田村ゆり

登録日:2017/09/27 (水) 00:01:56
更新日:2024/04/15 Mon 15:49:45
所要時間:約 3 分で読めます






今日付き合ってくれたお礼っていうか……
私は真子と違ってこういうやり取りやったことないけど…

友……達はするんでしょ、こういうの?



私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!の登場人物。
名前の由来は千葉ロッテマリーンズの田村龍弘選手。

【人物】

◆プロフィール
  • 身長:160㎝
  • 体型:やせ型
  • 血液型:O型
  • 生息地(お気に入りの場所):家
  • 好き:音楽
  • 嫌い:グループ
  • 趣味:音楽鑑賞
  • 特技:音楽知識

◆パラメータ
  • 知力:3
  • 体力:3
  • 精神力:2
  • 幸運度:3
  • 器用さ:1
  • カリスマ度:2
  • クリティカル:5

もこっちこと黒木智子の2年生からのクラスメイトのおさげ髪の女の子。
寡黙でマイペースな性格で、よくイヤホンをつけて音楽を聴いている。
容姿は割と整っており、胸も加藤さんほどではないが大きく、背も高い。
(具体的な音楽のジャンルは不明)
登場初期はそれなりに喜怒哀楽を表に出していたが、キャラの方向性が固まってからは無表情でいることが多くなっている。
(もこっち曰く『表情筋10gぐらいしかなさそう』)
面白ネーミングが笑いのツボなのか、もこっちの南さんに対する「キバ子」やネモに対する「淫乱ピンク」、うっちーの「キモイーヌ」という呼称で吹き出しそうになっている。

不器用で大雑把な一面があり、ネモに教わりながら花冠を作っていたもこっちに花を無言のまま何株も根っこ毎引き抜いて渡したり、ファミレスで注文したピザをグチャグチャに切り分ける等している。
またダーツの矢を「雑魚モンスター殺せるくらいの投擲」で的に当てて抜けなくなったりした事も。
その様子はもこっち曰く「近距離パワー型・精密動作性E」。


その性格ゆえか、他人に合わせない・必要以上に群れないなど人間関係に対してあっさりした考えの持ち主で、友達も多くない。
少なくとも、2年生の時点で親しい友達は田中真子のみである。
逆に、そのような数少ない友達には強く執着する節がある(後述)。特に、とある点について同属(こちらも後述)であるもこっちには強いシンパシーを感じるのか、その傾向が著しい。

他人に関心は薄いものの、流石に特定人物以外の周囲に全く無関心というわけではなく、
(当初はあまり良い感情を持っていないと思われた)うっちーが体調不良を訴えた時には迷わず肩を貸すなど、気遣いのできる優しい性格の持ち主である。

しかし、南さんに限っては明確に嫌っている。
2年生の打ち上げの席替えで隣同士になってもお互いに目を合わせない、
暴走した際(後述)真子に「打ち上げの時の南さんみたいだった」と言われた時には我を忘れて手を上げてしまう……などなど。
元々人を見下しがちな南さんのことは嫌いだったみたいで、一年生の時はゆり、真子、南さん、サチでグループを組んでいた事も明らかになっていたが、自分からグループを抜けていった模様。

様々な経緯を経て、高校におけるもこっちの初めての友人という重要なキーマンとなる。
また、後述する劇中の描写から「黒木智子の鏡像(の一人)」「わたモテのヒロインというか準主人公格
と、評される本作の作風の変化を語る上で欠かせない人物の一人。


【黒木智子との出会い】

初登場は修学旅行の班決めをした69話。
真子が南さんの班決めに誘われ、真子がそれを断ることが出来なかった事で口論になってしまう。
(ちなみに、班決めを嫌がって早退を目論むもこっちが階段越しにその会話を聞いている)
結局、彼女自身はもこっちが班長をやらされる事になった余りもの班に押し込まれる。
上述の件ですっかり拗ねてしまっており、元々の性格もあってか(なけなしの勇気をふり絞って)修学旅行について尋ねたもこっちに
「別に何でもいいよ…」とやり投げ気味に返答するなど完全にやる気を無くしていた。

