ズフィルード/セプタギン

登録日:2017/09/08 (金) 16:19:40
更新日:2024/04/05 Fri 13:57:03
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恐れることはない…心静かに死を受け入れるのだ


ズフィルードとはスーパーロボット大戦シリーズに登場するオリジナルメカの一種。
類似要素が多く見られるセプタギンについても本項目で解説。
ズフィルードはヘブライ語で「監視」を意味する言葉、セプタギンは七十人訳聖書のラテン語読みが由来。


◆概要(ズフィルード)

スパロボオリジナルの敵勢力であるバルマー軍ことゼ・バルマリィ帝国が保有する最強の兵器。
辺境銀河方面監察軍、通称七大艦隊の旗艦となるヘルモーズにそれぞれ一機ずつ配備されている。

全身がズフィルード・クリスタルで構成されており、艦隊偵察機であるメギロート等から得られたデータを蓄積。
十全な時間を経て解析と進化を繰り返した果てに起動する。
このため、戦況がある程度膠着状態にならない限りはそもそも起動にすらこぎつけられないという弱点がある。
…まぁ、そもそも膠着状態にすらならないような相手はズフィルードを使う必要がないとも言えるが。

しかし、切り札というだけあってその性能は絶大であり、敵対勢力の能力を徹底的に調べ上げた上で、
それを上回る性能を持つ機動兵器となる。
こういった性質故に、艦隊それぞれで全く違った形をしたズフィルードが誕生するという事例もある。
(αシリーズでも人型と要塞型の2種類が登場していた)

かのウルトラマンマニアが器として付け狙っていた頃からの縁でもあるが、
バルマー勢力は何かと自己再生・自己進化・自己増殖の元ネタである某悪魔ガンダムとの関連性が強い。




……そしてこんだけご大層な設定を持っていながら、どの作品でも何かと悲惨な目に遭うことの多い悲劇の機体だったりもする。


◆各作品ごとの解説



●新スーパーロボット大戦

記念すべき初登場作品で、宇宙ルートのラスボスとして登場する。
後の初代αと同じ人型タイプなのだが、そもそも新スパのグラフィックはリアル頭身なこともあって印象はかなり異なる。

ルートの片方でしか登場しないのはまあいいにしてもその最期が、
敗北を認められず錯乱したジュデッカ・ゴッツォ諸共、味方の筈のヘルモーズに砲撃されて爆散という、
初登場の時から何とも反応に困る扱いであった。

所持している武装も後述するαシリーズとほぼ同じ(ジーベン・ゲバウトだけ持っていない)


スーパーロボット大戦α



弱者には死を。それが宇宙の原理だ

今より、ズフィルードの神罰が汝らに下る……


明確に設定が固まったのがこの作品(というかαシリーズ)から。

異空間での最終決戦時、ヘルモーズを落とされたラオデキヤが満を持して起動させる。
SRXサイバスター、その他地球産の一騎当千のスーパーロボットたちからデータを収集した結果、
単機で絶大な性能を誇る人型兵器としての進化を遂げている。
外見も新スパのものを「クリスタル状の鎧を纏った人型」と評するなら、
αのものは「クリスタルがそのまま人の形に化けている」といった感じだろうか。
SD頭身で顔部分が強調された結果、何とも禍々しさの増したデザインとなっている。

尚、αシリーズにおけるズフィルードとは後に登場するバルマーの創生神ことガンエデンの別称でもある。
自軍における神の名称をそのまま冠しているというところからも切り札感が増していると言っていい。

……だが、死闘の末に倒されただけならともかく、直後に登場したそれも私だことユーゼスのジュデッカの随伴機として、
ラオデキヤ共々4体ものコピー体が登場するという衝撃的な展開が繰り広げられることに。

そもそも作中時点で登場した艦隊司令のラオデキヤ自身が10年前に死亡しており、
地球にやってきたのはユーゼスの策略によって用意されたデッドコピーでしかなく、
そのためにズフィルードも真の力を発揮しきれていなかったというオチまでついてしまう。

結果だけ見れば、ラスボスの座すら追われて前座に成り下がっているということに……

とはいえストーリー上の立場はともかくとしても、その性能が今までのボス格を大きく上回っているのもまた事実。
お馴染みのHP回復(大)やEN回復(大)、2000以下のダメージを無効化するG・テリトリーも装備。
更には射程11で移動後も使用可能なインチキ臭い必殺技も追加されている。
味方ユニットの能力がインフレ気味な初代αといえど、まともに攻撃を受ければスーパー系ユニットだろうとタダでは済まないので油断は禁物である。

