テイワズ(鉄血のオルフェンズ)

登録日:2017/09/21 Thu 01:26:43
更新日:2024/03/21 Thu 23:48:20
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テイワズとは、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』に登場する組織。
ここでは、傘下組織である「タービンズ」や「JPTトラスト」についても触れる。








概要

木星圏を主な根城とし、地球本土にも影響力を持つ複合商業組織。
製造・建設、卸売・小売、金融、医療、教育、農業、交通などなど多数の部門を有しているが、海賊対策の武装もあってほとんど軍隊並みの装備を持ち、実態はマフィアに近いらしい。というかまんまジャパニーズヤクザ。
叩けば埃は幾らでも出る構成員ばかりだが、少なくとも地球圏での活動時には上手く法の網を掻い潜っている。

地球圏ではただの一企業程度の立ち位置ではあるが、圏外圏ではギャラルホルンですらも迂闊に手が出せない一大勢力。
1期時点では、ギャラルホルンが数百機のMSを保有するのに対して、テイワズ全体では50機と言う設定。
全面抗争になれば勝ち目は無いものの、ギャラルホルンにとっても、特に精鋭が少ないとされる圏外圏の部隊では相手取ると火傷では済まないパワーバランスだった。
主な下位組織は物資輸送を主な仕事とする「タービンズ」、重工業部門の「エウロ・エレクトロニクス」、など。木星~火星~地球間の独自ルートも開拓している。
巨大艦「歳星」が本拠地と代表のマクマードの住居も兼ね、歳星艦内には大規模なMS工房や冠婚葬祭の行える施設、果ては商店街や歓楽街まである。
厄祭戦時代の兵器データも多く所有し、それを活用してギャラルホルン以外で独自規格のMSフレームを新造している数少ない組織の一つでもある。

余談だが、鉄血のオルフェンズ世界ではMSの動力源になるエイハブリアクターは、その設計図をギャラルホルンが独占しているために新規製造できない。
そのためテイワズが自社製造するのもリアクターを除くフレームなどであり、エイハブリアクターは主に宇宙のデブリ帯に漂っていたものを回収して流用しているという。
旧CGSではバルバトスを発電設備としてのみ密かに用いており、法的に見たMSやリアクター単体の扱いの是非は定かではない。
ただ、作中を通してガエリオ・アイン・カルタなどのGHメンバーがテイワズ・鉄華団のMS使用そのものを罪だとして逮捕の理由としたり咎めたりするシーンはなく、二期のマクマードも日常的にMSを使うタービンズについて「やばいブツは扱ってなかった」と語るため、民間組織のMS保有自体は合法なのだろう。
こうした合法と違法のスレスレを行く組織とも言え、曰く数年後が舞台の二期では「テイワズは基本的には合法な組織」となっている。
二期終了時点では如何なる変革を辿ったのか、最終的な組織の立ち位置がどうなっているのかは明らかになっていない。


主な傘下

◆タービンズ
名瀬・タービン率いるテイワズの下部組織。運送部門を担当し、武闘派で知られているらしい。
テイワズ屈指の大規模な組織で、構成員は合計5万人を超える。強襲装甲艦「ハンマーヘッド」を拠点とする。
構成員は全員が名瀬の妻であり、最近産まれた子供だけでも5人もいる。当然全員腹違い。
名瀬のハーレムではあるが、行き場をなくした圏外圏の女性のシェルター的な面もあるらしい。意外と社会派。

◆JPTトラスト
テイワズの直系企業の一つである商社。
部門については作中で明かされなかったものの、装甲巡洋艦「黄金のジャスレイ号」を所持しヒューマンデブリ達を含めたモビルスーツ傭兵部隊*1を傘下に持っている程の財力や、代表のジャスレイ・ドノミコルスがテイワズのナンバー2である事から、タービンズと同じくテイワズにとって重要なポジションだったと思われる。


◆エウロ・エレクトロニクス
重工業産業部門であるMS工房。
戦力拡大の一環として独自に入手した厄祭戦時代の設計図から百錬や百里といったモビルスーツの開発・生産も行っており、その技術力・工業力はギャラルホルンにも次ぐ。