修学旅行初日でも相変わらずの態度で もこっちをして「仲良くなる気がない奴」とまで言わしめたが、
翌日からもこっちがバカをやっては吉田さんを怒らせる、という事態が何度も起き彼女が両者の仲裁に入らざるを得ない状況になる。
そのおかげで幾分か冷静になり、

思えば黒木さんも吉田さんもどんな人か全然知らないな……
そんな二人とこうして修学旅行してるのは、何かの縁だったりするのかなぁ

と、考えを改める。(ちなみに、当の真子とは二日目の夜に和解している)
その直後もこっちに対して「とりあえず今日知ったことは黒木さんって凄いバカってことだな…」と、なかなか酷い(けど順当な)評価を下している。無情。

最終日の自由行動では特に約束などしていなかったにもかかわらず真子・吉田さんと共にもこっちの計画通りに回る事を決め、計画していた行き先の嵐山で
「みんな自分以外の他人と回る約束をしていた」と勘違いして拗ねていたもこっちと再会を果たし、ついでにLINEの番号を交換する。

通信手段を渡す、友達と共に誘う……
彼女のもこっちに対する一連の行動はこれまで黒木智子の空回りを延々と描き続けてきた本作において、もこっちの不器用な足掻きが実を結んだ初めての成果と言える。


【修学旅行後の交流、そして親友に】

もこっちとの交流は修学旅行が終わっても続き、登校時に声をかけたり昼食に誘ったり一緒に下校するなど、積極的なコミュニケーションを取るようになった。

冬に差し掛かる頃にはかなり打ち解けたようで、
自動販売機に釣銭が残っていないかパカパカしていたのをごまかそうとするもこっちに対して

もう黒木さんのことわかってるし別にそうだとしても変に思わないけどね

と、何気なく言い放ち、隣にいた吉田さんも特に何も口を挟まなかった。
散々もこっちの奇行を目撃している(&そんな彼女と交流を続けている)二人に対して、今更彼女が取り繕う必要などなかったのだ。
(実際このやり取り以降、もこっちが二人に過剰な見栄を張ることはほぼ無くなる)

その後、バレンタインでもこっちと共に友チョコを作っているシーンで彼女との関係をこう評している。

無理して話さなくていいから私は楽だけど、黒木さんはどう思ってるんだろ?

必要以上に馴れ合う事が苦手なゆりにとって、智子は他人への同調を過度に求めず求まれもしない、自分のペースで付き合う事のできる人間
趣味趣向は違えど、既に二人はとても気の合う『親友』になっていたのである。
だからこそ、ゆりは記事冒頭のセリフを智子に語り、出来立ての友チョコを渡す。

……なお、もこっちが作っていた友チョコはう〇こ型のイタズラチョコだったので締まらないオチになったのだが。


【ゆり自身の問題】

だが、2年生の打ち上げでゆり自身が抱える問題が作中でピックアップされる。
具体的に言うならば、

もこっちに負けず劣らずのぼっちかつコミュ障

と、言う事である。

そもそも、初登場時の班決めで真子と喧嘩別れしたときに他に組む人がいなかった。
修学旅行以降も、班メンバーや真子以外の人物と関わる事がほとんどなかった。
その後も、もこっち達と一緒にいる場面は度々登場したが他の人と関わる事はほとんどなかった。
決定的なのは、2年生の打ち上げの時に最初はもこっち達と会話をしていたが上述の席替え以後途端に話相手がいなくなって孤立してしまった事。
(一方、隣の南さんは後ろの真子に修学旅行の自由行動の件で「裏切った」と、マウントをとっていた)

もこっちが空回りしながらも現状を打破するために諦めず行動してきた事が実を結び、クラスメイトから認知されて、少しずつ話しかけられるようになったのとは対照的に、
普段は音楽を聴いて周囲と積極的に関わろうとしなかった彼女は、打ち上げの後半を完全に一人ですごす事になってしまったのである。
つまり、2年生終了時点ではもこっち以上のぼっちと言っても過言ではない。