○武装一覧

  • クロスブレード
両腕から射出したクリスタルパーツが合体して柄となり、そこから更にクリスタル状のブレードを伸ばして武器として形成。
武装名のとおりXの軌跡を描く二連続の斬撃を相手に放って攻撃する。

  • ヘキサグラム
周囲に6つのクリスタルを展開後、全方位にエネルギー波を放出して攻撃する全方位型MAP兵器
グランゾンのグラビトロンカノンと同じく射程は最大であり、理論上は84機のユニットに纏めて攻撃可能。

  • アルドレーザー
両腕を握り締めて前に突き出し手の甲にある計4つの発射口を連動させて極太のレーザーを発射する。
というかあまりにも規模がデカすぎてレーザーなんて生易しいレベルのシロモノじゃない。

  • オメガウェーブ
両腕で念を集中させカラフルな念導弾をいくつも発射して敵機体を拘束。
最後にダメ押しの一発とばかりに漆黒の念弾を相手にぶつけて炸裂させる。

  • ジーベン・ゲバウト
心せよ! 十の神罰が…今、汝らに下る!

機体名にもなっている創世神の力を憑依させ、続け様に左腕に念を集中。
その集中した念の中に相手の機体を放り込んで圧縮、創生神の名の下に神罰を与える最終奥義。
上述したように実質射程がトンデモないことになってる上に威力も高く、何としてでも避けたい技。
発動時にナシム・ガンエデンのシルエットがカットインするが、この時はガンエデンの設定が固まりきる前だったので人型である(ナシム・ゲベルとも人型部分の下半身は本体に埋め込まれている)。



第3次スーパーロボット大戦α~終焉の銀河へ~



銀河の秩序を守るために神鳴る門と汝らが必要だ……

今一度、その力を見極めさせてもらうぞ


火星での決戦において第1艦隊司令エペソがストーリー中盤にもかかわらず起動させて登場。
第7艦隊司令のラオデキヤのものとは違い、地球での戦い以前のデータ蓄積によって進化した結果、
広範囲殲滅に特化した要塞型の姿で現れている。この型の正式名称はズフィルード・エヴェッド。
後にゼ・バルマリィ本星における決戦で、第5、第6艦隊司令であるサルデスとヒラデルヒアもこの要塞型の本機を起動させている。

人型タイプほどの汎用性が無い代わりに、より高火力、重装甲、広範囲殲滅に特化した能力となっている。
HP回復とEN回復技能は据え置きで、あらゆるステータス異状をシャットアウトするフルブロックの技能を追加。
バリア技能のG・テリトリーも無消費且つ小隊全体にまで効果の及ぶディフレクト・フィールドとなり、固さにより磨きがかかった。
初代シリーズの大ボス格がストーリー中盤に姿を現すこともあり、その圧倒的な力で自軍を苦しめる。


……なんて風に書ければ良かったのだが、実の所中盤の登場ということもあり、それに見合った性能に落ち着いてしまっている。
その時点ではエペソ自身が帝国のために捨て駒となる覚悟を決めていたこともあり、敢えて本気を出していなかったため、
ストーリー終盤に再び姿を現すコイツはその時とは比較にならない強化がされている……のは間違いないのだが、
その段階だと自軍側も初代α並かそれ以上に戦力が強化されているので、寧ろ脅威度は下がっていると言っていい。
(そもそもエペソとの決着シナリオの一つ前が、サルファ屈指の強敵と称されるゲペルニッチとの対決シナリオなのも影響している)

それだけならともかくゲーム上の最終的な性能も実際の所は直前まで戦っていたヘルモーズにすら劣り、
挙げ句に最終話ではラスボスに無尽蔵に量産されるちょっと強い雑魚敵レベルにまで成り下がってしまう始末。
仮にもシリーズ初代で準ラスボス級だった機体の同一存在なのに、あんまりな扱いである……

そんなこんなでシナリオ上で敵対する際はそういった諸々の事情もあってそこまで脅威というわけでもなく、
全方位型のMAP兵器とバリアを破る術さえ確保できれば、難なくダメージを通して撃破することが可能であろう。

○武装一覧

  • メス・ハゾン
機体上空に巨大なクリスタルを展開し、全方位に撒き散らして爆発を巻き起こすMAP兵器。
範囲自体は人型のヘキサグラムより縮小しているものの、ステータス異状を引き起こす追加効果が備わっている分より厄介。

  • アルドレーザー
人型と同一名称の武装で極太のレーザーを放出する。機体形状の関係から発射部分は口になっている。
つまるところ文字通りのゲロビである。

  • ジーベン・ゲバウト
心せよ! 十の神罰が…今、汝らに下る!
受けよ、ジーベン・ゲバウト!