テイワズ関係者

代表

◆マクマード・バリストン
CV.石塚運昇
テイワズのリーダーで、見た目はまんまジャパニーズヤクザのドンを思わせるようなガタイのいい中年の人物。
彼と親子の契りを結んでいる名瀬曰く「地球圏外圏で最も怖い」とのことだが、多くの人物に尊敬されており、彼を慕うものは数多い。
まだ若い鉄華団の面々には、初対面時には菓子を用意して振る舞ったり、三日月を気に入ってバルバトスのオーバーホールを申し出る気前のいい好々爺としての面が強いが、ノブリスやギャラルホルンからの依頼を達成する為に盃を授けた直後に危険な密輸の使い走りとすることを許容している。
クーデリアに対して冷静にテイワズの利益となる選択をするように誘導したり、ノブリスの計略を察するやいなや抱き込もうとするなど、いくつもの「博打」を仕掛ける豪商でもある。
ラスタル・エリオンとも連絡を取り合える間柄ではあるが、彼を含むギャラルホルン側とは注意深く距離感を保っており決してベッタリではない。
マクギリスと接近しすぎる気配のしたオルガには釘を刺している。


タービンズ

◆名瀬・タービン(なぜ―)
CV.鳥海浩輔
テイワズの下位組織「タービンズ」のリーダー。白い帽子にスーツといった、所謂マフィアのような風貌をしている。
裏社会にいる人間としての「凄み」を持った、飄々とした伊達男。意外と義理人情に厚く、女性にはメチャモテる。
彼の艦・ハンマーヘッドのクルーは全員が女性、なおかつ全員が彼の妻or婚約者というハーレム状態。腹違いの子も少なくとも6人以上存在する。
乳幼児の子供達はハンマーヘッド内の託児所で暮らし、成長後は地上の学校に留学することになっている。
彼女達は戦闘行為を強要されている訳ではなく、「女であっても強く生きたい」「戦いこそ自分の生き様」と言った、自己表現の一つとして戦闘員としての生き方を選択している。
しかし、その在り様は対立関係にある者から見れば、「身寄りのない女をたらしこみ、妻や恋人を命を賭けて戦う道具に仕立て上げている、女衒の様な所業」に見えるため、そういった酷評を受けることもある。
名瀬自身、彼女達を常に危険に晒して生計を立てる現状に対して後悔もあり、たとえ自分の下から離れても、自分以上に好きな男が出来て戦いから離れた生活が送れるのであれば最良である。
とも考え、妻達のことを強く想い続けて彼女達との生活を維持している。
エロゲーとは違う現実の一夫多妻制(アラブ圏などではままある)は、男の側に半端ではない財力・体力・度量が要求される。それを考えると名瀬の兄貴の「大きさ」が推し量れるであろう。

当初は鉄華団を「火事場泥棒のガキども」と見なして交戦するが、その実力と彼らの事情を知ったことで評価を改め、彼らを自らの兄弟分としてテイワズ本部に取り次ぐ。
組織、そして家族の長としてのその態度は、それまでオルガが触れてきた「わかりやすい大人」とは違う「大きな人」として、自らも家長となるべく足掻く彼を導くことになる。
しかしタービンズ自体も短期間で大きくなった組織ゆえに足を引っ張られやすいことも自覚しており、その轍を踏みそうになっているオルガのストッパーでもあった。


◆アミダ・アルカ
CV.田中敦子
タービンズの副リーダーポジションであり、名瀬の第一夫人。褐色肌のナイスバディの女性だが、性格は豪胆かつ男勝り。何気に名瀬より背が高い。
若い頃はフリーランスの輸送船護衛で生計を立てており、その時に名瀬と出会い共にタービンズを起ち上げた。
名瀬の愛人たちのことも妹分として可愛がり、彼女たちからは「姐さん」、子供たちからは「大きなお母さん」と呼ばれ親しまれている。
また、腕のいいエースパイロットとしても名を挙げておりスペック上の機体でも互角以上に戦える。
戦傷によるものか、褐色の肌にはところどころ白い傷跡があり、そのせいで子供ができない体になってしまっている。
タービンズは彼女のような「ワケあり」の女性を保護する一面も持っている。