・仲のいい友達はいるが、その友達と別れると誰も話し相手がいないし
・自分は特に意識していないのにいつの間にか周囲に壁を作ってしまって気が付くとひとりぼっち
・前は一緒に遊ぶ友達がいたのに、クラスが変わって疎遠になり交流が途絶える
・同年代同性でも一般的な話題にあまりついていけず、合わせようともしない

初期のもこっちの数々の失敗があまりにもリアルな「ぼっちあるある」と言われて多くの人間の心を抉ったが、
ゆりの状況もまたもこっちとは別のベクトルでリアルな「ぼっちあるある」の描写となっている。
分類するなら黒木智子が「他人との距離感を掴めない」タイプのコミュ障で、田村ゆりは「必要以上に他人に壁を作る」タイプのコミュ障といった所か。
とはいえ、もこっちの様に奇行をしでかして周囲を引かせたりするギャグ要素が加味されない分、むしろゆりの方が周囲と距離を置くことにより自らぼっちになる痛々しい要素がリアルに描かれており、読者から見た「ぼっちあるある」率が高いとすら言えるだろう。

上述のように、数少ない友人であるもこっち・吉田さん・真子には強く執着しており、打ち上げが終わってから電車が来た時に、
皆と別れたくないために「次のにするから、もうちょっと一緒にいていい?」と電車を一本遅らせる程。
3年のクラス分けでも3人と同じクラスになれたことに珍しく大きな笑み(田村ゆり基準)を浮かべている。

同時に自分と親しい人が他の人と仲良くしているのを見ると激しく嫉妬する。
似た者同士のもこっちに対してはそれが特に強く、もこっちと中学のころから仲良しのゆうちゃんや、彼女に仇名で呼ばれたネモに対しては露骨に嫉妬心を露にし、無理矢理マウントを取ろうとしたこともある。
一応自分でも良くない行為だと自覚してはいるようで、ゆうちゃんに対しては後に謝罪している。

これらの彼女自身の問題は、3年に進級してから本格的に掘り下げられることになる。
そして、打ち上げ回以降表情筋が急激に退化していく


【名前を呼んで】

3年生の遠足を控えたある日の放課後、もこっちとこみさんと共に見知らぬ少女が一緒に談笑している姿を見かける。
その少女こそもこっち達の中学時代の友人だったゆうちゃん
一緒にいた真子と共に3人の談笑に加わったのだが、ゆうちゃんはもこっちとはあだ名で呼び合うなどとても親しい関係であることを知る。
そして、いきなり修学旅行の時の話=ゆうちゃんの知らない話を一方的にまくし立てるという行動に出てしまう。
その暴走ぶりを見かねた真子にトイレに連れていかれた後、上述のやり取りに繋がる(通称・ゆりドン)。
詳細は該当記事を参照

実のところ、ゆりはもこっちと親しくなっても未だに『田村さん』呼びで、彼女から名前を呼んでもらったことが無かった。
それがゆうちゃんに対して感情を抑えきれなくなった一因であることは想像に難くない。

遠足当日においても、ネモが先駆けて「ネモ」「クロ」と呼び会う関係に(半ば強引に)持って行く様を見て、嫉妬心が再発。
様子がおかしくなった彼女に「ねぇ?」と声をかけるもこっちに対して、「……ねぇ?私の名前『ねぇ』じゃないけど?と、ハイライトの消えた瞳で応えた。

その後、アトラクション後のもこっちの『お前』呼ばわりに一触即発になるも、そんな事は知らないご機嫌な吉田さんが介入してお互いに頭を冷やす事ができた。

「黒木さん、私の下の名前知ってる?」
「へ?ゆ…ゆりでしょ?」
「ん……」

呼び名はどうあれ、もこっちが自分を親しい存在として見てくれている。大事な事を見失わずに済んだのだった。

遠足が終わった後は、突然現れて図々しくもこっちと親しげにしている後輩に嫉妬して無視したり、もこっちが自分向けの漫画を選んでくれた事に涙目になったりと日常を過ごしていたがGWを迎えた日に、もこっちに誘われて加藤さんやネモ、岡田さんたちとお茶をしに行く事に。
詳しい内容はこちらを見ていただく事にして、(ゆり的には)もこっちと同じ大学に行くという事になっていたので、GWに一緒に千葉西大学へ見学に出掛ける事になる。

