には入院レベルの負傷をする事も少なくない。
ドライブテクニックはなかなかのもので、右京からも「君の運転は心地いい」と高評価を得ていた。
片付けは苦手で、彼のデスクの上は常に荒れ放題である。

また、頭脳面は不得手なエピソードも多いが、
その一方で 時効を迎えた殺人犯が何の反省もしていないことに憤った際、あえてその男性に暴行を加える事で、自分を訴えさせてその男の名と過去の罪を合法的に暴露しようとするなど
意外に頭の回転が素早いと思われる描写も少なくない。
(結果的にその策は見破られてしまった上、その直後に本人の配慮不足で大変なことになってしまったが…)


経歴・右京との関係


県立阿賀野東高校を卒業後は、スポーツ(野球)特待生として城東大学法学部に進学。
卒業後は警察官採用試験を受け、所轄署勤務を経て、警視庁刑事部捜査第一課に栄転し活躍していた。
だが、指名手配犯を捕まえようとして逆に人質になるという失態を犯してしまったがために(現実には犯人の人質になった程度で左遷されることはない)、事件解決後に生活安全課特命係に左遷された(プレシーズン1)。
当初は何を考えているか分からない右京を理解できず何度も反発していたが、徐々に彼を「俺の相棒」と認め、上司として尊敬するようになる。
机の前には右京の教訓を書いた「教訓memo」をたくさん貼ってあり、日々それを眺めながら職務に当たっている。
また右京が違法スレスレの捜査を行っても、「そうしなきゃならなかった事情がある」と彼の事を信じぬく意思を見せた事もある。

左遷された当初は手柄を立てて捜査一課に戻ろうと考えており、右京を「相棒」と認めてからも、シリーズ初期ではは伊丹の「特命係の亀山ぁ〜」という言葉にムキになる場面も見られた。
しかし、右京と長く行動を共にするうちに特命係としての現状に満足するようになり、伊丹の言葉を軽く流す余裕を持つようになった。
同様に捜査一課に対する心情も変化し、一課がさじを投げた事件を解決する事で一課の鼻を明かそうとしたり、職務違反を覚悟で真実を追求するようになっている。

ちなみに「特命係ってどんなことをする所なんですか?」と質問された時には、「秘密兵器みたいなものですか?」という意見に「それ!」と賛同していた。
S1の最終回で一時的に警察庁長官官房付として警察庁に出向。その後は特命係廃止に伴い右京とのコンビが解散し、運転免許試験場へと異動になる。
S2で特命係が復活し再びそこに戻るが、S3-1で麹町東署捜査一係へ異動。S3-5で右京の免職が撤回されると共に特命係に復帰した。
S5の最終回では懲戒免職になりかけるが、右京の機転によりこの危機を脱した。
そしてS7では、ある事件に関わった事で彼に人生の転機が訪れる事となる……


人生の転機、そして辞職へ


S7-1にて、高校時代の友人・兼高公一が殺害される事件に関わり、捜査のために兼高が活動していた東南アジアの国・サルウィン共和国を訪れる。
そこで目の当たりにしたのは、政府をはじめとした様々な組織が腐敗しきったサルウィンの現状と、不安定な情勢の影響で貧困にあえぐ国民の姿であった。
事件を通じて、兼高がサルウィンでNGOのボランティア活動をしていた事を知ると、これがきっかけで兼高の遺志を継ぎたいと思うようになる。
そしてS7-9で警察を辞職してサルウィンへの渡航を決意。サルウィンの子供達に正義の精神を教えるために美和子と共に移住した。
特命係を離れる時には散らかっていた机の上を綺麗に片付け、今まで世話になった右京にも頭を下げる。そして右京から差し出された手を強く握り締めて特命係の部屋を去っていった。
この時に右京からどうか気をつけていってらっしゃい。以上ですと彼らしいはなむけの言葉を送られている。ちなみに薫以前に右京の下についていた部下6人が特命係を去る時には、握手どころか何の言葉も残さなかったらしい。

サルウィンでは奉仕活動の他、兼高が生前に作った小さな学校にて、現地の子供達に日本の事や正義の精神を教える日々を送っていた。

帰還、再び特命係に


2021年冬、当時放送されていたS.20をもって四代目相棒・冠城亘(演・反町隆史)が卒業することが発表されると、ファン達や各種芸能メディアの間では、翌年秋のS.21から参加する「五代目相棒」のキャスティングについて様々な憶測・予想が飛び交った。
その後、2022年6月23日にキャスティングが公式に発表されたのだが、その内容はファンたちの度肝を抜いた。

…その内容とは、『初代相棒・亀山薫が再び右京の“相棒”として帰ってくる』というものであった。
この発表を受け、Twitterでは薫や相棒シリーズの関連ワードが続々とトレンドに浮上。
相棒シリーズ公式アカウントから投稿された薫の復活の発表ツイートにも、25万個という(テレビドラマの公式アカウントとしては)前代未聞の数の「いいね」が寄せられるなど、往年のファンを大いに沸かせたのであった。