◆ラフタ・フランクランド
CV.日笠陽子
活発明朗なタービンズのMSパイロット。敵機の不調、性能差(スピード)もあったが、三日月のバルバトスを敵に回して終始優勢に立ち回る程の技量を持つ。
鉄華団がテイワズの傘下に入ってからは昭弘や三日月の訓練相手を務めており、彼らを名前で呼び捨てにするなど気安い関係を築いている。
趣味はマニキュア。これまたナイスバディの持ち主。
鉄華団が地球に降下後は名瀬の頼みもありアジー、エーコとともに鉄華団に出向。
最近では特に昭弘に対して彼のひたむきな面に一目置くようになっており、特別な感情を抱き始めているような描写も見られる。
エドモントン突入作戦でグレイズ・アインと対峙し、自機を撃墜され負傷するもなんとか生還。
その後も鉄華団に残り(残らされ?)MSパイロットとして戦うほか、ダンテやライドなどMS操縦に不慣れなメンバーの教育係として彼らをしごいている。


◆アジー・グルミン
CV.國立幸
タービンズのMSパイロット。クールかつ冷静沈着な性格で、任務を確実に遂行する。
アミダ以外では唯一タービンズの制服ジャンパーを着用しない、常にツナギ姿のストイックな女性だが、意外と料理が上手く、アトラにもいくつかレシピを教えた模様。
女性を軽んじる発言には少年兵と言えども静かに、そして真剣に叱る大人の女。
ラフタやエーコとともに地球降下後の鉄華団に同行しており、経験の浅い鉄華団のパイロット達をフォローしている。
エドモントン突入作戦でグレイズ・アインに乗機を大破させられるもなんとか生還。
引き続き鉄華団に残り、ラフタ同様教育係として鉄華団メンバーをしごいている。ラフタが昭弘のことが気になっていることに気付いている。


◆エーコ・タービン / ビルト・タービン
CV.久保ユリカ / 芳野由奈
タービンズの母艦・ハンマーヘッドの艦橋要員。エーコは金髪ツインロールの巨乳、ビルトは黒髪ポニテ巨乳の黒人。おっぱいまみれか!
エーコは腕の良いメカニックでもあり、鉄華団の地球降下に同行し、バルバトスの脚部改修案を提案した。
エーコは火星帰還後もラフタ、アジーとともに引き続き鉄華団に出向している。


JPTトラスト

◆ジャスレイ・ドノミコルス
CV.竹内良太
テイワズの専務取締役にして、傘下企業の商社「JPTトラスト」の代表。派手な黄色のコートを着たケツアゴ大男というこれまたわかりやすいマフィア。
実質的にテイワズのNo.2と言える立場であり、組織内でもライバル的存在である名瀬と、その名瀬が擁する新参者の鉄華団を快く思っていない。
「女は弱いから前線に出るべきではない」「自分の情婦に経済的に支えられるべきではない」「(名瀬の妻であるアミダに対して)俺に飼われる気にでもなったか」といった価値観の持ち主(ぶっちゃけ男尊女卑)。またアミダも「タービンズにいる子はみんな、アンタみたいな男に使われてた連中さ。危険な運びの仕事を、割に合わない安い金でやらされてね」と語る。
名瀬の私生活や絆の在り様を深く知っている訳でもないため、「女を使って成り上がった」と以前から強い敵対心を抱いており、名瀬が若頭になる気配が出たことでさらに危機感を募らせている。
その一方でマクマードに対しては頭が上がらず、作中では鉄華団の処遇に関して、彼と口論になる度に言いくるめられていた。
しかし、幹部会等での発言は、「鉄華団は大きな手柄をまだ立てていない*5ため、テイワズの未来を賭けたシノギを託すのは自分以外の幹部達も納得しない」「(鉄華団の行いに対して)頭や幹部会への許可無しに外部組織と契約を締結するなぞ言語道断」等、
胸の内はどうであれ、口にする道理には真っ当なものもあり、他の幹部達が賛同の意を示すことも少なくない。
ある種、マクマード及び名瀬派に対する派閥の代弁者としての役割も担ったキャラクターである。

実は先代当主の時代からクジャン家とパイプを持っており、テイワズ内での自分の利益のためにはギャラルホルンへと情報を流す事もある。
彼としてはイオクを通じて、ギャラルホルンの最大戦力「アリアンロッド」と繋がりが持てていると思っているが、若くして当主となったイオク個人と深い親交を持っていたわけではないようである。
しかしイオクを煽ったことにより、ハシュマル覚醒というイオクの一世一代大ポカの原因を作る。