一緒に大学を回りながら、揃ってやりたい事や勉強したいという事が無く加藤さんやネモのようにこの大学に行きたいという事が無いという事を話す。
あるとすれば、吉田さんや真子、もこっちと同じ大学に行きたいというくらい。
でも、そんな選び方じゃダメな気がする。
そんな複雑な心境をもこっちに話すと、もこっちは

いや いいんじゃない

目的ないままとか遊ぶ為に大学行く奴とか結構いると思うし

大学って真面目に勉強するよりサークルとかで遊んでる奴のが案外就職したりするらしいし

だったら友達で選ぶってのもアリじゃない?

と、アドバイス。
特にやりたい事が無くても、自分なりの理由があればそれでいい。
もこっちの言葉を聞いたゆりは「来てよかった。少し楽になった」とお礼を言った。
それから、お昼を食べて加藤さんと出掛ける時に着ていく服を買いに行く。
そして、別れ際電車に乗ったゆりに……、


ま…またね

ゆ…ゆりちゃ…

何と、もこっちが自分の事を名前で呼んでくれたのだ。
それと同時に扉が閉まり、驚きの表情のまま電車は出発してしまったが。

そして、144話でもこっちを名前で呼び、ようやく名前で呼び合える仲になる事ができた。

【キャラの変遷】

登場当初はおとなしめの普通の女子という感じだったのだが、もこっちとの交流が進むにつれて情緒不安定な面が見受けられるようになり、
(主に親しい相手に対して)感情が昂ると思わず手が出てしまう暴力系ヒロイン染みた属性まで得てしまう。
しかも、そういったキャラの大半が属する陽キャとは対極に位置する寡黙でマイペースな性格は据え置き……どころか登場当初より無表情キャラに近づいた。
とはいえクーデレ素直クールとも言い難いし、その手のキャラの多くがコミュ力の代わりに才能面に秀でたキャラとして描かれているのに対し、
ゆりは才能云々に関してはごく普通の少女である。
加えて、多くの女性読者から「こういう友情が重い子、いたいた!」と太鼓判を押されている。
総じて、創作ではあまり見かけない、フィクションとリアルを併合した人物と言えるだろう。

上述の通り、もこっちの努力が実を結び、他者との交流も大幅に改善されたが、ゆりの問題は据え置きのまま。
故に、もこっちに次ぐ劇中で成長していくキャラとして扱われてる節がある。
ある程度成長に区切りがついたもこっちを差し置いて、主人公格と評されるのはこの辺りが理由である。

ちなみに、ゆうちゃんの見立てによると「もこっちのことが本当に好き」 のこと。

もこっちと親しい人物に対しては割と冷淡というか塩対応気味。
中でも遠足にてあだ名で呼び合うぐらいに急接近したネモに対してはライバル心あるいは警戒心を抱いているのか、もこっちとネモが話していると大体いつの間にか近くにいる。
さらに、ゆうちゃんやネモ相手にマウントをとってきたり*1と、もこっちのことになると普段とは別人のようにお喋りになる。
一方でもこっちが加藤さんに対してデレデレになっている時は、二人揃ってもこっちに冷淡な態度を取っている。


【余談】

本作の火付け元である海外においても、田村ゆりはわたモテ人気キャラの一人である。
上述の3年のクラス替えに関しても、無事もこっち達と同じクラスになれ、4chanでは数多の安堵する声が聞こえたとか。

「わたモテ」が連載されている「ガンガンONLINE」では17年から18年の年末年始に、連載作品のまとめ読み企画を行い「わたモテ」もラインナップされた。

他の作品が「1話~○話」というような感じの中、「わたモテ」は


ゆりセレクション


ゆりセレクション


ゆりセレクション

大事なことなので3回言いました。
田村ゆり。まさに、公式も認める人気キャラである。




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最終更新:2024年04月15日 15:49

*1 修学旅行や弟・智貫に関することなど