そして、S.21-1にて薫が約14年ぶりに登場。
薫の教え子たちがリーダーとなってサルウィンで反政府革命が発生し、腐敗政権が打倒された。その際の海外ニュース映像に薫も映り込んでおり、ネットでこの動画を見た伊丹・芹沢を絶叫させている。
その後、この教え子達が親善使節団として日本を訪れることとなり、恩師である薫もその一員(※国賓扱い)として一時帰国することが決まると、自ら右京に招待状を送って使節団の歓迎パーティー会場に呼び寄せ、再会を果たした。

しかし、旧交を温める暇もないままに、薫を含む使節団関係者たちに対して「要求を飲まなければ、彼らの家族が乗ったサルウィンからの後続便を爆破する」という脅迫文が届き、事態を解決すべく国賓の立場を乱用しつつ右京と捜査に乗り出した。

紆余曲折ありながらも、二人は事件の真相を暴くことには成功したものの、その真相は日本とサルウィンの外交関係に大きく影響するものだった。この結果、薫は美和子ともども新たなサルウィン政府から「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」として国外追放されてしまい、再び日本で暮らさなくてはならなくなった*2
そんな状況の薫を見かねた伊丹は、いつものように憎まれ口を叩きつつも「その気になりゃあお前一人くらいいくらでもねじ込める」と、自分の力で薫を警視庁に復職させることを約束する。「その気になった」伊丹が取った手立てとは、伊丹が峯秋に全身全霊で土下座することであった。
そんな伊丹の尽力と、それを受けた峯秋の根回しにより、薫は捜査権のない嘱託職員ながらも警視庁に再就職し、再び特命係に配属されることと相成ったのであった(S.21-2)。

それからしばらくの間は事件現場に入るにも職務質問するにも右京と一緒でなければならない日々が続いていたが、過去に右京と因縁ができていた代議士・袴田茂昭と事件を通して交流した際、人物評を改めた彼の根回しにより「警察官再雇用制度改正のモデルケース」として再び警察官として働くことを許された(S.21-11)


主な人間関係



特命係にいた頃の上司で良き相棒。
薫との関係は上記を参照。
薫が去ってしばらく後のS12-1で、不審な人物の家を訪ねた際に、人違いのふりをして「亀山薫君では?」と薫の名前を出した。

  • 亀山美和子
フリージャーナリストで薫の妻。旧姓・奥寺。
薫とは同じ大学の出身で、その頃から付き合っていた。一時別れた事もあったが紆余曲折を経て結婚する。薫の事を「ちゃん」付けで呼んでいる。
薫は亭主関白を気取っているが、実際は彼女の尻に敷かれている模様。
特命係とよく情報のやりとりをしている。

捜査一課の刑事で「トリオ・ザ・捜一」のリーダー格。
薫とは同期の間柄で、彼が捜査一課にいた頃からのライバル。よく薫に「特命係の亀山ぁ~」などと言っては子供のような意地の張り合いをする。
結構似たもの同士で、時には息のあったコンビネーションを見せる。
薫が特命係を去る時にもいつものように憎まれ口を叩きあっていたが、去り際には「とっとと行けよばかやろう」と彼らしい言葉で薫を見送った。
S.21で「・特命係の亀山ぁ〜⤴」と国賓だったに言ってみせた。
その後のドタバタで日本に帰国せざるを得なかった薫を警察に復職するきっかけを作った。

捜査一課の刑事で「トリオ・ザ・捜一」の一員。
薫の後輩でもあり、薫に無理やり捜査情報を聞かれる事がよくある。薫に情報を漏らす度に伊丹にどやされている。
たまに自ら進んで薫に捜査情報を提供する事もある。

  • 浅倉禄郎
元東京地検検事であり、平成の切り裂きジャックと呼ばれた連続殺人犯。
薫と美和子の大学時代の親友であり、特命係に逮捕された後紆余曲折を経て殺害された。
事件発覚後も三人の間の友情は残っており、逮捕後はおろか死後も亀山夫婦の前にその姿を見せている。

薫の後任として特命係に配属された刑事。
お互い「右京と数年間コンビを組んでいた」という点で興味を抱いていたが、神戸配属時点で薫はサルウィン、薫帰還時点で神戸は警察庁と、会う機会がなかなかなかった。
S.21-20にて仕事を持ち込む形でやや強引に特命係に来訪、対面を果たしている。

師、杉下右京 曰く…


追記・修正の仕事

結果オーライ

ではない

やっぱり
ではない。

亀山 薫


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最終更新:2024年04月13日 13:55

*1 なおseason7放送期間中(放送された相棒の宣伝CMでは「僕」というシーンが、あった。また相手が子供の時は、二人称で「ボク」と使うこともある

*2 右京はそれを「温情」と見ており、再びきな臭くなってきたサルウィンのお国事情に巻き込まない配慮とも取れる。実際、新しくサルウィンのリーダーとなった女性は日本の邪魔者を物理的に排除する事も辞さない覚悟であり、恩師とはいえ同国で社会的な要職についているわけではない亀山夫妻を消すことも容易なはずであった。