◆部下達
CV.手塚ヒロミチ / 綿貫竜之介
取り巻きである2人組の男。
ジャスレイを「叔父貴」と慕っているが、マクマードにバレるリスクを承知でギャラルホルンにタービンズを討たせるジャスレイの企みに関しては苦言を呈するなど、よく言えばブレーキ役、悪く言えば小心者。


派遣メンバー

◆メリビット・ステープルトン
鉄華団の財務アドバイザー兼監視役としてイサリビに派遣された女性。
詳細は鉄華団(鉄血のオルフェンズ)を参照。

◆ラディーチェ・リロト
アーヴラウ代表首長選挙で蒔苗が当選した後に、新たに作られた鉄華団地球支部へテイワズから派遣された監査役。
詳細は鉄華団(鉄血のオルフェンズ)を参照。



保有戦力・艦艇等

テイワズ・フレームMS
詳細は項目参照。
  • STH-05 百錬(ヒャクレン)
  • STH-05R 漏影(ロウエイ)
  • MPM02/AC トリアイナ
  • STH-14s 百里(ヒャクリ)
  • STH-14s/as 強襲特化型ヒャクリ
  • STH-14/T2C カッリスト
  • STH-16 獅電(シデン)
  • STH-20 辟邪(ヘキジャ)

◆その他のMS
  • UGY-R41 マン・ロディ:宇宙空間で運用する事に特化した機体。詳細はロディ・フレームMSを参照。
  • IPP-66305 ユーゴー:通常は逆関節の状態で運用される、デブリ帯での戦闘に向いた機体。詳細はヘキサ・フレームMSを参照。

◆その他の兵器
  • JEE-M103 クタン参型:エウロ・エレクトロニクス製輸送機。

◆TIR-0009 ハンマーヘッド
テイワズの運送部門・タービンズの戦闘艦。艦長は名瀬・タービン。
詳細は強襲装甲艦(鉄血のオルフェンズ)を参照。

◆黄金のジャスレイ号
JPTトラストの旗艦。
ジャスレイ・ドノミコルスが所有する装甲巡洋艦。
その名の通りゴールドを基調としつつも、彼の衣装と同様に所々に紫のアクセントが加わった毒々しいカラーリングに仕上がっている。
ハーフビーク級の艦首と艦橋部の装甲を大幅に強化した「重装甲艦」であるものの、装甲を増やしたせいでブリッジの収納機構がオミットされている。





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最終更新:2024年03月21日 23:48

*1 主に百錬や百里等テイワズ製МSやユーゴー、マン・ロディ等で構成されている。

*2 ヤクザ企業とはいえ、停戦信号を出している民間船や退避中の輸送船に禁止兵器を連続ブッパ、名瀬の最後の抵抗で自軍の艦も1隻オジャンという損失をギャラルホルンに与えた

*3 生前の名瀬が盃を返してタービンズ解散を伝達した時点で、テイワズの流通を担ってきた構成員たちを自らの直轄組織に振り分けて入れると約束したが、これは名瀬当人だけに対する口約束である。名瀬の死後は彼を犯罪者でありテイワズ外の人間として対応するよう直々に指示。しかし、鉄華団が葬式は開くことは黙認して暗にボスの知人としても扱う。はっきり言えば、保身に終始して求心力に欠ける蝙蝠めいた半端な対応である。そのためジャスレイは将来マクマードにも引導を渡すことを視野に入れ、他人の指示を装ってラフタを殺害し、自らが元タービンズ庇護者として名乗り出た。893組織においてボスの意向は本来絶対ではあるが、マクマードの発言力が衰えていたために犯人追及も元タービンズ庇護もこなせず、失望した鉄華団の敵討ちに繋がってしまった

*4 ラフタ死亡回におけるジャスレイの行動は視聴者だけでなく、クーデリア役の寺崎裕香を筆頭にした出演者をも激怒させた。

*5 大海賊討伐を鉄華団は成し遂げたが、マクマードすら「海賊退治は下っ端の雑務」と認めている為、幹部クラスの功績としては弱い

*6 ジャスレイ達の挑発に対し、鉄華団の1人であるユージンはキレそうになったが、名瀬の遺志を尊重していたオルガの制止でこの時は一触即発にならずに終わっていた。