これまた人型の最終奥義と同一名称だが内容は完全な別物。
自身を形成するズフィルード・クリスタルを計9つのパーツに分離した後、本体と合わせて計10本のエネルギーの奔流を相手にぶつけて神罰を下す。
人型と違って創世神憑依のカットインが無く、最大射程10で移動後使用不可、最低射程3のため接近されると使えないなど無難な性能に落ち着いている。


◆概要(セプタギン)



対象文明……危険……消去……


OGシリーズではバルマー勢こそ登場しているものの、肝心要の切り札たるズフィルードは姿を見せていない。
(地球に来たのが七大艦隊ではなくネビーイームとそれに属する先遣隊だけというのもあるだろうが)

それに類する存在としてバルマーの脅威となる存在を抹消するカウンタープログラム、メテオ3ことセプタギンが登場。
設定上のズフィルードとの関連性は未だに殆ど明かされていないものの、
その特異な外見や全身をズフィルード・クリスタルで構成していること、
敵対戦力が一定以上の力を見せた際に起動する切り札的存在といった点などに共通性が見られる。

そもそも大元となっているメテオ3にはバルマーが予め仕込んでおいた未知のテクノロジーの数々……
地球側で呼称しているEOTの情報が多数含まれており、DC総統であるビアン・ゾルダークはこれにより、
地球外の侵略者の存在の確信と、それに対抗するためにEOTの解析とパーソナルトルーパーの開発に着手することになる。

勿論、バルマー側もこの流れは織り込み済みであり、メテオ3のEOTによって対象文明の兵器レベルを向上させ、
十分に育ったところで自軍部隊を派遣し、バルマー側の戦力として取り込むというのが狙いであった。
しかし、送り込まれた部隊……つまりは中枢であるジュデッカすらも撃破可能なほどに成長してしまっていた場合、
逆にその部隊はバルマーにとっての脅威になると判断され、そのための対抗措置として目覚めるのがセプタギンなのである。

外見は要塞型のズフィルード以上に異質そのものであり、メテオ3から直接大量のズフィルード・クリスタルが生えている感じ。
セプタギンはそのまま自らを構成するズフィルード・クリスタルを増大させ、地球そのものを取り込む形で文明の消滅を図っていた。

GBA版OGでは熟練度を一定以上集めた際に登場する隠しボス。
リメイク版のOGSではコイツが登場しないとOG2シナリオが破綻する*1という都合もあり、熟練度条件が撤廃されたので通常のラストボス。
特にOGSでは専用BGMの追加や戦闘シーンの演出強化などにより、シリーズ最初のラスボスに相応しい扱いになっている。


○武装一覧

  • エナジードレイン
EN吸収の効果がある特殊武器。

  • クリスタル・マスメル
全身からズフィルード・クリスタルを雨霰と放出して敵を飲み込む全体攻撃。
漫画版においては命中した機体及びパイロットがズフィルード・クリスタルに侵食・同化されてしまう描写が見受けられた。
……『スーパーロボット大戦シリーズ』においては今に始まったことではないがゲーム上の都合とは言え、本来の同化・吸収・隷属能力が再現されておらず幸いの限りである。

  • オメガ・ウェーブ
機体中心部から膨大なエネルギーを放出。
ズフィルードの武器と同じ表記であるが中身は殆ど別物。
OGSではまずセプタギンが地面に降り立って地割れを起こし、その中に相手機体を叩き落す。
そのまま落下した敵を追尾し、接近した後収束したエネルギーを放出。
地面を突き破り地球の外へと吹き飛ばして大爆発を起こすというインフレも甚だしい演出にパワーアップしている。


◆余談

ズフィルードの最終奥義のジーベン・ゲバウト使用時、それぞれのジュデッカ・ゴッツォは共通して、
「心せよ! 十の神罰が……今、汝らに下る!」というセリフを発している。

が、技名がそもそもジーベン=数字の7、ゲバウトは戒めを現しており、意訳で七戒と見られることも多く、
十の神罰というより七の神罰なんじゃ? などとツッコまれてたりも。




追記・修正は創生神ズフィルードの神罰が下ってからお願いします。

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最終更新:2024年04月05日 13:57

*1 セプタギンが破壊された前提で物語が進み、その中からマイが発見されるため。